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オナニー、それは生涯を賭けた孤独なあがき。



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このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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なお、掲載している小説はすべて作りごとであり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

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「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。

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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」
「大輪動会」(連載中)

短編作品
「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

大輪動会-プログラム#24-


 *

「どうも、お待たせしました」

部屋に入るなり、にこやかな笑顔で服部は言った。その手に提げていた鞄を持ち主に返す。

「ああ、どうも……」

疲れた表情で前原はそれを受け取った。見ようによっては、少し頬がこけたようである。

「これで取り調べは終わりです。自由の身ですよ」

「そうですか」

前原は軽く会釈すると、出口へ向かって歩き出した。すると、それを呼び止めて服部が言った。

「もう遅いですからね、お送りしますよ」

「え、いえ、大丈夫です」

「いやいや、ここからじゃタクシーもつかまらないし。そう言えば、もう電車も終わってるなあ。生憎田舎なもんでねえ」

服部はほとんど陽の落ちた窓の外に目をやった。

「はあ……」

前原はちょっと考えてから、

「じゃあ、お願い出来ますか」

と、不承不承頼んだ。これ以上関わり合いになりたくなかったが、致し方ない。

「それか、今晩は一泊していったらどうです? 津田下(つだげ)まで出ても、もう乗り換えはないでしょうし、泊まる所もね」

津田下とは、一番近くのターミナル駅で、ここで乗り換えてさらに本線を目指す。もっとも、津田下自体がこの町とさほど変わらない田舎だし、服部の言う通り、そこまで行っても今日中に帰れる可能性は低かった。駅前にビジネスホテルなどもちろんない。

 しかし、前原は、彼の提案のほとんど初めの方から首を横に振っていた。

「いえいえいえ、結構です。行ける所まで行って、なんとかします」

「そうは言ったって、津田下に泊まるとこなんかないよ。そうだ、金光さんとこに泊めて貰ったら」

「と、とんでもない」

有難迷惑な好意に、前原は辟易した。

「どうして? あんた、顧問弁護士なんだろ」

「いや、それはなんというか、ねえ?」

彼は言葉を濁し、あまり普段はやらない下卑た笑いで誤魔化した。相手の思考レベルに合わせたつもりである。

「ははあ、そうか。こりゃ失敬。ちょっと意地悪だったかな」

察した風でニヤリと口角を上げながら、服部はサービスで同調してやった。

「じゃあね……そうだ! 旅館に泊まっていきなよ。知り合いの所が一軒だけあるから」

「いえいえ、もうそんな」

「大丈夫だよ。誰も泊まってないし。バスもあるから、明日の朝一番で送ってもらうといい。今日は色々あったから、温泉にでも浸かって、ね」

前原がどんなに固辞しても、やたら頑強にこの警官は勧めてくる。ただどんなに世話を焼かれても、今度ばかりは断るつもりだ。こんなことをしてダラダラと居残っていたら、またぞろどんな憂き目に遭うかもしれない。

 だが、彼が食い下がるのも聞かずに、服部は出口の方へ向かった。

「うんうん、まあまあ、とりあえず車回してくるから、もうちょっと待っててもらえる?」

「いや、わたしも行きます」

前原はしがみつかんばかりに間を詰めて、出口に近寄った。この場にまた残されるというのが、不安で仕方なかったのである。

 ガラガラ、と服部が戸を開ける。すると、そこに立っていた慶介ら三名とばったり出くわした。

「おう」

至近距離でぶつかったから少し面食らった風で、服部が挨拶する。続いて、いかにも気安く彼らに指示した。

「ちょっと車回してくるから、お前ら、この人見ててくれるか」

そう言い残すや、服部は早くも駆け出した。

 前原の顔がみるみる青ざめていく。

「お、お巡りさん! こいつらが……」

上ずった声で叫んだが、時既に遅し。服部が角の向こうに消えるのと、竜二によって彼が室内に押し戻されるのとほとんど同時だった。

「な、何をする!」

よろめきながら、前原は虚勢を張った。

「なんもしねえよ」

「ていうか、おっさん、まだ居たんだ」

若者らは口々にせせら笑うと、ぐいぐいと前原に迫ってゆく。前原、後ずさって背筋を凍らせた。冗談ではなく、命の危険を感じた。

「知ってるぜ、おっさん。校内でセックスしたのバレて、捕まったんだろ」

クスクス笑いながら、浩樹がなじる。それを聞いた前原、思わず目を見開いて相手を見た。その反応を見た三人は、一斉にゲラゲラ笑う。

「お、お前ら」

キッと睨み返し、前原は腹に力を込めた。

「お前らの所為で……」

見紛うはずもない、愛人に対して今朝方ひどい仕打ちをした三人だ。さらにその後で仲間を増やして……

「(こいつらさえいなければ!)」

カッとなって、彼は力強く一歩を踏み出した。

「おいおい、どこ行くんだよ」

そう咄嗟に手を伸ばした竜二の脇を辛くもすり抜け、前原は走り出していた。こいつらと言い争っていてもらちが明かない、今はとにかく何も考えず、この場から去るのみだ、と。

「ちょ、待てよ」

三人が追いかけてくる。前原は廊下へ出ると、服部の去った方へ一目散に駆けた。見張りをしていたはずの男、比嘉の姿は見当たらない。後ろの奴らにやられたのだろうか、そんな疑念が頭をかすめた。また、不良らが自分の取り調べを知っているらしいことも気がかりではあった。だが今は考えない。逃げることに一決している今、彼の思考はむしろスムーズだった。

 階段にたどり着く。そこを一気に駆け降りる。服部が見つからなければ、もう車のことなんかいい、走って逃げよう、この町を出よう、そう思った。

 そう、そう思った矢先だった。一階に降りた彼は、思いがけぬものに出くわして足を止めた。

「あっ!」

それは、金光の息子、佳彦だった。向こうもびっくりして、立ちすくんでいる。家に出入りしている関係上、無論顔見知りの仲だ。

 ほんの一瞬躊躇した彼だったが、すぐに使命を思い出した。辛うじて愛想笑いを浮かべて佳彦に頷くと、そのまま廊下を走る。冷静であったならば、少年が何やら恐怖に引きつった顔をしていたことに気付いただろうが、今そんな余裕はない。なぜ佳彦がここにいるのかも疑問に思わなかった。後ろから、階段を走り下りる足音が迫る。

「(どっちだ!)」

思いがけぬ出会いの為に、彼は狼狽して行き先を見失っていた。途中、妙に消毒液臭い場所に差し掛かったが、それが有紀の粗相の跡地だとは知る由もない。

「アッ!」

ツルリと滑って、彼は転んだ。床が僅かに濡れていたようだ。彼は必死に両手をついて立ち上がると、なおも駆けた。

 間もなく、エントランスに出た。そこは、本日最後の残照を集めて、安堵の光をたたえているようだった。

「(やった!)」

歓喜しながら、靴箱の陰を曲がり玄関の方へ行く。そのまま、ほとんど体でぶつかるようにドアを開ける。つもりだった。

 が、その寸前で彼は気づいてしまった、ガラス扉の向こうに、シャッターが下りている。どうする? ドアの施錠を解き、シャッターを開けるか。それは自力で持ち上げられるのか。開閉スイッチを探すか。

「(くそっ!)」

別の出口を探す方が早いだろう。そう彼が判断した時、その一瞬の逡巡が彼の明暗を分けた。

 振り返った時、それはゆっくりと、左から視界に侵入してきた。のそりのそりと、男の影。その向こうにも男。そして、その間に、うずもれるようにして、女、らしき物。

「お……」

手前の男がこちらに気付いた。が、彼が何か対応するよりも先に、右から現れた一団が、その注意を引いた。

「おお」

先頭の慶介が彼らに呼びかける。汗だくの前原に比して、追跡者らの誰も息ひとつ切らしていない。

「おお」

女を介助する一人、すなわち鎌先も、慶介らに応じた。

 両組の再会を目の当たりにしながら、逃げ場を失った前原はただただ硬直していた。

「あ……」

僅かに漏れ出たその声音は、ただ唸ったのではない。本当は、かつて己が愛したその人の名をつぶやくつもりだったのだ。しかし、彼にはそれが憚られた。そのあまりの変貌ぶりに、人定の自信を失ったからである。だが、ほかに該当する人間など居そうもないわけで、彼が呼ばわろうとした名こそ、それの名である蓋然性が高かった。すなわち、有紀、と。

 女はうなだれて、その上髪の毛が影になり、その表情を読み取ることが出来ない。しかも、両脇の男らに肩を借りないと、立っている事さえままならない様子だった。

「(ま、まさか、もう……)」

最悪の場合を思いつき、前原は恐怖した。


〈つづく〉


ひとみの内緒話







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大輪動会-プログラム#23-


 *

 部屋を出ながら、慶介は服部に聞いた。

「でも、こんなんで上手くいくんすかね」

「いくさ。いかせる」

服部は短く答えた。その横顔はこれまでの大らかさから一転、冷たい無表情だったので、さしもの不良少年もゾッとする程だった。この町の連帯意識は、その規模の狭さ故もあって強く、それはある種の閉鎖的闇にも通ずるもので、慶介は大人達が作るその深淵を垣間見たような気がした。

 見張り役の比嘉が顎を引いて合図する。服部は頷き返すと、一人で部屋に入った。不良ら三人は外で待つ。比嘉は別の用事を済ませに立ち去った。

 *

「ほおら、奥さん、残ってるやつも全部ひり出しなよ」

根元まで入った沼尻の中指がグリングリンと、右回転、左回転を繰り返す。しかし、中からはシャバシャバの液体が少し漏れ出た程度だった。

「さっきブリブリと、かなりやったからなあ。もう出尽くしたか」

鎌先がほくそ笑んで自分も指を立てる。これは沼尻に、代われ、という意図で出したものだったが、彼が引かないので、脇から無理矢理ねじ込んだものである。男二人の指が、すぼんだ皺の芯でうごめく。

「ハッアッウッ!」

のけ反った目の前に火花が散ったようで、有紀は中空に熱気を逃がした。その開いた口からよだれ、否や胃液が垂れて滴る。吐き気を催しても、今は何も出ぬようだ。

「もうスッカラカンみたいだな」

彼女の横顔を見て、鎌先は目を細めた。望み通りの具合に仕上がったものだ、と。

 果たして、その穴は完全に人手に渡っていた。かつては肉棒にてくり貫かれ、今は二人から指でほじくり回されている。もはや排泄すら自分の意思では許されず、ひたすら性交の用に供するべく、いや男共の一方的性のはけ口の為に開発された穴だ。ここに男らが性を吐き出す、いわば排泄する穴ではなく排泄される穴になったわけだ。

 と、その時、入り口から声が掛かった。

「金光さん、大丈夫?」

それは、先程の女教師だった。彼女がまた義務としての博愛精神を発揮して、有紀の身を案じに来たのだ。

「電気位点けなさいよ」

口の中でゴニョゴニョ言いながら灯りを点ける。

 鎌先と沼尻は目を見合わせた。しかし、指の作業は止めない。事ここに至りなば、露見まで待ったなしである。ある種の諦めと、一方でヒリヒリするような緊張感が彼らを焚き付けていた。有紀がただ一言助けを求めれば事態は収束に向かい得る。だが彼女には今どうしていいかが分からなかった。

 ブ、ブブブ……返事の代わりに、尻穴が空気を漏らす。

「う……」

女教師は眉間に縦皺を寄せた。彼女はまさか夢にも思わない、肘や肩のぶつかり合う狭いシャワー室で、一人の全裸女が、着衣の男二人に挟まれ、肛門をほじくられているとは。ただ腹の具合が悪い女がそこにいるだけとしか。

 男らの指は、肉棒経験後もなお慎ましいおちょぼ口を左右に引っ張り広げる。淵に引っかかる指は、いつしか各二本になった。計四本の節くれだった指が、グニグニと柔穴をほぐす。

 沼尻はもう片方の手で尻たぶを撫で揺すった。電灯を反射する白い脂肪から、ピチャピチャ音を鳴らして水滴が彼の足元に落ちる。男らはジャージの長ズボンを裾からまくり上げて脛を出し、足元は裸足であった。

 それら六本の足を、ちょっと覗けば外からも見ることが出来る。だがしかし、教師はそれが見える位置まで近寄らなかった。さっき耳にした“ブブブ”が、彼女の足を止めさせたのである。

「着替え、ここに置いておきますからね」

そう言って、部屋の入り口に置き場を求める。さしもの博愛精神もここまでの介護サービスがやっとだった。それでも尽くした方だと思っている、日頃の印象も良くない、その上大それた粗相をした保護者に対してなら。これが生徒なら別なのだが。

 とは言え、全くの放置というわけにもいかない。

「ほんとに大丈夫ですか」

一応の用事は済んだが、去り際にもう一度聞く。まだ返事を聞いていないのだ。シャワーは止まっているし、聞こえないこともあるまい。彼女は耳をそばだてた。すると、何やらピチャピチャ、あるいはクチュクチュいうような音が聞こえる。体を洗っているのか。それと同時に、

「ハ……」

と、微かながら有紀の声がした。これが返事か、とても明瞭ではない。だが女教師は、もうこれ以上追及しようとは思わなかった。思えば、あれだけの恥をかいた後なのだ、通常の神経ならいたたまれないだろう。これ以上の会話は、苛めのような気がした。

「着てらした物、ここにビニール袋置いておきますから入れて下さい。わたし、職員室に居ますから、終わったら声掛けて下さいね」

最低限の連絡事項を伝える。ちょうどそのタイミングで、

「ン……イ……!」

と、声が聞こえた。苦しそうではある。女教師は、しかし、もうこれを返答と受け取ることにした。実のところ、これ以上かかずらいたくない気分もあった。なんとなくながら、この人と関わることは得策でないと、何か不穏なものを感じたのだ。

 果たして、その勘は正しかった。実はその間、有紀の尻性器には男根が突き挿さっていたのである。指のみに飽き足らず、沼尻がとうとう本格的に性交を始めたのだ。挿入の瞬間、声にこそ出さないが、彼はうっとりと、まるで湯にでも浸かるかのように恍惚の表情を浮かべた。相棒へのアピールである。

 鎌先もまたニヤニヤと笑って、彼の方は前の穴をまさぐり出した。縮れ毛の茂みに割れ目を見つけると、肉びらをめくって中身を引き出さんばかりに内部を掻く。クチャクチャ、ヌチャヌチャと音が鳴って、性毛を伝い水滴が垂れた。

 そんな彼が、指に換えて自身の抜き身を挿すのに時間は掛からなかった。個室内で立ったまま、前後からの挟み撃ち。なんのことはない、女教師が心配して話しかけていたのは、膣と肛門に男根を入れられた、犯され保護者だったのである。彼女が聞いたのは、輪姦中の荒々しい吐息だったのだ。

 そうと知らない彼女は、

「もし体調が悪いんだったら、保健室で横になってもいいんですからね」

憐みの気持ちで、去り際にそう言った。すると、またしても、ブブブ、ブーという返事。彼女は顔をしかめて立ち去った。

「行ったか」

クスクスと笑いながら、沼尻が囁く。その手には、背中越しにがっしりと乳房が握られていた。隙間からは乳汁が流れている。

 危機が去ったと見るや、彼はたがが外れたように激しく腰を打ち付け出した。皺の収縮が伸びて、おちょぼ口が彼をむっちりと包み込みしゃぶり上げる。

「これこれ! このケツマンコがたまんねえ」

ヌメヌメした汁が光って、出たり入ったりする。

「完全にマンコになったよ。てか、マンコより締まりいいし」

「ハハ……でも、アナルぶっ込まれてると、前も締まっていいよ」

鎌先も笑顔で言い返した。彼曰く、

「やっぱり女は、前後の穴を塞いでやってからが本物だね」

とのことである。

二人が押したり引いたりを巧みに繰り返す内、気が気でない輪姦女はとうとう気をやり、激しく嗚咽した。

「ヒ、ア、ヤァー……ッ!」

その高音は、既に立ち去った女教師の耳にも辛うじて届いていた。ちょっとギョッとして彼女は振り返る。だが、改めて取って返そうとまでは思い至らなかった。


〈つづく〉


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大輪動会-プログラム#22-

 *

「シッ!」

服部は話し相手と目を見合わせた。竜二とて制止されるまでもなく気付いていた。大きな騒ぎ声が校舎内に響いている。

「何?」

パソコンに向かっていた慶介と浩樹も立っている二人の方を見る。その横顔をモニターの光がぼんやりと照らした。窓から射す夕日もいよいよ絶えつつある。

 見てこようかと申し出た竜二を、まあ待てと服部が止めた。今人に見つかっては説明が厄介だ。少し静まってからにしようというのが彼の考えである。

 結局彼らが部屋を出たのは、浩樹らの作業が一通り終わってからであった。

 *

 待たされる身には、一分一秒が通常よりも長く感じられる。まして、一人取り残されているならなおさらだ。前原は苛々とした感情から次第に不安になっていった。日は刻々と暮れていくというのに、相変わらず事態に動きがない。忘れられているのではないか、そう思って何度も扉の方に行った。そして、窓の向こうにいる人影を見てまた元へ戻る。それを繰り返した。

 そんな時だ、女の悲鳴らしきざわめきが聞こえたのは。

「なんだ!?」

咄嗟に彼は入り口へ駆け寄った。外にはやはり見張りが立っている。彼はコンコンと窓を叩いた。見張りの男が振り返り、そしてうるさそうに扉を開けた。

「なんだ?」

また便所か、という態である。

「なんだじゃないよ、聞こえたでしょ、さっきの」

「ああ……」

比嘉は気のない返事をした。しかしその目には明らかに動揺の色が浮かんでいることを前原は見逃さなかった。

 実際、比嘉は動揺していた。さっきの叫びが聞こえた時、すぐに思い浮かんだのは最悪の事態。すなわち、金光の母が、就中その“現場”が抑えられたことであった。考えてみるまでもなく、これだけ人の行き来する閉鎖空間で、絶対に見つからない場所などあるはずもなかったのだ。

 それでも表向き平静を装い、

「何か……転んだか……荷物でも落としたんだろう」

と、うそぶいてみたが、既に見抜いている前原はなおも食い下がる。

「いや、そんな風じゃなかった。あれは……」

ここまで言いかけて、彼は口をつぐんだ。その脳内にも比嘉と同じ推理が浮かんだ。

「じゃ、じゃあ――」

ここで比嘉が攻勢に出た。

「見に行くか?」

それは、彼らが初めて邂逅した、あの目撃事件を髣髴とさせる提案だった。

 前原はちょっと考えた。だが、どういうデメリットがあるかすぐには判断しかねた。

 比嘉も言う。

「だ、だけど、あんた、見つからない方がいいんじゃないか」

事が大きくなってこじれる、というのである。それは確かに前原にとって望ましくない展開だった。

「しかし……」

前原は比嘉を見た。お前が見てくればいい、と。

「俺は見張りだ」

これでは押し問答である。彼らの移動もやはり、隣室の動きに合わせざるを得なかった。

 *

 思い切りの悪い佳彦は、その時、やっと校舎裏口を開けて中に入らんとしていた。そこで、かの悲鳴を聞いたわけだ。

「ヒッ!」

彼はびっくりして固まった。暗がりの中、人がいるかどうかも怪しい静けさの中に、突如として響いた女達の叫び。ちょっとしたホラーであった。

 やや時間を置いて、彼はやっと少しの落ち着きを取り戻すと、依然身を低くしたまま、這うように廊下に出た。しかし、すぐに首をひっこめることとなる。

 廊下の先に幾人かの人影があった。内容の分からない話し声はそこから響いてくる。

 もう一度、そっと覗き見る。よく見ると、ひとりだけ呆っと突っ立っている者がいる。白い影。佳彦にはそれが、まるで幽霊のように見えた。そう思うと、もうそうとしか見えない。

 すると、どうだ、それがくるっと踵を返し、こちらを向いたではないか。

 目が合った、気がした。彼はヘナヘナとその場にへたり込むと、しばし膝を抱えて震えていた。幸か不幸か、それが汚辱まみれの我が母とは知るべくもなく。

 *

「後ですぐ折り返す」

画面にはそうメッセージが表示されていた。島田からの返信だ。小林が現状を報告したものである。打ち上げに向かった島田や鈴木からは金光夫の現状を、他方居残り組からは金光妻の顛末を連絡することになっている。

「やらかしやがったな」

矢板が苦笑いした。さっきから続々と密偵からの報告が届く。それを聞いた第一声だ。

 悲鳴が聞こえてこの方、旧現場たる空き教室からは次々と身軽な者が偵察に出された。おかげで、何が起こったのか、彼らはつぶさに把握していた。実のところ、あまり聞きたくない話であり、露骨に気分を害した者も少なからずいた。

 しばらくすると、小林に島田から電話が掛かってきた。

「おいおい、さっきの話、本当かい」

開口一番、島田は非難の言葉を口にした。

「だから言ったじゃないか、あんまり羽目を外しちゃいけないよって」

「いやあ、そうは言ってもねえ、血気盛んな男達だもんだから」

小林が擁護する。鎌先のやり方が特別気に入っているでもないが、色々と面白い流れだとは思っている。いわば、彼にとってこれは祭りのようなもので。

「それにしたって、限度があるよ」

島田は納得出来ない。前原を捕える所からのくだりは、彼が大よその絵を描いてきた。高橋が、かつて入札案件で金光に出し抜かれた策をヒントにしたものだ。高橋は、いわばハメられたのであった。

 今回のケースで言えば、金光の顧問弁護士・前原に罪を押し着せ、スキャンダルで金光に打撃を与える作戦なのである。そのことは、主だった者達にも周知していたはずだ。事実として、大筋そのように事は運んでいるが、新入りの提案はイレギュラーであった。

 基本姿勢として、これ以上に事を大きくしたくないというのがある。保身が第一だ。それは共通認識のはずだった。が、一方で狂気的な性欲は否めない。大体からして、島田もその故に、打ち上げに立つ間際まで性交していたではないか。自分が済んだからいい、というのでは筋が通らない。島田もその弱みは自覚していた。

「まあ、とにかく――」

一段トーンを落として、彼は言った。

「そろそろ幕引きに向かわないといけないし、それに、とりあえず場所を――」

「ああ、それなんですけど、大輪館を使えばいいんじゃないかって」

小林が遮って言う。

「え? どこだって?」

「た・い・り・ん・か・ん。ほら、温泉の」

「ああ、ああ、温泉の。あの流行らない宿」

「ハハ、そうそう。あそこの人がね、仲間にいるんですよ、袋田さんと……ええっと……」

「いや、しかし、いくら人が居ないと言ったって、旅館だろ」

「それがね、今日休館日で――まあ、それで従業員さんが運動会に来てるんだけど――わざわざ開けてくれるって」

「ほお……」

思いがけない提案に、島田は思案した。確かに、それなら見つかる可能性は低いが、と同時に、この狂乱がもっと続くということになる。

「ああ、タダでいいって言ってますよ。サービスですって」

小林が電話する後ろで、袋田が笑顔で肯いている。その横から藪塚が、

「どうせ開けてても、お客が来ませんから」

と、電話口に聞こえるように叫ぶのを、袋田が“声が大きい”と、肘で小突いた。

「しかし、そんなに長くは出来ないよ。金光の奴が帰るだろうし」

「そこは島田さん、お願いしますよ」

「無理無理。わしはあいつと口も利けないんだから」

「そんなこと知りませんよ」

ワイワイと相談をし、結局可とも不可とも言えないままに島田は電話を切った。宴席に戻らねばならないからである。とはいえ、彼がどう望もうと、一行が大輪館なる旅館へ行くことになるであろうことは、もはや疑いがなかった。やると言えばやるだろう。もう男達の狂った劣情は止めようもないのだ。

 島田は、会話の最後に、有紀の荷物が残されていること、そしてその中に自家用車の鍵が入っているであろうことを伝えた。本来は、それらの回収によって、有紀を自宅までこっそり宅配し、終幕しようと目論んでいたのである。

 *

 有紀は身を清める為にシャワーを浴びていた。その足元がふらつく。だが倒れることはないから大丈夫だ。なぜなら、同じシャワーボックスに入って、わざわざ手伝ってくれる男達が居るからである。


〈つづく〉


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