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■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」
「師匠のお筆」

短編作品
「大輪動会」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

「師匠のお筆」 5-1-9
『師匠のお筆』


5-1-9



文子は作業を開始した。通常手で持つところを膣穴で代用しているので自ずと作業手順も異なり、普通ならほとんど手と腕だけを動かすべきところ、今はまず体全体を書きたい場所に移すところから始めなければならない。文子は、相変わらず後頭部を抱えたまま、そろりそろりと足を運んで画面左上の方へと移動し、そして、荒い息を吐きながら筆先を画面に落とした。

手で書くのと違い、横棒一本引っ張るのにも骨が折れる。何しろ、筆先の向きが安定しないのだ。おまけに、いくら太めの筆とはいえ、膣の圧迫だけでこれを持つというのは中々過酷な話である。ましてや文子は特殊な鍛錬を積んだわけではなく、あまつさえ穴の内部は粘液でドロドロに濡れていて滑りやすい。筆が抜けないように気を使うだけでも一苦労だ。

文子は膣が締まるように意識して、下半身に力を込めた。すると、肛門がきつく閉まって、尻の筋肉がプルプルと震える。その尻を尻文字よろしく前後左右に振って、何とか文字を作っていく。出来上がるのは、細い線や太い線の入り混じったもので、もちろん全体のバランスなどはもってのほかのいびつな書だ。果たして、これを書と呼んでいいものかどうかの議論もあろう。

書家・枕必は、その点どう解しているのか。
彼はずっとニヤニヤと笑いながらこの様子を見ていたが、もはや自分ではその笑いを禁じることができないほど、この状況を楽しんでいた。彼にとって、これは性的な戯れでありながら、一方純粋に独立した一個の趣味でもあった。

枕必の元には、以前に創作されたこの類の“書”が、既に大量に保管されている。実は、彼が過去にこの趣向を命じたのは、文子だけではない。これまでに関係した幾人もの女性に、これと同じことをさせてきているのである。そうやって出来上がってきたこれらの作品を、彼は後生大事にわざわざコレクションとして残してきたものだ。
彼曰く、これには性的興奮を刺激されるのみならず、もはや芸術的興味すらそそられるということである。女性が膣を使って作品を生み出すということは、女性ならではに宿命づけられてきた行為であり、それ故にある面でこれは人生そのものですらある、と彼は言う。その正邪はともかくとして、枕必がこのコレクションを眺めるとき、大いに心満たされることは事実であった。

作品を見れば、枕必は容易にそれが生み出された時のことを思い出すことができる。
多くの女性に見られた反応は、この行為の性質上、恥じらいおののいて震えるというものだった。涙を流す者もざらにあった。ある学生の弟子を二人並ばせた時は、二人が二人とも極度の羞恥心のために泣きだしてしまったものだ。

また、羞恥心以上に屈辱感を強く抱く者もいる。とりわけ、書道を真面目にやってきた者にそういった例は多かった。やはりこれも枕必の弟子で、幼少の頃より書道を習ってプロとなった者なぞは、情けなさのあまり発狂しそうなほどに身悶えた。彼女としては、長年ライフワークとして培ってきた書道のキャリアを、こんな変態じみた性戯に活かすことになろうとは夢にも思わなかったであろうし、さぞかしショッキングだったのだろう。膣に筆を挿すという発想自体、考え付かなかったに違いない。

ところで、それほど心理的に負担を与えるものでありながら、憤慨したり拒み通したりする女性はこれまで一人もいなかった。そこが、女性の心理の複雑微妙な所である。これには色々な要素がからんでいる。
まず、そもそも関係を持った女性すべてにさせているわけではないので、あらかじめ受け入れられると思しき女性を見抜く枕必の眼力の鋭さがある。そして、両者の間の信頼関係、加えて彼への憧れや忠誠心がある。関係を最初に築くのと同様、彼の事態の運び方の上手さも忘れてはならない。要するに、以上枕必が指導者の故に成り立つ事情というのがある。

一方、女性が先天的に内包する条件もある。まだ文子ほどには至らぬまでも、潜在的に被虐嗜好の女性は多いし、その点はある意味枕必の先の持論が合致するのかもしれぬが、ともかくこれはこの趣向を許す一つの下地となりうる。さらに、女性にもやはり性的好奇心というのはあるわけで、これを刺激されて、一風変わった性的趣向に興味を示すことはむしろ自然なことでさえあるのだ。
実際、すべての者が最終的に協力的となり、またこれに愉しみを見出すようになっていく。そういう面では、この作業に携わった女性の順能力は高いといえるだろう。

文子もそんな女性の一人だ。その作業に取り組む懸命さは、ギュッと閉まった肛門の力の入り具合からもよく分かる。それを見ていると、枕必はついさらなる試練を与えてみたくなる。もっと追い込まれた後にできる、ギリギリの創作を確かめてみたいというのだ。
彼は、きつく閉じた彼女の肛門に、指を入れてやろうかと企んだ。しかし、すんでのところでそれは思いとどまった。なぜなら、以前別の女にそれをやって、紙の上に大便を漏らされたことがあったからだ。さすがの彼も、それには辟易した。女にかけて百戦錬磨の彼も、書道道具の上に糞をされるのは趣味に合わなかったようである。


<つづく>




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