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■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」
「大輪動会」(連載中)

短編作品
「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

ブラック&ワイフ(9)背信

ロクンは精勤に大学へ通った。以前と同様、表面上真面目な彼である。人妻を犯しておいて何が真面目なものか、と世間からは批判も浴びようが、大学に通うのも当然の事、女を犯すのもまた当前の事、彼にとっては全て生活の一部、同列のものなのだ。

その意味で、彼の生活態度は極めて真面目だった。規則正しく任務をこなす。昼からの講義であれば朝から、午前だけの講義であれば昼から、講義のない日は朝から夕方まで、すなわち交尾に勤しむ。

朝のときは、玄関からだ。息子を送り出してすぐに始まる。

「やめ……」

陽子も一応抗いはするが、今や形ばかり。玄関の戸が閉まるや否や、もう彼を胎内に迎え入れていた。そこは今やロクンの居室。彼好みの型にしつらえられた部屋である。

「アグワッ、ウグッ、ワグゥッ……!」

玄関マットの上に抑え込まれて、いつものように求められる。講義の無い日は、そのまま夕方まで。這って行って逃げ出しても、事に及ぶ場所が変わるだけだ。そうして身も世もなくイかされ、惨めにも発情しきっては疲労困憊の日々である。

そこからあえて脱出しようとしない陽子。何しろ几帳面な学生ロクンのことであるから、週の予定は把握しやすい。であれば、それを見越して外出することも可能だ。現に、陽子は事前に分かっている、「今日は一限から」「明日は午後から」などと。

昼からのときは、午前中にシャワーを浴びたりなどする。そうしてさりげなくスカートを履く。これまではあまり履かなかった彼女だ。それでいて無愛想に扉を開ける。ロクンが帰ってきても、別段期待していたわけではないのだと。

「アアッ! ハグァッ……!」

結果はいつも通り。良くも悪くも期待は裏切られない。午後のひと時を、彼と股をこすり合わせて過ごすのが日課だ。

そうしてその後で、二人で静志を迎えに行ったこともあった。

「まあ、この人が留学生?」

保育士や母親達が口々にロクンを見て言った。いずれも物珍しげにしげしげと彼を眺める。陽子はそれらに一種の優越感を感じながら、それと分からぬほど微かに上気した表情を浮かべて相対した。

「ロッくん!」

相変わらず静志はロクン大好きである。保育士達の耳にも彼から留学生の噂は広まっているらしい。

陽子は二人の手を取り、優々と家路についた。息子と、そしてもはやただの留学生とは呼べぬ男と。子宮からこぼれた彼の真新しい温もりが、ひょっとしたら息子に伝わっているかもしれない。それでも満足だ。陽子は母親である前に、女だった。

男は強い。強いから男だ。女はそれに従うことで幸せを覚える。従わなければならないのではない。いずれ自ら選び取るのである。

ロクンは強かった。やがて、そのことが決定的となる一事が起きた。

「近頃随分仲良くなったじゃないか」

夫にそう何気なく指摘され、陽子ははっとした。彼女の生活は、いまだ規律社会のただ中にあるのだ。規律の第一は、"夫"である。

彼女はその夜、夫に抱かれた。

「久しぶりだね」

そんなことを言いながら、彼は喜んで陽子の体を愛でた。さすがの彼女も申し訳ない気になった。

夫は、キスから始め、首筋、胸、腰と口づけしていき、とにかく丁寧の一語に尽きる愛撫を繰り広げた。誰かとは真逆のやり方である。長いことされていなかったので、陽子にはこれが"前戯"というものだと理解するのに時間が掛かったほどだ。と同時に、まるで他人と交わっているような不自然さを感じた。

それが何故なのか、しばらくの間彼女には分からなかった。どちらが自分を愛しているかなんて自明のはずなのに、なんだろう、この違和感は、とばかり。

彼の行為には一々理由があり、いずれも理に適った"段取り"である。極めて理性的で、これぞ人間の性交。すなわち繁殖の為ばかりでない、愛を確認するための行為と言えた。

夫はやがて、股間へと移行した。彼女はまたはっとしたが、時既に遅し。彼はクンニリングスを開始した。ここしばらくの内にすっかり他のオスによって改造され、仕込まれ尽くした産道なのに、彼は何ら頓着せずにそこに口を付けた。

「(何? この感じ……)」

ひと度生じた違和感は収まらない。

実は今朝がたもロクンと一戦交えていた。それはまだ朝食も前にした寝起き様、便所に立った時だ。パジャマを下着ごとズリ下ろされ、そのまま犯られた。今日はそれだけで終わり、ロクンは一日大学へ。陽子もその後身綺麗にして、今夜に臨んでいるわけである。

とはいえ、伴侶の変わり果てた姿だ。夫はなぜ気づかないのか。あるいは、実際妻や夫の股間の具合など、見た目で判別つかないものかもしれない。立場を置き換えて考えてみると確かにそうだ。陽子は自分の不敵さを棚に上げて、冷めた気持ちで考えた。

そしてまた、この行為の不自然さに思いを馳せる。相手がこの一連の前戯を、本当にやりたくてやっていることなのか、それが分からない。もしやりたくないことだとすれば、なぜするのか。この文明的テクニックは、一体誰に対する義務なのだろうか。

ただ唯一彼から望んできた行為といえば、フェラチオである。これはロクンが望まなかったことでありながら、男性本位の行動であった。

もっとも、陽子はそれに応じなかった。

「ちょっと、おトイレ」

などと愛の営みにおいて禁句ともいうべき無粋な言葉を発し、そっけなくベッドを後にしたからである。彼女の中の違和感は、規律に直面してなお、偽り隠せないほどになっていたのだ。

彼女が部屋を出ると、奇しくもその時、ロクンが帰宅した。夜中の帰宅など以前にはなかったことだが、近頃ようやくこっちでも交友の幅が広がった彼なのだ。

出会いがしらで始まる交尾。全く彼の繁殖力は疲れを知らない。今からすれば、ここへ来た当初何もしなかった時期は、獲物を狙い澄ましていたわけである。一撃必中の構えを取って。

事が勃発して間もなく、静志が物音で起きてきた。相変わらずロクンを見て喜ぶ。だが彼はメスから合体を解かない。となると、当然に陽子も彼と密着したままだ。その際、後背位であったのは不幸中の幸いであった。

「電車ごっこ?」

自分を先頭に、母、ロクンと続いて進みだした時、静志は言った。母を突くピストンは、まるで駆動機関のよう。

「ええ……電車ごっこ」

その遊戯に似つかわしくない艶っぽさで答えながら、陽子は今さっきとはまるで違う、しっくりとくるものを感じていた。息子を前にしてすら大仰にたじろがない。あまつさえ、夫との事の最中に抜け出ている所だというのに。

連結車両はそのまま子供部屋に入る。その時から陽子の昇天が始まった。息子の肩をつかむ手に力がこもる。それでもなんとかベッドまでたどり着いた。

「さあ、もうおやすみ」

息子を寝かせる。ここでまた大波が母を襲う。彼女は目が裏返りそうなのを必死にこらえ、僅かに震える手で布団をかけてやった。

「オヤスミ」

ロクンも後ろから声をかけた。二人が何をしているかなんてことは、幼子には想像も及ばない。

「ママ」

「大丈夫、寝るまで居てあげる」

「ロッくんも?」

「ええ……」

ロクンはママのお腹の中にいる。ここが彼の部屋だ。どうして一人帰ろうか。陽子は笑顔で肯いた。

一人部屋を与えるにしてはまだ幼すぎるかとも思われたが、早期の自立を期待する彼女は息子を一人で寝させるようにしつけていた。この点、留学生より厳しいかもしれない。

陽子はそっと布団の上から手を下ろした。そして床に手を突く。そうしないと不審な振動でベッドを揺らすからである。

「ママー、行くの?」

「イ、イかないわよ。大丈夫よ」

四つん這いになって息子に顔を近づける。その頬を彼は優しく撫でた。折しも引きも切らぬ大波が母を翻弄していた矢先である。静志はママのイき顔を見て微笑みながら、静かに目を閉じた。

他方、ママの忍耐は限界だった。我が子から見えぬ下半身はすっかり丸裸にされ、先程夫の唾液で濡らされた穴で巨根にしゃぶりつき、ガクガク痙攣しながら、後はもう声をこらえるので必死だ。

何も知らず、いつしか眠りに落ちた息子のベッドの横の闇で、彼女は死闘を繰り広げた。ふいにある布切れが目に入る。彼女はそれを迷わず口に押し込んだ。それは静志のブリーフだった。

「フグゥー……ングフゥー……!」

子供部屋の床に顔を押し付け、息子の下着によだれを染み込ませながら、ペニスでイき狂う母である。これが男の強さだと、彼女は教えるつもりなのか。

やがて、事が済み寝室に帰る。酔いを得たような陽子は、返す刀で夫との"義務"も果たすつもりだった。

だが、すっかり眠気の方が勝っていた彼は、ロクンが帰ってきたことや静志が起きてきた顛末を聞くと、何もせずに寝てしまった。結局彼は、ロクンが妻と交尾するために、前戯のお膳立てをしたようなものであった。


〈つづく〉

world200*40



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