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■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」
「大輪動会」(連載中)

短編作品
「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

いたずらの入り口

『いたずらの入り口』


“いたずら”――。各種報道においては、“暴行”と並んで便利使いされる言葉だ。法的には、それぞれ“強制猥褻”“ごうかん”という用語があるのにもかかわらず、慣習的にそうは呼ばれない。一つには、被害者に対する配慮といった面もあるのだろうが、実際には、臭いものには蓋をしたがる社会の風潮に、合わせたと言った方が適当なようである。

確かに、“強制”とか“ごうかん”とか言った単語はいかにも仰々しく、上品なる家庭の日常において不釣り合いな刺激性を伴ってはいる。そこで、それら直接的表現を緩和し、さらには“分かりやすい”という追加理由まで挙げて、濁した言葉が好まれるようになった。

しかし、その副作用として、返ってことの迫真性までが薄らいでしまうことになったというのは、当然の帰結だろうか、はたまた皮肉な結末だろうか。ともかくも、その結果として下卑た好奇心の介在する余地が生まれたのは確かだと思うのである。殊に、加害者予備軍の者にとっては、小さからざる要素ではないだろか。

“暴行”については、いまだ理性の障壁が機能しやすいといえども、“いたずら”については、ほんのちょっとのきっかけで踏み込んでしまうほどに、その入り口は足元近くに広がっていると思う。いわゆる“魔が差す”というやつだ。

エスカレーターに乗った時、何の気なしに見上げればミニスカートの女性が上を行っている。そこで、ふいに首の角度を傾けて……。

前かがみになって作業をしている女性。その緩いシャツの襟元からは、丸い双丘、さらにはそれを覆う布地、いや、もっと角度を変えれば、その浮いた布地の奥の干し葡萄まで……。

満員電車の中。たまたま前には女性がいて、彼女の髪がちょうど鼻先に触れ合う位置に。甘い香りが鼻腔をくすぐる。密着する服を通して、彼女の体温までが伝わってくる。ちかんする気はない、ちかんする気はないが、前に捧げた鞄を少し脇に逸らす位は……。

危険因子は、身の回りにゴロゴロ転がっている。どれ一つ取っても命取りだ。法律には違反せずとも、条例違反ということがある。よくよく自戒せねばなるまい。

かく言う私も、気をつけねばならないと思っている。いな、私こそ最も反省せねばならない男の一人である。というのも、既に幼少のみぎりより、“いたずら”嗜好があったからだ。

“いたずら”というと、多くの報道を見る限りおさない女相手に行うのが一般なようであるが、私の場合は違っていて、相手は成熟した女性であった。私がまだランドセルを背負っていた頃であるから、彼女はその当時三十代半ば位だったろうか。それは、同級生の母親であった。

我が母と同じ位か、ひょっとしたらそれ以上の歳だったかもしれず、平生他の子がそうするように“おばさん、おばさん”と呼んでいたが、私は彼女のことを“女”として見ていた。いつ頃からそうだったかは分からない。ただ、彼女がキャミソールやホットパンツ姿で、大きな胸や尻をタプタプ揺らしながらジュースやお菓子を持ってきてくれるのを鮮明に覚えているので、そういうのを見ている内に意識するようになったものであろう。

元来、私は早熟な方であった。幼稚園に通う頃には、既に意図的に手淫することを覚えていた。だから、クラスメイトや先生はもちろん、友人の姉妹や母に至るまで、その頃もう性の対象となり得たのである。

とはいえ、まだまだ子どものことだ。知識は無いし、何をするといって出来ることもない。もしも、現在の知識を有したままで体だけ子どもに戻れたなら、その地位を利用して散々に悪行もできそうなものであるが、その当時の私は、例えば女湯に入ることすら恥ずかしくてできなかった。まったく、人生とはよく設計されたものである。

そんな私が、やっとの思いで冒険した行いが、前述の友人の母に対する悪さであった。あれは、男子が子供らしく女性と戯れられる、ちょうどギリギリの年齢の頃であったろう。彼女がまた、そういう無邪気な戯れを喜ぶ性質で、よく取っ組みあいなどに応じてくれたものだから、ああいう願望も果たしやすかったのである。

私は他の子らがそうするように、彼女に組み付いて暴れた。その過程で胸や尻にも触った。他の子も触っていた。そういう時、彼らにも性的好奇心がないとは言い切れなかったであろうが、私ほど明確に淫らな気持ちを抱いていた者は無かったであろうと、はっきり断言できる。

私は、子どもながらに淫乱であった。乳房を揉んだ時、これを“おかず”に家に帰ってから自慰に耽ろうと考えていたのである。“家に帰って”――そう、確かに最初はそういうつもりだった。だが、そう思った時、さらに淫らな思いつきが心に閃いたのだった。げに恐ろしき“魔が差した”のである。私は、幼くしてあまりに淫らであった。

思うが早いか、私は彼女の広く大きな背中に組み付いていた、きっちりと股間を密着させて。そして、さすがに乳房をつかむことまでは出来ずに、肩の辺りに手をひっかけて、極めてさりげなく、じわりじわりと腰を動かしだした。

彼女は前方の子に向かって何か言っていた。どういう遊びだったのかは忘れたが、前の子への攻撃を、自分は後ろから止めるという位置取りに収まれたのだと思う。とにかく私は、そんな遊びとは無関係に、初めは慎重に、しかし徐々に大胆に半ズボンの前をこすりつけ続けた。

信じられない程の快感が全身を貫いていた。生身の女の体で自慰をしているということが、前代未聞の興奮を身内に呼び込んでいた。女の体は想像以上に柔らかく、また良いにおいがし、そして何より、熱かった。その熱さこそが、本物の女を教えてくれるようだった。

ちらりと友人の顔を窺う。この女の息子の顔だ。もしもう少し大人であったならば、何かしらの心の動きがその後あったのであろうが、その辺り、まだいびつな成長しか遂げていなかった私には、背徳心も何もなかった。悪びれもせず、ただ“田村君のおばさんでおチンチンこすって気持ちいい”とだけ思っていた。そもそも日頃から、“田村君のおばさん”には“オナペット”として、“おチンチン”の“お世話”をして頂いていたのだ。

私はこすった。パンツの中では、パンパンに膨れ上がった陰茎が、卑猥な粘液をまぶして踊っている。同級生の誰も、まだこんな仕業があることを知るまい、そう確信していた。彼らは本当に無邪気だった。本当に純粋で子供らしく輝いていた。私は、時に、そういう彼らが羨ましくも思えたものである。

しかし、ひと度劣情に流された男には、そんな憧憬何の歯止めにもならない。ただただ獲物を狙うような目で周囲の様子を窺い、時折は動きを止めたりと気を使いながら、何とか最後まで持っていこうと必死なのである。

心にもない台詞も吐いた。黙っていて怪しまれてはいけないからだ。そうして、そういう台詞を五回ばかり吐いた時だろうか。終焉の時はあっという間に訪れた。最後の三回ばかりは、本当のセックスのように大袈裟に腰をグラインドさせ、そして最後には思い切り腰を前に押し出して、果てた。

その瞬間、じっと股間を見つめたが、半ズボンを通しては、何らの変化も認められなかった。私は、それを幸いとしてオナペットから身を離した、ついにばれることなく目的を達成したのだと満足して……。

それから後も、田村の家には度々通った。“チャンスがあれば、また”そういう思惑は当然にあってのことだ。だが、もう二度とそんな機会は巡ってこなかった。“もっと以前なら、ボディータッチの機会なんていくらもあったのに、どうしてもっと早くあのオナニーを思いつかなかったのか”と、後悔さえしたものだ。

だが、改めて考えてみると、当然の結果なのかもしれない。そもそも、あれが本当にばれなかったのかどうか、怪しいものである。相手は大人だったのだ。こちらがいかに細心の注意を払っていたつもりでも、所詮は子どもの思いつき、何をやっているか位、お見通しだったのではないだろうか。いかに小さなものでも背中に勃起を押し付けられて、気づかないと計算する方が、浅はかだったのではないだろうか。

そう考えてみると、紙一重の結末に、思わず背筋が寒くなる。あれが子どもの頃の過ちで本当に良かった。ああいういたずらの入り口は、今もすぐそこに転がっているのかもしれず、ついフラフラとそこに迷い込んでしまえば、行先は地獄、大人の今なら人生を棒に振る話なのだ。

彼女には、よく見逃してくれたものだと、その寛容さに感謝するばかりである。やはり、気づかれていたのだろうと思うから。


<おわり>




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