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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」
「大輪動会」(連載中)

短編作品
「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

「青き山、揺れる」(56)

――ある日の稽古のことである。例によって努素毛部屋に来ていた祐子は、その日なんと自分も稽古に参加することになった。親方黒岩の計らいである。これまでに相撲のけいこ風景は、取材で何度となく目にしてきた。しかし、自らがその輪に加わるというのは考えもしなかったことである。彼女は喜び勇んでこの案を承諾した。単純に、力士と同列の体験をできるのが嬉しかったのだ。

ただ、いざ現場に臨む段となると、尻ごみせずにはいられなかった。なぜなら、力士は当然に裸ということで自分も脱がなければならず、しかも、彼女用のマワシが無いということで、下半身まで丸出しで土の上に立たなければならなかったのである。

稽古場には黒岩のみならず、お馴染みの面々も顔をそろえていた。確かに、いずれの男ともすべてをさらけあった間柄ではある。しかし、白昼堂々、しかも全員の前で裸になるというのは、これがセックスの場ではなく、少なくとも建前上は彼らの仕事場であるという事情とも相まって、ほとんど耐えがたい羞恥であった。

「さあ祐子ちゃん、こうぐっと脚を開いて」

親方らしく、熱心に指導をする黒岩。もし身なりのことがなければ、ただの楽しい体験教室であったろう。しかし、祐子は全裸なのだ。大人の女が丸裸で男に混じるというのは、やはりただごとではない。

そんな彼女の気遅れを見通して、黒岩が重ねて言う。

「ほい、もっと真剣にやりなさい」

まるで、稽古場の土を踏んだからには公私混同の甘えは許さない、とでもいった風のしかめつらしい調子だ。が、日頃の彼の所業から考えて、その低俗な真意は見え透いている。現に、ついさっきまでも祐子のアヌスをいじくりまわしていたのである。

祐子はその弄ばれた所を意識しながら、しかし隠すこともままならず、彼の建前に従って黙々と耐えるしかなかった。これはあくまでも相撲体験なのである。なんとなれば、平生自ら志願してさえいたのだ。そう心に念じながら、とにかく真面目に教えられた通りのことをこなしていく。

脚を大きくがに股に開き、交互に土を蹴り上げる。いわゆるシコを踏むという動作である。仮に外見への憂いがなくとも、慣れない身には相当難しい動きだ。運動には自信のある祐子でもかなりきつい。すぐさま全身から汗が噴き出してくる。爽やかなだけでなく、妙な脂汗まで交えて。

足を高く上げる時、腿の裏はもちろん、その付け根、繁茂する性毛の様子まで丸見えになる。さらには、上げた脚に引っ張られて、陰唇まで開くようすにすら彼女には感じられた。外気に触れたその陰唇の内にも、じっとりと汗がにじむ。

後ろから見守る黒岩の目にも、その様子は丸見えだ。特に彼のご執心の場所は、彼と面と向かう位置にあったから、そこの皺の一本一本までがよく確認できた。息を吹きかければ、その周囲の縮れ毛がそよぐ程の近さである。そもそも、彼女のこの肛門周りの剛毛ぶりは、彼の好みによって処理されずに保存されてきたものである。

今そのコンプレックスでもある部分に痛いほどの視線が刺さっていることを、祐子は肌で感じていた。それは、体の前面についても同様だ。輪になって同じ構えをとっているために他の面々もこちらの様子をよく確認できる位置にあったが、彼らの前に我が豊乳は放り出されているわけである。赤井なぞはニヤつく表情を隠そうともしなかった。

彼らの中には間違いなく勃起している者もあったろうが、生憎とその様はマワシに隠れて見ることができない。片や、水滴で濡れて尖っている下の毛までさらけ出している祐子である。マワシという布切れ一つでこうも境遇の違うものかと、彼女は嘆いた。もっとも、彼女は女なれば、そのためばかりでないことは言わずもがなである。胸を覆わない時点で猥褻のそしりは免れないのが世間である。

「ほれ、もっとケツに力入れて」

黒岩は言い、それと同時に祐子の尻を平手で打った。ピシャン! と、大層な音が天井にこだまする。

「はいっ……!」

痛む尻を震わせながら、祐子は健気にも返事を返す。体育会系であり、かつ嗜虐傾向もある彼女ならではの忍耐であろう。言われた通りに意識して力を込める。と、尻のみならず背中の筋肉までも動く。

シコを踏む。土を蹴り上げ、それをまた下ろす。黙々とそれをこなす。傍目には滑稽な姿である。きれいにメイクを施した妙齢の女が、全裸ながら真顔でがに股の姿勢をとっていいるというのは。ともすると、いじめのようにも見える。そして、その色を強めるかのように、親方の平手は続々と飛ぶ。

尻、腿、背中、腹、といとも衝撃的な音響を響かせて、重量感のある張り手が打つ。

「ンッ……クッ……ンハッ……はいぃ……!」

その度ごとに呻きながら、祐子は耐えに耐えた。相撲の稽古において、叩かれるのは当たり前である。現に、赤井はじめ他の者たちも、ビシバシと叩かれている。これを体罰とは呼ばない。一般のスポーツでは考えられない風習である。だがこれが、角界なのだ。祐子もその辺りはよくわきまえており、暴力だ何だと騒ぎたてる気などは毛頭ない。それに、女の彼女に対してはこれでも加減されているのが明らかなのである。

ジンジンとうずく痛みが体を火照らせていく。それは、苦しみよりもむしろ喜びを感じさせた。呼吸は慌ただしくなり、心臓は高鳴るが、次第に恥ずかしいという気持ちは後退していく。それに合わせて、祐子はいつしか運動に集注していった。

と、そんな時だ。折角没頭しだしたというのに、それを阻む出来事が持ち上がった。

「ほい、もっとケツ締めんかい」

その一言とともに、黒岩の強烈なしごきが始まったのである。あるいは、それは邪魔ではなく新たな試練の提供だったのかもしれない。

「ングウフ……ゥ……!」

祐子は眉根を寄せ歯を食いしばった。彼女の毛深いアナルに、彼の親指が深々と喰い込んでいた。これはもう稽古どころではないと、愁眉を彼の方へ振り向ける。

だが、そんな彼女に、彼は冷徹に言い放った。

「ほれ、しっかりシコ踏まんか」

命令は、有無を言わさぬ威厳を備えていた。祐子は気力を振り絞り、再び脚を上げ始める。ドクンドクンという脈の音が耳元で響き、視界はグラグラ揺れだす。滴り落ちる脂汗によって、おくれ毛はぴったりと顔に張り付いていた。アナルに入った指は、そのまま彼女の全身を持ち上げてしまいそうである。そんな中、とても脚など上がらない。

「ダメだダメだ。もっと力強く!」

指導者として、親方はそれに納得しない。空いている方の手で相変わらず尻をスパンキングしながら、彼は祐子をせき立てた。

祐子は、顎をガクガク震わせながら、何とか頑張って脚上げを試みる。しかし、頑張ろうとすればするほど肛門は異物を締め上げる形となり、彼女から気力を奪っていくのだ。どうにも集注できそうにない。あまつさえ、指は中で向きを変えたり、またそれ自体上がったり下がったりする。

膝に置いた手からも力が抜けていく。それでもリタイヤは許されない。尻穴に指を挿され、尻を叩かれてなおピョコピョコと脚を踏み変えるその様子は、なんとも間抜けな操り人形であった。

「ウッ……ウッ……」

うっすらと涙がにじむ頃には、祐子は軽い目まいを覚えだしていた。しかし、既に性器としての役目をも担って久しい淫肛であったから、彼女はその目まいのさ中にも、一種の快感を覚えずにはいられなかったのである。それを、自身情けないと知りつつも、倒錯した悦楽からは逃れる術などなかった。

だから、肛虐の親指がグリグリと容赦なくスナップを加えだすのに合わせて、前方の性門までも別な指でほんのちょっぴりながらほじくられだした時には、ひとたまりもなくへたり込んでしまうのだった。それまでぎりぎりまで突っ張ってきた精神もついに決壊した。完全にノックアウトである。

ところが、これだけで稽古が終わりというわけではなかった。角界の鍛錬は、実に厳しいのである。


<つづく>




<目次>
(1)~(10)(11)~(20)(21)~(30)(31)~(40)(41)~(50)
(51)~(60)

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