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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」
「大輪動会」(連載中)

短編作品
「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

「青き山、揺れる」(42)

「何? 指チンポだ?」

いかにも呆れたという口調で、緑川は言った。

「そんな名前で呼んでんだ?」

彼にとっては意外な収穫であった。いな、彼ならずとも想像だにしなかったことだろう、妙齢の女性の口からそんな単語が出てこようとは。しかも自発的にだ。

祐子自身びっくりである。彼女は自分で言っておきながら、その後で、サアッと頬を赤らめた。一方で、体内の興奮は異常なほどに盛り上がっており、それによって沸騰する血液が、彼女をして一段と破廉恥な行動に走らせていく。

祐子は、両の手の中指と薬指をそれぞれ揃えると、その四本の指で、小陰唇を両側にめくり広げてみせた。シェークされた粘液が、その合い間からトロリと漏れいずる。

「すげえな。マジでど変態だな」

緑川は言った。

「アハアァァ……」

返事とも何ともつかない、大仰なため息を吐く祐子。淫獣の咆哮とでも呼ぶべきだろうか。その水蒸気の一粒一粒が、まるで愛液なのではないかというほど、彼女は今性の権化と化して見えた。

「さすがにヒくわ」

冷笑を浮かべて、緑川は言った。だが、その言葉とは裏腹に、彼の肉茎はいきり立っていた。オスとして、目の前の肉に素直に反応しているのである。祐子が思い切った甲斐のあったというものだ。

もっとも、何もかもさらけ出して本気の自慰に走り出した彼女は、もはや賞品という目標を見失っていた。彼女は、クリトリスを親指でこねくりながら、ヴァギナを縦横無尽にかき回して、ひたすら己の快楽を目指すことにのみ集中しだしていた。

「イく……イ、ヒ、イく……イく……」

うわ言のように、その口から喜悦の言葉が漏れる。すると、その様子を見ていた緑川が言った。

「おい、もうチンポはいいのか? 指チンポでイくか?」

決して本気ではなかったろうが、やや嫉妬を感じはしたらしい。猪突猛進なこの盛りのついた飼い犬をしつけるべく、彼は冷静な判断で、再び自身の陰茎への興味を喚起させようとした。

「あ……あ……」

顎を上げ、小鼻を膨らませる祐子。やがて、腹から搾り出すような声で言った。

「欲しい……!」

言ってから、唇を内側に入れて、その表面を湿らせる。いかにも食い意地の張った仕草だ。

「へっ――、じゃあ入れてやるか」

鼻で笑って、緑川は彼女を突き飛ばすようにして仰向けにさせると、その股へと肉棒を近づけていった。ゴクリと生唾を飲む祐子。と、ここで、緑川がふいに、意表を突く質問をしてきた。

「もうゴム着けなくていいよな?」

「え?」

祐子ははっとして、その刹那我に返った。実のところ、この確認をされるまで、避妊具の有無に気が付かなかった。もし指摘されなければ、何の疑問も持たずに受け入れていただろう。それほど、彼女は舞いあがっていたのだ。

「もういらねえだろ、コンドーム。生でやらせろよ」

緑川は、その固い突起で陰唇を突っついてくる。祐子が意識しなくても、膣口はその突起を勝手に吸いこんでしまいそうだ。激しい煩悶が彼女を襲う。

(生で……?)

それこそ本来のセックス、すなわち子作りのための性交渉を意味する。だが祐子は、これまでそれをしたことがなかった。子作りをしていながら、避妊をし続けてきた。人間ならではの矛盾、エゴなセックスである。

努素毛部屋での数々の淫行も、常に妊娠の危険を回避しながら行ってきた。それは、相手方の方でも推奨していることだった。いつでもコンドームが常備してあるあたり、いづ美もそのようにしているのではないだろうか。

「あんたも生の方が気持ちいいんだろ?」

彼女の逡巡を愉しむように、緑川がけしかける。

(生……気持ちいい……)

これまで意識にのぼらなかったことが、とても重要な意味を帯びて彼女の心を占めていく。これまでは、特にこだわりもしない一方で、当たり前のこととして避妊をしてきた。それは、現在の立場になる以前からのことだったが、やはり世間の注目を浴びるという職業柄からも言えることだった。仕事には、プロ意識の強い彼女である。

だが、今まで考えもしないことだったが、避妊具を着けるのと着けないのとで、快感に差があるように彼は言うのである。彼女の心は揺れた。あまつさえ、体は極限の状態で男を欲している。

(今回だけ……)

祐子はぐっと股を開いた。無論、いつぞやのように、今回もやはり前途が闇に閉ざされているとの諦観が後押ししているのは確かだ。

「して……」

ついに彼女は言った。自分の子の父親を決定するかもしれない重大な決断だったが、何の臆面もなく言った。決して子供を産みたかったのではない。ただただペニスを入れてほしかっただけである。祐子は浅薄な女だった。

そんな彼女にカメラを向けて、緑川は詰め寄る。

「何してほしいか、はっきり言いな」

そのレンズを見つめ、祐子は言った。

「入れていいです……おチンポ……コンドームなしで……」


<つづく>




<目次>
(1)~(10)(11)~(20)(21)~(30)(31)~(40)(41)~(50)
(51)~(60)

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