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■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」
「師匠のお筆」

短編作品
「大輪動会」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

「青き山、揺れる」(31)

と、その時だった。

「なんだ、ばれたか」

ガラリ、と襖が開いて、男が一人入ってきた。なんと緑川である。さっき出ていったと思ったら、外から覗いていたのだ。驚いたのはそれだけではない。

(カメラ!)

祐子は戦慄した。彼の手には、ビデオカメラが握られていたのだ。つまり彼は、覗きをしていただけでなく、盗撮までしていたわけだ。いや、今もなお二人がつながっている所を撮り続けているのである。

「キャッ!」

思わず悲鳴を上げて、祐子は立ち上がろうとした。しかし、緑川がそれを強引に押しとどめて言うよう、

「おい、白木、しっかり捕まえとけ」

白木は先輩の指図に、反射的に祐子の尻を押さえつける。緑川はそれに満足して、

「よし、いいぞ。そのまま続けろ」

と、不気味な笑みを浮かべながら、カメラを彼女の尻の方へと近づけていく。

(な、な、なんなの!)

祐子はパニックに陥った。セックスしているところを録画されてしまった、しかもまだ彼は、カメラの前で白木に続きをやれと言っている、一体これはどういう状況なのか、まったくもって意味が分からない。

白木は緑川に命じられるままに、腰の上下運動を再開させた。

「ちょ、ちょっと!」

祐子は焦って、彼の腹に手を突っ張る。だが、彼はやめようとしない。上に乗せた彼女を、下から突き上げて揺さぶり続ける。彼は撮られても恥ずかしくないのだろうか、それとも、やめられないほど緑川が怖いのだろうか、祐子は不安になった。カメラの前でセックスを演じるなんて、これではまるっきりアダルトビデオではないか。

「おお、おお、入ってる入ってる」

結合部を接写しながら、緑川が囃したてる。レンズには今、祐子の陰唇の肉がぱっくりと割れて脇に盛り上がり、その狭間に白木の肉茎がブスリとめり込んでいる様子がくっきりと映し出されているのだ。

緑川はさらに揶揄を重ねる。

「ケツの穴も丸見えだ。ほら、パクパクいってる」

「いやっ!」

恐怖にかられて、祐子は暴れ出した。だが、尻を抱く白木の頑丈な腕に挟まれて、彼女の両手はびくともしない。この時ばかりは、相手が力強い力士であることを恨みに思った。最大の恥部を間近でカメラに収められ、屈辱と羞恥から、もはや生きた心地もしない。

しかし、緑川は、そんな彼女をなおもいたぶり続ける。

「しっかし、相変わらず剛毛だよねえ。ケツ穴までボーボーじゃん」

(やめてぇ……)

祐子の目に涙が滲んできた。余りにも惨めだ。彼の言葉は、祐子のコンプレックスを的確に突いてくる。

「いくら親方が剃るなっつったてもねえ。これ生え過ぎでしょ。パンツ履いても、毛がはみ出るんじゃねえの」

緑川の毒舌は止まらない。

「よくそんなかっこでテレビ出られるよね。ていうか、もう放送で映ってんじゃね。苦情くるだろこれ、マン毛がボーボー過ぎって」

次々と浴びせられる嘲りの台詞が、祐子の意識をぐるぐると占拠していく。耳の奥がキーンと鳴り、冷たい汗が全身に噴き出してくる。ひどく気だるい。熱病に侵されたような感覚だ。

彼が言うように、まさか本当に陰毛がテレビに映っているとは思わない。思わないのに、彼女は著しく不安になり、ちゃんと毛が収まるように下着を履いていることなどを、真面目に思い出すのだった。もう完全に気が動転してしまっていた。

緑川は、そんな様子をニヤニヤしながら見ていたが、まだ飽き足らないらしく、とうとう決定的に残酷な言葉を放ってきた。それは、彼女を絶望の淵に引きずり込む一言だった。

「この映像、ネットにばらまいてやる」

祐子は耳を疑った。緑川は、いとも楽しげに語る。

「もう苦情どころじゃねえな、こんだけはっきり映ってたら。完全にチンポ入ってるもんなあ」

言いながら、彼は大笑いする。

「クビかもね。あ、クビなる前に辞めるか。もう会社いられないっしょ、だってみんなあんたのマンコ知ってんだもん」

(え? え?)

あまりの衝撃で、祐子は事態の推移についていけない。ただもう、どうやら人生の土壇場に追いつめられたらしいことだけは理解できた。

「どうする? テレビもさすがに厳しいんじゃね? それともキャラチェンジする? マンコ見られて、もう真面目な顔とか無理っしょ」

実に饒舌に語る緑川だ。彼は憎たらしい言葉を、次から次へと並べ立てる。

女子アナからAVとか、結構イケんじゃね? ああっ、でもダメか。このビデオで先にマンコ見られてるもんな。あんま金にならねえかもな。じゃあ……後は風俗かな。ま、あんたみたいなババア雇ってくれるか分かんないけど」

心配してもいないくせに、彼は勝手に祐子の進路を決めていく。祐子は、腹を立てるのも忘れて呆然としていた。彼女の顔からは、血の気が失せていた。


<つづく>




<目次>
(1)~(10)(11)~(20)(21)~(30)(31)~(40)(41)~(50)
(51)~(60)

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