オナこもりの小説
熟女・巨乳多めな自作エロ小説を中心にシコシコ更新
最新記事

RSSリンクの表示

アダルト検索サイト

どスケベな方向けのお役立ち検索サイト。

このブログをリンクに追加する

テキスト系リンク

巡回サイト

ランキング

話題のグッズ

オナこもりの為に。

二次元PR

如月群真 常春荘へようこそ 由浦カズヤ ふたりよがり 草津てるにょ パコパコしちゃう ミル・フィーユ 覚えたて 木静謙二 こんなに優しくされたの みやびつづる 母の哭く家 十六夜清心 母姉W相姦 タカスギコウ ユメウツツ 黒木秀彦 37歳欲しがり妻 景山ロウ  若妻ほんとに好きなの 堀江耽閨 熟女ゲーム 巨乳人妻教師~恥辱の校内調教~ML 親戚の小母さん~離れの熟女、本家の後妻~ 息子の友達に犯されて 同人通販

エロ動画

ダイヤモンド映像 アトラス21 h.m.p クリスタル映像 ビッグモーカル TMA 宇宙企画 グレイズ MAX-A ワンズファクトリー 桃太郎映像出版 SODクリエイト Waap アイエナジー MAXING ドリームチケット シネマユニット・ガス BoinBB.com タカラ映像 プレステージ オフィスケイズ ドキドキVacation 冬月かえで、満足度満点新人ソープ DX
清楚な受付嬢のいやらしい営み 涼子 艶乳 北原多香子 アリスJAPAN30周年記念 「フラッシュパラダイス」から「逆ソープ天国」 まで歴代人気シリーズに全部出ちゃいまスペシャル!! 辰巳ゆい
ひなと子作り新婚生活 秋吉ひな 92cm&Hcupの爆乳女教師が優しく中出し授業 花美ひな 巨乳のサンプル動画が見放題! 彩名杏子の巨乳を味わえ!! アリスJAPAN専属女優 麻美ゆまの超高級ソープ! チ○ポがグングン伸びる 褒め淫語パイズリ 佐山愛 99cmIcup 青山菜々 制服の似合う美乳コレクション2 吉田絵理香ほか ノーカット 星ありす 乳フェチ感謝祭パイズリ凄抜きテクニック JULIA 本能剥き出し生中出しセックス 橘なお kira☆kira BEST 立花樹里亜スペシャル8時間-特別編- 彼女のお母さんは巨乳と中出しOKで僕を誘惑 吹石れな
熟女のサンプル動画が見放題! 屋根裏に棲む情欲 ~美人妻の淫猥な二重生活~ 樋口冴子 初撮りおばさんドキュメント 生稲さゆり 冴島かおりママの淫乱!卑猥な性活 デジタルモザイク匠 ごめんね、お母さんも女だったの… 中園貴代美 全裸系近親○姦 僕のママは裸族で癒し系。 荒木瞳

長い垂れ乳に包まれて… 黒沢那智 デジタルモザイク匠

カテゴリ

ユーザータグ

人妻 輪姦 中出し 巨乳 熟女 寝取り寝取られ 羞恥 アナル 童貞 女子アナ パイズリ CMNF 手コキ お掃除フェラ フェラチオ 口内射精 三穴同時 二穴同時 露出 顔射 覗き 爆乳 強姦 オナニー 青姦 飲尿 乱交 痴女 浴尿 黒ギャル 3P イラマチオ 顔ズリ レズ 潮吹き カーセックス 淫語 お漏らし 放尿 SM アイドル Wフェラ スパンキング 母乳 和姦 ぽっちゃり ボディー洗い 顔コキ 駅弁ファック チンポビンタ ソープ Wフェラ 玉舐め 連続フェラ アナル舐め 言葉責め 痴漢 女教師 CFNM 若妻  寝取られ 中出し 巨乳 熟女 人妻

検索フォーム

全記事タイトル表示

◎表示する◎

過去に掲載された全ての記事のうち、そのタイトル部分だけが新着順に一覧表示されます。
ブログ全体の目次のようなものです。

プロフィール

ジーズリー

Author:ジーズリー
よろこばしっとよ~!

オナニー、それは生涯を賭けた孤独なあがき。



作者が思いついたエロ話を羅列して自分を慰めるブログです。下品な妄想と低俗な文章に股間で共感して頂けたら幸いです。

おまけ投票コーナー

もっとエロい動画

もっと赤裸々に見たいっ、という方向けのサービス。

その他PR


おことわり
R18
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

>googleでほかのページを検索する<



なお、掲載している小説はすべて作りごとであり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

お知らせ
「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。

お問い合わせは、コメント欄か拍手からお願いします。どの記事からでも構いません。



<おすすめサイト更新情報>

正しいH小説の薦め官能文書わーるどAdult Novels Search官能小説セレクション
妄想の座敷牢ひとみの内緒話羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」
「大輪動会」(連載中)

短編作品
「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

「青き山、揺れる」(4)

「じゃ、あとよろしくね。……ほんと助かるわぁ、祐子さん来てくれて」

そう言い残して、いづ美は部屋を出て行った。それとほとんど入れ違いに、ぬっと現れ出でた男がある。いづ美とのことを惜しがっていた祐子も、その顔を見るや、また一気に期待に胸を膨らませた。

それは黄本(きもと)という男、入門順から言っても階位から言っても、努素毛部屋では上から二番目の力士である。もっとも、二番目といったって、この部屋には彼を含めて四人しか相撲取りがいない。まったくもって小規模極まる部屋なのである。

しかし、それゆえにアットホームさが強いと、祐子は思うし、またその雰囲気を好んでもいた。人数が少ない分一人ひとりへの思い入れも濃くなるし、かわいくも思えるもので、同じ取材対象であってもここに特に肩入れしてきたのは、決していづ美が女将であるためばかりではないのだった。

「お、お久しぶりです、祐子さん」

でかい図体に似合わず、心細い声で黄本は言った。黄本は現在二十代後半で、体力的にも実力的にも最も充実した時期を迎えているはずだったが、今だその素養を発揮できず、ずっと上へ抜けられないまま伸び悩んでいるのだった。

その原因は、彼のメンタル面の弱さにある。というのも、ここ一番という時にいつも負けてしまうのである。取り組み以前に気迫で負けている感じなのだ。稽古は真面目だし、技術の研究にも余念がないというのに、傍からすればまったくもどかしい話である。

しかし、ダメな子ほどかわいいというのもまた人情で、祐子も彼のことをどうしてもけなしたりできないのだった。

一方、黄本の方でも、祐子に対しては並々ならぬ情熱を抱いていた。

「昨日も見ました! テレビ」

彼は興奮して身を乗り出しながら言った。実は、彼は祐子がここを訪れる前から、彼女の大ファンなのである。彼は目を輝かせて、アナウンスや特集が素晴らしかったことなどを次々まくしたてた。

「あ、ありがとう……」

祐子はその様子に少々辟易としながら相槌を打っていた。褒めちぎられることへの気恥ずかしさもさることながら、彼の態度がいかにも純粋なファンそのものなもので、溢れんばかりの欲求を抱えている自分が何だかとても下世話な人間に思えてきたのである。

それは、真面目に仕事に向きあう日常の自分と今日ここへ来たような欲望まみれの自分とを峻別する彼女の立場からも言えることだった。今の自分は仕事のことを思い出したくないし、むしろ下世話なこと一直線の汚れた自分を満喫したいのである。

だから、健全な会話を続けて建前を取り繕わなければならないことに、正直なところいらいらした。こうする間にも時間は無為に過ぎていってしまう。祐子は何とかきっかけをつかみたかった。

しかし、いかに性欲無法な彼女でも、そうあからさまに自分から誘いかける勇気も、また自信もなかった。普段快活な彼女にも似ぬ体たらくではある。だが、最初の思い切りというのは中々つかないものだ。まして、一応自分のファンを標榜する相手とあっては。

と、そこへ、意外な助けが現れた。

「ちょっとごめんなさい。……これゴム、開いてるのあったからこれも使って」

それはいづ美だった。彼女は手提げかばんを腕にかけて、いよいよ外出の直前といったいでたちである。そうして、手に直方体の薄い箱をいくつか持って室内に入ってきた。彼女はそれらを枕の横に置き、さらに部屋の棚から透明なピンク色のかごを下ろした。

「これ、いつものセットね。出すの忘れてたもんだから、ごめんね」

いづ美はそれだけ済ますと、

「じゃあね、ごゆっくり」

とだけ言い残して、嵐のように去って行った。

二人はいづ美の置いていった箱を見、そして目を見合わせた後、恥じらって俯いた。だが、それがいいきっかけになった。箱の中身はコンドームだった。


<つづく>




<目次>
(1)~(10)(11)~(20)(21)~(30)(31)~(40)(41)~(50)
(51)~(60)







テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

タグ : 女子アナ



「青き山、揺れる」(3)

思わずいづ美の目を見る。すると彼女もまた、こちらを見ていた、うっとりと、濡れた瞳で。その瞳がこちらの方へと距離を詰めてくる。見つめていると、引き込まれてしまいそうだ。

(きれい)

祐子は思った。そう思うのはいつものことだったが、今日のように余所行きの化粧に彩られている顔を、しかも間近で見ると、なお一層強く思うのである。

「どう? 久しぶりに」

いづ美のささやきが、優しく祐子の耳朶をくすぐる。そのまま心までくすぐられる感じだ。途端に全身の産毛が逆立ち、体の芯がゾクゾクと震える、いづ美との濃密な夜を思い出して。

“久しぶりに”――彼女の言ったその単語が、淫慾にまみれた数々の逢瀬を彷彿とさせた。祐子といづ美とは、既に友人以上の関係を築いて久しい。互いの美を認め、そして互いの本性を見抜いてからというもの、幾度も体を重ねてきた――。


「おっぱい、やっぱりすごく大きい!」

初めて裸を見せた時、いづ美はそう言って祐子を褒めた。実際、祐子のバストサイズは大きく、日頃着衣の上からでも目立つほどで、本人もそれは自覚していた。

「それに、とってもきれい」

いづ美は、祐子の胸が豊満なのを喜ぶ風であった。そんな風に言われると、嬉しいながらも照れてしまう祐子だったが、しかし、

「そんな……いづ美さんの方がきれいです」

決して照れ隠しではなく、心からそう思って彼女は言った。確かにバストは自分の方が大きかったが、形ぶりの良さからすると、いづ美には到底及ばないと思われた。

祐子の乳房は、すそ野の広いなだらかな丘陵型に、小さ過ぎる乳輪が特徴的だった。彼女はその乳輪の小さいのが妙に気恥ずかしく、それに対して、母親を感じさせるような広々とした胸もまた嫌だった。

総じて、彼女は自分の胸に余りいい思いはしていなかったし、サイズが大きいことすらも長所に数えてはいなかった。そもそも、学生時代スポーツ一辺倒で暮らしてきた自分の体には、色気などかけらもないと半ば諦めていたのである。

それに引き換え、いづ美の肉体の何と美しいことか、と祐子は思う。腰はくびれているのに痩せすぎるということはなく、全体に女性らしい丸みを形作る肉付きはあり、胸といい尻といい、とにかく均整がとれているのだ。

女性の目から見ても、むしゃぶりつきたくなる“いい女”なのである。祐子より五つ年上の彼女は、もう齢四十をとうに越していたが、その色気たるや今まさに爛熟期にあると思われた。祐子はそれを見て、間もなく自身にも訪れる四十路をいずれ彼女のように送りたいと思うのである。

そんな思いで、祐子はいづ美と素肌をすり合わせる。相手の滑らかな皮膚と柔らかい肉が、腕や腿に当たり気持ちいい。従来筋肉質な祐子の肉体にも近頃ようやく脂肪が増えてきたが、相手にもこんな気持ちよさがちゃんと感じられているだろうか、と彼女はやや危ぶんだ。

そんな危惧を知ってか知らずか、いづ美は祐子の体を愛でるように撫でて言う。

「祐子さんのおっぱい、すごく柔らかい。おいしい……」

細い指で絞り上げた乳肉を、その先端の小さな乳輪ごとぱっくりと口に入れるいづ美。そのまま巧みに舌を這いずり回して、乳首を勃起させようとする。

「アァ……アァ……」

官能の波に揉まれながら、祐子も負けじと相手の体をまさぐる。彼女の髪を撫でつつ、背中そして尻と指を這わせ、ついには相手の腰を抱き寄せる。抱き締めると折れてしまいそうな柔らかな骨。骨格の丈夫な祐子は、それを感じると愛おしくなる。そして、やっぱり女性の体はいいものだ、と思う。

とはいえ、別に彼女は同性愛者ではない。いづ美もそうだ。ただ、祐子の場合、同性と肉体的情事に及んだのはいづ美が初めてではなかった。

女子校に通っていた祐子は、その間部活動にあらゆる青春を捧げていたが、他方で抑えきれぬ性への好奇心と欲求を密かに同性の恋人へと捧げていたのである。それは本格的なレズビアンというのではなく、少女にままありがちな儚い誘惑であった。

もっとも、体格が良く、性格も大らかな祐子は割合にモテたものだ。そうして結果的に、男を知る前に、女によって肉の悦びを知らされた祐子なのである。

だからお手の物だ、とまでは言えないが、いづ美とそういう関係になった時、少なくとも大きな驚きというのはなかった。ただ相手の美しさに、ドギマギとしただけである――。


――今、思いもかけずいづ美から誘いかけられてみて、途端に女性の肉体の良さへと食指の向き始めた祐子であった。

「あの子たちより前に、ねえ、しちゃう?」

いづ美はなお色っぽく語りかける。

「それとも、今日はあたしとするつもりじゃなかったから、いらない?」

彼女の言う通り、確かに今日ここへ来る時は、彼女との情事は念頭になかった。しかし、いざ誘われてみると事情が違う。できるなら儲け物だ、いや、むしろしたい! いづ美としたい! 祐子は心に叫んだ。

そして、誘いに答えようとした。が、それより一瞬早く、いづ美が言った。

「なんてね。今日はもう着替えちゃったから、また今度。祐子さんも、今日あの子たちとするために来たんですもんね」

いづ美はそう言ってポンポンと布団を叩くと、さっきまでとは打って変わっていつもの快活な調子に戻った。

祐子は、急に梯子を外された感じでがっくりとした。“あの子たち”としたいのは山々だが、もういづ美の方へも気持ちが傾いていたのである。

結局祐子の肉体の飢えは、以前にもまして高まってしまったのだった。


<つづく>




<目次>
(1)~(10)(11)~(20)(21)~(30)(31)~(40)(41)~(50)
(51)~(60)







テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

タグ : レズ



「青き山、揺れる」(2)

中に入ると、そこはがらんとして人の気配もなかった。いつもなら稽古場から聞こえる気迫も、今はない。朝練はもう終わったのだろうか、そんなことをちらりと思いながら、祐子は中に向かって呼びかけた。

「すみません」

「はいハーイ」

すぐに反応があり、一人の女性が奥から現れる。きっちりと着物を着こなし、身のこなしも爽やかな和服美人、この部屋の女将こと、いづ美である。

「あら、早かったのね」

そう言いながら、彼女は祐子を招じ入れた。その言葉に、祐子は少し頬を赤らめる。期待満々の自身の心を見透かされたように感じたからだ。

「ちょっとね、これからあたし出る用事があって、バタバタしちゃって……」

そう話すいづ美。見れば、束ねた髪を後ろに巻き上げて、化粧もバッチリと決まっているし、完全に余所行き風である。

「すみません、お忙しい所……」

祐子はまた恥ずかしい思いをした。自分の欲求のどうしようもなさのために、わざわざ無理を言ったようだったし、それにまた、自分にとって今日のことは近来最大の関心事なのに、相手方にとってはそれほどでもなさそうだったからである。

「ああ、いいのよいいのよ!」

いづ美は手を振って、祐子の言葉を大仰に打ち消した。そして奥へと歩き出しながら、

「あの子たちも、朝からずっと楽しみにしてたんだから!」

と、ちょうどその時通りかかった大部屋の方を指さす。中では大柄な青年が三人集まって、何かを議論していた。その様子を見ると、祐子の口元は自然と緩む。さらにそれに輪をかけるいづ美の台詞、

「もう順番決めたみたいよ」

それを聞くと、祐子の興奮にいよいよ拍車がかかった。これからへの期待に、胸が高鳴る。

いづ美はそんな彼女を先導して廊下を進んでいき、やがてある一室に入った。

「ちょっと待ってね、すぐに準備するから」

彼女は言いつつ、押入れから布団を引っ張り出す。祐子も、それをただ見ているわけにはいかぬと、さっと立ちまわって手伝う。ここへ来るのが初めてでない彼女としては、そのぐらいの勝手は分かっている。

「ごめんなさいね、手伝わせちゃって」

いづ美は申し訳なさそうに言ったが、祐子は、

「いえいえ」

と、笑顔でそれを否定した。彼女としては、自分で使うものだから、自分でやって当然だとの思いもある。もっとも、これからのその使用目的を思えば、自分から床を用意するということを、なんて浅ましいことだろうとも感じた。

ちらりといづ美の表情を窺ってみる。彼女は、祐子のそんな心配を全く勘ぐっていない様子だった。いつものようにさばさばとてきぱきと、実に油断のない動きで作業を進めていた。

そんな彼女のことを、祐子は常々“男前”と評している。仕事はできるし、性格も活発で屈託がない、おまけに粋で容姿も淡麗、美容にもきちんと気を使っており、女性らしい美しさをちゃんと守っている。

祐子はそんな彼女を尊敬していた。そもそも、この相撲部屋とこれほど懇意になるに至ったきっかけも、女将である彼女と出会ったからだった。祐子にとっていづ美は、信頼できる仕事仲間であり、憧れの先輩であり、そして……時にそれ以上の存在だった。

「ねえ」

ふいにいづ美が言った。その声音には妙な色気が含まれていた。

「あ……」

祐子はドキリとして息を吐く。いづ美の手が彼女の手の上に重なってきた。


<つづく>




<目次>
(1)~(10)(11)~(20)(21)~(30)(31)~(40)(41)~(50)
(51)~(60)







テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト



「青き山、揺れる」(1)

麗らかな陽射しに照らされて、木目の大看板が輝いている。――“努素毛部屋”墨痕鮮やかに大書してある。その凛々しい筆致には、かつてわくわくとして尊敬の眼差しを送ったものだ。その横を通る時、自らも堂々とした気持ちになったものだ。

だが今は違う。今はむしろ悶々として辺りに素早く視線を走らせつつ、まるで見つかってはまずいとでもいうように、こそこそとその横を通り抜けた。

もっとも、外面的には、それほど気を使わなければならない理由は見つからないはずである。

確かに、世間に顔が売れている立場上、余りに一つ所に足繁く通うというのは、良からぬ噂を招く懼れもあり慎むべきところではあったが、その点は十二分に気を使い、適度に訪問の間隔を開けてきたつもりだ。

そして、それを徹底している限り、別に仕事上知り合いになった相手と取材後も親交を続けることは、何ら恥じらうことではないし、むしろ美談として伝えられてもいい話である。

しかし、かかる親交の内実を思えば、良識のある大人としてやはり堂々としてはいられない。今日ここを訪れた真の目的を思えば。

今日ここへ来るまで、前回から今日まで、上述の間隔を保つためにどれほどの我慢を重ねてきたことか。本当ならばもっと度々来たい。いかにそれなりにハードなスケジュールとはいえ、ここを訪れる機会ぐらいはいくらでも用意できる。

しかし、そうはいかないというのが現実である。それに、本能のままに、後先も考えずに行動する、そんなことは己の性格上とてもできない。やはり現実の生活は大事だ。今の地位を維持できているのも、そうして節度を守っているからだと思う。

だから、いかにここへ依存しても、溺れすぎるということはないのである。しかし、そうして外面的に理性を保ち続けなければならないこの期間の何とつらかったことか。日増しに悶々として、幾度誘惑に負けそうになったか知れない。

昨晩なぞはほとんど眠れなかった。欲求はピークに達していた。朝は早朝から起き出し、受話器を持ってそわそわと落ち着かなかった。先方の都合上余りに早くかけるわけにもいかなかったし、それに早くかけ過ぎて、いかにも待ち切れないのだと見破られるのも恥ずかしかった。

そんな風だったから、今日ここへ来るということに、恥ずかしさと情けなさと、そしてそれら以上に大きな嬉しさを感じて、祐子(ゆうこ)はそこの玄関の戸を開けたのである。


<つづく>




<目次>
(1)~(10)(11)~(20)(21)~(30)(31)~(40)(41)~(50)
(51)~(60)







テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト



「兄と妻」(急)

   急



――運命のその日、奇しくも会社は早仕舞いだった。こんなことは、少なくとも入社してこのかた初めてだった。後になって思えば、それは不吉の予兆だったのかもしれない。

しかし、賢次はもちろんそんなことを考えもしない。むしろ早くに帰宅できることを幸運とすら感じていた。それが証拠に、途中でケーキまで買って帰るという浮かれぶりを見せたものだ。今日が特に何かの記念日というのでもないのにである。彼は自らのいつにない気まぐれに、兄のような気ままさを見つけた気がしてほほ笑んだ。

そうして家へ帰る道すがら、彼の胸は幸福に満たされていた。目に映る全てが輝いて見えた。

自宅近くに来ると、近所の子供たちが道の上でケンケンパをしてあそんでいる。表通りはもう随分と進んだが、ここいらはまだ舗装されていない道も多かったもので、子供たちはそこへ丸や三角を書いて遊んでいたのである。

その横を物売りが台車を引いて通り、少し先の角では見知った顔のおばさん連中が井戸端会議をやっていた。そういう風景が、明るい日差しの中にきらめいている。もう夕方近かったが、夏の太陽はまだ高かった。

賢次は自宅に到着した。しかし、玄関の引き戸の前でふと立ち止まる。そうだ、いつかの兄のように、庭から入って驚かせたらどうだろうか、それは急に湧いて出た悪戯心であった。

その思いつきを早速彼は実行に移した。ぬき足さし足で玄関を逸れてそちらの方へ回り込んでいく。我が家に入るというのに、まるで空き巣のようである。

庭の入り口まで来ると、案の定縁側は開け放たれており、その上テレビの点いているのが見えて、居間に誰かがいるのは明らかだった。それを知ると、もう賢次はわくわくとして笑顔を禁じえない。

彼は今にも吹き出しそうなのを必死に堪えながら、相手に気取られぬようにそおっとそおっと近づいていった。テレビの前に仰向けに伸びる足が徐々に見えだす。すね毛の感じからそれは兄だとすぐに分かった。

だが、腰の辺りまで見えた時、賢次は、おや、と不思議に思った。さらに、腹、胸と見えて確信する、兄は裸であると。それと同時に、賢次は妙に嫌な感じを覚えた。そして、自分でもどうしてそうしたのかは分からぬが、とっさに身を低くして、庭と外を隔てる壁の方へと行ったのである。

それは、動物的勘というものだろうか。本能で危険を察知し、反射的に行動をとったものだ。彼はまた、驚くべき鋭敏さでもって事態を把握しようとしていた。人間、想定外の状況に置かれても、存外冷静に分析できるものである。

そもそも、暑い盛りのことでもあり、兄が裸で寝ているからといって別段驚くには当たらないはずである。だが、賢次の冷静な洞察は、平常ではない何かを早くも見抜いていたのだ。彼の動悸は次第に激しくなっていった。

彼は苦しい胸を押さえながら、庭石の陰に隠れた。兄が友人から貰ってきたというそれは、そもそも庭とは名ばかりの我が家の狭い敷地には不釣り合いな、かなり大きなものだった。

今にして思えばこのためにわざわざ兄が配慮したのではないかというぐらい、身を隠すのにおあつらえ向きなその裏にしゃがみながら、賢次は一時も目を離すことなく居間を見つめる。

一糸まとわぬ姿で肘をつき仰向けに寝る兄。それはよい。問題はその向こう。確かにその向こうに何者かがいる。それはかつて想像だにしなかった状況、しかしながら、今は胸をかき乱されそうな疑惑の場面。

果たして、それはすぐに確信に変わった。まるで彼によく確認させようとでもいうように、その人物は上体を起こしたのである。乳のまろみが胸板の上を斜め下に滑り落ちる。右手を後ろに突っ張り、左手で顔にかかったほつれ毛を直し……。

賢次は息をのんだ。どうして見間違えようか。それは彼の妻だった。確かに全裸の妻だった。

男女は寝転がってテレビを見ていた。ほどなく男も上体を起こし、女に何事か話しかける。女は笑った。テレビのことを言ったのか、それとも、愛のささやきだったのか。こちらまでその声は届かなかった。

二人は気だるい感じで肩寄せ合って、実に仲睦まじく語り合っている。傍目にはまるで夫婦のように見える。しかし、彼らは夫婦ではない。彼は夫の兄であり、彼女は夫の妻である。そして、夫は、庭にいる。まるで空き巣のように自分の家に忍び込んで、兄と妻の裸を見ている……。

それは、青天の霹靂にしても余りに奇想天外だったし、空想としても突飛過ぎた。賢次にとっては思いもよらないどころか、天地がひっくり返る位ありえるはずのないことだったのだ。

しかし、現実に見せつけられてしまっては、もはや信じるも信じないもない。動かぬ証拠というわけである。男女が裸で寝そべっていることに、一体ほかのどんな正当な理由があるだろうか。

事実は小説よりも奇なり、彼の脳裏にはそんな警句が渦巻いて離れなかった……。

ふと夫は気づく。縁側の上に皿が、その上に西瓜の皮が並んでいることに。彼の好物である西瓜の皮が。彼はそれが買ってあったことすら知らなかったが、ひょっとしたら彼が食べるはずだったかもしれないものだ。それは彼を癒すもの、家に稼ぎをもたらす夫を楽しませるはずのものではなかったか。

そういえば、二人の見ているテレビも、二人を冷ませている扇風機も、みんな夫が買ったものである。兄が買ってきたものなど一つもない。かろうじて兄の手のものがあるとすれば、今夫が身を隠している不格好な置き石だけだ。

夫の今の境遇のなんとみじめなることか。彼は暗澹たる気持ちに一気に沈みこみながら、受けた衝撃の大きすぎるために立ち上がることもままならなかった。

そんな彼をよそに、目の前の二人はつと立って、見えないところへ行ってしまった。二人の姿が消えたことは、賢次の目の前が真っ暗になったのとちょうど一致するようだった。

認めたくなかった。兄と妻が不倫の愛を営む、そんなことがあり得るわけないではないかと。

ふと思い出す。そういえば、妻が深刻な様子で何かを切りだそうとした日のあったことを。もしかしたら、あの時何かのきっかけがあったのではないか、そんなことを思う。もっとも、今となってはどうしようもないことだ。

そんな状態でじっと固まっていて、一体どれほどの時間が経ったろう。滝のように流れる汗が、背中にぴったりとシャツを張り付けた。

と、彼の視界に再び妻が、それに続いて兄が現れる。まだ裸、である。それになぜか、彼らの体にも多量の滴が伝っていた。――行水、そのフレーズが頭に閃く。

いつかの日、彼が帰ると慌てて奥から走り出てきた妻。行水をしていたのだと言った。後から出てきた兄も、そう、行水と。二人で、行水を……。我が家の自慢の風呂で、二人。その露見を恐れ、着の身着のままに夫の前に走り出る妻。悲しくもつじつまが合った。

白昼、彼らはいつもそうして過ごしていたのだろう。いつも家にいる兄と妻、夫のいない二人の時間、彼らはこうして不貞の関係を愉しんでいたのだ。だらだらと、淫らに。

我が物顔で台所の椅子に座る兄。そこへビールを出す妻。以前の賢次なら何とも思わなかった。たとえ人が働いている間、昼間から酒を飲んでいても、そればかりか、家の物を何気兼ねなく消費しても。兄なら何でも許せた。

だがしかし、だがしかし――瞬間、賢次は目をそむけた。グラス片手に立ち上がった兄、その足元に、妻が膝折って立ち、なんと、なんと彼の陰茎を口にくわえたではないか。

自分の物はことごとく兄のために使ってもいい、だがしかし、妻までもなのか! 賢次は戦慄した、現実の残酷さに。そして、妻の淫乱ぶりに震え慄いた。賢次は目を逸らした、つもりでいた。だが実際には、一寸も首を動かせなかった。

だから、彼は見ていた、その一部始終を。妻が両手を膝の上に揃えて兄の陰茎をしゃぶり、それにともなって陰茎が膨らみ起き上がっていく様を。

兄はコップのビールを妻にも与えてやった。妻は彼の手ずから与えられるままに飲み干す。そしてまたしゃぶる。また飲む。またしゃぶる。まるで酒のつまみのように陰茎を食す妻。

足もとから兄を見上げるその格好は、まるっきり餌を貰う犬のようだ。仮に犬にしてもすっかり飼いならされてしまっている。夫は妻の変貌ぶりに愕然とした。

しかし、驚愕の事態はそれだけにとどまらなかった。その時、電話が鳴ったのであるが、それに出た妻への兄の仕打ちは、もはや正気の沙汰とは思われなかった。受話器を握る彼女の尻を引き寄せ、なんと合体したのである。

「アンフッ!」

艶めかしく腰をくねらせて、妻がため息を吐く。背中に走る溝の影が、男根を受け入れた女の悦びを生々しく表わしているようだった。さらに、続いて妻が口にした言葉は夫を震え上がらせた。

「あ、お義母さん……」

なんと相手は田舎の母だった。電話だと大きな声音になるのか、明らかにさっきまでより妻の声が聞き取りやすい。分けても母の名は、賢次の耳膜を鋭くつんざいた。

「……ええ、今、お掃除を……」

呼吸を荒げて妻が言う。賢次の脳裏である回路がつながった。またしても記憶と符合する事態だ。あの時も、そうあの時も彼女はそう言った。では、あの時も……。

兄は容赦なく妻の尻へ腰をすり寄せる。先ほど膨張した兄の肉茎は、完全に妻の腹の中に埋まっていた。やがて、パチンパチンという肌と肌のぶつかる音がこちら側にまで響きだす。

「ア……お、お義兄さんたら……」

妻は甘えるように言い、その口角には笑みが浮かんでいた。彼女は兄と電話を替わる。まったく同じだ、あの時と。ではあの時も、夫と通話をしながら、彼らはこうして白昼堂々股間を突き合わせていたわけだ。

あの時はまったく気づかなかった。妻が自分としゃべりながら兄の肉茎に貫かれていようとは。また兄が妻を犯しながら平然と自分と話をしていようとは。よくもまあぬけぬけと、夫をないがしろにできたものだ。まったく狂者の仕業だ、賢次はそう思った。

しかも今は、あろうことか母までも欺いている。母の前で、堂々と不義密通を働いている。

妻は兄に受話器を渡した後、前のめりに体を折って、電話台の脚の下の方をつかみながら、もはや完全に肉欲に心を支配された者のごとく、ただただ息荒く喘いでいた。その顔は生殖を悦ぶメスそのものだった。

兄もまた母と会話をしながら、ただひたすら妻との肉交を愉しんでいる。彼らにはもはや人間的理性などないのだろうか。動物的野蛮な性欲のみが彼らを突き動かしているようである。

「……ああ……うん……仲良くやってるよ……」

兄は母に話す。そうして、その言葉を実証するつもりなのか、一層深々と肉茎を突き入れて、やがて電話を切った。

直後、彼が妻から離れると、両者の股間からポタポタと白い汁が垂れ落ちる。とうとうこの恥知らずな兄は、母との会話中に弟の妻へ子種を注ぎ込んだのだ。将来母が抱く初孫は、彼の子かもしれない。

もっとも、兄には何らやましいところなどないだろう。その心理が、弟の賢次には何となく分かる。兄は本当に、ただ目の前の欲望に忠実なだけなのだ。決して弟を害そうなどと計画してやっていることではない。

万事行き当たりばったりな男なのである。妻のことも、最初から狙っていたわけではないだろう。彼にとっては、この肉欲の戯れが楽しいだけなのだ。

他方、妻はどうだろう。妻は一体どういうつもりでやっているのか。兄の子ができてもよいというのか。夫に対してどう思っているのか。

彼女は、再び居間に移動して寝ころんだ兄の横に座り、彼の股間を一心に愛撫しだした。力弱くなった陰茎を手でしごき、そして舐めしゃぶっている。彼女に反省の情はあるのだろうか。

もし、賢次が彼女の前に現れたとして、彼女はどんな反応を示すのだろうか。そうして、彼はどうしたらいいのだろうか。彼には判断ができなかった。怒りの感情よりも、まだ裏切られたショックの方が大きくて、彼の脳は思考停止状態だった。

それに、既に彼は出ていくタイミングを逃していた。最初に偶然出くわすのが最も良かったが、妙に鋭く勘が働いためにそうはいかなかったし、その後もまたその後も体が固まって出て行けず、そうするうちとうとう子作りまでされてしまったのだ。

彼はすっかり塞ぎこみ、視線を地面に落していた。と、その時、妻のある一言が聞こえた気がして、またはっとして彼は頭を上げた。

「あの人が、帰ってきちゃう……!」

あの人、それは夫である自分のことに違いない。はっきりとそう言ったのかは分からないが、彼の耳にはそう聞こえた気がした。

はっきりしているのは、彼らが再び交接を始めたことだ。二人は飽きることなくまぐわい続けた。時折体位を変え、中には妻が兄の上にまたがるものもあった。妻は兄の上で、いかにも妖艶に舞っていた。

あの人が帰ってきちゃう、だからどうだというのか。だからやめてほしいのか。帰るまでに早くやりおおせてしまいたいのか。賢次には分からない。

だが、もし賢次が家にいても、彼の目を盗んで二人は痴情を重ねるのではないだろうか。今なら分かる、いつか彼が熱を出して寝ていた時、彼らが居間にこもって何をしていたか。見ていたように分かる。

彼らにとっては、夫という障害もただ情事を盛り上げるための舞台装置に過ぎないのだろう。夫に見つからぬようにいかに快楽を得るか、そういう遊びなのだ。

夫が熱にうなされている間、彼らは一つ布団で愛し合っていたのだ、何度も何度も。激しく性器を求めあって、互いの粘液をからめ合って。賢次が便所に立った時も、二人はつながっていたに違いない。なんという卑劣なことか。

自分はこんな家に帰らねばならないのか。妻が言うように、夫というだけの役割の者として、これから帰らねばならないのか。

しかし、真実を知った今、以前と同じような態度をどうして続けられよう。彼の精神は、それをこなせるほど強くも、あるいは弱くもなかった。

彼はふらりと立ちあがった。そうして、鞄とケーキの袋を提げ、家の門を出た。彼の心は土砂降りの雨だったが、外は相変わらずいい天気だった。

角を通ると、

「あら、旦那さんどこ行くの?」

と、打ち水をするおばさんに話しかけられたが、彼はそれに力ない愛想笑いで答えるのがやっとだった。彼は行くあてもなく、ただぼんやりと歩いて行った。彼の姿は、そのまま夕焼けの街へ消えていった。


<おわり>




妄想の座敷牢






テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

タグ : 人妻 寝取り寝取られ



「兄と妻」(破)

   破



「まあ!」

そう妻が驚いた声を上げたので、賢次も思わず顔を上げた。折しも、あれほど強かった日差しを急速に広がった厚い雲が遮った時、縁側から中を覗く人影が畳の上に闇をもたらしていた。

「兄さん!」

賢次は狂喜して西瓜の種を飛ばす。噂をすれば影と言うが、話題にも上らぬうちからヌッと現れ出でた兄である。

彼はその社会的に不安定な身分と同様、今日もまたつかみどころのない怪しげな扮装をしていた。東南アジア風の派手な色のシャツ――但しその表面はほこりっぽくくすんでいる――や、よれよれのハンチング、足には雪駄……。

ぱっと見では何を生業にしている人か分からない格好だ――もっとも、実際その通りの生活なのだから実態に即してはいたが。

「お茶入れて来ますね」

妻は笑顔を作って立っていったが、内心不機嫌であることが賢次には明らかだった。彼女としてみれば、兄がこうやって唐突に、しかも庭からずけずけ入ってくる所も腹立ちの要因なのであろう。いかに兄弟といえども、ここは他人の家なのだから節度をわきまえろということである。

だが、いくら妻が不満を抱こうともこと兄の前では意味をなさない、それが賢次だ。彼は子供のようにはしゃいで兄を迎え入れるのだった。

兄が縁側に上がると間もなく、大粒の雨が降り出した。

「やあ、ちょうど良かった」

彼は言い、二人は笑い合う。親しい彼らにとっては、どんな現象も話の種となり会話が弾むのだった。

加えて兄は漂々と世を渡る人の常として非常に口が立つ。あるいは、達者な口先の才故に遊民生活が許されるというべきだろうか。その晩の食卓も彼の講演会だった。

だが、妻には心楽しまぬ時間だったようで、当然のように彼が泊っていくことと決まった時も、彼女はさりげないながら早くも懸念を表明したものだ。

「いつ頃までいらっしゃるのかしら」

それは賢次にも分からぬことだったが、むしろ分からなくても良いことだった。兄ならばいつまでいてくれても良かった。そんな彼の希望が届いたものか、実際兄はその翌日もさらに翌々日も出ていくそぶりを見せなかった。

妻の不安が的中したわけである。彼は金の無心こそしなかったが、朝晩きっちりと食事をし、彼女の手を煩わせたものだ。さても彼女にとっては厄介極まる話である。

何しろ相手は天敵ともいうべき人物なのであるから、そのうち堪忍袋の緒が切れるかもしれない、夫はひそかに憂えていた。

ところがそう思いきや、彼女も慣れたのか、あるいはようやく彼の美徳を解したものか、徐々に不満を口にしなくなり、ついにはぱったりと陰口を言わなくなったのである。人とは変われば変わるものだ。賢次は喜んだ。

ある時、

「あなた……」

深刻な顔をして妻が話しだしたことがあった。賢次は、やはり来たか、と身構えたものだったが、結局全然関係のない話で終わって一安心した。そんなこともあった。

また彼女の変化は次のような場面にも表れていた。

ある日、賢次は会社から自宅に電話をかけた。もちろん妻が出た。だが彼女は妙に息が上がっていた。問えば、いわく、

「ちょ、ちょっとお掃除の最中だったのよ」

ははあ、なるほど、雑巾がけか窓ふきか、あるいは押入れの整理か何かをしていて、それから慌てて電話に駆けてきたんだな、と彼は一人合点した。

と、ふいに、

「ア……お、お義兄さんたら……」

電話の向こうでこちらをはばかるように妻が言う。賢次は聞き逃さず、

「兄さんもそこにいるのかい?」

と尋ねた。すると、間髪入れずに兄が電話口に現れる。賢次は彼の声を聞き嬉しげに問うた。

「今日はどこへも出ないの?」

すると、兄は答えて言った。

「ああ……うん、出るよ……もうすぐ……出るっ……!」

この一件によって、賢次は自分がいない間も二人が平和に暮らしている様子を垣間見れて満足だった。彼が会社から帰宅する時、決まって兄は家にいたが、妻とだけでいる間家の中は殺伐としてやしないだろうかといつも気を揉んでいたのである。

帰宅時といえばある日、賢次が玄関に入ると、まるで電話の時と同じように息せき切って妻が走り出てきたことがあった。平生ならゆったりと奥から現れるのに、その日は些か取り乱しているような感じだった。

「あんまり暑いから、ちょっと行水をしていたのよ」

彼女はそう言った。確かに、裾の方の髪の毛が少し濡れていたし、首から鎖骨にかけて汗ばんだように水滴がついていた。それにしても、行水をしていたのならそれで、別にわざわざ出てこなくても良いのに、賢次はそう言ったが、泥棒が入ってくるかもしれないから、と言われて納得したのだった。

その日も兄は家にいた。賢次が部屋着に着替えた後、彼は風呂場から悠々と現れた。

「あれ? 兄さん、もう風呂に入ったのかい?」

賢次が尋ねると、兄は、

「ああ、行水だ。気持ちよかったよ」

と言って、台所に座った。賢次はそれを不審には思わなかった。彼は、自宅に風呂があることがちょっとした自慢で、それを兄が使うことに喜びを感じていたからである。その頃、まだ近所には風呂のある家が多くなかったのである。

兄は風呂のみならず、家にある物はなんでも遠慮なく使用した。そして、大抵家にいた。

いつぞや、賢次がひどい熱を出して珍しく会社を休んだ時も、たまたまかしれないが兄は家にいた。いや、いてくれたと言った方がいいのかもしれない。弟を心配し、寝室にこもる彼に度々言葉をかけに来てくれたものだ。

妻だってもちろんのことである。そうして、彼らは賢次をそっとしておいて、今やすっかり打ち解けたらしく、居間の方で二人くつろいでいるのだった。そのことは、便所に立った時にそちらの部屋から二人のひそひそ話が聞こえたことで確認済みである。

彼は熱に浮かされながらも、その状況を知ってほほ笑んだ。妻が兄を認めてくれたこと、そして、二人して自分を心配してくれることが嬉しかった。だから彼も、二人に余計に気を使わせないために、居間の方へは立ち寄らずに静かに寝室に戻ったのだった。

そんなことなどがあって、兄はすっかりこの家の住人、そして、弟だけでなく夫婦にとって大事な人となっていったのである。彼はこのことを歓び祝しこそすれ、不審や疑念を生じることなど一切なかった。何も。決して。


<つづく>[全三回]




妄想の座敷牢






テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

タグ : 人妻



「兄と妻」(序)

『兄と妻』



   序



底抜けに晴れ渡った空に入道雲が湧いている。それに絡まんとでもするように、朝顔の蔓が懸命に伸びる。対して、庭の砂地はカラカラで死んだようだ。岩も地面も黄色くなって、疲労感を隠そうともしない。

塀の外では、近所のおばさんが打ち水をして、それらを癒しているのだろう。通りすがりの挨拶から発展した井戸端会議が、彼女の活躍を賑々しく伝えている。蝉よりもやかましいその声は、テレビの音すらかき消しそうだ。

「夏だなあ」

ふと外の方へと目を移して、賢次は言った。休日のこととて彼は着の身着のままにごろりと横になりテレビを見ていた。その足元には扇風機が首を振っている。いずれも最新式で、近来普及目覚ましい電化製品である。

「夕立でも来ればいいのにねえ」

そう言いながら近づいてきたのは彼の妻である。見れば、手に盆を捧げ持っている。

「おっ! 西瓜か!」

賢次は歓声を上げた。西瓜は彼の好物である。これを食べたいがために子供の頃は夏が待ち切れなかったものだ。西瓜を見るといつも彼は田舎の夏を思い出す。

そういえば、もうすぐ盆休みで帰省するから、いずれたらふく食べられるだろう、と彼は話した。

それを聞き、妻は複雑な顔をする。今の西瓜を前にして、田舎のそれを懐かしむことばかりが不快なのではない。帰省後に避けては通れないある事情が頭に浮かんだためである。

それは、夫の親類と顔を合わせること、とりわけ、彼の兄と会うことだった。元来人見知りな彼女は親戚筋との付き合いを苦手としていたが、義兄に至ってはそれ以上に彼の人となりが嫌いなのだった。

義兄は夫とは正反対の人物である。夫が真面目に会社勤めをし、結婚もし、家も持ち、着実に人生を築き上げていく一方、義兄はいまだ定職にも就かず、やれ文学だ、やれ活動だのと騒ぐばかりで、夢を追っていると言えば聞こえは良いが、要するにその日暮らしの風来坊みたいなものなのである。

彼女は彼のこういういい加減な所を常から軽蔑していたのだ。

賢次はそれを知ってはいる。世間一般の見方もそれとほとんど同調していることまで分かっている。しかし、いかに愛妻家を自認する彼とて、こと兄のこととなると譲るわけにはいかなかった。

彼は今幸せであるが、それは兄のおかげによるものと信じて疑わないのである。こういう話をすると、妻は決まって否定的に言う。兄よりも賢次の方が何倍も優れた人物なのにと。

しかし、それは違うと彼は思う。彼は妻の言葉を聞いて別に怒ったりはしないが、兄の名誉を守るため、やんわりと諭すように語るのだった。

自分が今の生活を送れるのも、東京で就職したいという希望に兄がいち早く賛成してくれたからだし、そのおかげでお前とも出会えた、それに、幼少の頃より兄は何くれとなく自分をかばってくれたし、悪ガキにいじめられればすぐさま駆けつけて助けてくれた、などなど。

彼はさらに、兄の性格上の美徳を数え上げ、現在の自分があるのは全て兄のおかげだとまで言い切った。

そうまで言われてしまうと、妻としても黙るほかない。彼女は夫の兄思いの揺るぎなさに、軽い嫉妬すら感じるのだった。実際、この話をする時、賢次はこの世で自分だけが兄の価値を認めていることに、一種の優越感すら覚えていた。

夫婦は、今はこの点について立ち入らず、ブラウン管に映る白黒の画面を見やりながら、黙々と西瓜をかじっていた。気だるくも平和な夏の日の午後だった。

だが、今日の平穏な時間は、もうそれ以上長く続かなかった。


<つづく>[全三回]




妄想の座敷牢






テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

タグ : 人妻