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作者が思いついたエロ話を羅列して自分を慰めるブログです。下品な妄想と低俗な文章に股間で共感して頂けたら幸いです。

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このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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なお、掲載している小説はすべて作りごとであり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

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「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。

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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」
「師匠のお筆」

短編作品
「大輪動会」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

大輪動会-プログラム#1-

 今日は運動会である。大人も子供も一堂に会して、地区の一大イベントである。

「エー、本日は晴天に恵まれ、絶好の運動会日和で――」

開会に際し、地元町議会議員の金光が挨拶する。テカテカする黒い肌を朝日に照らされた、五十がらみの男である。三代続く地主でもある彼を、地元では知らぬ者がない。またその傲岸不遜な振る舞いも同時に有名で、敵も多かった。

 現に今日の実行委員に名を連ねている島田、高橋などは、何度も煮え湯を飲まされてきた。今も朝日の眩しさに顔をしかめているように見せて、その実彼の存在が苦々しいのである。

 一方、

「お父さん、お父さん!」

と、檀上を指さして興奮しているのは金光の幼い娘、瑞穂。その周りには姉で小学四年生の清美、兄で中学二年生の佳彦がいる。

「うるさい、静かにして」

三児の母、有紀は騒ぐ娘をたしなめた。金光の妻にしてはずっと若く、まだギリギリ三十路の三十九歳。明るい色の髪に濃い化粧、そしてショッキングピンクのブランド物のジャージに身を包んだ人目を引く装いだ。そうでなくとも、夫同様に有名な彼女である。

 やはり今日の委員である鈴木は、つい先日彼女に関してトラブルに巻き込まれたばかり。また、長男佳彦のクラスの担任、比嘉も彼女の言いがかりには常々頭を悩ませていた。

 母親だけではない、子供らも問題児である。何しろわがままで教師の指導に従わない。彼らの性質の悪いのは、暗に金光の威光を嵩に着ることだ。それで学校側も何となく有耶無耶にしてしまう。周りの生徒らも同様だ。適当に取り繕って、あまり深入りしないようにしている。

 要するに金光家とは、事なかれ主義の狭間で生まれたモンスター一家なのであった。どんな狭い地域でも、憎まれっ子は必ず世にはばかるものである。

  *

 さて、開会宣言や挨拶などが終わると、競技に先だってまずはラジオ体操である。参加者全員、各々手がぶつからない程度にグラウンドに散らばる。ここでも金光一家の周囲に人が少ないのは、やはり彼らの評判の証左であった。

 その広々とした陣地で、およそ真面目にとは言えないながらも体操はする有紀。彼女の肢体は周囲からよく見えた。

「おい、見ろよ、あのババア。スゲーデカ乳」

「どれ?」

「あれだよ、あのハデハデババア」

そう言って物陰から噂しているのは、地元の不良高校生ら。悪ぶっているくせに、この手の大会にはわざわざ出てくる。少子化の昨今、この地区では学校ごとの運動会はなく、小学生から大人まで合同で済ませることとなっていた。

 彼らの視線の先では、有紀が大きくのけ反っている。すると山のような二つの張り出しが、その指摘通り大いに生地を引き延ばしていた。

 彼女に視線を向けていたのは彼らだけではない。彼女が前屈みになった時、そのピチピチのジャージの尻に浮いたパンティーラインをゴクリと生唾飲み込みながら見つめている父兄らがいた。彼らの中には、有紀の厄介な人となりを直接、あるいは間接的に知っている者もいる。また、今日のようなケバケバしい外見を軽侮している者もいる。が、男のサガとしては、彼女の肉体を素直に見過ごせない部分が確かにあった。

 有紀の息子である佳彦の同級生らでさえ同様だ。それがあのトラブルメーカーの母親と知っていながら、視界の端へある種のたぎりを持って収めずにはいられなかったし、さらには、彼らよりずっと年下、清美と年の変わらない男子らの中にも彼女を女体としてチラチラと盗み見ている者がいた。

  *

 そういう蔑視的劣情の中で、有紀は豊満な肢体をタプンタプンと躍らせる。彼女はまず短距離走に出場した。そして、その際の“躍動感”といったら顕著であった。

 そもそも昨年以前の彼女は見学を決め込んで競技に一切加わらなかったものだが、今年に限って急に出ると言い出した。というのも、PTAの役員に就いたからである。ほぼ持ち回りで決めていくこの役、周囲はどうせ引き受けないだろうと思ったし、また引き受けてほしくもなかったのだが、彼女ときたら期待を裏切り二つ返事で引き受けたものだ。かつはまた困ったことに、やたらとやる気を見せだしたのである。協調性がない上に、自身の発言をゴリ押ししては、強引に事を進めてしまう。それでいて普段づきあいをしないし、金持ちの癖にけち臭い。彼女に対する思いは、母親連中の間で共通していた。

 ちょうど今も女達は陰口を叩いている。

「見てよ、金光さんの奥さん、本当に出るみたい」

「なんか派手なジャージとか着ちゃって、やる気満々って感じ?」

「すごいよね、あのセンス。あの歳であれはないわ」

「あれがセレブファッションなんじゃない? セレブ様の考えはよう分からんけど」

 客席からも出場者の待機場所からもヒソヒソ話は聞こえる。

「負けたらさ、ぶつかったとか言って、クレームつけそうじゃない?」

「あるある、絶対人の所為にするよね」

「エーヤバいよ。わたしあの人と同じ組だ。泣きそう」

 そんなアウェーの中、有紀はこれといって誰かの反応を気にすることもなく出走だ。この辺りの鈍感さ、あるいは自信過剰ぶりは天性の長所且つ短所である。つまり、周囲が彼女を意識する程、彼女の方では周囲を意識していないというわけでもある。

――号砲一発。有紀は、スタートラインを飛び出すや猛然と駆け出した。

 男達は、さりげなく、しかし確実に彼女を目で追った。彼女の初めての競技参加に対して物珍しいという感情、ただそれだけでは説明できない視線の運びで。

「バイン、バイン……」

通過する弾みに擬音を付け、口の中で周囲にそれと分からぬようにつぶやく父兄がいた。花村という若い父親。彼は、娘を撮影する為に持参したカメラを密かにそちらへ向けていた。そのレンズは、大きく上下して行き過ぎる二つの塊をしっかりと捉えている。

 塊はそのまま一着でゴールテープを切った。

「すごぉい! 金光さん速いんですね」

一緒に走った母親が声を掛ける。すると有紀は謙遜することもなく、

「わたしって意外と、昔から足速いんですよぉ」

と、あっけらかんと得意げであった。

 レースを大会実行委員のテント下で見ていた夫・金光も、

「いやあ、あいつ、負けん気だけは強いからさぁ」

と満足げに周囲に話す。

 息子・佳彦もクラスメイトらに母親の勝ちを誇っていた。周りはいつも通り軽くあしらいながら、ただ目線だけはいつもより興味を含んで彼女に注いでいた。

  *

「わぁ、なんか懐かしいね」

整然と並んだ机や、壁に貼り出された絵を見ながら前原が言った。

「ネー、こうしてるとさ、学生の頃思い出すよね」

窓際の方へ歩きながら、有紀が応じる。二人は賑やかなグラウンドを離れて、空き教室に忍び込んでいた。

「うん、思い出すよね……あの時の事とかさ」

前原は外を見下ろしていた有紀を、後ろからそっと抱きしめて囁いた。その腕をやんわりとほどいて、彼女は言う。

「ダメ」

 二人は見つめ合った。

「ダメ?」

前原は甘えるように少しすねて見せると、そのまま唇の距離を縮めていった。有紀もそれは拒まない。やがて唇と唇が重なり合う。

 ややあって、有紀が口を開いた。

「ダーメ……今日は子供達もいるの」

優柔な声音である。その目は言葉と逆の要望を伝えているようでもあった。

 それを察して、前原は背中から尻へと曰くありげに手を這わせる。有紀も激しくは抵抗しない。男はこの間合いを愉しみながら、彼女のジャージズボンのゴムにまで手を挟んだ。

「誰か来ちゃうってば……」

有紀が言う。それに前原が返す。

「あの時も、そう言ったよね」

二人は見つめ合って笑った。

 有紀と前原は、高校時代に付き合っていた。そしてまた当時の体育祭の日、ちょうど今日のように二人で抜け出しては、空き教室で逢引きしたことがあったのである。

 前原は現在、金光の顧問弁護士だ。有紀とは昨年偶然にも東京で再会、焼けぼっくいに火が付いた。その後、厚顔無恥にも彼女が夫へ彼を推薦し、契約させたのである。前原の拠点はいまだ東京にあるが、こうして機会を見つけては密会に勤しんでいた。

 二人は、片時も視線を逸らさずに会話を続けた。

「あの時は若かったの」

「そう? 全然変わらないと思うけど」

 男の手は女のズボンをズリ下ろす一方で、そのシャツの下へも潜り込み、ブラジャーのホックを手早く外した。急にくつろいだ胸に軽い焦りを覚えつつ、有紀はまた否定の言葉を述べようとした。が、その口へ前原が機先を制して唇をかぶせる。

「ン……」

 やがて、有紀の手が彼の背中へと回っていった。

  *

「ああ、金光君、お母さん見なかった?」

 担任教師の比嘉が教え子の佳彦を捕まえて、その母親の所在を問うた。しかし、佳彦は知らないと言う。比嘉からその旨を聞いた実行委員の鈴木は嘆いた。

「困ったなあ。次の障害物競争にエントリーしてるのに」

 それを伝え聞いた母親連中が、またヒソヒソ話を始める。

「訳分かんないよね、さっき、速いとか言って自慢してた癖に」

「いいじゃんいいじゃん、あの人居ない方が楽だし」

 その会話を背中で聞くともなしに聞いていた父兄の一人花村は、何気なくカメラを片手に席を立った。どうせ我が子の出番は当分ないのである。

 行方をくらました有紀の身勝手は、こうして小さな波紋を広げつつあった。

  *

「ンッ、ンッ、ダメェ~……」

 他人の迷惑を顧みず、男女はとうとう性交を始めていた。元より恋に落ちた男女に周りの声なぞ届かない。

 ガランとした教室の中、誰かの机の上に横たわる有紀の股を開き、前原は劣情のままに性具を出し入れする。膝まで下ろしたスラックスのベルトと、机の脇にぶら下がった手提げ袋の中身が、腰を振る度にカチャカチャと鳴る。この机を使う子には、まさか休みの日にここがセックスに使われていたなんて想像もつかないだろう。見ず知らずの年増女の背中をくっ付けられていたと知ったら、その子はどう思うだろうか。

「ダメだってばぁ~……」

この期に及んでまだ拒絶の意思を示しながら、その実、有紀は垂れて広がりがちな乳房を両の腕で中央に寄せて形よく見せようと気を砕いている。この武器の有効性は彼女も知る所だ。

 前原は、当たり前のように彼女のシャツをまくり上げていた。彼もまた、学生時代より彼女の胸を目当てに付き合うことを決めたのだった。

 有紀はと言えば、彼のマスクに惚れていた。彼の当時とさほど変わらない肌艶や体型には嬉しかった。年相応に渋みの加わっている点はむしろ好ましく、いつも家で脂ぎった親爺ばかり見ている為に、余計彼の格好よさが際立って見えた。ちなみに、夫とは百パーセント金目当てで結婚した。結婚と恋愛とは絶対に相手を選ぶ基準が違うと思っている。

「有紀……有紀……!」

次第に動きをヒートアップさせ、陶酔的に名前を呼ぶ前原。やがてキスの為に覆いかぶさったのがフィニッシュの合図だった。直前で引き抜かれて、白濁汁が床に滴り落ちる。

「ンン~……ンフゥ~……」

有紀も満足げな風を作って舌を絡ませた。

 しばらく抱き合った後ゆっくりと起き直った両者は、身支度を始めながら再び語らいだした。

「あ、大変戻らないと」

「まだ出るの?」

「うん、次はたしか……パン食い競争。結構忙しいんだからね、わたし」

二人はクスクスと笑った。

 しかし、密やかな恋の愉しみもここまでだった。それは、前原がズボンを上げる前、有紀がブラジャーを着け終わった直後に起こった。恋の秘密が破られたのだ。

「何々、もう終わり?」

ゲラゲラと笑いながら入ってきたのは、地元の高校に通う不良達三名である。先程体操する有紀に目を付けて猥談していた少年達だ。彼らは手に手にスマートホンを持っており、うち一名が画面を操作するとそこから、

『有紀……有紀……!』

という、当事者らに聞き覚えのある声が鳴り響いた。

「マジビビったし。教室でセックスとか、オバサンら正気ですか」

「しかも運動会の最中とかハンパねえわ」

「どんだけヤりたいんだよ」

三人は鬼の首を取ったように喚き立てる。三十路カップルは絶句した。そこへダメ押しの如く、不良の内の一人、慶介がズカズカ近寄って来て、こんなことを言い出した。

「で、オバサン、オレにもヤらせてよ」

すると、この発言には彼の友人も驚いた風のリアクションで噴き出した。

「マジか、お前!?」

慶介は平然と答える。

「マジマジ。ババアだけど、あのデカ乳見たら勃ってきた」

振り向いてニヤッと笑いながら、彼は有紀の肩に手を伸ばす。有紀は、まだ下半身を露出したままで後ずさった。くるぶしにはパープルのレースの下着が巻き付いている。

「ちょ……ちょっと……!」

彼女は前原に助けを求めた。前原、見られてようやく行動を起こす。

「や、やめろ」

しかし、飛び出ようとした彼を、二人の不良が押さえつける。

「あんだよ、オッサン」

「オッサンは終わったんだからいいだろ」

仲間らの協力に感謝しつつ、慶介は、逃げる有紀の腰を後ろから引っつかんだ。

「助けて!」

叫ぶ有紀。さらに迫る慶介。

「いいじゃん、ヤりたいんでしょ? だからヤッてやるって、オレも」

 両者のやり取りに、今度はもっと確固たる声で割って入る前原。

「やめろ! やめなさい!」

 だが、それと同時にもがいたのはまずかった。ズリ下ろしたままだったスラックスに足を取られて、思い切り前方へともんどりうって倒れてしまったのだ。ガシャンガシャンと大きな音を立てて、彼は頭から机と椅子に派手にぶつかった。

 それを見て、少年らは思わず爆笑した。

「おいおい、大丈夫かよ」

同情の色さえ見せて、近くの一人が倒れている前原の様子を窺う。前原は大きくせき込んだ。額から微かに血を流している。それでも義務は果たそうとする。

「やめろ……」

「まだ言ってる」

少年は呆れ顔で慶介を見上げた。彼の名は浩樹という。

「ていうかオッサン、“やめろ”って、お前が言うなって話だよ」

そう浩樹が言うと、慶介も同調した。

「学校でさあ、子供とか居んのにセックスしてる人らに言われてもなあ」

 慶介の言葉に、もう一人の少年、竜二も肯きながら言った。
 
「まあ、そういうわけだから、ちょっとそこで見てな」

彼は言い終わると、“続けて、続けて”と、滑稽に手のひらを振って慶介に合図した。慶介は促されるまでもなく、事を進めていくつもりだ。

「うわあ、中グショグショじゃん」

有紀の痴穴へと乱暴にねじ込んだ彼の指は、彼女の愛液ですっかり濡れてしまった。言うまでもなく、恋人との逢瀬で分泌したものである。

「やめてっ!」

有紀は悲鳴を上げ身悶えするや教室の奥、すなわち窓の方へと逃れていった。もはや恋人が当てにならないと知って、いよいよ顔面蒼白である。

 恋人はまだ一応“やめろ”を続けているがそれも形ばかり、二人に抑えられて歯噛みしている格好だ。

「ていうかオバサン、そっち行ったら外から丸見えだぜ?」

慶介はいよいよ窓際に追い詰めた。

「でさあ、あんまり声出すとまずいんじゃない?」

彼はパニック中の有紀に諭すように語る。

「だって、あんたら、ヤッてたことバレたらヤバいっしょ。オレらまだなんもヤッてねえし。で、逆にあんたらがヤッてた証拠はあるし」

 それを聞いた竜二が、タイミング良くさっきの動画を再生した。

『ンッ、ンッ、ダメェ~……』

あられもない喘ぎ声が鳴る。

「素直にヤらせりゃいいじゃんよ。なあ、オッサン」

浩樹が前原の頬をペチペチ叩きながら言った。

「嫌よ!」

有紀は毅然と言った。


〈つづく〉

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大輪動会-プログラム#2-

  *

 学校中に運動会お馴染みの、あの焦燥感を煽る音楽が大音量で響き渡る。それを背景に、運動場では年代ごとの徒競走が続いていた。

 元より不真面目な金光、自分の身内が出る内はまだしも、それ以外を真面目に見る気はないし、まして応援する気もない。誰かに電話を掛けたり、近くの人間を無理やり無駄話に巻き込んだり、あからさまに退屈そうにしている。

 もっとも、すべての父兄が前のめりに参加しているわけでもなく、休日の朝から引っ張り出されて欠伸をしている者もあった。

 そんな父兄の一人、小林は自分の子供が走り終わった後から眠い目をこすっていたが、ふと校舎の方を見上げた後、何を思ったのかとうとう自分の席を立ってしまった。 

  *

「ちょいじっとしててよ、入れにくいじゃん」

「嫌だってば! いい加減にしてよ」

有紀は相変わらず手向かったが、もはや建前の域に近いことを慶介は悟っていた。この女はそろそろ諦めているのだと。彼は相手を窓にへばりつかせると、豊満な尻肉をかき分け、スウェットズボンから取り出したペニスを割れ目にあてがった。

「じゃあ、入れま~す」

軽やかな宣言と共に、いきり立った肉棒がすんなりと濡れ穴に沈んでいく。

 途端に前原が声を限りに叫ぶ。

「おい! 待て! 待ちなさい!」

「うるせえっての!」

すかさず竜二が前原のみぞおちにパンチを喰らわした。

「人が来たらアンタがマズいだろって、さっきペー助も言ってたろ?」

 前原は無言だった。目を閉じてぐったりしている。

「あれ、ガチで死んだんじゃね?」

傍にいた浩樹が不審そうに覗き込む。

「すっちゃん、ちょいやり過ぎ」

「え、軽くやっただけなんだけど」

竜二はさして焦る風もなく、前原の頬をペチペチと叩いた。が、なんの反応もない。完全に伸びていた。

 浩樹は彼の息と脈をちょっと見て、

「うん、大丈夫大丈夫。生きてるわ」

と軽く太鼓判を押した。竜二はそれに軽い反省を込めて、

「わりぃ。入っちゃったみたい」

と笑いながら応じた。

 一方、慶介はそちらのやり取りなど一切気に掛けることもなく、入った肉棒を女穴の中でゴシゴシとこするのに夢中だ。有紀は彼によって押さえつけられ、露出した乳肉をべったりと窓ガラスに吸着させていた。柔らかい塊が胸板とガラスの間でつぶされる。

 この教室は、校舎の端寄りの最上階にある為、運動場の真正面ではなかったが、競技中の様子は一部とはいえ見える位置にあり、こちらから見えるということは、逆もまた然りである。

「ヤバいんじゃね? これ。見えてんじゃね? ヤッてるとこ」

そんなことを言いながら、慶介は止めずに腰を振る。有紀は無言だ。前原の時みたいに、演技して気分を出すこともしない。

 慶介はなおしつこく、

「オバサンの子供も見てんじゃねえの? その辺で」

と煽ったが、やはり彼女は沈黙を守っていた。

 だが、続けて彼が、

「なんなら窓開けてやろっか」

と提案した時は、さすがに拒絶の声を上げた。

「ふざけないでよ!」

気の強い女らしく、鋭い目で中空を睨み付ける。

 慶介は彼女のリアクションにニヤニヤしつつ、今度は押し付けていた乳房を窓から浮かして鷲掴みにした。

「うお、すっげ! 柔らけ~っ!」

目一杯広げた手で、握力込めてグニャグニャと脂肪球を揉みしだく。

「ちょ、痛い」

有紀は抗議したが、慶介は頓着せずに、その姿勢のままクルリと向きを変え、仲間にその手の中のものを見せつけた。

「見ろよ! 手の中に入んねえ」

そのレポート通り、確かに広げ切った指の端から端をもってしても、彼女の乳房はそこに収まりきらなかった。余った柔肉が垂れこぼれている。

「マジか」

「デケーな」

仲間達も口々に感嘆した。次いで彼らは、自分達もそれに触り始めた。

「は? ちょ、やっ、痛い」

有紀は眉間に皺寄せて肩を左右に振るが、それにつれて豊かな塊が地盤からタプリタプリ揺れると、返って面々を面白がらせ、益々いたずらをエスカレートさせた。浩樹は人差し指を柔肌に際限なくめり込ませ、竜二は乳首を延々と引っ張る。豊乳はそのいずれをも、圧倒的な対応力で許容した。

「なあ、これ、吸っていい?」

誰に許可を求めるでもなく、だが少なくとも有紀本人にではなく竜二が言い、彼は乳輪をきつくつまむと口をあんぐり開けて近づけていった。

 すると、次の一瞬、一同を驚きが襲った。

  *

「ねえ、お母さんは? お母さんは?」

有紀の下の娘、幼い瑞穂が舌足らずに言って姉のシャツを引っ張る。姉の清美はそれをうるさそうに払った。

「知らないわよ。お母さん忙しいんだから、大人しくしてなさい」

マせた口調で言って、母親代わりのつもりである。だがその実、自分は同級生との砂遊びに夢中だ。その同級生、本当はその幼稚な遊びに飽きているのだが、清美のしつこさに渋々付き合わされていた。

 妹はすごすごと引き下がり、チュパチュパ指を吸って不足をやり過ごす。

  *

「わっ、なんだこれ!?」

顔面に温かい汁が掛かって、竜二は面食らった。それは母乳だった。

「マジか!?」

母乳出んの、オバサン!?」

少年らには初めて接する光景だった。悪ぶっているとはいえ、比較的モテる慶介を含めても、つい最近になってやっと性交の味を知ったような連中だ。この時初めて、母体としての女体の役割を肌で実感したようなものである。

 よく見れば、その乳輪は赤黒く、周囲とのコントラストが鮮明であり、また乳首のくっきりとした陰影もまた、授乳に適した状態であったのだが、乳幼児の本能を忘却したオス達には、ただの卑猥な造形でしかなかった。

「なに、オバサンって赤ちゃんいんの?」

浩樹は問うたが、有紀は答えなかった。実際には、もう赤ん坊という年でもなく、口もきけば歩きもする幼児がいるばかりだが、有紀の乳の出は三年越しでもまだ止まらないのである。

「うお、母乳ウッマ!」

「なんだこれ、こんなんあり?」

竜二と浩樹は左右の乳首にそれぞれ吸い付いて、思い思いにミルクを飲んだ。

「イヤッ! キモい、この変態!」

母親としての強烈な不快感に苛まれ、しきりに罵る有紀。二十以上も年下で、確かに法律上もまだ子供とはいう相手なれど、この状況下において母性愛など微塵も感じるはずがない。

「おお、オレも吸いてえ! おおっ、もうイくわ!」

慶介は羨ましそうに叫ぶと、腰の回転を一際激しくした。それは、まさしく種付けの合図であった。

「おっ、ペー助、中出しかよ」

浩樹の煽りに、その以前からそれと察していた有紀、大いに異議を唱える。

「はっ? ちょっ、ふざけんな」

「ああ、そういえばオッサンは外に出してたっけ」

竜二が床を見れば、今でも前原の出した粘液が机の下に広がっていた。慶介は言った。

「オレさあ、潔癖だから床汚すとかできないんだよね。やっぱさ、教室はキレイに使わなきゃ」

 彼の芝居じみた言い方に同調して、仲間も好き勝手を言う。

「どうせ中も外も一緒だって」

浩樹は言ったが、たとえそうだとしても、女としては無理矢理犯された男の汁が体の中に入ることこそがそもそも嫌だった。

「やめて! 離して!」

事の前にも増して激しく抵抗する有紀。だがこれはもはや逃れられない定めであった。

「あ、あ、イく! ……ああ、出る……出てる……ヤベ……チョー気持ちいい……」

若いエキスが言葉通りにたっぷりと迸る。注がれる身は知ろうまいが、それは彼女の母乳が如き白さで、且つそれよりずっと粘っこいものだった。

  *
 
「いました?」

「いいえ、やっぱりもう帰っちゃったんじゃないかしら」

校舎の入り口で中年の男女が出会い頭に挨拶を交わす。相変わらず有紀を探していた。次の競技にも彼女はエントリーしていたのである。

「まさか、校舎の中にいるなんてことは……」

男が暗がりに目を凝らす。すると、タイミング良く、そこから父兄の花村が出てきた。また、校舎前の植え込みの方からは、同じく父兄の小林が現れた。

「いや、こっちには誰もいないみたいですよ」

花村は有紀を見ていないと言う。小林も同調した。二人は余人にはそうと分からぬ程度にちょっと目を見交わした、何か通じ合うものを感じて。

捜索隊の二人はそれを聞き、またそれぞれに散っていく。うち女の方は別の女と合流してブツブツ言った。

「ていうか、金光さんエントリーし過ぎじゃない? 出る気もない癖にさ――」


〈つづく〉


人妻官能小説【蕩蕩】






テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

タグ : 母乳 中出し 強姦



大輪動会-プログラム#3-

  *

「最低……最悪……」

事が終わって、有紀は一人ごちた。すぐさま下着を上げるべく前屈みになる。が、素早く回り込んだ浩樹が、そうはさせなかった。

「ちょ……何すんのよ」

有紀は訝しんでみせたが、彼の意図は明白であった。慶介がそれをからかう。

「なんだよお前、ババアとか言って笑ってた癖に」

「うっせ、ついでだからヌいて帰んだよ」

浩樹は言いかえしながら、既に露出している勃起を二度、三度しごいてみせた。そしてそれをたわわな尻肉に接着させる。

「は? 何考えて……嫌っ、いい加減に……」

有紀はまた反抗し、ジタバタと手足を振った。

「じっとしててよオバサン。チンポ入れるだけだからさ」

たちまち三人が団結して彼女を封じ込める。腕力で敵いっこない人妻、あっという間に二本目の少年を中へ上がり込ませた。

「もうヤッちゃった後なんだからさ、二本も三本も一緒でしょ?」

浩樹は諭しながら、優々と腰を回しだす。粘った汁が、それにつれネチャネチャという擬音を生じた。有紀は拳を握りしめて悔しがったが、元はと言えば己の不始末が蒔いた種である。

 浩樹は女肉を堪能しながら、さらに厚かましくも竜二に問うた。

「すっちゃんもこの後ヤんの?」

 問われた方は、ただニヤニヤ笑っている。その顔を見て、浩樹もニヤニヤ笑って、

「ヤりてえんだろう」

と、いたずらっぽく誘った。

 頭越しにやり取りされる貞操、慰み者に落ちた女にならではの仕打ちである。まだ男を入れている最中から、もう次の男の予約が入った。有紀はうんざりしつつ、唇を噛む。一度の過ちが三倍に、口封じとは土台割に合わないものである。

「母乳ヤベえな」

大口開けて、慶介は乳輪を吸い込む。有紀の乳もそれに応ずるかのように、前にも増して噴き出すようである。あるいは、男性ホルモンを直入されて反応したのだろうか。

「エロ過ぎでしょ、この体」

そんな彼の評価を聞き、いよいよ竜二も我慢できなくなった。

「ニンニン、早く代われよ」

と、浩樹を急かしだす。だが、代われと言われて即代われるものでもなく、

「待てよ、こんな爆乳とヤれること滅多にないんだからさ、もうちょっとヤらせてくれよ」

最中の方はもちろんまだ愉しむつもりだ。おまけに友人らの手前、すぐに終わったのでは男が廃るというもの。浩樹は尻たぶを鷲掴みにしつつ、鼻息を振り撒いて肉棒を摩擦した。

 一方、既に終えた慶介はその点落ち着いたものである。

「な、この乳すげえよな。ババアの癖に体は最高だよ。チョーエロい」

 褒めているのかけなしているのか、ただ言えることは、有紀にとっていずれにせよ不愉快な評である。元より、もう一々目くじらを立てるのも馬鹿らしいが、有紀は彼らの“ババア”呼ばわりに激しく違和感を感じていた。三十代の自分は、まだ若いと考えている彼女。その点、十代の若者が二十歳も年上の、しかも子連れの女を見た時の印象に考え及ばなかった。

「――ああ、ていうかオレ、熟女ありかも」

現に犯しながら、浩樹は新たな可能性に言及した。しかしそれは賛同を得なかった。

「いやない。それはない」

「このババアが爆乳過ぎるから別腹」

  *

 グラウンドでは二人三脚が行われていた。中には男女のペアもあり、時に転んで揉み合ったりもするが、どこぞの男女が今この校内でしているような淫靡な色彩は微塵も介在しない。そこにあるのはスポーツを通して分かち合う、爽やかな快楽だけである。

「キャーッ!」

走っていた主婦がこけて、笑顔で悲鳴を上げる。相方の男が先に起き上がろうとするが、女がそれに付いていけず、再び二人して転んだ。観衆からドッと笑いが起きる。片足を縛るだけで、いともスリリングな競争になる。

  *

 一方、某教室でも男女が転んでいた。こちらは足を縛ってはいないが、股間と股間が繋がっている。二人は倒れたまま、こちらは起き上がろうともせずに競技を続行した。すなわち、有紀は床に手を突いた格好で後ろから犯されることとなったのである。相方は浩樹から竜二へとバトンタッチしていた。二人の子種を仕込んだまま、三本目の肉棒に突きまくられる。

「すっちゃん、もっとパンパンやって」

「おう」

慶介にリクエストされて、竜二は一層激しく腰を前後した。すると、四足動物と化した有紀の乳房が乳牛のそれのような存在感で、しかも縦横無尽に暴れ回る。

「うおぉ、すんげ~乳揺れ! 普通こんな揺れるか!?」

慶介は興奮して喜んだ。そして彼と浩樹は、反射的に彼女の垂れ下がったものを下から捧げ受けた。ポッチャポチャの水風船がずっしりとした重みを彼らの手の平に預ける。

「オバサン、どう、チンポ気持ちいいの?」

浩樹は乳を手に乗せたまま、その息で彼女の産毛がそよぎそうな程の近くに顔を寄せて尋ねた。有紀は黙秘した。何度聞いても頑なに口を閉じている。

 その丁寧に塗り込められたファンデーションとピンク色のチークの上を、二筋三筋と汗玉が伝い落ちる。まだ準備体操と短距離走に出たきりなのに、しっかりと運動会に参加してきたかのような風情である。

「気持ちいいに決まってんじゃん。運動会中にマンコしてたヤリマンババアだぜ?」

代わって、慶介が応じた。浩樹はちらりと彼を見、そしてまた有紀のライトブルーのアイシャドウの奥を見てせせら笑った。

「だよな。チンポ欲しくてたまんなかったんだよな」

 竜二はその会話に乗って、

「気持ちいいかよオバサン、オレのチンポかてえだろ」

と質問半分、主張半分に言い放つと、相手の胴にぐるりと両腕を回してしがみつき、うねうねと尻を波立たせた。

「おおぅ、ヤベ、もうイきそうだ」

彼は友人の所望に付き合って見せ場を作った為もあり、早くもエレクトの近いことを告げた。

 二人三脚、今しも二組の男女カップルがゴールしようとしていた。片や観衆から喝さいを浴び、たとえ転んでビリになろうとも温かく迎えられる爽やかさ。片や人目のない所で猥雑な言葉を浴び、たとえ妊娠してしまおうともお構いなしとばかりに突き放される卑劣さ。

「死ね……ガキ……」

有紀は口の中でつぶやいた。このスポーツには、パートナーへの労いも、賞賛の言葉も聞かれない。

 間もなくカップルは劣情のゴールテープを切った。乳牛に種汁が流れ込む。

「オオー、スゲー出る。中出しヤベー」

フルフルと痙攣しながら、竜二が恍惚として感想を述べた。その尻たぶの笑窪がペコペコ凹むうちは、まだ注入が続いている証拠。彼は乳房を揉みしだきながら、彼女の背中に圧し掛かった。すると、少しく太り気味な体型の彼に押され、有紀はペタンと伸びた。圧迫された所から、母乳が広がる。

 その光景を見下ろしながら、すっくと慶介は立ち上がった。自分の番が終わった時から、当初の身だしなみに戻している。浩樹もそうだ。まだ下半身を露出したままなのは、竜二ばかりである。

「おい、そろそろ行こうぜ」

慶介が二人に言った。しかし、竜二は未練がましく返した。

「オレ、もう一発位中出しさしてくんねえかな」

「分かった。じゃあ、お前一人でヤッて、後から来いよ」

浩樹はあっさりと言い放って竜二の反応を待つ。竜二の返答は彼の期待通りであった。

「いやウソだって、オレも行くし」

だが、彼が女を放すよりも前に、慶介が廊下の方を向いて鋭く怒鳴った。

「何見てんだよ!」

  *

 金光は特に見ているわけではなかった。目はたまたまそちらの方に向けていたが意識は向いていず、今は傍の連中とゴルフ談義に夢中である。だから、テントの前を息子や娘が走り過ぎた時でさえまるで気づかなかった。

「カミさん? さあ、見とらんなあ。もう飽きて帰ったんじゃないか? まあ、アイツも気まぐれだからな」

競技が始まる前に人に尋ねられて、彼はいかにも無責任にそう答えて笑った。手にはカップ酒。朝っぱらから早くもほろ酔い加減である。

 子供達も別段父の応援などには期待しておらず、各々目の前の課題に必死である。ただ、長女の清美は、本来母と組んで出場するはずだった競技で別の母親と組むことになり、とんだとばっちりを喰っていた。

  *

「なんだ、もう終わりかよ」

見つかって開き直ったという態で、男が入ってきた。普段は消防士をしている二十代半ばの、花村という者だ。その手には、今日娘を撮影するために持ってきたビデオカメラが握られている。

 さらに後ろからもう一人、こちらは四十過ぎの男が入ってきた。彼を見て思わず声を上げたのが有紀である。

「こ、小林、さん……?」

彼と有紀とは同じ町内であった。もっとも、普段は挨拶すら交わさない程の付き合いだが。

「どうも、金光さん」

小林は笑顔で会釈した。二人が直接口をきいたのは、初めてに等しかった。有紀は左腕で胸を覆い、膝を折って恥部を隠した。そして逡巡した、彼に助けを求めるべきなのかどうかと。

 そんな彼女につい今しがたまで組み付いていた竜二、さすがに合体は解いたものの股間は丸出しであり、その先から女陰に架けて白い糸が繋がっていた。彼はもはや焦って衣服を取り寄せることも諦め、返って堂々と侵入者らに凄んでみせる。

「なんだよ、お前ら!」

 が、状況が状況なだけに虚勢は否めない。あまつさえ、敵は大人二人、しかも手前の一人は若々しく屈強そうな体格である。竜二は秘め事を見つけられた負い目もあって、気後れは隠せなかった。

 それは、他の不良少年達にとっても同様である。口々に罵りの言葉を発しはするものの、機先を制せられた動揺は払拭できなかった。

 そんな少年達を見てケラケラと余裕で笑いながら、花村がからかう。

「お前ら、先生に言うぞ~」

「は? ざけんなよ!」

当然逆上する彼ら。しかし、花村は特にいなすでもなく優々と進み出ると、ズボンのゴムに手をかけながら、スッと慶介の方へカメラを差し出した。たじろいだ慶介は、受け取ろうとしない。すると、花村は言った。

「バーカ、分かんだろ」


〈つづく〉


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大輪動会-プログラム#4-

  *

 快晴の下、運動会は続く。大玉転がし、パン食い競争……。休日にスポーツを満喫する町民達。大人も子供も一堂に会し、朗らかな一日を共有している。誰もこの同じ敷地内で、陰惨な修羅場が展開されているとは思いもしない。

「すげえ大玉転がしだな」

花村は有紀の大乳房を後ろから揉みくちゃにしながら下品に例えた。既に陰茎は挿入済みである。いよいよ有紀は本格的な輪姦の憂き目に遭っていた。

 もちろん、簡単に諦めたわけではない。彼女は着る物もとりあえず脱出を試みもした。だが所詮、腕力では敵わない。あまつさえ、花村は暴力的だった。

 有紀は恐怖した。ほとんど生まれて初めて感じた思いだった。胃が締め付けられるように苦しく、顔面からは血の気が引いている。その頬には、先程花村によって付けられた手形が生々しく赤々と浮かんでいた。

 まだ慶介を相手にしている時はマシだった。その後彼の仲間二人から襲われた時も気丈さは保っていられた。少なくとも悔しいという気持ちの方がまだ強かった。

「乱暴にしないで……」

歯を食いしばって、やっと言った。そんなセリフを思いつくこと自体信じられなかった。それはまるで大昔のテレビドラマのセリフのようだと、心の中で寒々しく感じた。

「今日は奥さんのこと、みんなオナペットにしてますよ。なんせ体だけはいいからなあ。体だけは」

小林がだらしなく口元を緩めながら言った。彼は別段、有紀や金光家に鬱憤を持っている者ではない。ただ、妻から日頃何かと悪い評判は聞かされていた。彼は有紀に同情することもなく、またさしたる想い入れもなく、純然と欲望に従っているのだった。

「ヤンチャだなあ」

慶介がカメラを片手につぶやいた。花村から託されてそのまま撮影をしている。実は花村達の現場を押さえておいて、状況によっては駆け引きに使おうという漠然とした魂胆があった。

 そんなリスクにも頓着することなく、花村は堂々と女を姦淫する。彼のいきり立ったモノは、早四本にえぐられた淫門をさらに抜き拡げた。実は有紀とて身なりは派手にしているものの、男性経験は夫を入れて過去に四人しかない。それがこの僅かの間に倍になったわけだ。

「ほうら、こっちはチン食い競争だ」

そう言いながら有紀の茶髪を鷲掴みにして引き倒しのは小林だ。彼は己の肉棒を有紀に無理矢理くわえさせた。さらに竜二も共犯に招く。

 竜二は当初の反目も脇へ置いて、のそりのそりと進み出た。元々やり足りなかった彼だ。多少の躊躇いも、性欲が勝ったものである。

「チン食い競争だぞお、奥さん」

我ながら気に入ったらしく、同じフレーズを繰り返す小林。調子を合わせて、花村が軽く笑った。竜二も硬い口辺を僅かに緩める。彼の陰茎は早くも再隆起していた。

 有紀は二人の男根を代わる代わるくわえさせられた。時にむせ、時に唾を垂らしながら、口腔の酷使に耐える。不快だとか、そういう印象の前に、やはりとにかく怖かった。ジンジンと疼く頬の上に、無自覚な涙が流れ落ちる。

「鬼畜だなあ、ハハ……」

浩樹がつぶやいた。友人の素直な参戦に些か動揺した彼は、大人達に迎合したものか逡巡し、慶介の顔色を窺った。慶介は黙ってカメラを構えている。確かに言えることは、彼の股間も浩樹のそれも、再び盛り上がっていた。

 折しも、花村が終わって、小林がバトンタッチした。これを機に、慶介と浩樹が動く。ほとんど同時だった。

「頑張れ奥さん。棒倒しだ」

後背位で貫きながら、小林がまた例えを使う。有紀は左右の手にそれぞれ慶介と浩樹の男棒を握らされ、口にはそのまま竜二が居ることで、四人からレイプされることになった。

 口の一本が外れた刹那を縫って請う。

「もう許して……」

 だがその声は、むせ返る息の下で誰にも聞き取られなかった。

  *

「チッ、出ないなあ。何やってるんだ、アイツ」

金光は愚痴りながら、携帯電話を置いた。何度かかけ直してみたが一向に相手は出ない。仕方なしに娘に向き直って言った。

「弁当あるだろ。先に食べてていいぞ」

 清美はそれを聞いて、妹の方へ駆けていく。もうすぐ昼休みが近いというのに母が居ないので、一応父の所へ指示を仰ぎに来たのであった。

「奥さん、出ないですか」

傍に居合わせた実行委員の鈴木が問いかける。

「ああ。何やってるんだろうねえ、全く」

金光は相変わらずカップ酒を手放すことなく、一瞥もしないで答えた。何ら焦る様子もない。また、子供らの所へ行こうともしない。彼は退屈そうに、

「家で寝てるんじゃないかなあ」

とつぶやくと、自身あくびをして、パイプ椅子に浅く座り直した。

 鈴木はテントを離れると、自分も携帯電話を出して一人ごちた。

「さて、こっちはどこ行ったのやら」

 今度探しているのは、同じ委員の島田である。今日はやたらと人を見失うので、彼は困っていた。

  *

 島田の電話は、彼のズボンのポケットの中で振動していた。だが、彼は気づかなかった。今は前原の容体を診るのに夢中である。

「ほお、ほおほおほお……」

彼は失神者の脈や呼吸を探ってみて、可とも不可とも言わなかった。

 その背後では、一緒にここへ来た高橋が、有紀に乱暴している。役員二人は校舎内を見回って、とうとうこの教室にたどり着いたのだった。

「オラ、立てよ」

膝から崩れ落ちた有紀の尻をしたたか打ち、強引に立ち上がらせる。濡れそぼった肉棒が、その暗がりに埋まった。

「しゃぶれ、オラ」

前方では花村が男根をおっ立たせている。有紀は無理やりにパクつかせられた。

 前後からの挟み撃ちは間断なく続き、犯され女は休む間もない。既に不良少年三名は、二周目の膣内射精を終えていた。校庭から鳴り響く軽快なメロディになぞらえ、“輪姦マーチ”と例えたのは小林である。

「オラオラオラ……」

高橋は遮二無二腰を叩きつけた。彼は金光に恨みがあった。とある入札案件で競り負けたのは、金光と落札業者との間に不明瞭なやり取りがあったからだというのだ。だがこの小さな町での訴追は死活問題である。結果、事件は明るみにすら出ることなく、彼ひとりが損をする形で有耶無耶に終わった。

 だから、有紀の輪姦現場を目の当たりにしても、驚きこそすれ同情はしなかった。むしろ、日頃の鬱憤を爆発させて率先して加担したものである。ただでさえ今日は、朝から仇敵の顔を見て怒りを新たにしていた矢先だ。

「この淫乱女が!」

常々有紀の豊満な肉体を見るにつけ金の匂いを感じ、腹立たしかった。それでも彼女に勃起し、意趣返しとして強姦を選ぶところ、やはり男である。

 その点は島田も同様であった。彼は金光の隣家に住んでいる。有紀のことは、態度の悪い嫁だと家族で散々罵ってきた。よって、性の対象という意識はこれまで全くなかった。

 ところが、犯される彼女の裸体を見た時は、“なるほど”と思った。腹立たしいが、性欲を刺激された。だから、という面もある、現状を追認したのは。

「困ったことをしてくれたもんだ」

そんなことを言いながら、彼はしかし止めなかった。そこへ、慶介がスマートホンの画面を見せに来る。島田は彼と顔見知りだった。幼少の頃から地域行事の折ごとに目をかけてやり、現在でも悪さを咎めたりと温かく見守ってきた。

 慶介は、バツの悪さと親しみを交錯させつつ、きっかけとなった有紀と前原の悪事を告げ口したのである。

「やれやれ……」

島田は、男根を頬張らされて相好を歪める女を、冷たい目で見下ろした。脳裏には先日の剣呑な対応が浮かんでいる。隣家との最大のトラブル、それは境界線問題だった。金光はとうとう無断で囲いを作るという強硬手段に出た。その非を咎めた際の彼女の常識のない応対である。

 それがどうだ。今では男達の言いなりになって、その身を蹂躙されている。その変わり果てた姿に、“ざまあみろ”と思いながら、彼もまた勃起を露出した。


〈つづく〉


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大輪動会-プログラム#5-

  *

「ほら、お父さん、早く早く!」

娘に急かされて、慌てふためく父。

「おっ、おお!」

 彼はウトウトといつしか眠っていたのだ。今は借り物競争の最中。親を連れてくるようにとの指示で、清美が金光の許へ駆け寄ったのである。もっとも、本当なら母を連れて行きたかった彼女であった。

 その様子を遥かに見下ろしていた鈴木は呆れかえった。島田を探して、とうとう例の教室までたどり着いた彼である。そこで現場を見て驚きかえったのは勿論であるが、どこか的外れな感性もあり、

「金光さんの奥さんには、まだ出てもらわなきゃいけないプログラムがあったんだけどなあ」

と、変な懸念を表明した。役目熱心ではある。

「まあ仕方がないじゃない。お母さんは、こっちが借り物してるんだから」

小林は自分で言って自分で大笑いし、周囲の同意を誘う。アルコールでも入っているような興奮状態である。

 彼のみならず、男共は異様に昂揚した表情をしていた。薄ら闇が覆う休日の教室は、屈折した劣情の不穏な空気に満たされていた。

 鈴木はその空気に僅かに肝を冷やしながら、さっきまで健全に運動会の進行をしていた同僚島田が、リビドー丸出しで女を抱いている姿を非現実的な構図として見ていた。

 それは女の方にも言えた。つい先日のことだ。鈴木が駐車場の交通整理をしていた際、無茶なクレームを譲らず自分の車を禁止区画に止めさせたのが有紀だった。その理不尽な権勢には、ほとほと嫌気がさしたものである。

 あの女とこの女が同じであるとは到底信じられない。いつも人の言うことに耳を貸さない女が無理矢理に体で言うことをきかせられているとは、なんという皮肉であろうか。

「そうだな」

自分の番を終えて、それまでの行為の卑劣さをすっかり忘れたかのように取り澄ました島田が口を開いた。鈴木のつぶやきを受けてである。

「運動会には参加してもらわないと」

  *

「あっ、金光君のお母さん……」

教え子の母親と鉢合わせて、比嘉は挨拶した。が、“探してたんですよ”という二の句は思わず飲み込んだ。彼女の姿に、ただならぬ卑猥さを見たからである。

 有紀は白いティーシャツと赤いホットパンツに身を包んでおり、朝のジャージ姿ではなかった。さらにそのシャツにピチピチの胸部が突っ張って輪郭も露わになっている。その上どうだ、先端は濡れて被服の下の赤茶色を透けさせているではないか。言うまでもなく、下着はつけられていない。

「が、頑張って下さい」

彼はそう言うのがやっとだった。有紀はどこか虚ろな目で会釈すると、いつになく黙りこくって去って行った。思わず後ろ姿を目で追えば、ホットパンツの裾から垂れた尻肉が見え隠れしていた。

 彼女の両脇には父兄の男が付き添っている。花村と小林。これから三人四脚に揃って出場するのである。三人は素知らぬ体で列に紛れた。彼女の帰還に気付いたのは、比嘉のほか周囲の数人程度である。

 出場は、もちろん有紀の望んだことではない。弱々しくはあったが、レイプの時と同様に断固拒絶した。だが、事の露見を防ぐ最良の手段と脅され、それに他の男達も納得して、狂気の圧力の中、一行はグラウンドへと降りてきたのだった。

 提案者の島田を始め、姦通者達も彼女を取り巻き見守っている。とはいえ、逃げ出すなら今しかなかった。なりふり構わずに、今度こそ助けを求めればいい。

 そう思い迷う有紀の耳に、後方からヒソヒソと話す声が聞こえてきた。

「ねえ、あれ、金光さんの奥さんじゃない?」

「ほんとだ。今までどこ行ってたのかしら」

それは、有紀を知るらしい女同士の会話だった。この好機を逃さぬ手はない。有紀は両隣の男を振り払うべく、腹に力を込めた。が、彼女らの話題が、すんでのところで行動を思いとどまらせた。

「やだ、何あの格好」

一人が指摘すると、もう一人も同調した。

「わざわざ着替えてきたのかしら。どんだけ目立ちたいのよ」

「それにしたって、あの短いズボン何?」

二人は有紀の後ろ姿を見て、ホットパンツの丈を批判した。それは、高橋がどこかから調達してきたものだった。有紀は訳も分からぬままに、素肌にこれを身に着けていたのだ。すなわち下着も履かずに。

「ちょっと場違いよねえ」

「ほんとほんと、こんなとこで男受け狙ってさ」

「いい歳してやぁねえ」

「子供に恥ずかしくないのかしら」

女達は好き勝手に陰口を叩いて、クスクスと笑った。これを聞き、ハッとしたのは有紀である。遅まきながら、今やっと自分の衣装が異様なことに気が付いたのだ。閉鎖空間から公の場へ、その環境の変化にのみ囚われていた彼女は、自身の格好の与える印象にまでつい思い至らなかったのである。

 こうして時機を逸した彼女、すぐに発走の番となった。

「位置について――ヨーイ……」

足を縛られ、がっしりと肩を抱かれ、その為に余計に乳房がせり出して、その先から母乳がにじみ出て……

「ドン!」

三人は駆け出した。徒競走とは違う躍動が、不規則に乳肉を暴れ回らせる。その暴威に釘づけとなり、鼻の下を伸ばした男性観覧者が少なからずいた。

 その内の一人、自分の夫にいち早く気付いたある妻が、眉根を寄せてたしなめる。

「あんた、どこ見てんのよ」

 夫はドキリとしながら誤魔化す。彼は、有紀と同じ町内の服部だった。その誼で彼女らを見ていてもおかしくはないのであるが、後ろめたさは否めない。しかし懲りずに、

「でも……でっけえよな」

と、冗談めかして言って、妻から肩をはたかれた。もっとも、彼女にもすぐにその意が通じる位、有紀の乳房は存在感があったのである。さすがに客席からの一瞬では、彼女の透けた乳輪までは確認できなかったが。

 有紀は、暖かい日差しと群衆の喚声を浴びて、クラクラと目まいを感じた。もはや自分の足で立っているという自覚がない。頭の中では、さっき聞こえた、

『子供に恥ずかしくないのか』

という文句が渦巻いていた。この一言が一番こたえた。子供と夫は彼女のステータスであり、その意味で現実感があった。

 彼女は内腿をすり合わせ、にわかに恥じらいだした。胸も尻も衆目にさらし、嗤われている気持ちになる。過剰な自意識は抑制のしようがなく、とにかく体中に視線が突き刺さるようで、カーッと全身が熱くなる。

 そんな有り様だから、ゴールと同時に物陰へ連れ込まれたのは、返って好都合だった。そして彼女はそこで、今しがたの伴走者らにそのままの勢いで犯された。


〈つづく〉


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大輪動会-プログラム#6-

  *

 前原は、誰も居なくなった教室でモゾモゾと動き出した。頭を打ってはいるが、意識に支障はない。実の所、これまでも気を失ってなぞいなかった。むしろ、本当に失神していたかったのだが。

 音だけで聞いた地獄絵図はあまりに壮絶だった。もし自分を騙す為だけの芝居であったなら、どんなに幸せだったろうかと思う。現に静かになった教室には、惨状の形跡など微塵もななく、ただ己の精液がこぼれているのみである。

 彼はその証拠を拭きとると、足音を忍ばせて廊下へ出た。今となっては、誰にも会わないようにと願いながら。

  *

 汗を振り撒いて男同士が引っ張り合う。但し、引いているのは綱でなく女だ。すなわち、男二人による女体の綱引きである。その内“後ろ側”からさっきまで引いていた小林が、自身の番を終えて一服しながら言った。

「体育館裏でタバコとか、昔を思い出すな」

 それを聞いて慶介が自分も吸おうとし、島田からたしなめられる。また、火の始末はきちんとするようにと、小林も注意される。集団レイプはお咎めなしなのに。ここには、先程教室にいた面々が再集結していた。

「オラオラ、チンポ気持ちいいだろ、オバサン」

小林の跡を継いで女陰に肉棒を刺す花村が乱暴に言った。人の親とはいえまだ若く、有紀の一回り年下ではあるが、大仰に彼女を年寄扱いだ。

「見られて興奮したか、この淫乱女」

こちらは口腔を犯す高橋、同じく女をぞんざいに扱いながら、先の出場レースのことを揶揄した。

 有紀は久々に憤った。これまで絶望に駆られて深く落ち込んでいたものが、再び感情を取り戻した格好だ。衆目にさらされての自意識の過剰なる復活は、確かに彼女に影響を与えていた。

 とはいえ、差し当たり何が出来るわけでもない。多勢に無勢だ。いつか逃げ出そうと強く誓い直しつつも、今は男達の罵声を無視するのがやっとだった。

 そんな有紀を、花村が一層いじめにかかる。

「マワされまくって、もう何回もイッてんだろ」

彼は硬いモノで尻側の膣壁をズリズリと大きくこすりながら詰め寄った。二人の密着部には、トロトロの粘液が溢れ返っている。

 もちろん有紀はだんまりだ。仮に口をきくにしても、花村の指摘を認めるはずはない。男ならではの独りよがりと、嘲笑でもって応酬するだろう。

「イキッぱなしか、おい。こんなにチンポハめられんの初めてだろう」

そう花村が問うと、高橋は、

「いや、この女変態だから、どうせヤりまくってるぜ」

と憎々しげに笑った。まだまだ金光夫人を貶め足りない彼である。さらに高橋は、口から抜いたペニスで彼女の鼻柱をしたたかに打ちもした。

 一方の花村は一旦合体を解くと、二本の指をそれに代えてねじ込み、

「派手にイッてみせろや」

と、激しく小刻みに動かした。それに高橋も同調し、

「オラ、イき顔見せろ」

と、犯され女の顎をグイッと持ち上げる。それを横手から覗き込んで不良少年らが面白がった。

「ほらオバサン、イく時は“イく”って教えてよ」

浩樹が言うと、その場の数人が“そうだ、そうだ”と手を打った。それでも有紀が黙っていると、とうとう高橋が言い放った。

「おいコラ、このままグラウンド引きずり出すぞ」

 それまで表情を変えなかった有紀だが、この一言には不用意にも動揺した。

  *

 比嘉は体育館の方へ歩いていた。実は彼一人、群衆の視線がほかへ移りゆく中で有紀の姿を最後まで目で追っていたのだ。彼女は一位でゴールを通過した後、パートナーの父兄達に連れられて運動場を密かに出て行った。そもそもその出走前の様子もあり不審感を覚えた彼は、自身の出場を終えた足で彼女らの足跡をたどり出したのである。

 元々比嘉もまた、有紀に快い感情を抱いていなかった。自身の受け持つクラスに彼女の息子佳彦がいるが、この息子の身勝手もさることながら、それに輪をかけて母親の言い分がひどい。

 佳彦は日常的に指導に従わないことが多く、時には奇声を発し続けてこちらの言葉を遮ったり、試験中に堂々と不正を行ったりし、とかく自分の気に食わないことは受け入れようとしない。それもまた、教師が体罰等の強硬処置に出られないことを知っての上である。

 母有紀はその事実を一切認めないばかりか、ことごとく息子の肩を持ち、そればかりか全てが教師側の責任であると豪語する。やれ依怙贔屓だの、やれいじめだなどと騒ぎ立てる。いわば、モンスターペアレントとモンスターチルドレンの親子なのだ。強気の裏には、無論町議金光の存在がある。

 比嘉にとっての救いは、校内の同僚をはじめ、他の生徒達までもが彼に同情してくれることであった。それ位金光親子の異常性が際立っていたわけで、周囲はとにかく問題に巻き込まれないようにと、彼らを避ける方針に一決していた。

 体育館の傍まで来る。ここに至るや、もう人気はなかった。後は裏へ回るばかりであるが、果たして何やらそちらが騒がしいようではある。

 と、その時、その角から猛スピードで後ずさって来た男とぶつかった。

「あっ、すみません」

反射的に謝る比嘉。ぶつかった相手は、明らかに狼狽した態で、言葉もなく立ち尽くしている。知らない顔だった。

 だが、素性以上に気にかかったのは、その背後、角の向こうの騒がしさである。比嘉は妙な胸のざわつきを覚えて、好奇の目をそちらに向けた。途端に、

「あっ!」

と、思わず出そうになった声を、すんでのところで飲み込む。裸の女が一人、大勢の男に囲まれているのが目に入ったからだ。

 すぐに顔を引っ込めて、思わずさっきの男を見る。すると男の方でも、丸くした目を真っ直ぐに見返していた。彼もまた、自分と同じ状況なのだろうと思われた。

 比嘉は、もう一度足を踏み出した。男との相談よりも何よりも、真っ先に解消しなければならない疑問がある。それは、もはや確信的な事実ではあったが。

 ちらり、と見て、また首を引っ込める。

「やっぱり……」

もう間違いなかった。あのふてぶてしい口元、濃厚な口紅、若づくりな厚化粧、ケバケバしい髪の色、遠目にも明らかだ。何より、あのたっぷりと肥えた乳玉は、当人でしか考えられなかった。

「金光君のお母さん……」

我知らずそうつぶやいていた。すると、それを聞いた傍の男がビクッと肩を怒らせた。つられて比嘉まで驚いた位に。彼は男に問いかけてみた。

「か、金光さん、ですよね」

相手は小刻みに肯き返す。そして、思い切った風に返事をした。

「ご主人に、知らせた方がいいですよね……」

 比嘉は答えかねた。この場合、夫が受ける衝撃は確実な訳で。彼は、もし自分がその立場だったらと思うと、逡巡せずにはいられなかった。

 すると、男は比嘉の返事を待たず、

「とにかく、誰か応援を呼んできます」

と言い捨てるや、焦った態で走り去って行った。随分動揺しているようだが、やたらに行動は早い。

 比嘉は待つしかなかった。別に見張っていろとは言われていないが、また有紀を見る。心臓の動悸が否応なしに高まる。今にあの男が帰ってきて大騒ぎになるだろう。

 すると、そう思った刹那、彼の視線の先で、件のモンスターママが叫んだ。

「イく、イきますぅ! イきますってば!」

  *

「おう、なんだ君は。こんな所へ来ていたのか!」

金光は前原を見て、驚いて声を掛けた。便所に立った帰りにばったりと出くわしたものである。

「妻には会ったのか?」

「ええまあ……」

前原は必死の作り笑いで答えた。会ったも何も、つい今しがた輪姦される彼女を見てきた。比嘉は知るまいが、さっき助けを呼びに立った男こそ、前原だったのである。

「そうか、いや、今日声を掛けたとは聞いていたんだがね。まさか本当に来てくれるとは。――それにしても、あいつはどこ行ったんだか」

金光は言いながら、傍の椅子を勧めた。酒が入って上機嫌である。前原としては一刻も早く立ち去りたかったが、ここは仕方なしに座った。火遊びのツケが回ったものかよくよく運がなく、人気のない道を抜けて出ようと思えば輪姦現場に出くわし、人に顔も見られるし、挙句不倫相手の夫にはつかまるしと散々だった。

 それにしても、彼女は一体これからどうなるものか。目撃者も待機していることだから、遅かれ早かれ事が露見するには違いない。そうなれば町は大騒動だ。目の前の町議も大変な目に遭うこととなろう。前原はいたたまれなかった。


〈つづく〉


人妻官能小説【蕩蕩】







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大輪動会-プログラム#7-

  *

「はいはい、イきましたイきました!」

有紀は投げやりに言った。その言い方にプライドへの固執ぶりを目ざとく見つけ、男らはここぞとばかりに笑う。

「『はいはい、イきました』だって」

慶介が発言をなぞれば、浩樹も、

「イッてたんだオバサン」

と、下衆な笑顔。有紀は大いに赤面した。言い回しを後悔してももう追いつかない。虚勢を張った己がいかにも間抜けに思えた。

 内省的傾向は弱気を呼ぶものだ。加えて、言葉は口にすると独りでに力を持つ。嘘さえ誠にしかねない。

「じゃあもっとイかせてやんよ。イきっぱなしにしてやんよ」

と、花村が言って、再度ペニスを挿し込めば、本意でないのにもかかわらず、有紀は心のどこかで疑念を生じる自分に直面した。“ひょっとしたら”とばかりに。

 この傾向は、そもそも三人四脚このかた加速していた。体にばかり言うことを聞かせられ、その上明るい場所に連れ出されてと絶え間ない緊張を強いられた結果、精神と肉体それぞれに興奮と発熱の症状が見られた。

「クッ……ンッ……!」

照れ隠しに呻きながら、彼女は唇を噛んだ。それをこじ開けて、改めて高橋の男根がねじ込まれる。二本の男根間にいるのが、もはや彼女の正位置とばかり当たり前に。

 さらに、花村が終われば、これまた当然に高橋が彼の跡へとコンバートする。間断なく生殖活動は続く。

「『イきっぱなしにしてやんよ』」

心も顧みず、ただひたすら生殖器を刺激されるや、果たして望むべくもないオーガズムとて訪れるものだ。決してテクニカルでもなく、乱暴に強引にかき回されるだけなのに、前原相手の時のように、こちらから求める気持ちなど皆無なのに。

「ウゥ……」

有紀はまた悔し涙に震えた。自己嫌悪は、レイプ被害者の通る道である。まして凌辱による発情ほど情けないものはない。

「イ……ヤァ……」

いよいよ現実味を増した大波が迫るのを感じ、彼女は逃げ場を求めた。嘘のつもりだった報告が言霊と化し、真に迫った恐怖を演出する。

「オラ、出すぞ。ケツ上げろケツ」

高橋が腰を引き寄せた。二発目もなんのその、十分な種付け分量が有紀の産道に流し込まれる。ヒクつく肉と肉。だが彼女は、すんでの所で最悪の境地だけは耐えた。

「(フン、わたしがイくって? こんなクズどもの所為で? そんなわけない……)」

 しかしもはや風前の灯である。そんな時、島田が不意に言った。

「やあ、先生」

 有紀が顔を上げると、曇った視界の先に比嘉が立っていた。

  *
 
 比嘉は教師として、教育に個人的感情を差し挟んではいけないと思っている。あの問題児、金光佳彦に対してすら、どんなに腹立たしい目に遭おうが憎んではいけないと自分を戒めてきた。この点で彼は真面目な男である。

 だが、聖職者が必ず聖人であるわけもなく、煩悩に苛まれもすれば、隠し事だってする。その意味で有紀は、比嘉の本性を見抜いていたのかもしれない。なぜなら、教師としての彼を全く敬おうとしてこなかったのだから。

「どうだ、デカチンの味は」

隣から小林が彼女に尋ねている。彼は比嘉の抜き身を見た時、

「おお、デカいねえ、先生」

と、いち早く讃えた男だ。実際比嘉の剛直は平均以上と思しく、またへそまで繁茂する陰毛がそれへ迫力を与えていた。

 比嘉は周囲の視線に頬を赤らめながらも、欲望に任せて腰を振った。彼の骨盤がぶつかる度、柔らかい尻肉の表面が波を打つ。

「このクソ教師が!」

もしも普段の有紀なら、こう罵倒しただろう。彼に対してのみならず、実はおよそ教師一般に対して尊敬の念を持たない母親である。だから、幻滅という程のことはない。やはり彼も、教師という職を生業にするだけの、ただの男だったのだ、と嘲笑うだけだ。

 ただ今はタイミングが悪かった。

「クウゥ……」

憤怒の情が後退し、代わって羞恥の情が支配的となる。有紀は声にならぬ声でむせび泣いた。何かの刑罰を受けているような心境で、壁に手を突き凌辱を受ける。ひと度来れば引きも切らぬのが女のアクメだ。

 ここに至りなば、もはや相手の正体なぞに構う余裕はない。息子の担任だと認識したのも束の間のことだ。強姦魔はいずれも同じ顔であった。

 だが、比嘉の方は違う。彼女をいまだ教え子の母親と見、なんとなればそれ故に陰茎を硬化させていた。参観日、三者面談、果てはクレームをつけに来校した場面が次々と脳裏に浮かんでいる。

 もっとも、いくら彼が三十路の独身とはいえ、日頃より生徒の母親に片っ端から欲情しているわけではない。女子生徒には尚更、色目を使ったことなぞ一度もない。つまりは、あくまで一教師として分別のある男なわけで。

「んっ……」

射精しそうになり、一旦動きを止めて耐える。この要領は、いつも右手で慰めているのに似ていた。だが決定的に違うのは、今は妄想の相手が実体を伴っているということである。有紀は、彼のオナペットだった。

 どうしてそういう目で見だしたのか、自分でも分からない。いつも理不尽な言い掛かりをつけてきて、敵とすら呼んでもいい相手だ。たとえ佳彦を憎まない彼でも、その保護者まで同様に愛せる程、博愛主義者ではなかった。

 この倒錯した欲望は、彼を悩ませた。特に自分で処理を終えた後は、罪悪感に苛まれもした。生徒の保護者、しかも人妻を性的な目で見ることなど、彼の正義にとり、あってはならないことだった。それなのに……

「くそっ、くそっ……」

不条理な性欲と意志の弱い自分を呪いながら、比嘉はいつもペニスをしごいた。頭に浮かぶのは、まともに話も通じないモンスターママ。その居丈高な振る舞い、恐怖すら覚える剣幕、そして、品のないコーディネートに包まれた、傍若無人な出っ張り。

 今その巨峰を、比嘉は力任せに鷲掴んだ。脂肪にめり込んだ指の爪が白くなる。

「ア……ア、ガァ……」

壊れたように呻く女。彼はその全身を乳房ごと引き寄せた。散々弄ばれたらしい淫肉は、それでもまだ彼の欲棒を吸い込もうとするように感じられた。

「思いっきり中出ししてもらいな、オ・バ・サ・ン」

フィニッシュの近いことを察知して、高橋が言う。比嘉はその響きにちょっとためらったのも束の間、容赦もなく腰振りを速めた。どのみち我慢の限界である。前原の帰りを待ち切れず、フラフラと進み出た先程と同じだ。もう分別もどこかへ忘れた。

「フーッ、フーッ!」

鼻息荒く、彼は奥へ奥へ、との意識で肉棒を突き出した。先端の口が熱を帯び、今にもドロドロとした弾を射出しそうである。

「このっ……このぉ……っ!」

心の中で、これまでの憎々しげな像を必死で思い返す。彼女の悪性ぶりを散々強調する。要は、己のしていることよりも酷いというのだ。さらに言えば、そんな女だからこんな目に遭ってしまうのだ、と。

「……アアッ!」

思わず裏返った高音を発し、有紀は目を蕩つかせながら口を覆った。耐えて耐えて耐えぬいて、いずれ奴らを糾弾せねばならぬ身の上だ。負けてはならないのだ。しかし、敗色は濃厚……

「アハハ、イけイけ、中出しでイけ!」

「うっ!」

有紀の喘ぎ声を笑って竜二が囃し立てたのと、比嘉がエクスタシーに達したのとはほぼ同時だった。モンスターペアレントの胎内に、これまでコケにしてきた教師の子種汁が一気に迸る。それは一斉に子宮内へ直射した。勢いと角度のついた亀頭は、とうとうその尖った先を母体の最奥へと突き入らせていたのである。

「ア、フ、ワ……ハッ……!」

白目を剥いて昏倒する淫母。決定的な絶頂が、彼女の正体を失わせた。

  *

「――そいつがまた馬鹿な野郎でねえ。なんて言ったと思う?」

金光は饒舌にまくし立てる。毒にも薬にもならない話だ。前原はいまだ逃げ出せず、それに付き合わされていた。

 と、そこへ、末娘の瑞穂が駆けてくるなり、父の膝の上へ向かい合わせになって座った。こういう時は何かをねだってくると、父は知っている。彼は座興とばかり、とぼけた振りして尋ねた。

「んん? どうした、急に」

 娘は屈託なく言った。

「パパァ、瑞穂、妹欲しい」

「おいおい……」

弱ったなあという風に、前原を見る金光。前原は愛想笑いで応じた。聞けば、彼女も“お姉ちゃん”になりたいとか。

「じゃあ、弟でもいいの?」

酒臭い息で、父はからかってみる。娘はそれに考え及ばなかったらしく真剣に悩みだした。

 その光景に接し、前原はさすがに頬を引きつらせた。そして思うよう、

「ママは今この瞬間にも、弟か妹を孕んでいるだろう。ただ、その父親は、パパじゃないんだ」

と。


〈つづく〉


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大輪動会-プログラム#8-

  *

 上の口からも下の口からもブクブク白いあぶくを噴いて、有紀はもう尊厳もなく敗者の役割を全うしていた。時折身内から切なさが込み上げ眉間に皺寄せる時、刹那的に心が戻るが、喉奥へペニスをぶち込まれれば、すぐにまた木偶の坊に返る。

 口腔を支配しているのは射精して間もない比嘉。彼にとり、かの女の面を歪ませながら己の性具をしゃぶらせるというのは、ゾクゾクする程嗜虐心を煽られた。

 彼の跡を継いで女穴に収まったのは、どさくさ紛れにこの日一発目の鈴木である。彼は比嘉の出し残しを押し戻して肉壁に塗り込んだ。

「いやあ、奥さん、運動会は疲れるね」

小林がのんびりと、彼女の顔へタバコの煙を吹きかける。

 一行は今、体育館の裏からその中へと場所を移していた。一連の競技は皆グラウンドで行われる。体育館の中は人々にとって盲点だ。そう進言し、鍵を開けたのは比嘉。

「(これで、あの男が助けを呼んできても大丈夫だ)」

彼は暗にそう考えていた。加害者らしくすっかり打算的になっている。もっとも、助けを呼びに行ったのは前原だったので、戻ってくる心配はなかったが。

 体育館の入り口には竜二が立っている。交代で見張るルールだ。彼は、ただどちらかというと中の方を気にしながら、チラチラとせわしなく視線を動かしていた。自分もまたやりたいのである。なにしろ、鈴木の後を受けて次に挿入をするのは仲間の慶介だ。それが羨ましい。但し、彼の位置からは現場が見えない。

 輪姦は今、幕の下りた舞台の中で行われていた。昼間とはいえ、ひっそりと暗い体育館の内部。その中で、舞台の上だけ電灯が点いている。外には裾から灯りが漏れる程度。これならすぐには見つかるまいというのが、彼らの判断である。

「しっかし、暑いな」

花村が言った。幕を閉じた閉鎖空間には風の通り道がない。最初はひんやりと涼しかったが、何しろ八人も中にこもると熱気が出てきた。しかもある種の運動をしているのだから。

 彼は舞台袖へ引っ込むと、そこに一つだけあった窓を開けた。下手にだけ窓があった。

「開けて大丈夫?」

小林が聞いた。

「大丈夫っしょ、ここなら」

花村はシャツをパタパタさせながら軽く答えた。元より尋ねた方もバれるとは考えていない。ここは彼らにとって格好の隠れ家と思われた。

 しかし、どんな時であれ、その想定を簡単に覆す存在があるものだ。その存在、それは子供である。彼らは時に大人の常識を飛び越えて行動する。今しも、縁の下にある道具搬入口から、そんな者達が侵入しようとしていた。

  *

 グラウンドでは、ようやく午前のプログラムが終了していた。結局有紀は、四つエントリーしていた内の一つしか出場しなかった。そもそもが、口さがない女達が言うところの“エントリーし過ぎ”である。逆になぜか飛び入り参加が一つ。なんにせよ、その気まぐれさに人々は呆れかえった。おまけにまた行方不明。

「チョー迷惑なんですけど」

運営を手伝っている若い女が言った。実際に彼女が損害を被ったという程でもないが、身勝手な人間にイライラさせられているのは事実だ。

「ホントホント」

「マジ意味分かんないよね」

彼女の友人らも調子を合わせる。自分達に利害の関係ない人間をやり玉に挙げるのは気楽だ。彼女らは有紀を会話のネタにしながら、弁当をつついた。

 今は昼食の時間である。彼女らの傍では、その幼い子供達が仲良く弁当を食べていた。それがはしゃぎ過ぎるのを軽く注意しながら、うち一人の母親が言った。

「で、まだどっか行ってるわけ?」

 その発言を受け、皆それとなく金光家の陣地を見やる。その陣地は広大だった。しかも最前列の特等席だ。普通は町組ごとに集合しているものだが、金光家だけは特別だった。

 今その広いシートの上に、三人の子供達、そして一人の無愛想な家政婦がポツリと座っていた。家政婦はスマートホンを熱心にいじくって、子守をしている風は微塵もない。弁当は彼らが昼食時間よりずっと前に食べてしまったので、もう残っていなかった。

「――でさあ、勝手にうちの弁当開けてるわけ。ゾッとしたわよ、あたし」

別の集団では、ある女が怒っていた。金光の長男・佳彦が、その女が持ってきた弁当箱を断りもなく開けていたというのだ。

「ウッソ、信じらんない」

聞いている方も同調して怒りを露わにする。

「どういうしつけしてんのって感じ」

「それでどうしたの?」

「さすがにブチ切れて追っ払ってやった。でもさあ、全然分かってないんだよね、なんで怒られたか。なんにも言わずにスッて」

「え、無視して行っちゃったの?」

「ヤダ、怖い」

女らは話しながら、食べ物を頬張る。

 また別の一人が言った。午前中に金光の長女・清美と組になって二人三脚に出走した女だ。

「あの子さあ、ちょっと」

彼女は頭の横で手をクルクル回してからパーを作った。

「“こっちの足から動かすの”って何回言っても分かんないわけ。おまけにいっつもキョロキョロして、誰にか分かんないけどずっと手振って」

「で、ちょっとニヤニヤしてない?」

「そうそう」

「あ、なんか分かる。あたしも前に――」

共通の敵を得て、女達の話は尽きない。これがコミュニティーで浮いてしまった一家の末路だ。これまで有紀は母親らとまともな付き合いをしてこなかった。その必要を感じなかったからだ。その結果がこれである。

 そんな悪評もつゆ知らず、当主の金光は我が子らの所へはいかずに、相変わらず委員席で前原を相手に自慢話を続けていた。簡易机の上には、空のワンカップ酒が三本並んでいる。

 と、そこへ島田が通りかかり、普段ならしない挨拶をしていった。島田はさっきまで輪姦現場にいたが、ちょっと中座して表に出てきたものである。大会委員である立場上、ずっと姿を消しているわけにもいかないからだ。その際、わざわざ金光の傍を通ったものである。無論含むものあってのことだ。

「あんたの奥さん、寝取りましたよ」

と。

「フン」

島田を見送って、金光は不愉快そうに鼻を鳴らした。隣家の彼とは犬猿の仲である。そいつがよりにもよって我が妻を犯していようとは、無論想像だにしない。

 同席している前原も、今の男があの当事者に含まれていたとは気づかなかった。彼は主人の不機嫌を察し、気を使って話題を変えた。まだまだ抜け出せそうにない。何しろ嫌われ者の事ゆえ、人が寄り付かないのだ。癒着関係にある業者なども、ちょっとご機嫌伺いをするとすぐ立ち去ってしまう。この場で運動会がらみの用事がないのは前原ぐらいであった。

 その彼をちょっと見返してから、島田は別の場所へ移動した。彼の方では前原を覚えていた。

「間男が、よくも抜け抜けと旦那に顔を会わせられたものだ」

と、自分のことを棚に上げて、彼は思った。そこへ比嘉が通りかかって、二人は視線を交わして行き過ぎる。比嘉もまた表に帰ってきていた。

 彼は有紀の子供らがいるシートの方へ行った。別にどうという意図があったわけではないが、いわば偵察である。

 そこには、息子の佳彦と一人の家政婦がいた。娘らはちょうど便所に行っていて居ない。佳彦は大人しそうな同級生を捕まえて、携帯ゲーム機の画面を見せていたが、その同級生の友人がやってきて彼を連れて行ったので、後に一人残された。

 と見ている間に、今度は別の少年らがやってきて佳彦に声を掛ける。

「案外交流があるんだな」

比嘉はちょっと不思議に思った。普段の佳彦は、周りから避けられている印象があったからだ。

 少年らは佳彦より一学年上の二人連れ。走ってきたものか、上気した顔をして笑いながら、ゲームの画面を指さしていた。

  *

 小さき者達は列を作って並んでいた。その先頭にいる者は、種付け中である。彼らは交尾の順番待ちなのだ。

「オッ、ゴオッ……!」

小さな突起に突きまくられて、有紀はよだれを垂らしながら啼いた。これでも初めは恐れ、拒んだのだ。だが今は、またアクメのるつぼに落ちてしまった。たとえサイズは小さくても、若い、いや若すぎるエナジーの鮮烈さは、女をしてハッとさせるものがあった。

「気持ちいいか?」

小林が侵犯者に尋ねた。訊かれた方は、ブンブン頷きながらか細い腰を振る。その様は、まるで小型犬が牛を相手に交尾しているようだった。それでも一人前にやることはやれる。

 有紀から見れば二回り以上も年下の彼。というより、むしろ自分の息子を基準に数えた方が計算しやすいだろう。かつてこの列の初めにいたのは、息子より一つ年上だった。その後、同い年が現れ、そして今や、とうとう一歳年下まできた。我が子の後輩と彼女は性交し、あろうことか気をやっているのである。

「アッ、ヤッ、アガハァ……」

のけ反って突きに耐える。破廉恥極まる母親だ。まるっきり大人としての分別がない。

 大体からして、この狂気の顛末を支持する男達も異常ではあった。僅かでもそれを阻止する可能性のあった比嘉や島田がちょうど離れた隙を突いての出来事である。

 最初は、道具搬入口から忍び込み、覗き見をしていた子らがきっかけだった。彼ら三人組は、うち一人を除いて自慰経験すらなく、残り二人に至っては何が起こっているのかすら分かっていなかった。

 だからこそ、安易に人にしゃべった。相手は、彼らの動きに気付いた、彼らより少し年上の少年らだった。学校は異なるが、年齢の上下に関係なく昔から遊んでいる仲だ。加わった連中は、さすがに年の功で状況の意味を飲み込んだ。と、そこで、大人達に気付かれたのである。

 第一に気付いたのは、大人、というよりまだ法律上もそう扱われない年齢の、慶介である。彼ですらまだ子供なのだ。いわんや追加の者達をやである。

 新人らは計八人もいた。その後の展開は、花村曰く、“完全な悪ノリ”であった。

「お前ら、セックスしたことあるのか?」

まずはニヤニヤ笑って、小林が訊いたものだ。八人の内、誰もが否やと答えた。

「今やってんのがセックスだよ」

「ていうか、マワしだけど」

竜二と慶介が口々に先輩らしく説明する。島田に続いて出て行った鈴木、現在見張りに立っている弘樹を除き、その場にいた男五人に囲まれ、新人らは縮こまっている。

「ヤッてみたいか?」

小林が面々を眺め廻しながら尋ねた。その質問に、高橋が驚きの声を上げる。

「おいおい、マジか」

彼は侵入者の到来に、端から眉をひそめていたものだ。彼にも息子があるが、明らかにそれより年下の男子達にこういう行為をさせることは気が咎めた。人の正義にはそれぞれバランスがある。高橋は有紀を憎み犯しはしたが、それと別な倫理も有しているのだ。

 そのバランスを他の者が揺らしにかかる。

「ここまでバれたらしょうがない、か」

と、花村が言えば、小林も、

「そうそう、口封じ口封じ。お仲間になってもらいましょう」

とダメを押す。分けても高橋に効いたのは、花村が発した次のセリフだった。

「まあ、どうせこんなどスケベ女だし、もうオナホール使うみたいなもんか」

 それで高橋の心は決まった。この恨むべき女が年端もいかない者達からさえ慰み者にされる。そういう場面を想像し、昂揚感を覚えたからだ。おかげで、少年らを巻き込む罪悪感は雲散霧消した。

「誰にもしゃべるんじゃないぞ」

彼はそう念押しし、事態を許容した。


〈つづく〉


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大輪動会-プログラム#9-

  *

 祥吾は目の前の現実に驚愕した。後輩の優斗がセックスをしている。それだけではない。その後ろには、もっと後輩が三人も並んでいるではないか。しかもセックスの相手がどうだ。クラスメイトの母親ではないか。

「すいません、こいつだけなんで」

隣では、彼を呼びに来た友人・雅也が浩樹に説明していた。雅也も、実はついさっき自分の番を終えたばかり。その後、特別の許可を得て、友人の祥吾を迎えにいったのである。

「フーン、君もこの人の子供と友達なんだ」

弘樹はニヤリと笑って、祥吾に有紀を指し示した。彼は頷き返す。彼女をよく知っていた。家にも行ったことがある。ただ、生憎彼女の息子と友達だとは思っていない。向こうはそう思っているかもしれないが、彼の方では冷めた見方をしていた。

 雅也と祥吾は日頃、有紀の息子・佳彦によく連れ回されていた。何しろわがままな奴なので辟易とさせられる場面もよくあったが、雅也は父親の仕事の関係で逆らうことができなかったし、祥吾は親が口出ししてこないところを自然と気に入られ、それぞれ仕方なく付き合っていた。普通の親は、我が子に金光を避けるように言い含めるのである。

 祥吾には父親がいない。母はいつも忙しくしており、今日の運動会にも来ていない。だからついさっきまで友達の家族と弁当を食べていたが、ちょうど食べ終わった頃、佳彦が誘いに来たので、その後彼の所へ行って、彼のするゲームを見ていた。そこへ雅也が呼びに来たのである。比嘉が出くわしたのはちょうどその場面だったわけだ。

 雅也は祥吾のことを運命共同体だと思っている。その連帯意識が、彼をして男達に頼み込ませたのだ。自分が有紀と性交するなら、祥吾もまた一緒にと。

 それに興味を示し、率先して許可を与えたのが高橋だった。つい先程は新人らの参加を渋っていた彼だが、今回は雅也の有紀に対する特別なこだわりを見抜き評価したのである。同じ穴のムジナとして。

 実際、雅也も祥吾も有紀に良い感情を抱いていなかった。むしろ恐れていた。怒られたことはあるが褒められたことはないし、笑いかけられたことすらない。いつも無愛想で、うさん臭そうに眺められてきた。あるいは、蔑む目線だと分かる程に。

 理不尽な仕打ちも数々受けてきた。買い物に呼び出されたと思えば荷物持ちをさせられ、その際我が子にはソフトクリームを買い与えてやるのに、二人には礼の言葉さえ与えられなかった。彼らはただ物欲しそうに佳彦の食べるのを見つめねばならなかった。

 長女の宿題をやらされたこともある。おまけにそれが教師にバれたことで、後で彼女から怒鳴られもした。こういう経験は枚挙に暇がない。

 それでも逃げられないのは、すっかり恐怖心を植え付けられているからだ。彼女を犯すことは、それを彼らが乗り越えることであった。

 雅也の番になった時、有紀はその前にも増して嫌がった。彼の前の連中には、その幼さ故に拒否した彼女だったが、今度の場合、相手をよく知っているから余計切実だったのである。いわば、顎で使ってきた子飼いに噛まれるような感情だった。それ故、にわかに正気付いたわけだが、ペニスをはめられるとすぐにまた花村命名“オナホール”役に戻った。

「アッ、グ、アァ……!」

悔しいが、イく。息子の子分と侮っていた子にイかされる。

 その顔を、雅也はまんじりともせずに見下ろした。横から高橋が女体の状況を解説してくれる。

「イッてるぜこの女。君のチンポでさあ」

それを聞いた雅也は、なんとも言えない満足感を得た。

「ああ、気持ちいい。金光のおばさんのマンコ、気持ちいい」

彼は心で喝采を上げた。そしてこの幸福を、祥吾にも味わわせてやると決意したのである。

  *

「ヘー、そうなんだ」

「すげえな」

克弘と俊之は上っ面で佳彦を讃えた。両人とも、やたらと上機嫌である。気を良くした佳彦は、さらに別のキャラクターを見せた。ゲームの中で育てたそれを、得意げに解説する。

「へー、へー」

聞く方はそればかり繰り返す。心ここになく、ただ話している後輩の顔をまじまじと見つめるのみ。二人が別のことを考えているのは傍目にも明らかだった。気づかぬのは、当の本人・佳彦だけ。

 彼の鈍感さは今に始まったことではない。実の所克弘と俊之は、この一学年下の後輩をおだてて、何らかの儲けを引き出すのが上手かった。佳彦は彼らにため口をきき、年上ながら舎弟のように扱っているつもりだったが、実際にはたかられていただけである。

 そうして今日に至っては、とうとう母親を寝取られた。無論彼は知る由もない。たった今我が母を犯してきた二人が、その男根もまだ乾かぬ内に息子の自分に会いに来ているだなんて。

 現にその二本は有紀の愛液で濡れそぼっていたし、先端からは彼女の恥穴に植え付けてきた子種汁の残りが出ていた。何より二本とも彼女の肉の感触をまだはっきりと覚えていた。その肉穴から産まれ出てきた子供と、今しがた子作りしてきばばかりの若い間男らが相対しているのである。

 その状況が間男達には面白かった。彼らとて、もしも別の母親だったらこんなことを思いつかなかった。逆に息子に同情もしただろう。だが、相手は金光だ。この町では、それだけの理屈で十分だった。

「コイツの母親にチンポ入れてたんだ」

 二人は優越感に浸って佳彦を見た。

「コイツ、母親が犯されたのに笑ってやがる。今でもバンバンハめられてんのに」

そう思うと、彼が滑稽に見えて仕方がなかった。すっかりねじれてしまった欲望である。

 彼らは浩樹に代わって本来は体育館の見張りをする番だった。ところが、祥吾を呼びに佳彦の所へ行くという雅也に接し、自分達もそこへ行こうと後からわざわざ向かったのである。

 彼らの屈折したどす黒い感情は、しかし晴天の和やかな運動会場では賑やかさに包まれて目立たなかった。

  *

「すっげえな、ホントにこんなガキとヤッてる」

慶介が今更ながらに感嘆して言った。

 有紀の種付け相手はどんどん若返っていく。この前に終えた優斗ですら、つい先日までランドセルを背負っていた身の上だったが、今度の相手は正真正銘、現役である。つまりは通っている学校が一つ下になった。そんな相手も早二人目である。

 一人目だった豊こそ辛うじて自慰経験があった。が、二人目の聡はそれすらない。それどころか、この行為がなんなのかさえ理解していない。

「ここにチンポ入れるんだぜ」

有紀の背後から女陰を開き、小林が彼を招く。聡は、言われるがままに陰茎を挿入した。意味が分からずとも、勃起はちゃんとしている。

「気持ちいいだろ」

と問われれば、素直に“ウン”と答えた。その背後から、同じく勃起した局部を露出して、羨ましそうに三人目・翼が覗いている。

 年は、豊、聡、そして翼と一つずつ若くなる。いよいよ、有紀の二番目の子供、長女・清美の方に年齢が近づいてきた。すなわち、豊は清美の二つ上、聡は一つ、ということで、翼は同い年である。

 交尾の様はやはり小型犬、というより、もはやヒヨコ対ゾウのようだ。ビクともしない巨体に、しかしオスは果敢に向かっていく。挿入すれば、後は散々手本を見てきたから段取りは分かる。聡はその未成熟ななりで父親になろうともがき出した。

「(子供と……)」

有紀は犯されながら目を回した。無毛の包茎ペニスが体内をまさぐる。ここまで若返ってくると、“強姦者は皆同じ顔”と一言で断じきれるものではなかった。ただ、彼女は倫理観にも罪悪感にも直面しない。犯してくる以上、敵は敵、どんなに幼くとも男は男だ。

 なんとなれば、彼にはちゃんと子作りする資格があった。ただ自覚的に放出したことがなかったので、その時になってかなり慌てていたが。

「大丈夫大丈夫、それがイくってことだよ」

弘樹に説明されて、一応安堵する聡。その抜き身を見て、

「おっ、お前精液出せてんじゃん」

と、慶介が言った。続けて、

「この年で中出しとか、マジハンパねえわ」

とも。

 それを言ったら、次の翼なんてその極みである。もっとも、彼はまだ射精できる体ではなかった。それでもオーガズムは感じられる。己の母以上年上の女をレイプ、そしてその中身で絶頂。そもそもレイプの自覚がない彼。知らない間にそれを終えていた。

 微かに震えながらこちらを見る彼の頭を、

「よしよし、よく出来た。偉いぞ」

と、小林が撫でる。翼はまだ恋も知らない内に、強姦で褒められたのだった。

「よし、次来い」

呼ばれて、やっと番が回ってきたのは祥吾だった。次々と年下の者が童貞を卒業していく中、彼の方が先輩なのに後になってしまった。この場で唯一の童貞だ。

「すげえよな、お前らの年で童貞捨てられるとか」

「しっかり筆おろししてもらえよ」

「きたねえババアでごめんな。けど、中古でもまだ使えることは使えるから」

 竜二、浩樹、そして花村が口々に応援する。

 対面の瞬間、見知った相手にまた有紀は顔をしかめた。だが、さっきより鈍くなった感覚の故、拒絶の意思を示す間がなかった。祥吾は即座に挿入していた。

「ハアッ、グッ、ウゥ……!」

ちょうど波の盛り上がりが来たタイミングでもあり、またしても有紀は悔しい思いをさせられた。その表情を見下ろし、祥吾は勝利に酔う。

 脳裏には、先刻雅也から誘われた時の会話が思い出された。

「金光のおばさんとセックス!?」

祥吾は驚いて聞き返した。

「ああ」

雅也は歩みを止めることなく答える。彼は先に立って、現場へと向かっていた。

「ヤバいよ、そんな……」

祥吾が不安がると、雅也が毅然と言った。

「もう、犯されてる。今も」

「え……?」

「俺も、ヤッた」

祥吾は困惑して思わず足を止めた。その手を雅也が強引に引っ張る。祥吾にはその友人が急に恐ろしくなった。友人は言うのだ。

「ずっと輪姦されてる。……多分、朝からずっと」

“リンカン”、祥吾には聞き馴染みのない単語だった。それを実際目の当たりにするまで。

「そうか、こんなことされてたんだね、おばさん」

彼は肉棒を出し入れしながら、彼女の心地よさに感動した。あれほど居心地の悪い金光邸だが、ここだけは具合がいい。日頃の彼女にも似ず温かいし柔らかかった。

 心には、続いて彼女から受けた色々な仕打ちが蘇ってくる。その憎たらしい奴へ自分はこれ以上ない仕返しをしているのだ。ここへきて初めて気づいていた、有紀が女だったと。そして、自分は男だったと。だからこそこんな仕返しが出来るのだと。男だからこそ出来る、女への最大の辱めをしているのだ。

「この女……っ!」

彼は思わず口走っていた。それは口の中で言っただけだったが、ただ一人高橋だけは敏感に聞き取っていた。

「そうだ、もっと犯してやれよ。この女、チンポ大好きなんだよ」

彼は狂気じみた笑みを浮かべた。さらに雅也を招き、彼に口腔を犯させた。友人同士、一瞬目を見かわす。それから彼らは、この憎むべき共通の敵にして、同級生の母親を前後から完膚なきまでに強姦したのである。

「クソッ……!」

「このっ……!」

二人の行為は次第にエスカレートし、祥吾が乳房を握りしめれば、雅也は髪の毛を掴んで頭を前後した。

「ンンオオォ……!」

やりたい放題され、有紀は苦悶に顔を歪めている。

 彼らの後ろでは竜二が順番待ちだ。もう三発やっている彼だが、またしたくなったのだ。輪姦遊戯はいつ終わるともしれない。

 だが、昼休みはもうすぐ終わりだった。


〈つづく〉


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大輪動会-プログラム#10-

  *

 ムカデ競争――。

 それは、複数人が縦一列に結合して走り、他の隊列と勝敗を決する競技である。一般に足首を前後の者と結わえる形が多いが、本大会では数年前に怪我人の出たことが問題となり、腰を縛る形式が採用されることになった。つまり、一つの輪っかの中でぎゅうぎゅう詰めになって並ぶわけで、あるいは“電車ごっこ”と形容した方がイメージしやすいかもしれない。

 実際の所名称の変更も検討されたが、当地の風物詩ともいうべき代表的種目であるが故に、愛着を込めて“ムカデ”と相変わらず称している。というのも、これには原則として全員が参加し、出ないのは、乳幼児や足腰の弱った老人ほか体の不自由な者などごくわずかなのである。

「うん、分かった分かった」

係員から縄の先端を渡され、金光は隊列の先頭に収まった。本日唯一の出場競技である。酒臭い息で後ろを振り返れば、そこには清美がいる、佳彦がいる。そして有紀がいる。金光家が一チームに集合だ。

「お前、どこ行ってたんだ」

妻がひょっこり現れた時、金光は問うたものだ。当然であろう。人から行方は訊かれるし、電話を掛けても出ないしで。

「いたわよ、ずっと」

半ば呆れた風を作って、うるさそうに有紀は答えた。

 そう言われてしまうと、つい“そうかもしれん”という気になる酔っぱらい。実際あの後すぐに見つかったのかもしれないし、競技に出ていれば電話も取れないだろう。何より、相手は現に汗だくではないか。余程運動をしていたものとも見える。

 そこで質問を変えた。

「飯は食ったのか」

「ええ」

と、有紀は答えたものの、これには子供達が疑問を呈した。

「エー、お母さんどこで食べたの」

「なんでお弁当食べなかったの?」

 迂闊なことは言えないものである。夫も改めて怪訝な顔になる。もしここで係員からスタンバイを促されなかったら、ちょっと面倒なやり取りになっていただろう。

 話を中断して、前述の通り列を作る一家。その背後から、そっと有紀の耳元へ囁く者があった。

「大好物のフランクフルト沢山食べてたよなあ」

クスクスと笑いながら、男は彼女の後ろにぴったりとくっついた。

  *

「お母さん達、見えないよお」

椅子の上で背伸びしながら唇を尖らせる瑞穂。幼すぎる彼女は家政婦と見学だ。家政婦は相変わらずの無関心ぶりで、スマートホンばかりいじっている。

 観覧者より出場者の方が多いグラウンドはごった返しており、とても目当ての人物を見つけられそうにない。それでもしばらくはキョロキョロしていたが、見えないと知るや早々に諦めて、瑞穂は砂いじりを始めた。それでなくても、この運動会への興味はとっくに失われているのである。

 午後の部開始一番のお遊戯の発表。これが彼女の今日の仕事の九割だった。これ以外に年代別徒競走もあったが、それも午前の早い時間に終わっているし、後はやることがない。自分と関係ないことに対する好奇心など持ち合わせてはいない彼女である。それはたとえ、身内が出る種目だとしてもだ。

 姉の清美が組体操に出た時もそうだった。すごいなどという感動は全くない。

 組体操には、清美のほか、豊、聡、翼も出ていた。そう、彼女ら姉妹の母親とさっきまでくんずほぐれつしていた連中である。それが今度は娘と組み合う。とりわけ同級生の翼は、清美と体を接する位置にいた。もっとも、性的想像力の欠如した彼らには、娘――あまつさえ魅力的な容姿とは到底言い難い彼女と接しようが、日頃と同様特別な感慨はなかった。

 彼らは何食わぬ顔で決められた段取りをこなした。彼らに罪悪感は微塵もなく、その意味で純粋無垢に見える彼らの外観は一面真実であった。彼らはその行いの意味すら、いまだにはっきりとは理解していなかったのだから。

「がんばってね」

近くを通る時に、我が子・豊へ声援を送った母親。無論想像だにしない、このいたいけな男児が、母である自分よりも年上の女と子作りしただなんて。そして、集団レ○プをしてきたその足で、再び運動会に参加しているだなんて。

 彼女が特別ではない。ほかの子の親も、ひいては会場中の大人達だってそうだ。一体誰がそんな突飛な考えをするだろうか。それでも事実として、その小さな短パンの中には既にオスの務めを果たした生殖器が収まっているのである。

「お母さん!」

その生殖器を抱えて、競技後に母の下へと駆け寄る聡。その頭を撫でて活躍を讃える母。親の知らないところで子供は成長すると言うが、彼の場合、既にして彼自身が人の親になり得る肉体を有していた。

 それでも年の割に幼い所のある彼は、母の腿に跨って甘えた。布地越しにではあるが、膣内射精をした陰茎が己の母の体に触れる。

「あら甘えんぼさん。みんな笑ってるわよ」

そう言って彼女がたしなめると、聡は顔を赤くして離れた。と、そこへ豊がやってくる。

「なあ、もっかいヤりにいこうぜ」

彼はそう言って友人を誘った。翼も一緒だ。親達は無邪気な遊びの相談だと思って、なんの気なしに見送った、輪姦に行く我が子達を。

 その横、――母を犯しに行く同級生らの横を清美が通る。相変わらず愛されない彼女は、誰からも声を掛けられることなく、妹の下へ直行した。

「――お父さん出るって、ムカデ。あたしも行ってくる。お母さんも出るかな」

そう話す姉の言葉を聞き、出たいと駄々をこねる次女。しかし彼女は年齢上出場できないのである。

 結局妹を残し、姉はグラウンドに向かった。豊らの親達も出場する。そしてまた、有紀も。

  *

「瑞穂ったらさ、我がまま言って――」

振り返って清美が先程のことを報告する。弁当の件はさておき、久しぶりの母なのである。続けて彼女は、自身の活躍ぶりをかなり誇張して伝えた。それを、間に居る兄が遮る。

「おい、前向けよ。もう始まるんだからさ」

彼が不機嫌なのは、運動よりも、もっと携帯ゲームをしていたかったからだ。

 有紀はそんな我が子達の会話に曖昧な笑みを浮かべていた。その目はどこか虚ろで、かつはまた以前にも増して汗をかいている。

「アッ、ハッ……!」

急に痙攣して、前に居る佳彦に胸を押し付ける。

「押すなよお」

「ごめんごめん」

息子に怒られ、謝る母。だが、彼女の腿はまだ震えていた。閉じようとしても閉じられない。いや、閉じさせない何かがある。

 背後の男の右肩が僅かに上下していた。もしこの場が静寂に包まれていたなら、クチャクチャという音が聞こえただろう。それは、今日だけで二十八発も注がれた精液の音。それが聞こえるのは有紀の股の間からだ。

 最後に注がれたのは竜二のだった。つい今しがたまで彼に抱えられ精液を注入されていた。このグラウンドに出る直前まで。

「オラオラ、駅弁だぜオバサン」

彼はそう言って、宙に持ち上げた女体へと腰を打ちつけた。それが有紀にとっての“弁当”だったわけだ。具といえば“フランクフルト”という名の男根ばかり。家族との時間も惜しんで食し続けてきた。とんだ大飯喰らいではある。

 唇からは、雅也の“ミルク”が零れ落ちた。先程飲まされたものだ。新鮮なそれは粘っこく上下の唇の間で糸を引いた。その白い口から満腹の訴えが漏れる。

「ヒィ……イヤアァ~……!」

もう食べられないというのに、聞き入れられない。竜二は当たり前のようにまたミルクを下の口へ飲ませた。そこの唇もやはり間に糸を引く。有紀は彼の首にしがみついた。不安定な体位の為に仕方なかった。それを捉え違えて彼は、

「オバサン、そんなにしがみつくなよ。危ねえじゃんか」

とニヤニヤ笑いながら苦情を述べれば、横からは、

「中出し大好きなんだよな、奥さん」

「ようやく素直になってきたじゃん」

と花村と慶介が口々に囃し立て、皆で下品に笑い合う。

 竜二は、密着の心地よさをさらに強めるべく、抱え上げたままの有紀の背を壁に押し付け、そのまま最後の一滴まで彼女の肉唇の奥へと送り込んだ。さらに、それが済んで壁伝いにズルズルと落下した彼女の顔がちょうど自分の股間の前に来ると、汁まみれの肉棒をその口へとねじ込んだ。

「やっべ、今日何発でもイけるわ」

彼は恍惚となりながら独り言を言う。その言葉通り、確かに続きでもう一回やりそうな雰囲気だった。

 しかし、それは実現しなかった。急に島田が入ってきたのだ。

「こんな所に居たのか」

その後ろから比嘉も顔を見せる。彼の案内だった。島田は言う。

「もうすぐムカデだぞ」

 全員参加のムカデ競争。当然ここにいる連中もだった。組体操参加者は既に抜けている。残っているのは、それを除く男十人と女一人。そのいずれもがエントリーしている。

「なんだよ、出なくてもいいじゃん」

竜二が不平を言って、島田から叱られる。高橋、花村も、戻らざるを得ない点で一致していた。つまり、男達全員が去ることになる。

 有紀は光明を見出した。しかしそれは、たった一瞬でかき消された。

「金光さん、あんたもだよ」

島田が宣告したのだ。

「ご家族がお待ちですよ」

後から現れた鈴木もうそぶく。

 それからは、先刻の三人四脚と同じだ。有紀はまた白のティーシャツと赤いホットパンツを着させられ、ご丁寧に両脇から護送されて運動場に出た。

「(逃げられない……)」

トラウマ的絶望が彼女を覆う。もう何をしても助からないのだと。

 運動場には既に人が溢れていた。その中を一直線に進んで、自分の組へ向かう。家族の待つ組へ。

「どこ行ってたんだよ」

開口一番、夫も子供らも口々に母をなじった。彼女は、暗澹たる想いで誤魔化す。正直な所、取り繕うのも億劫だった。それでも真相は明かせない。そのジレンマに苛立ちを覚える。

「(人の気も知らないで)」

家族と言えど、他の者と同じだった。ここに居る大多数の連中と同じように、普通に運動会に参加し、半ば気だるく、半ば楽しみもし、今日というありふれた一日を過ごしている。有紀とは明確な温度差があった。かつはまた、彼らは自分のことばかり考えている。

「(わたしが何されてたと思ってんの)」

彼女は静かな怒りに震えた。

「(何されてたか教えてあげましょうか)」

今度は自嘲的に笑う。

「(輪姦よ、輪姦。お母さん輪姦されてたのよ!)」

そう言い切ってしまうと、返って清々しくもあった。もはや恥も外聞もなく全てをさらけ出して助けを求めよう。ここには数多の人間がいるではないか。そう思いつく。

 まずは家族。前方に並ぶ三人。夫は千鳥足、娘は自慢話、息子は不機嫌。母の悲劇に思い至らないのは当然としても、その姿を見ても、彼らは一様に何も感じないらしい。朝と服装が違うことや、そのほか何かと変化が見られるであろうに。

「(助けてよ!)」

 背後を見ると、前原が居た。金光から誘われて、同じ組にねじ込まれたのだ。彼と目が合う。すると彼はちょっと憐れむような表情になって、視線を落とした。有紀はたちまち不愉快になる。この時、恋慕の情は一気に吹き飛んだと言っていい。

 では誰が、一体誰が助けてくれるだろう。大会委員の中には実行犯がいる。教師も共犯。じゃあ女は。同性なら同情も。そう考えた時、かつて耳にした陰口が脳裏をよぎる。

『わざわざ着替えてきたのかしら。どんだけ目立ちたいのよ』

『それにしたって、あの短いズボン何?』

 有紀は今も履いているホットパンツの裾をギュッと引っ張った。信用は遠かった。

「(誰か……)」

頼るべき者などいない、ようやくそのことに気が付き始める。一緒にPTAをやっている保護者。それも望み薄だ。いつも邪険にしてきたし見下してきた。そもそも顔と名前すらほとんど一致しないではないか。もはや四面楚歌の心境である。

 と、そこへ後ろから声を掛けてくる者があった。

「どうした、キョロキョロして」

救世主、……などいるはずがない。振り返るまでもなく敵だと分かる。それは高橋だった。彼は有紀と前原の間に入り込む。そして、

「ここが寂しいか」

と囁くや、ホットパンツの隙間から陰唇の中まで躊躇うことなく中指と薬指を潜り込ませた。有紀の身に屈辱的な不快と、近頃慣れ親しんだ切なさがこみ上げる。

「言ったのかよ、旦那や子供らに。“レ○プされました”って」

高橋は問いかける、が、有紀は無反応だ。構わずに、高橋は続ける、相変わらず膣穴をほじくりながら。

「言ってやれよ、“朝から中出しされ放題です”って。“チンポ大好きお母さんなの”って」

人差し指が加わって、中の指は三本になった。ポタリポタリと粘液が地面に滴り落ちる。

“もう何もかも終わりだ”と有紀は思った。ここで全て白日の下にさらされて、自分から打ち明けなくても悲劇は結末を迎えるのだと。考えてみれば、子供らに自分の境遇を説明できるわけがない。だが遅かれ早かれ、彼らは知ることになるわけだ。彼女はまるで死に際したように、去私の境地を錯覚した。もはやなるようにしかならないのだと。


〈つづく〉


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