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ジーズリー

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オナニー、それは生涯を賭けた孤独なあがき。



作者が思いついたエロ話を羅列して自分を慰めるブログです。下品な妄想と低俗な文章に股間で共感して頂けたら幸いです。

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おことわり
R18
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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なお、掲載している小説はすべて作りごとであり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

お知らせ
「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。

お問い合わせは、コメント欄か拍手からお願いします。どの記事からでも構いません。



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。



■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」
巨乳熟女が温泉宿で男達に……。

◆中編作品
「青き山、揺れる」
巨乳アナ祐子が相撲部屋で力士らと淫らな取り組みを……。
「師匠のお筆」
書道の師範父娘と、その弟子母子の交姦ストーリー。

短編作品
「大輪動会」  ▼「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

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「青き山、揺れる」(1)

麗らかな陽射しに照らされて、木目の大看板が輝いている。――“努素毛部屋”墨痕鮮やかに大書してある。その凛々しい筆致には、かつてわくわくとして尊敬の眼差しを送ったものだ。その横を通る時、自らも堂々とした気持ちになったものだ。

だが今は違う。今はむしろ悶々として辺りに素早く視線を走らせつつ、まるで見つかってはまずいとでもいうように、こそこそとその横を通り抜けた。

もっとも、外面的には、それほど気を使わなければならない理由は見つからないはずである。

確かに、世間に顔が売れている立場上、余りに一つ所に足繁く通うというのは、良からぬ噂を招く懼れもあり慎むべきところではあったが、その点は十二分に気を使い、適度に訪問の間隔を開けてきたつもりだ。

そして、それを徹底している限り、別に仕事上知り合いになった相手と取材後も親交を続けることは、何ら恥じらうことではないし、むしろ美談として伝えられてもいい話である。

しかし、かかる親交の内実を思えば、良識のある大人としてやはり堂々としてはいられない。今日ここを訪れた真の目的を思えば。

今日ここへ来るまで、前回から今日まで、上述の間隔を保つためにどれほどの我慢を重ねてきたことか。本当ならばもっと度々来たい。いかにそれなりにハードなスケジュールとはいえ、ここを訪れる機会ぐらいはいくらでも用意できる。

しかし、そうはいかないというのが現実である。それに、本能のままに、後先も考えずに行動する、そんなことは己の性格上とてもできない。やはり現実の生活は大事だ。今の地位を維持できているのも、そうして節度を守っているからだと思う。

だから、いかにここへ依存しても、溺れすぎるということはないのである。しかし、そうして外面的に理性を保ち続けなければならないこの期間の何とつらかったことか。日増しに悶々として、幾度誘惑に負けそうになったか知れない。

昨晩なぞはほとんど眠れなかった。欲求はピークに達していた。朝は早朝から起き出し、受話器を持ってそわそわと落ち着かなかった。先方の都合上余りに早くかけるわけにもいかなかったし、それに早くかけ過ぎて、いかにも待ち切れないのだと見破られるのも恥ずかしかった。

そんな風だったから、今日ここへ来るということに、恥ずかしさと情けなさと、そしてそれら以上に大きな嬉しさを感じて、祐子(ゆうこ)はそこの玄関の戸を開けたのである。


<つづく>




<目次>
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「青き山、揺れる」(2)

中に入ると、そこはがらんとして人の気配もなかった。いつもなら稽古場から聞こえる気迫も、今はない。朝練はもう終わったのだろうか、そんなことをちらりと思いながら、祐子は中に向かって呼びかけた。

「すみません」

「はいハーイ」

すぐに反応があり、一人の女性が奥から現れる。きっちりと着物を着こなし、身のこなしも爽やかな和服美人、この部屋の女将こと、いづ美である。

「あら、早かったのね」

そう言いながら、彼女は祐子を招じ入れた。その言葉に、祐子は少し頬を赤らめる。期待満々の自身の心を見透かされたように感じたからだ。

「ちょっとね、これからあたし出る用事があって、バタバタしちゃって……」

そう話すいづ美。見れば、束ねた髪を後ろに巻き上げて、化粧もバッチリと決まっているし、完全に余所行き風である。

「すみません、お忙しい所……」

祐子はまた恥ずかしい思いをした。自分の欲求のどうしようもなさのために、わざわざ無理を言ったようだったし、それにまた、自分にとって今日のことは近来最大の関心事なのに、相手方にとってはそれほどでもなさそうだったからである。

「ああ、いいのよいいのよ!」

いづ美は手を振って、祐子の言葉を大仰に打ち消した。そして奥へと歩き出しながら、

「あの子たちも、朝からずっと楽しみにしてたんだから!」

と、ちょうどその時通りかかった大部屋の方を指さす。中では大柄な青年が三人集まって、何かを議論していた。その様子を見ると、祐子の口元は自然と緩む。さらにそれに輪をかけるいづ美の台詞、

「もう順番決めたみたいよ」

それを聞くと、祐子の興奮にいよいよ拍車がかかった。これからへの期待に、胸が高鳴る。

いづ美はそんな彼女を先導して廊下を進んでいき、やがてある一室に入った。

「ちょっと待ってね、すぐに準備するから」

彼女は言いつつ、押入れから布団を引っ張り出す。祐子も、それをただ見ているわけにはいかぬと、さっと立ちまわって手伝う。ここへ来るのが初めてでない彼女としては、そのぐらいの勝手は分かっている。

「ごめんなさいね、手伝わせちゃって」

いづ美は申し訳なさそうに言ったが、祐子は、

「いえいえ」

と、笑顔でそれを否定した。彼女としては、自分で使うものだから、自分でやって当然だとの思いもある。もっとも、これからのその使用目的を思えば、自分から床を用意するということを、なんて浅ましいことだろうとも感じた。

ちらりといづ美の表情を窺ってみる。彼女は、祐子のそんな心配を全く勘ぐっていない様子だった。いつものようにさばさばとてきぱきと、実に油断のない動きで作業を進めていた。

そんな彼女のことを、祐子は常々“男前”と評している。仕事はできるし、性格も活発で屈託がない、おまけに粋で容姿も淡麗、美容にもきちんと気を使っており、女性らしい美しさをちゃんと守っている。

祐子はそんな彼女を尊敬していた。そもそも、この相撲部屋とこれほど懇意になるに至ったきっかけも、女将である彼女と出会ったからだった。祐子にとっていづ美は、信頼できる仕事仲間であり、憧れの先輩であり、そして……時にそれ以上の存在だった。

「ねえ」

ふいにいづ美が言った。その声音には妙な色気が含まれていた。

「あ……」

祐子はドキリとして息を吐く。いづ美の手が彼女の手の上に重なってきた。


<つづく>




<目次>
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「青き山、揺れる」(3)

思わずいづ美の目を見る。すると彼女もまた、こちらを見ていた、うっとりと、濡れた瞳で。その瞳がこちらの方へと距離を詰めてくる。見つめていると、引き込まれてしまいそうだ。

(きれい)

祐子は思った。そう思うのはいつものことだったが、今日のように余所行きの化粧に彩られている顔を、しかも間近で見ると、なお一層強く思うのである。

「どう? 久しぶりに」

いづ美のささやきが、優しく祐子の耳朶をくすぐる。そのまま心までくすぐられる感じだ。途端に全身の産毛が逆立ち、体の芯がゾクゾクと震える、いづ美との濃密な夜を思い出して。

“久しぶりに”――彼女の言ったその単語が、淫慾にまみれた数々の逢瀬を彷彿とさせた。祐子といづ美とは、既に友人以上の関係を築いて久しい。互いの美を認め、そして互いの本性を見抜いてからというもの、幾度も体を重ねてきた――。


「おっぱい、やっぱりすごく大きい!」

初めて裸を見せた時、いづ美はそう言って祐子を褒めた。実際、祐子のバストサイズは大きく、日頃着衣の上からでも目立つほどで、本人もそれは自覚していた。

「それに、とってもきれい」

いづ美は、祐子の胸が豊満なのを喜ぶ風であった。そんな風に言われると、嬉しいながらも照れてしまう祐子だったが、しかし、

「そんな……いづ美さんの方がきれいです」

決して照れ隠しではなく、心からそう思って彼女は言った。確かにバストは自分の方が大きかったが、形ぶりの良さからすると、いづ美には到底及ばないと思われた。

祐子の乳房は、すそ野の広いなだらかな丘陵型に、小さ過ぎる乳輪が特徴的だった。彼女はその乳輪の小さいのが妙に気恥ずかしく、それに対して、母親を感じさせるような広々とした胸もまた嫌だった。

総じて、彼女は自分の胸に余りいい思いはしていなかったし、サイズが大きいことすらも長所に数えてはいなかった。そもそも、学生時代スポーツ一辺倒で暮らしてきた自分の体には、色気などかけらもないと半ば諦めていたのである。

それに引き換え、いづ美の肉体の何と美しいことか、と祐子は思う。腰はくびれているのに痩せすぎるということはなく、全体に女性らしい丸みを形作る肉付きはあり、胸といい尻といい、とにかく均整がとれているのだ。

女性の目から見ても、むしゃぶりつきたくなる“いい女”なのである。祐子より五つ年上の彼女は、もう齢四十をとうに越していたが、その色気たるや今まさに爛熟期にあると思われた。祐子はそれを見て、間もなく自身にも訪れる四十路をいずれ彼女のように送りたいと思うのである。

そんな思いで、祐子はいづ美と素肌をすり合わせる。相手の滑らかな皮膚と柔らかい肉が、腕や腿に当たり気持ちいい。従来筋肉質な祐子の肉体にも近頃ようやく脂肪が増えてきたが、相手にもこんな気持ちよさがちゃんと感じられているだろうか、と彼女はやや危ぶんだ。

そんな危惧を知ってか知らずか、いづ美は祐子の体を愛でるように撫でて言う。

「祐子さんのおっぱい、すごく柔らかい。おいしい……」

細い指で絞り上げた乳肉を、その先端の小さな乳輪ごとぱっくりと口に入れるいづ美。そのまま巧みに舌を這いずり回して、乳首を勃起させようとする。

「アァ……アァ……」

官能の波に揉まれながら、祐子も負けじと相手の体をまさぐる。彼女の髪を撫でつつ、背中そして尻と指を這わせ、ついには相手の腰を抱き寄せる。抱き締めると折れてしまいそうな柔らかな骨。骨格の丈夫な祐子は、それを感じると愛おしくなる。そして、やっぱり女性の体はいいものだ、と思う。

とはいえ、別に彼女は同性愛者ではない。いづ美もそうだ。ただ、祐子の場合、同性と肉体的情事に及んだのはいづ美が初めてではなかった。

女子校に通っていた祐子は、その間部活動にあらゆる青春を捧げていたが、他方で抑えきれぬ性への好奇心と欲求を密かに同性の恋人へと捧げていたのである。それは本格的なレズビアンというのではなく、少女にままありがちな儚い誘惑であった。

もっとも、体格が良く、性格も大らかな祐子は割合にモテたものだ。そうして結果的に、男を知る前に、女によって肉の悦びを知らされた祐子なのである。

だからお手の物だ、とまでは言えないが、いづ美とそういう関係になった時、少なくとも大きな驚きというのはなかった。ただ相手の美しさに、ドギマギとしただけである――。


――今、思いもかけずいづ美から誘いかけられてみて、途端に女性の肉体の良さへと食指の向き始めた祐子であった。

「あの子たちより前に、ねえ、しちゃう?」

いづ美はなお色っぽく語りかける。

「それとも、今日はあたしとするつもりじゃなかったから、いらない?」

彼女の言う通り、確かに今日ここへ来る時は、彼女との情事は念頭になかった。しかし、いざ誘われてみると事情が違う。できるなら儲け物だ、いや、むしろしたい! いづ美としたい! 祐子は心に叫んだ。

そして、誘いに答えようとした。が、それより一瞬早く、いづ美が言った。

「なんてね。今日はもう着替えちゃったから、また今度。祐子さんも、今日あの子たちとするために来たんですもんね」

いづ美はそう言ってポンポンと布団を叩くと、さっきまでとは打って変わっていつもの快活な調子に戻った。

祐子は、急に梯子を外された感じでがっくりとした。“あの子たち”としたいのは山々だが、もういづ美の方へも気持ちが傾いていたのである。

結局祐子の肉体の飢えは、以前にもまして高まってしまったのだった。


<つづく>




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「青き山、揺れる」(4)

「じゃ、あとよろしくね。……ほんと助かるわぁ、祐子さん来てくれて」

そう言い残して、いづ美は部屋を出て行った。それとほとんど入れ違いに、ぬっと現れ出でた男がある。いづ美とのことを惜しがっていた祐子も、その顔を見るや、また一気に期待に胸を膨らませた。

それは黄本(きもと)という男、入門順から言っても階位から言っても、努素毛部屋では上から二番目の力士である。もっとも、二番目といったって、この部屋には彼を含めて四人しか相撲取りがいない。まったくもって小規模極まる部屋なのである。

しかし、それゆえにアットホームさが強いと、祐子は思うし、またその雰囲気を好んでもいた。人数が少ない分一人ひとりへの思い入れも濃くなるし、かわいくも思えるもので、同じ取材対象であってもここに特に肩入れしてきたのは、決していづ美が女将であるためばかりではないのだった。

「お、お久しぶりです、祐子さん」

でかい図体に似合わず、心細い声で黄本は言った。黄本は現在二十代後半で、体力的にも実力的にも最も充実した時期を迎えているはずだったが、今だその素養を発揮できず、ずっと上へ抜けられないまま伸び悩んでいるのだった。

その原因は、彼のメンタル面の弱さにある。というのも、ここ一番という時にいつも負けてしまうのである。取り組み以前に気迫で負けている感じなのだ。稽古は真面目だし、技術の研究にも余念がないというのに、傍からすればまったくもどかしい話である。

しかし、ダメな子ほどかわいいというのもまた人情で、祐子も彼のことをどうしてもけなしたりできないのだった。

一方、黄本の方でも、祐子に対しては並々ならぬ情熱を抱いていた。

「昨日も見ました! テレビ」

彼は興奮して身を乗り出しながら言った。実は、彼は祐子がここを訪れる前から、彼女の大ファンなのである。彼は目を輝かせて、アナウンスや特集が素晴らしかったことなどを次々まくしたてた。

「あ、ありがとう……」

祐子はその様子に少々辟易としながら相槌を打っていた。褒めちぎられることへの気恥ずかしさもさることながら、彼の態度がいかにも純粋なファンそのものなもので、溢れんばかりの欲求を抱えている自分が何だかとても下世話な人間に思えてきたのである。

それは、真面目に仕事に向きあう日常の自分と今日ここへ来たような欲望まみれの自分とを峻別する彼女の立場からも言えることだった。今の自分は仕事のことを思い出したくないし、むしろ下世話なこと一直線の汚れた自分を満喫したいのである。

だから、健全な会話を続けて建前を取り繕わなければならないことに、正直なところいらいらした。こうする間にも時間は無為に過ぎていってしまう。祐子は何とかきっかけをつかみたかった。

しかし、いかに性欲無法な彼女でも、そうあからさまに自分から誘いかける勇気も、また自信もなかった。普段快活な彼女にも似ぬ体たらくではある。だが、最初の思い切りというのは中々つかないものだ。まして、一応自分のファンを標榜する相手とあっては。

と、そこへ、意外な助けが現れた。

「ちょっとごめんなさい。……これゴム、開いてるのあったからこれも使って」

それはいづ美だった。彼女は手提げかばんを腕にかけて、いよいよ外出の直前といったいでたちである。そうして、手に直方体の薄い箱をいくつか持って室内に入ってきた。彼女はそれらを枕の横に置き、さらに部屋の棚から透明なピンク色のかごを下ろした。

「これ、いつものセットね。出すの忘れてたもんだから、ごめんね」

いづ美はそれだけ済ますと、

「じゃあね、ごゆっくり」

とだけ言い残して、嵐のように去って行った。

二人はいづ美の置いていった箱を見、そして目を見合わせた後、恥じらって俯いた。だが、それがいいきっかけになった。箱の中身はコンドームだった。


<つづく>




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「青き山、揺れる」(5)

二人は、どちらからともなく距離を詰めていった。祐子は無論のこと、純粋に熱弁を振るっていた黄本も、やはりいずれそうするつもりではいたのである。彼とて男なのだ。いづ美の置いていった避妊具が、彼に性欲の発露を促していた。

「ン……」

黄本の太い腕が自分の背中に回されると、やっぱり男がいい、と祐子は思う。決していづ美の良さを否定するのではないが、いざこうして黄本の腕に触れてみると、こちらが優位に立ってしまう。結局のところ、今その時感じる温もりが彼女にとっては一番ということだろう。

(――それにしても)

コンドームの箱をちらりと見やりながら、祐子は回想していた。それを置いていった人と今目の前にいる彼との秘め事を見た、あの衝撃的な夜のことを。そう、すべてはあの時から始まった――。


――その日、祐子は努素毛部屋に宿泊していた。といっても、今日のような特殊な目的を持ってのことではない。当時はまだ純然たる取材活動の延長として、また一相撲ファンとして訪問していただけである。

ただその頃から、この部屋と特別懇意にしていたのは事実である。そうでなければ、さすがに泊まっていくことまではしないだろう。その点、既にいづ美のほか部屋の者たちの方からも親しみを持って迎えられていた祐子は、その日晩御飯を馳走になり、そしてそのまま泊まっていくことになったのであった。

彼女は空いている部屋を与えられ、そこで床に就いた。努素毛部屋には空き室が多い。力士の数が少ないからである。幕内から陥落してもう久しくなる筆頭弟子の赤井ですら、単独で一室使わせてもらっている。それ位部屋が余っている。

祐子はそんな部屋の一つを広々と使って眠りに就いていたが、真夜中になってふと目が覚めた。今にして思えば、それが運命だったのかもしれない。特に物音を聞いたわけでもないのに、なぜだかふと目が覚めたのである。

彼女は、就寝中に目が覚めた人にままありがちな例として、何となくトイレに立つことにした。部屋を出て、廊下を歩く。と、そこで妙な声を聞いた。静まり返った屋内ならではに、よく声が通る。祐子ははっとした。

(“あの時”の声だ!)

そんな予感が頭をかすめる。それと同時に彼女の足は、もうそちらに向いていた。そろりそろりと声の方へ忍んで行く。悪いことだとは知りながら、しかしそれへの興味はぬぐいされない。

それは、悪戯心というより好奇心だった。おそらくは親方の黒岩(くろいわ)とその妻いづ美の営みなのであろうが、そうと分かっていながら、祐子はそれを見てみたいと考えてしまうのである。人によれば、知人のセックスなど見たくもないだろうが、彼女の場合は違った。

一つには、黒岩もいづ美も共に好意を持っていた二人だからというのがある。好きな人たちだからこそ見てみたいというのである。

またもう一つには、他人のセックスを一度見てみたいというのもある。他の人はどんなセックスをしているものなのか、自分のを省みる意味でも興味があるのである。

結局それらの理由の根底にあるのは、強烈な性的好奇心、祐子自身の抑えきれない猥褻な性分なのだった。

彼女はそれに突き動かされて、声のする部屋の前まで来た。ちょうど今自分と黄本が居る部屋だ。その前に立って、彼女の胸はドキドキと高鳴るばかり。そして、とうとう彼女は襖に手をかけた。わずかに隙間を作る。“覗き”――その行為の破廉恥さがまた彼女を興奮に誘う。彼女は見た。

(あっ!)

まず目に飛び込んできたのは、人間の尻だった。それも相当巨大な尻で、それがほとんど視界いっぱいに広がる。その尻の両脇から、細い足が逆ハの字形に伸びている。つまり、巨大な尻の下にもう一人いるということになる。

尻の主はうつ伏せ、その下にいる人は仰向け、そして仰向けの人は開脚している恰好、いわば下の人を組み敷いて開脚させている股の間に巨大な尻が入っているわけで……。

(入ってる……!)

そう、入っていた、祐子はしかと見た。尻だけではない。尻の下から出ている黒っぽい肉の管が、下の人の股の間にある穴ぼこへ確かに押し込まれていた。

(すごい……!)

祐子は固唾を飲んだ。確かに期待はしていたが、こんなにそのものずばりの瞬間に出くわそうとは思わなかった。ペニスがヴァギナに挿入されている瞬間、まさにセックスそのものを目の当たりにしようとは!

「アウゥ……アゥッ、アンッ、アッ、もっと! もっとぉ!」

女は悦楽の声でよがっていた。その声の主は、間違いなくいづ美だ。開いた足を時折揺らしながら、彼女は、日頃祐子が聞いたこともない媚びた調子で、女の叫びを上げていた。

「もっとぉぉっ! もっとよぉっ! アッ! アンッ! そう、もっとぶっ込んで!」

男の背中に隠れて彼女の顔は見えないが、きっとその表情は卑猥に歪んでいるに違いない。それを見てみたい、と祐子は思った。美しいいづ美の淫乱な顔を。

それにしても、セックスとはこれほど人を変貌させるものか、と祐子は彼女の乱れように驚愕した。いづ美は割合に活発な人柄ではあったが、性にこれほど積極的だとまでは思わなかった。

無論セックスの話を日常で交わすことなどは通常の付き合いでまずないわけだが、話はしなくても、実際にはこうやって誰でも夜の営みを行っているものだということを、祐子は実地で学んだ思いだった。

見ている間に、いづ美の求めにしたがって、目の前では男性が激しいピストン運動を行っていた。いきり立った剛直が、上から下へズブリズブリと、赤貝のような濡れた秘肉の内へ何度も何度も突き刺さる。

「イーッ……! イヒィーッ……! アッ、上手! 上手よぉぉ……!」

いづ美は激しく啼いた。余りに大きな声なので、家の中の他の者に聞かれないかが慮られるほどだ。いくら夫婦の営みとはいえ、独身者の弟子たちには毒だろう、と祐子は少し心配になった。だが、そんな心配を根底から揺さぶる衝撃の事実が、その後すぐに彼女を襲った。

「アア~ン、いいわぁ、固いわぁ、黄本君のおチンポ。いいおチンポだわぁ、黄本君」

祐子は耳を疑った。いづ美は今、確かにその名を口にした、夫の黒岩ではない名を。弟子の黄本の名を。さらにそれを裏付けることに、男の横顔がその時ちらりとこちらに見えた。それは暗がりでも明らかだった。黄本だった。

祐子はドキリとして固まった。


<つづく>




<目次>
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「青き山、揺れる」(6)

(どういうこと? これ……!)

祐子は困惑した。他人の性行為を目の当たりにしただけでも驚いていたのに、その上まさか不倫の現場に立ち会おうとは! しかし、紛れもなく目の前では、女将のいづ美と弟子の黄本が、あられもない姿で乱れていた。

「アッ、アンッ! 黄本君、すっごい! すっごい!」

いづ美は相変わらず歓喜の声で猛っている。誰はばかることない大きな声で、夫の弟子の肉棒に啼いている。その声のボリュームは、完全に不倫の情事を家中に証明しているようなものだった。

(どうして……?)

祐子はびっくりしていた。一体どういう了見でこんなあからさまなことが行われているのだろうか、彼女ならずとも驚きいぶかしむであろう椿事である。

しかし、その異常さもさることながら、彼女の思考をひと際占拠したのは、眼前の二人の迫力であった。彼女はただただ圧倒され、その目を奪われた。

どでかい尻が上下に揺さぶられる度、バチンバチンと弾ける肌の音、それに合わせて足元の地面が揺れているのは、決して気のせいばかりではないはずだ。凄まじい運動がそこでは繰り広げられていた。

その運動の中枢にある肉棒はふてぶてしい太さで、洪水のように水浸しの陰裂を広げきっている。それが埋まる時の重量感といったら、見ていて恐ろしいほどだ。きっと、想像を絶する重力が、振り下ろされる度に膣奥にかかっているに違いない。

(うわぁ……!)

祐子は生唾を飲み込んで食い入るように見ていた。無意識に太ももをすり合わせ、わずかに腰を後ろに引く。重いパンチでダイレクトに官能を打たれたかのように、彼女の発情は急速にやる方なくなっていった。

そんな彼女をよそに、二人はまぐわいながら会話を交わす。

「イイッ! アア、イイッ! 黄本君は? 黄本君はおマンコ気持ちいい?」

いづ美が問えば、

「あ、はいっ……! いいです!」

黄本が答える。

祐子はそれを聞いていてちょっと引っかかった。というのも、黄本が自分のファンであることをその時既に彼女は知っていたのだが、そういう男が他の女に性欲を傾けている様子が、どうにもしっくりこなかったからだ。

別に、祐子としては彼に愛を抱いていたわけではないし、彼と深い仲になってもいない。ただ、自分を応援する気持ちと日常の性欲とが、彼の中で別次元のものとして存在している実際を確認し、心中複雑になっただけである。

それには、愛はないとはいうものの欲望の範疇にはあった男がほかへ満足を求めにいっていることと、いづ美がそんな彼とうまいことやっていることへの、軽い嫉妬の情がからんでいた。

すると、そんな祐子の情を見透かしたように、いづ美がこんなことを言いだした。

「アン! ダメ、声出ちゃう。祐子さんにも聞こえちゃうわ」

思いがけぬ自分の名の登場に祐子はドキッとした。いづ美は続ける。

「祐子さん起きたんじゃないかしら。どうしよう、祐子さんに聞こえたら、ねえ、黄本君」

まるで緊迫感のない調子のいづ美だ。実際には聞かれてもいいと思っているとしか思えない。一方、それに対する黄本の反応は、こちらからではよく分からなかった。祐子は、さっきまでより一段と緊張して耳を澄ませた。

「黄本君、祐子さん好きなんでしょ? だったら、ほんとは祐子さんとしたいんじゃない?」

どういうつもりか、いづ美は祐子の話題を黄本に向け続ける。その話題の当人が、近くで聞いているとも知らずに。

「やらしてもらいなさいよ。押し倒して、こうやっておチンポ入れちゃえばいいのよ」

とんでもないことを言いだしたものだ。今晩のいづ美は随分と物騒である。だが祐子としては、黙って見ているしかない。それに、本当に言葉通りになるとも限らないわけだ。

もっとも祐子は、いづ美の言うような状況を想像して、妙な胸の高鳴りを覚えていた。すり合わせている太ももの内側へ、自然と手が伸びる。

他方、黄本は、いづ美のそそのかしに容易に乗らない様子だ。それに対して、いづ美はなおも誘いかける。

「じゃあ頼んであげようか? あの人もねえ、あたしが見たところ、結構好きな方よ。ね? 絶対やらしてくれるわよ」

祐子も自分の知らない所でとんだ評価を下されていたものだ。いづ美の言う“好きな方”とは、やはり黄本のことではなくセックスのことを指すのだろうと、祐子は直感で分かっていた。ずばり見抜かれていたわけだ。

彼女は、体の内がカーッと熱くなるのを感じた。同時に、股間を押さえる手に湿り気を覚える。いづ美に借りたパジャマなのに、その股間に下着を通して染みが広がっているのが分かる。

(あぁ……)

祐子は腰をくねらせて、どうしようもない切なさをアピールした。だがそのアピールを受け取ってくれる者はいない。彼女はただ、他人のセックスを見守って、さらに切なさを高めることしかできない。

黄本という、いわば自分の領域下にあるはずの男の交尾を見て、己は情けなくも欲情することしかできないのだ。彼女は情けない自分を自覚しつつも、たまらなくなって下着の中へ手を突っ込んだ。と、ほとんどそれと時を同じくして、黄本の方にも大きな動きがあった。

「アア~ン!」

艶めかしく媚びた声で啼いて、いづ美は伸ばしていた足を男の背中の方へ巻いた。そうして言う。

「あらあらあら、出てるわぁ」

いわゆる、男の終了の知らせだった。祐子は思わず見る、深々と埋め込まれた肉棒と、それを貪欲にくわえ込む魔物のような淫らな貝を。そこの繋がりでは今、ようやく交尾の目的が達せられているに違いない。時折陰嚢が脈動する様が生々しかった。

いづ美はいじわるっぽく言った。

「祐子さんのおマンコ想像してイッたでしょう? ……すんごく固かった」

それを聞いて、祐子の恥部のうずきは尋常じゃないぐらい激しくなった。

(あぁぁ……固いの……)

彼女はそれを抑えようと、とうとう本格的にそこを慰めようとしだした。しかし、そうはいかなかった。事を終えた男女が姿勢を正し始めたからである。

それを見た祐子は、見つかることを恐れ一目散にその場から退散した。


<つづく>




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「青き山、揺れる」(7)

彼女が逃げ込んだのは、自分の宿泊している部屋ではなく、トイレだった。一応当初の目的通りではある。だが今の彼女には、尿意よりも優先したい欲求があった。

便座に腰かけ、再び下着の中に手を入れてみる。いつもならジャリジャリと触れる縮れ毛がしっとりと濡れており、さらにその奥へ分け入るにしたがって、トロトロした汁が指の腹に触れた。

一旦手を抜いて、それを確認してみる。指先には透明な汁が付いており、指と指をくっつけて離すと、汁はその間に細い橋を架けた。

それを確かめた後、彼女は思い切って一気にパジャマのズボンを下着ごと床まで下ろした。明るい所で見ると、四角い柄のピンクの色が、股間の所だけ濃い色に変わっているのが分かる。下着は言うに及ばず、その内側の布地は、光を反射してすらいた。

(うぅ……ヤダ……)

祐子は肉体の反応の過剰さに幻滅しながら、しかしそうでありながら股間に手を伸ばし、中指と薬指の先端を使って、慣れた手つきで、秘唇の上部を中心に小刻みに繰り返し小さな円を描き始めた。

ほとんど泣きそうな切なさを噛みしめつつ、一人黙々とその行為に没頭していく。その時彼女の心の内では、自己嫌悪の気持ちが頂点に達していた。彼女はそれに耐えつつ、あるいは開き直りながら、股間を摩擦し続けた――。

祐子には、自慰の癖があった。幼少の頃からである。無自覚に椅子の角などに股間をこすりつけていたのを入れれば、ほとんど物心ついた頃から行っていたことになる。小学校の中学年になれば、もう自覚してやる習慣が身に付いていた。

この習慣は彼女にとって人生最大のタブーであり、最も暗い心の闇だった。彼女はその行いを深く恥じ、そんな後ろ暗さを背負う自分に絶望した。けれど、それを断つことは、四十を目前にした今日までついに一度もできなかった。

学生時代のみならず、アナウンサーとしてテレビに出るようになって以降も、それをやめることはできなかったのである。女子アナといえば世間では華の職業であり、さぞかし華麗な交際を行っているのだろうと一般には羨ましがられたものだが、祐子はただ一人悶々と自分を慰める日々を送っていたのである。

元来彼女は快活な性質であり、またスポーツを愛する少女として育ってきた。周囲にもそういう子として知られており、人と接するにも爽やかな印象を振りまいてきた。決してそれは無理をしてのことではなく、彼女の一つの真実ではあった。

しかし一方で、男女関係については不器用な部分があった。もちろんこれまでにまともな恋愛をしたことは、一度や二度ならずある。しかしそういう時は、むしろ自分の個性を意識して演じてきた気がするのだ。つまり、明朗で活発な体育会系の女子を、自覚的に強調してきたのである。

その結果、ついにこれまで一度も肉体的あるいは性的に男に満足したことはなかった。もう一つの真実の顔をさらけ出せない彼女の、それが限界だった。

だから、彼氏がいる間ですら彼女は自慰を行ってきた。彼女の性欲は、そうやって補わねば満足できないほど旺盛で激しかったのである。

「ン……ン……」

クリトリスを剥き、それを指ではじきながら、祐子は犬のように鼻で鳴いた。便座の上でだらしなく股を開き、腰をやや前に突き出して背中を斜めにする。陰部を撫でるのにちょうど良い姿勢なのである。

そして目を閉じ、自分の世界に没入する。脳裏には、さっき見た光景が浮かんでいる。太い肉棒が肉ビラの中にうずもれている場面、巨大な尻が上下し、結合部から大量の汁が漏れ出ている場面が。

それを思い出しながら、その肉棒になぞらえて、中指を陰核の下へスライドさせ襞の中へと潜り込ませていく。その指には、彼女が密かに付けたある恥ずかしい呼び名があった。

(……指チンポ……)

それは、彼女が考え付く限りの卑猥な名前であった。誰にも、おそらく一生明かすことのない秘密である。いつもその名を意識しながら、彼氏に見立てたそれで自分を抱いている。

「ン……ン、ン……」

祐子はその指に愛しさを感じながら、それで自らの肉穴をほじった。大量の愛液が尻の方へと流れていく。彼女にとってはありふれた感覚だ。むしろ、愛液の泉へ指を沈める時、安心を覚えすらする。

祐子はそれを確認したいがために、時・所を選ばず股間をいじくってきた。今も自宅ではない場所でこんなことを始めたわけだが、これは日常茶飯事で、ひどいことには会社でもしたことがあるのである。

確かに、職場は神聖な場所であり、仕事には節度を持って臨むのが彼女のポリシーだ。しかし、そういうプライドを持ってしてもなお、肉体の要求には抗えないのである。意志が弱いというより、性欲が強すぎるのだ。だから、仕事中でもどうしようもなくなってしまう。

極端な時は、テレビに映っている間でも発情を抑えられない。乳首が固くなり服の中でこすれるのを、スーツを胸元へ引き寄せてなんとか隠したこともある。またそういう時に限って、体に密着したシャツを着たりするものだ。

祐子は興奮すると、母乳が出るわけでもないのに乳が張るようなイメージが自分の中にあったが、そんな折にぴったりと体のラインが出るインナーシャツを着ていたりすると、ただでさえ目立つ己の乳房がより強調されているのではないかと恐れ、しかし恐れながらまた興奮してしまうのである。

それでも日頃の研鑽のおかげで、何とか仕事は無難にこなすが、終わるとすぐさまトイレへと駆け込む。そうして情けない自分を慰める。

いつだったか、祐子が個室で手淫に耽っている最中に、後輩のアナウンサー達が洗面台の前に来たことがあった。さすがに焦ったが、それでも彼女の指チンポは離れなかった。

両手で穴の入り口を開きながら、両の中指をズリズリと穴の奥へと潜り込ませて微動させ、ついにオーガズムを得たのである。恥の極みともいうべき先輩である、彼女はそう自分で自分を嘆いた。

だがそうまでしても、彼女の淫乱症は治まらなかった。その日、祐子は家に帰るや否やベッドにその身を投げ出し、激しくオナニーに耽った。今度はもう誰彼はばかることなく、思い切り淫らになれる。

自室には大きなクマのぬいぐるみがあったが、これこそ彼女にとっての“旦那様”だった。そう呼ぶのには訳がある。それは一メートル以上もある大きなもので、女の子の趣味に合いそうな可愛らしいものだったが、彼女はこれをオナニーの道具にしているのだ。

すなわち、自分の上にのしかからせ、まるでセックスしているような態を装うのである。ダッチワイフみたようなつもりだ。折角の愛くるしい姿も、祐子のよこしまな使用法のせいで台無しである。彼女はこれを購入する時から、そのかわいさに惹かれたような振りをして、その実こういう使い方を考えていたのだ。

「ンフンッ、ンフンッ!」

祐子はぬいぐるみを抱きながら寝乱れる。その重みから、まるで男に犯されているような気がして気持ちが良い。こういうことを日々自室では行っているのである。

これが、四十路前の女のあられもない姿だ。これでも彼女は女子アナというれっきとした人気商売に就いている人間なのである。しかしその実態は、性欲を剥き出しにした淫乱な野獣そのものなのだ。自分で自分の性欲処理をし、子作りと偽って女の体を鎮めることしか能がないのだ。

「ウッ……ウッ……」

祐子は嗚咽しながら、今もトイレの中で一人、長年連れ添った指チンポを、まるで餌付けをするように自身の女の口に食べさせていた。そうして、やがて静かに果てた。


<つづく>




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「青き山、揺れる」(8)

そんな風だったから、いづ美から黄本とのことを持ちかけられた時は、一も二もなく承諾した。そう、いづ美はあの晩の猥談の内容を実際に祐子に対して実行したのである。

それを聞かされた時、祐子には確かに戸惑う気持ちがあった。もし、事前にあの場面に遭遇していなかったら、――たとえ遭遇していなくとも性欲の旺盛さには変わりがないとはいえ、やはり逡巡はしただろうし、断っていた可能性も大だ。

しかし、祐子は知っていたのである。あの強烈な結合部を目撃していたのである。まして、職場でも性欲を我慢できないほどの淫乱な彼女だ。どうして断ることができよう。彼女にとって、まさに千載一遇のチャンスなのである。

だから、あの日の提案通りに本当にいづ美が仕掛けてきたことに驚きこそしたが、これをきっかけに黄本と近づきになれることへの喜びの方がすぐにそれを上回った。

喜び勇んだ彼女は、その後いづ美が打ち明けた衝撃の告白を聞いても、すんなりと受け入れることができた。いづ美が話したのは、なぜ黄本と性交していたのか、その理由であった。なんと彼女は、祐子が見ていたことを知らないにもかかわらず、黄本との関係を自ら暴露したのである。

彼女いわく、黄本との間柄は不倫ではないという。そこに男女間の愛はないというのだ。いや、というのは少しく言葉足らずである、愛は確かにあるのだから。ただ、好きだの嫌いだのというレベルのそれではないということだ。

あくまでも二人の関係は部屋の女将と弟子であり、つまり彼女は女将として弟子である彼を愛しているというのだ。それは女将の義務であり、望むと望まないとにかかわらず果たさねばならない使命であると。

いづ美は使命感に燃えていた。

「あの子たちは、若いうちから親元を離れて厳しい稽古を受けなきゃならないの」

彼女は語る。

「あたしたちは、親御さんから大事な息子さんをお預かりしているの。だから責任を持たなきゃいけない。相撲だけさせてればいいっていうわけじゃないの。人間としても立派に成長させる面倒を見なきゃいけないの」

熱っぽく語る彼女の表情は、まさに真剣そのものだった。仕事にかける情熱を、そこには見出すことができた。いやそれだけではない。彼女の話すように、弟子たちに対する強い慈しみの情がそこには溢れていたのだ。

いづ美は熱弁を繰り広げる。自分は母にならねばならないと。部屋の母として、彼らをあらゆる面でサポートしてやらねばならないと。食事の世話はもちろん、生活指導もみっちりやる、彼らが非行に走るようなことがあっては、せっかく預けて下さった親御さん方に顔向けできないからと。

まさに部屋の鏡、ここまで誰もがそう評したくなる素晴らしい決意である。彼女はさらに続ける。

とりわけ肝要であるのは、彼らが男の子であるという点である、この点を軽視してはならないという。

あまつさえ最も多感な、そして血気盛んな時期に一つ所に押し込められて、世間をまだよく見ぬままに外界とある種隔絶された生活を送らねばならぬ、そのことが一体どれほどの重圧を彼らに与えるか、それを看過してはならないと。

母はそこをケアしてやらねばならぬ、母として優しく包んでやらねばならない、その過程で、性欲の受け皿になってやることが、とても重要な役割を果たすというのだ。

好奇心、それは誰しも抑えがたいものだ。しかしそれをクリアしてやることで、人間は前に進める、いづ美はそう考える。

時に、彼らは年頃の男子である。性への関心で頭がいっぱいになったとしても、それは健康な男子ならば当然のことだ。それが鬱屈すれば思わぬ衝突が起こるかもしれない。また、相撲への集中を欠き、成長を妨げるかもしれない。

だから、放置してはいけないのだ。放置して、それが数世代にも渡れば、悪しき空気が蔓延し、先輩から後輩へロクな影響が伝わらないこととなろう。それは、部屋にとっても大きな損失だ。

そうならないためには、初めからきちんと教え、そうして欲求をため込まないようにいつでも胸を貸してやること、女には相撲はできないがそうやって力になってやることはできる。いづ美は言うのだ、いつでも股は開かれていると。

それが女将の仕事だと、彼女は凛と胸を張った。そのために、実際彼女は入門する弟子たち全員と寝ているという。寝ることで真に心が通じ合い、彼らの心情を本当に理解することができるとも彼女は言った。

驚くべき話である。いづ美はありふれたこととして説いたが、少なくとも一般にはにわかに信じがたい話だ。実にスキャンダラスではあり、事実だとすれば、この慣習は業界の恥部ともいえよう。

報道に携わる者ならば捨て置けないことだ。だが、今の祐子にそういう問題意識は働かなかった。閉鎖的であり、かつ古い体質の社会ならではに、現代の社会通念が通らない独特のものがあるのだろう、ぐらいに思っていた。

欲望の熱に浮かされた彼女はそれほどに常軌を逸した感覚であり、心の中は早くも自分をいづ美と置き換えた妄想でいっぱいだったのである。


<つづく>




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「青き山、揺れる」(9)

そして祐子は、ついに黄本に抱かれた。いやその貪欲さからいえば、むしろ彼女から黄本を抱いたといった方が適当かもしれない。それほどに彼女は彼を欲していた。

その逞しい腕、分厚い胸、両手を広げても包めない胴周り、それらあらゆる身体的特徴が彼女の興味を捉えていた。ということはつまり、祐子は、黄本の人間よりもその肉体を欲していたということである。

男という存在、しかも力士という男であり、その力士であるが故の肉体が欲しいということ、それが彼女にとっての性欲を満たすということなのだ。極めてドライな考え方ではあるが、有り体に言えばそういうことである。

「ンン……」

初めてその身を抱き締められた時、祐子はもうそれだけで恍惚となった。念願だった力士の抱擁、しかも挨拶程度ではない本気の愛撫のそれを受け、天にも昇る心地であった。

元来祐子は相撲が好きだ。それ以前にスポーツが好きだ。そもそも彼女がアナウンサーを志したのも、スポーツに関わって、その感動を伝える手伝いがしたかったからである。スポーツは、いわば彼女のライフワークであった。

分けても相撲が好きで、彼ら力士には並々ならぬ敬慕の情を抱いてきた。彼らは大きい、まずそれだけでも憧れた。体格の良い祐子とでも比較にならない、それが彼女の心をときめかせた。やっぱり男はそうでなくては、と力士の大きさに頼り甲斐のある男性を見出し、祐子は惚れ惚れするのだった。

そういう男たちが、厳しい男社会に揉まれてストイックに闘う様は、何とも美しく見えた。祐子はいつしか相撲の虜となり、熱烈に声援を送るようになったのである。

だが一方で、例によって後ろめたい情が祐子の心の内を占めてもいた。確かにスポーツとして相撲は応援しているし、相撲取りのことは尊敬している。その気持ちに嘘偽りはない。しかし、相撲を見ていると、どうにも抑えがたい邪念が心に芽生えて仕様がないのだ。

何しろ、自分にとって理想の男性たちが、目の前で真剣勝負を繰り広げるのである。それも裸でだ。全身の筋肉を隆起させ、その上に汗をかいて、肉と肉をぶっつけ合うのである。それはそれは祐子にはこたえられない趣味だった。

だが、そういう目で見ている自分に気づいた時、祐子ははっとしたものである。

(相撲をそんな目で見るなんて!)

純粋に相撲を応援しているファンたちの間で、彼女は恥ずかしかった。国技である立派なそれに卑猥な妄想を持ちこむなど、なんて不謹慎なことだろうと思った。それは、スポーツを敬愛してきた彼女の誇りからしても、許されざることだった。

しかし、どんなに彼女の潔癖さが頑張っても、例の因習と同様、ついにそれを退けることはできなかった。相撲を見る時は必ず、彼女の胸は熱く燃え、それにつれて女陰がジュンと潤みだすのを禁じえなかった。

ひょっとしたら相撲にはそういうセックスアピールの側面もあるのではないか、そんな風にすら思われだした。そしてそう考え出すと、いづ美の言っていた言葉が俄然真実味を帯びてくるのである。

(女には相撲は取れないが、彼らの性欲を受け止めることはできる)

それは逆に男にはできないことであり、いうなれば女ならではの相撲なのだと。

考えてみれば、男は闘って強さをアピールし、女はそれを見て宿す子の父親を決める、この関係のなんと原始的で素朴なことか、男と女のあるべき姿ではないか、祐子はそう思った。

今しも黄本の手が祐子の豊乳を持ち上げて優しく揉む。これがいわゆる祐子の相撲である。

「ンフ……」

ごつい手が添えられると、さしもの大きな乳房も形無しである。だがそれが嬉しいと、祐子には感じられた。そのことは、何度回数を重ねても変わらない。既に初めての日から今日まで、彼らは何度も肌を合わせてきていた。

祐子はその心地よさにすっかり味をしめ、今や常連である。ここに来れば至高の快楽が得られる、そうと知った彼女の性欲はますます加速し、この場所に来ることを完全に卑猥な目的と同化させていくのだった。

もはや相撲もスポーツもなかった。力士とのセックス、ただそれだけに依存する祐子なのであった。そして、今日も今日とて朝から待ち切れず、勇んで努素毛部屋にやってきたわけである、力士の肉体を味わいに。


<つづく>




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「青き山、揺れる」(10)

先ほど、いづ美との共同作業ながら自分で敷いた布団の上で、祐子は黄本と抱きあい、互いの体をまさぐり合った。日中のこととて、明かりを消すも消さないもない。互いの全てが丸見えである。

だが祐子は、そのことを別に恥ずかしいとも思わなかった。元来豪快な気風の彼女ならではといえばそうだが、この場合はどちらかというと、目前の男に夢中過ぎて気づかなかったと言った方が適当だろう。

例えて言うなれば、鼻先にニンジンを吊り下げられて走る漫画の馬のようなものだ。足元に障害物があろうともまるで気が付かない。目の前の餌に必死なのである。祐子にとって黄本の体は、いいにおいのする食べ物そのものだった。そして、今の彼女は餓えに餓えているのである。

だから、いささかコンプレックスでもある自分の胸も、惜しげもなく黄本の前に曝した。その胸を見た黄本は、初めの頃、感動のあまり思わず言ったものである。

「うわぁ……! これが祐子さんの胸かぁ……!」

女子アナのオタクであり、とりわけ祐子のファンである彼には、相当刺激的だったようである。それはそうだろう、テレビで見ている人の裸の胸を見られたわけだから。彼はためつすがめつしてそれを眺め、感慨深げに手を伸ばした。

「やっぱり大きいんですね」

初めてそれを見た時のいづ美と同じようなことを言って、彼はため息を漏らした。祐子にはこそばゆい感じだが、自分の乳房が大きいということが、他人にはある種の感動を与えるらしい、そう彼女は知った。

黄本はその乳房を揉み上げ、大口開けてその先に吸い付く。

「ン……ンフ……」

乳の脂肪を思い切り吸引され、祐子はセックスの実感を得た。オナニーでは到底味わえない感覚だ。自分でも乳房を持ち上げて舐めようとしたことはあるが、舌先がかろうじて乳首の先に触れる位しかできなかったのだ。

(ああ……おっぱい気持ちいい……)

祐子は感じた。が、同時にこうも思った。

(早く、もっとすごいのして……)

逸る気持ちで、早々に男性自身の到来を願っていた。彼女は前戯というものを必ずしも好まなかった。まどろっこしいと感じることが多かった。その意味では、男らしいといえるかもしれない。理想としては、男根でゴリゴリとイかされることである。

しかし、黄本にそれは通じなかった。もっとも、祐子が何もリクエストしないのだから仕方がない。言えば相手は言うことを聞くであろうが、それはしない方針なのである。で、ある以上、祐子ファンの黄本は、彼女の体を隅々まで確認するのが常であった。祐子の全てを知りたいというのが、彼の願望だ。

顔を観察しては眉毛の描き方や鼻の形、肌の張り、歯ぐきの色つやを見、順次体の下の方へ移って、二の腕の筋肉や腋毛の処理の状態、腹の脂肪の付き具合、肛門の色、ふくらはぎの弛みなどを見て、終いにはほくろの数や位置まで確認する。

夫でも家族でもない彼に、祐子はもう体の何もかもを知られているのである。だが、それでもいいと思う、この後満足させてくれることを知っているからだ。ある意味、夫並みの信頼を捧げているわけだ。

黄本は、ようやくのことで祐子の股間に到達する。そして、思い切り股を開かせて、腿を両手で押さえつけながら尻を持ち上げる。黄本の眼前に、すっかり露わになる彼女の秘唇である。

そうした時、今日こそ言わなかったが、度々彼は言ったものである。

「これが、祐子さんのおマンコ……!」

まじまじとそれを見詰めて、そのにおいをかぐ。

「ああ……祐子さんのにおい……」

どんなにおいがするのか、祐子は恐ろしくて聞けなかったが、黄本はいいにおいがするといった態度だった。彼はそのまま鼻ごと陰裂に顔を埋めていった。それから丹念なクンニリングスを始める。

「ンア……アァァ……」

祐子は確かに気持ち良かったが、やはりうずうずと物足りなさを感じていた。黄本によって股を開かされた時点で、彼女の淫花はとっくに濡れそぼっていたのである。もう受精の準備はできていたのだ。

もし一人の時ならば、矢も盾もたまらずに“指チンポ”で慰めに走っていただろう。とにかく一刻も早く男性本体をくわえ込みたいのである。

しかし、そこは祐子ファンの黄本である。感動の対面を果たした祐子の陰唇を、そう易々と視界からはずしたりはしない。いつもそうだった。何度やっても、毎度飽きることなく彼女の恥穴を舐めまくるのである。

(早くぅ……もうちょうだい……)

はしたなくも、自分から懇願の台詞を口にしようかとも思った。が、それは思いとどまる。彼女としては、男性のイニシアチブの下で、彼の好き放題に体を扱われるのが興奮の素であったから。だから、恥部を弄ばれながら、じっとそれに耐えていた。

そうするうちに、黄本は舌に加え指まで駆使しだした。のそりのそりと女陰に立ち入ってくる。祐子の指チンポなどとは比べ物にならないほど、太く皮の厚い指だ。もはや、本物の男根かと見まごうほどである。

「イヒァァー……!」

肉壁にむずむずする感覚を与えて、指はずんずんと奥へ分け入ってくる。どの指が入っているのかは分からない。どの指もみんな同じぐらい太いのだ。

(アアッ! ヤダ……太い……太い、この指チンポ……!)

頭がくらくらとしてきて、全身に汗が噴き出してきた。祐子は焦った。

(ヤダ……ヤダヤダヤダ……ダメ! ダメッ! 指チンポでイッちゃう!)

彼女としては、最初の一回は是非とも本物のチンポでイきたかった。それを待ち焦がれて、今日まで苛烈な性欲のたぎりを耐え抜き、仕事を頑張ってきたのである。

(お願い……指で……指でイかさないで……!)

祐子は願ったが、その望みは届かなかった。指は穴の中で関節を曲げ、激しく前後してかき回してくる。それにまた、舌によるクリトリスへの責めも合わさる。強烈な刺激だ。黄本はそのままイかせるつもりらしい。ついに祐子はギブアップすることにした。もうなりふり構ってはいられない。

「ダ……メ……ちょ……待っ……」

彼女は直接懇願することにした。しかし、その時は既に遅かった。

「……ってぇ、エ、エ、エェェ……ッ!」

祐子はイッてしまった、指で犯されながら。


<つづく>




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