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作者が思いついたエロ話を羅列して自分を慰めるブログです。下品な妄想と低俗な文章に股間で共感して頂けたら幸いです。

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このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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なお、掲載している小説はすべて作りごとであり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

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妄想の座敷牢ひとみの内緒話羞恥の風ましゅまろくらぶ



小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」
「大輪動会」(連載中)

短編作品
「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

「兄と妻」(序)

『兄と妻』



   序



底抜けに晴れ渡った空に入道雲が湧いている。それに絡まんとでもするように、朝顔の蔓が懸命に伸びる。対して、庭の砂地はカラカラで死んだようだ。岩も地面も黄色くなって、疲労感を隠そうともしない。

塀の外では、近所のおばさんが打ち水をして、それらを癒しているのだろう。通りすがりの挨拶から発展した井戸端会議が、彼女の活躍を賑々しく伝えている。蝉よりもやかましいその声は、テレビの音すらかき消しそうだ。

「夏だなあ」

ふと外の方へと目を移して、賢次は言った。休日のこととて彼は着の身着のままにごろりと横になりテレビを見ていた。その足元には扇風機が首を振っている。いずれも最新式で、近来普及目覚ましい電化製品である。

「夕立でも来ればいいのにねえ」

そう言いながら近づいてきたのは彼の妻である。見れば、手に盆を捧げ持っている。

「おっ! 西瓜か!」

賢次は歓声を上げた。西瓜は彼の好物である。これを食べたいがために子供の頃は夏が待ち切れなかったものだ。西瓜を見るといつも彼は田舎の夏を思い出す。

そういえば、もうすぐ盆休みで帰省するから、いずれたらふく食べられるだろう、と彼は話した。

それを聞き、妻は複雑な顔をする。今の西瓜を前にして、田舎のそれを懐かしむことばかりが不快なのではない。帰省後に避けては通れないある事情が頭に浮かんだためである。

それは、夫の親類と顔を合わせること、とりわけ、彼の兄と会うことだった。元来人見知りな彼女は親戚筋との付き合いを苦手としていたが、義兄に至ってはそれ以上に彼の人となりが嫌いなのだった。

義兄は夫とは正反対の人物である。夫が真面目に会社勤めをし、結婚もし、家も持ち、着実に人生を築き上げていく一方、義兄はいまだ定職にも就かず、やれ文学だ、やれ活動だのと騒ぐばかりで、夢を追っていると言えば聞こえは良いが、要するにその日暮らしの風来坊みたいなものなのである。

彼女は彼のこういういい加減な所を常から軽蔑していたのだ。

賢次はそれを知ってはいる。世間一般の見方もそれとほとんど同調していることまで分かっている。しかし、いかに愛妻家を自認する彼とて、こと兄のこととなると譲るわけにはいかなかった。

彼は今幸せであるが、それは兄のおかげによるものと信じて疑わないのである。こういう話をすると、妻は決まって否定的に言う。兄よりも賢次の方が何倍も優れた人物なのにと。

しかし、それは違うと彼は思う。彼は妻の言葉を聞いて別に怒ったりはしないが、兄の名誉を守るため、やんわりと諭すように語るのだった。

自分が今の生活を送れるのも、東京で就職したいという希望に兄がいち早く賛成してくれたからだし、そのおかげでお前とも出会えた、それに、幼少の頃より兄は何くれとなく自分をかばってくれたし、悪ガキにいじめられればすぐさま駆けつけて助けてくれた、などなど。

彼はさらに、兄の性格上の美徳を数え上げ、現在の自分があるのは全て兄のおかげだとまで言い切った。

そうまで言われてしまうと、妻としても黙るほかない。彼女は夫の兄思いの揺るぎなさに、軽い嫉妬すら感じるのだった。実際、この話をする時、賢次はこの世で自分だけが兄の価値を認めていることに、一種の優越感すら覚えていた。

夫婦は、今はこの点について立ち入らず、ブラウン管に映る白黒の画面を見やりながら、黙々と西瓜をかじっていた。気だるくも平和な夏の日の午後だった。

だが、今日の平穏な時間は、もうそれ以上長く続かなかった。


<つづく>[全三回]




妄想の座敷牢






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「兄と妻」(破)

   破



「まあ!」

そう妻が驚いた声を上げたので、賢次も思わず顔を上げた。折しも、あれほど強かった日差しを急速に広がった厚い雲が遮った時、縁側から中を覗く人影が畳の上に闇をもたらしていた。

「兄さん!」

賢次は狂喜して西瓜の種を飛ばす。噂をすれば影と言うが、話題にも上らぬうちからヌッと現れ出でた兄である。

彼はその社会的に不安定な身分と同様、今日もまたつかみどころのない怪しげな扮装をしていた。東南アジア風の派手な色のシャツ――但しその表面はほこりっぽくくすんでいる――や、よれよれのハンチング、足には雪駄……。

ぱっと見では何を生業にしている人か分からない格好だ――もっとも、実際その通りの生活なのだから実態に即してはいたが。

「お茶入れて来ますね」

妻は笑顔を作って立っていったが、内心不機嫌であることが賢次には明らかだった。彼女としてみれば、兄がこうやって唐突に、しかも庭からずけずけ入ってくる所も腹立ちの要因なのであろう。いかに兄弟といえども、ここは他人の家なのだから節度をわきまえろということである。

だが、いくら妻が不満を抱こうともこと兄の前では意味をなさない、それが賢次だ。彼は子供のようにはしゃいで兄を迎え入れるのだった。

兄が縁側に上がると間もなく、大粒の雨が降り出した。

「やあ、ちょうど良かった」

彼は言い、二人は笑い合う。親しい彼らにとっては、どんな現象も話の種となり会話が弾むのだった。

加えて兄は漂々と世を渡る人の常として非常に口が立つ。あるいは、達者な口先の才故に遊民生活が許されるというべきだろうか。その晩の食卓も彼の講演会だった。

だが、妻には心楽しまぬ時間だったようで、当然のように彼が泊っていくことと決まった時も、彼女はさりげないながら早くも懸念を表明したものだ。

「いつ頃までいらっしゃるのかしら」

それは賢次にも分からぬことだったが、むしろ分からなくても良いことだった。兄ならばいつまでいてくれても良かった。そんな彼の希望が届いたものか、実際兄はその翌日もさらに翌々日も出ていくそぶりを見せなかった。

妻の不安が的中したわけである。彼は金の無心こそしなかったが、朝晩きっちりと食事をし、彼女の手を煩わせたものだ。さても彼女にとっては厄介極まる話である。

何しろ相手は天敵ともいうべき人物なのであるから、そのうち堪忍袋の緒が切れるかもしれない、夫はひそかに憂えていた。

ところがそう思いきや、彼女も慣れたのか、あるいはようやく彼の美徳を解したものか、徐々に不満を口にしなくなり、ついにはぱったりと陰口を言わなくなったのである。人とは変われば変わるものだ。賢次は喜んだ。

ある時、

「あなた……」

深刻な顔をして妻が話しだしたことがあった。賢次は、やはり来たか、と身構えたものだったが、結局全然関係のない話で終わって一安心した。そんなこともあった。

また彼女の変化は次のような場面にも表れていた。

ある日、賢次は会社から自宅に電話をかけた。もちろん妻が出た。だが彼女は妙に息が上がっていた。問えば、いわく、

「ちょ、ちょっとお掃除の最中だったのよ」

ははあ、なるほど、雑巾がけか窓ふきか、あるいは押入れの整理か何かをしていて、それから慌てて電話に駆けてきたんだな、と彼は一人合点した。

と、ふいに、

「ア……お、お義兄さんたら……」

電話の向こうでこちらをはばかるように妻が言う。賢次は聞き逃さず、

「兄さんもそこにいるのかい?」

と尋ねた。すると、間髪入れずに兄が電話口に現れる。賢次は彼の声を聞き嬉しげに問うた。

「今日はどこへも出ないの?」

すると、兄は答えて言った。

「ああ……うん、出るよ……もうすぐ……出るっ……!」

この一件によって、賢次は自分がいない間も二人が平和に暮らしている様子を垣間見れて満足だった。彼が会社から帰宅する時、決まって兄は家にいたが、妻とだけでいる間家の中は殺伐としてやしないだろうかといつも気を揉んでいたのである。

帰宅時といえばある日、賢次が玄関に入ると、まるで電話の時と同じように息せき切って妻が走り出てきたことがあった。平生ならゆったりと奥から現れるのに、その日は些か取り乱しているような感じだった。

「あんまり暑いから、ちょっと行水をしていたのよ」

彼女はそう言った。確かに、裾の方の髪の毛が少し濡れていたし、首から鎖骨にかけて汗ばんだように水滴がついていた。それにしても、行水をしていたのならそれで、別にわざわざ出てこなくても良いのに、賢次はそう言ったが、泥棒が入ってくるかもしれないから、と言われて納得したのだった。

その日も兄は家にいた。賢次が部屋着に着替えた後、彼は風呂場から悠々と現れた。

「あれ? 兄さん、もう風呂に入ったのかい?」

賢次が尋ねると、兄は、

「ああ、行水だ。気持ちよかったよ」

と言って、台所に座った。賢次はそれを不審には思わなかった。彼は、自宅に風呂があることがちょっとした自慢で、それを兄が使うことに喜びを感じていたからである。その頃、まだ近所には風呂のある家が多くなかったのである。

兄は風呂のみならず、家にある物はなんでも遠慮なく使用した。そして、大抵家にいた。

いつぞや、賢次がひどい熱を出して珍しく会社を休んだ時も、たまたまかしれないが兄は家にいた。いや、いてくれたと言った方がいいのかもしれない。弟を心配し、寝室にこもる彼に度々言葉をかけに来てくれたものだ。

妻だってもちろんのことである。そうして、彼らは賢次をそっとしておいて、今やすっかり打ち解けたらしく、居間の方で二人くつろいでいるのだった。そのことは、便所に立った時にそちらの部屋から二人のひそひそ話が聞こえたことで確認済みである。

彼は熱に浮かされながらも、その状況を知ってほほ笑んだ。妻が兄を認めてくれたこと、そして、二人して自分を心配してくれることが嬉しかった。だから彼も、二人に余計に気を使わせないために、居間の方へは立ち寄らずに静かに寝室に戻ったのだった。

そんなことなどがあって、兄はすっかりこの家の住人、そして、弟だけでなく夫婦にとって大事な人となっていったのである。彼はこのことを歓び祝しこそすれ、不審や疑念を生じることなど一切なかった。何も。決して。


<つづく>[全三回]




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「兄と妻」(急)

   急



――運命のその日、奇しくも会社は早仕舞いだった。こんなことは、少なくとも入社してこのかた初めてだった。後になって思えば、それは不吉の予兆だったのかもしれない。

しかし、賢次はもちろんそんなことを考えもしない。むしろ早くに帰宅できることを幸運とすら感じていた。それが証拠に、途中でケーキまで買って帰るという浮かれぶりを見せたものだ。今日が特に何かの記念日というのでもないのにである。彼は自らのいつにない気まぐれに、兄のような気ままさを見つけた気がしてほほ笑んだ。

そうして家へ帰る道すがら、彼の胸は幸福に満たされていた。目に映る全てが輝いて見えた。

自宅近くに来ると、近所の子供たちが道の上でケンケンパをしてあそんでいる。表通りはもう随分と進んだが、ここいらはまだ舗装されていない道も多かったもので、子供たちはそこへ丸や三角を書いて遊んでいたのである。

その横を物売りが台車を引いて通り、少し先の角では見知った顔のおばさん連中が井戸端会議をやっていた。そういう風景が、明るい日差しの中にきらめいている。もう夕方近かったが、夏の太陽はまだ高かった。

賢次は自宅に到着した。しかし、玄関の引き戸の前でふと立ち止まる。そうだ、いつかの兄のように、庭から入って驚かせたらどうだろうか、それは急に湧いて出た悪戯心であった。

その思いつきを早速彼は実行に移した。ぬき足さし足で玄関を逸れてそちらの方へ回り込んでいく。我が家に入るというのに、まるで空き巣のようである。

庭の入り口まで来ると、案の定縁側は開け放たれており、その上テレビの点いているのが見えて、居間に誰かがいるのは明らかだった。それを知ると、もう賢次はわくわくとして笑顔を禁じえない。

彼は今にも吹き出しそうなのを必死に堪えながら、相手に気取られぬようにそおっとそおっと近づいていった。テレビの前に仰向けに伸びる足が徐々に見えだす。すね毛の感じからそれは兄だとすぐに分かった。

だが、腰の辺りまで見えた時、賢次は、おや、と不思議に思った。さらに、腹、胸と見えて確信する、兄は裸であると。それと同時に、賢次は妙に嫌な感じを覚えた。そして、自分でもどうしてそうしたのかは分からぬが、とっさに身を低くして、庭と外を隔てる壁の方へと行ったのである。

それは、動物的勘というものだろうか。本能で危険を察知し、反射的に行動をとったものだ。彼はまた、驚くべき鋭敏さでもって事態を把握しようとしていた。人間、想定外の状況に置かれても、存外冷静に分析できるものである。

そもそも、暑い盛りのことでもあり、兄が裸で寝ているからといって別段驚くには当たらないはずである。だが、賢次の冷静な洞察は、平常ではない何かを早くも見抜いていたのだ。彼の動悸は次第に激しくなっていった。

彼は苦しい胸を押さえながら、庭石の陰に隠れた。兄が友人から貰ってきたというそれは、そもそも庭とは名ばかりの我が家の狭い敷地には不釣り合いな、かなり大きなものだった。

今にして思えばこのためにわざわざ兄が配慮したのではないかというぐらい、身を隠すのにおあつらえ向きなその裏にしゃがみながら、賢次は一時も目を離すことなく居間を見つめる。

一糸まとわぬ姿で肘をつき仰向けに寝る兄。それはよい。問題はその向こう。確かにその向こうに何者かがいる。それはかつて想像だにしなかった状況、しかしながら、今は胸をかき乱されそうな疑惑の場面。

果たして、それはすぐに確信に変わった。まるで彼によく確認させようとでもいうように、その人物は上体を起こしたのである。乳のまろみが胸板の上を斜め下に滑り落ちる。右手を後ろに突っ張り、左手で顔にかかったほつれ毛を直し……。

賢次は息をのんだ。どうして見間違えようか。それは彼の妻だった。確かに全裸の妻だった。

男女は寝転がってテレビを見ていた。ほどなく男も上体を起こし、女に何事か話しかける。女は笑った。テレビのことを言ったのか、それとも、愛のささやきだったのか。こちらまでその声は届かなかった。

二人は気だるい感じで肩寄せ合って、実に仲睦まじく語り合っている。傍目にはまるで夫婦のように見える。しかし、彼らは夫婦ではない。彼は夫の兄であり、彼女は夫の妻である。そして、夫は、庭にいる。まるで空き巣のように自分の家に忍び込んで、兄と妻の裸を見ている……。

それは、青天の霹靂にしても余りに奇想天外だったし、空想としても突飛過ぎた。賢次にとっては思いもよらないどころか、天地がひっくり返る位ありえるはずのないことだったのだ。

しかし、現実に見せつけられてしまっては、もはや信じるも信じないもない。動かぬ証拠というわけである。男女が裸で寝そべっていることに、一体ほかのどんな正当な理由があるだろうか。

事実は小説よりも奇なり、彼の脳裏にはそんな警句が渦巻いて離れなかった……。

ふと夫は気づく。縁側の上に皿が、その上に西瓜の皮が並んでいることに。彼の好物である西瓜の皮が。彼はそれが買ってあったことすら知らなかったが、ひょっとしたら彼が食べるはずだったかもしれないものだ。それは彼を癒すもの、家に稼ぎをもたらす夫を楽しませるはずのものではなかったか。

そういえば、二人の見ているテレビも、二人を冷ませている扇風機も、みんな夫が買ったものである。兄が買ってきたものなど一つもない。かろうじて兄の手のものがあるとすれば、今夫が身を隠している不格好な置き石だけだ。

夫の今の境遇のなんとみじめなることか。彼は暗澹たる気持ちに一気に沈みこみながら、受けた衝撃の大きすぎるために立ち上がることもままならなかった。

そんな彼をよそに、目の前の二人はつと立って、見えないところへ行ってしまった。二人の姿が消えたことは、賢次の目の前が真っ暗になったのとちょうど一致するようだった。

認めたくなかった。兄と妻が不倫の愛を営む、そんなことがあり得るわけないではないかと。

ふと思い出す。そういえば、妻が深刻な様子で何かを切りだそうとした日のあったことを。もしかしたら、あの時何かのきっかけがあったのではないか、そんなことを思う。もっとも、今となってはどうしようもないことだ。

そんな状態でじっと固まっていて、一体どれほどの時間が経ったろう。滝のように流れる汗が、背中にぴったりとシャツを張り付けた。

と、彼の視界に再び妻が、それに続いて兄が現れる。まだ裸、である。それになぜか、彼らの体にも多量の滴が伝っていた。――行水、そのフレーズが頭に閃く。

いつかの日、彼が帰ると慌てて奥から走り出てきた妻。行水をしていたのだと言った。後から出てきた兄も、そう、行水と。二人で、行水を……。我が家の自慢の風呂で、二人。その露見を恐れ、着の身着のままに夫の前に走り出る妻。悲しくもつじつまが合った。

白昼、彼らはいつもそうして過ごしていたのだろう。いつも家にいる兄と妻、夫のいない二人の時間、彼らはこうして不貞の関係を愉しんでいたのだ。だらだらと、淫らに。

我が物顔で台所の椅子に座る兄。そこへビールを出す妻。以前の賢次なら何とも思わなかった。たとえ人が働いている間、昼間から酒を飲んでいても、そればかりか、家の物を何気兼ねなく消費しても。兄なら何でも許せた。

だがしかし、だがしかし――瞬間、賢次は目をそむけた。グラス片手に立ち上がった兄、その足元に、妻が膝折って立ち、なんと、なんと彼の陰茎を口にくわえたではないか。

自分の物はことごとく兄のために使ってもいい、だがしかし、妻までもなのか! 賢次は戦慄した、現実の残酷さに。そして、妻の淫乱ぶりに震え慄いた。賢次は目を逸らした、つもりでいた。だが実際には、一寸も首を動かせなかった。

だから、彼は見ていた、その一部始終を。妻が両手を膝の上に揃えて兄の陰茎をしゃぶり、それにともなって陰茎が膨らみ起き上がっていく様を。

兄はコップのビールを妻にも与えてやった。妻は彼の手ずから与えられるままに飲み干す。そしてまたしゃぶる。また飲む。またしゃぶる。まるで酒のつまみのように陰茎を食す妻。

足もとから兄を見上げるその格好は、まるっきり餌を貰う犬のようだ。仮に犬にしてもすっかり飼いならされてしまっている。夫は妻の変貌ぶりに愕然とした。

しかし、驚愕の事態はそれだけにとどまらなかった。その時、電話が鳴ったのであるが、それに出た妻への兄の仕打ちは、もはや正気の沙汰とは思われなかった。受話器を握る彼女の尻を引き寄せ、なんと合体したのである。

「アンフッ!」

艶めかしく腰をくねらせて、妻がため息を吐く。背中に走る溝の影が、男根を受け入れた女の悦びを生々しく表わしているようだった。さらに、続いて妻が口にした言葉は夫を震え上がらせた。

「あ、お義母さん……」

なんと相手は田舎の母だった。電話だと大きな声音になるのか、明らかにさっきまでより妻の声が聞き取りやすい。分けても母の名は、賢次の耳膜を鋭くつんざいた。

「……ええ、今、お掃除を……」

呼吸を荒げて妻が言う。賢次の脳裏である回路がつながった。またしても記憶と符合する事態だ。あの時も、そうあの時も彼女はそう言った。では、あの時も……。

兄は容赦なく妻の尻へ腰をすり寄せる。先ほど膨張した兄の肉茎は、完全に妻の腹の中に埋まっていた。やがて、パチンパチンという肌と肌のぶつかる音がこちら側にまで響きだす。

「ア……お、お義兄さんたら……」

妻は甘えるように言い、その口角には笑みが浮かんでいた。彼女は兄と電話を替わる。まったく同じだ、あの時と。ではあの時も、夫と通話をしながら、彼らはこうして白昼堂々股間を突き合わせていたわけだ。

あの時はまったく気づかなかった。妻が自分としゃべりながら兄の肉茎に貫かれていようとは。また兄が妻を犯しながら平然と自分と話をしていようとは。よくもまあぬけぬけと、夫をないがしろにできたものだ。まったく狂者の仕業だ、賢次はそう思った。

しかも今は、あろうことか母までも欺いている。母の前で、堂々と不義密通を働いている。

妻は兄に受話器を渡した後、前のめりに体を折って、電話台の脚の下の方をつかみながら、もはや完全に肉欲に心を支配された者のごとく、ただただ息荒く喘いでいた。その顔は生殖を悦ぶメスそのものだった。

兄もまた母と会話をしながら、ただひたすら妻との肉交を愉しんでいる。彼らにはもはや人間的理性などないのだろうか。動物的野蛮な性欲のみが彼らを突き動かしているようである。

「……ああ……うん……仲良くやってるよ……」

兄は母に話す。そうして、その言葉を実証するつもりなのか、一層深々と肉茎を突き入れて、やがて電話を切った。

直後、彼が妻から離れると、両者の股間からポタポタと白い汁が垂れ落ちる。とうとうこの恥知らずな兄は、母との会話中に弟の妻へ子種を注ぎ込んだのだ。将来母が抱く初孫は、彼の子かもしれない。

もっとも、兄には何らやましいところなどないだろう。その心理が、弟の賢次には何となく分かる。兄は本当に、ただ目の前の欲望に忠実なだけなのだ。決して弟を害そうなどと計画してやっていることではない。

万事行き当たりばったりな男なのである。妻のことも、最初から狙っていたわけではないだろう。彼にとっては、この肉欲の戯れが楽しいだけなのだ。

他方、妻はどうだろう。妻は一体どういうつもりでやっているのか。兄の子ができてもよいというのか。夫に対してどう思っているのか。

彼女は、再び居間に移動して寝ころんだ兄の横に座り、彼の股間を一心に愛撫しだした。力弱くなった陰茎を手でしごき、そして舐めしゃぶっている。彼女に反省の情はあるのだろうか。

もし、賢次が彼女の前に現れたとして、彼女はどんな反応を示すのだろうか。そうして、彼はどうしたらいいのだろうか。彼には判断ができなかった。怒りの感情よりも、まだ裏切られたショックの方が大きくて、彼の脳は思考停止状態だった。

それに、既に彼は出ていくタイミングを逃していた。最初に偶然出くわすのが最も良かったが、妙に鋭く勘が働いためにそうはいかなかったし、その後もまたその後も体が固まって出て行けず、そうするうちとうとう子作りまでされてしまったのだ。

彼はすっかり塞ぎこみ、視線を地面に落していた。と、その時、妻のある一言が聞こえた気がして、またはっとして彼は頭を上げた。

「あの人が、帰ってきちゃう……!」

あの人、それは夫である自分のことに違いない。はっきりとそう言ったのかは分からないが、彼の耳にはそう聞こえた気がした。

はっきりしているのは、彼らが再び交接を始めたことだ。二人は飽きることなくまぐわい続けた。時折体位を変え、中には妻が兄の上にまたがるものもあった。妻は兄の上で、いかにも妖艶に舞っていた。

あの人が帰ってきちゃう、だからどうだというのか。だからやめてほしいのか。帰るまでに早くやりおおせてしまいたいのか。賢次には分からない。

だが、もし賢次が家にいても、彼の目を盗んで二人は痴情を重ねるのではないだろうか。今なら分かる、いつか彼が熱を出して寝ていた時、彼らが居間にこもって何をしていたか。見ていたように分かる。

彼らにとっては、夫という障害もただ情事を盛り上げるための舞台装置に過ぎないのだろう。夫に見つからぬようにいかに快楽を得るか、そういう遊びなのだ。

夫が熱にうなされている間、彼らは一つ布団で愛し合っていたのだ、何度も何度も。激しく性器を求めあって、互いの粘液をからめ合って。賢次が便所に立った時も、二人はつながっていたに違いない。なんという卑劣なことか。

自分はこんな家に帰らねばならないのか。妻が言うように、夫というだけの役割の者として、これから帰らねばならないのか。

しかし、真実を知った今、以前と同じような態度をどうして続けられよう。彼の精神は、それをこなせるほど強くも、あるいは弱くもなかった。

彼はふらりと立ちあがった。そうして、鞄とケーキの袋を提げ、家の門を出た。彼の心は土砂降りの雨だったが、外は相変わらずいい天気だった。

角を通ると、

「あら、旦那さんどこ行くの?」

と、打ち水をするおばさんに話しかけられたが、彼はそれに力ない愛想笑いで答えるのがやっとだった。彼は行くあてもなく、ただぼんやりと歩いて行った。彼の姿は、そのまま夕焼けの街へ消えていった。


<おわり>




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