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作者が思いついたエロ話を羅列して自分を慰めるブログです。下品な妄想と低俗な文章に股間で共感して頂けたら幸いです。

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このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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なお、掲載している小説はすべて作りごとであり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

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「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。

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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」
「大輪動会」(連載中)

短編作品
「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

「師匠のお筆」5-2-1
『師匠のお筆』


5-2-1


所変わって、こちらは若い二人のいる場所。彼らもまた、淫らな行いに没頭していた。

「イくの? どうしたの? ほら」

須美恵(すみえ)は、神雄(かみお)のペニスを右の手で激しくしごき上げた。左の手は彼の背中からわき腹へ回し、がっしりと逃げ場のないようにホールドした状態だ。

神雄は全身をビクンビクンと痙攣させて、やり場のないこそばゆさに悶絶しそうだったが、須美恵のそのホールドのせいでこの拷問から逃げ出すことができなかった。

一方神雄の方でも、右手は須美恵の背中へ、左手は向こうの肩へと回していたが、こちらは相手の動きを封じるというよりも、むしろしがみついているといった方が正しかった。神雄は、陰茎の刺激を敏感に感じすぎて、何かにしがみついてでもいないと居ても立ってもいられないのである。

「うう……ああぁ……」

神雄は荒い吐息をもらしながら、須美恵の鎖骨辺りに強く顔を押し付けていた。

そんな彼を見下ろしていると、須美恵の心には彼がかわいいと思う気持ちが満ち満ちていく。その気持ちは、母性愛に近かった。神雄ときたら、顔を真っ赤にしてぎゅっとしがみついてきて、その様子はまるで、母に必死で甘える幼子のいじらしさそのものだったのだ。

須美恵はそのかわいさのあまり、今すぐにも彼の頭を抱きしめてやりたかった。が、そうはしなかった。そうする代わりに、彼をいじめるようないじわるな言葉を言い放つのだった。

「どうしよう。ねえ。またドピュドピュゥゥってするの、また。ねえ」

いじらしい少年の表情は、母性愛と同時に、彼女に加虐心をも生じさせるらしかった。須美恵は彼を抱きしめたい衝動をせき止め、逆に突き放すような態度を取ることに一種の快感を覚えていた。

「何回もしちゃうねえ。ねえ? さっきしたばっかりなのにねえ」

須美恵のサディズムは勢いを増していく。それと同時に、陰茎をいじくる彼女の指の動きもまた加速した。

神雄の陰茎は、須美恵の前に初めて姿を露わした時はまだ包皮に先っぽまでくるまっていたが、彼女の度重なる性のアプローチを受けて、今は平常時でも亀頭を露出するまでになっていた。

その亀頭の先端から根元にかけて、須美恵の指が細かく素早く往来する。

「ああっ……あぅ……」

神雄はあえいだ。まだ声変わりする前の彼の声は、高く澄んでいて、かつ悩ましく妙に卑猥だった。

その声の度に漏れ出る熱い吐息が、密着する彼の鼻や口から須美恵の胸に吹きかかり、彼女の胸の内もまた熱を帯びていった。するとそれにともない、彼女の台詞にも色っぽい熱がこもる。

「スケベねえ……。ねえ? おちんちんスケベだね」

聞こえているのかいないのか、神雄は何も答えず、その代わりに左足を須美恵の足に覆いかぶせようとしてきた。

それまでは須美恵にしがみついて上半身を起こしながら、仰向けに足を伸ばしていたのだが、今度はくるりと横になって、ちょうど抱き枕を抱くように左足を彼女に重ねてきたのである。それは、無意識のうちに彼がとった、ささやかな抵抗であった。

しかし、これをされると須美恵の手は神雄の股に挟み込まれてしまい、身動きがとれなくなる。そこで彼女は、その足をブロックするべく自分の右足をごろんと回してきて、逆にそれを彼の両腿の上に乗せた。重石というわけだ。おかげで彼は両足の動きを完全に封じられてしまった。

「おちんちん……、さっきしたのに、おまんこパンパンって。ねえ?」

プロレスまがいの固め技をかけつつ、須美恵はささやく。

「先生のおまんこパンパンってしたのに。ねえ。なんで?」

質問の意図が分からぬのか、耳に入らなかったのか、またしても神雄は言葉を発しない。ただぎゅっと目を閉じて、荒い息を吐くだけである。

「なんでだろ。スケベなんだね。何回もしちゃうね」

須美恵は興に乗って、次から次へと卑猥な言葉を投げかけた。口調は優しかったが、内容は彼を責め立てるものだった。

「どうしよう、ねえ? 困っちゃうね、このスケベちんちん」

彼女は言って、神雄の頭に頬をこすりつけた。そして、彼女が好む柔らかい髪と頭皮からの熱気をそこに確かめた。

「はぁぁ……あはぁぁぁ……」

相変わらず悩ましい吐息を、ただただ彼は吐いている。

「どうしようもないね」

言いながら、彼女は神雄の顔を覗き込んだ。しかし彼は、きつく目をつむっており、彼女の視線に気づかない。須美恵はその愛くるしさに打たれ、その時ばかりはいつくしみたい情に負けて、彼の閉じたまぶたに思い切り口づけをした。薄い皮膚と柔らかいまつ毛が唇に触れる。

彼の態度は変わらなかった。ただかたくなに目をつむって、彼女を避けるわけでもなかった。

須美恵はしばらくそうした後、思い切って体を下にずらしていった。しがみつく神雄の手を無理やりはがし、宙に浮いた彼の左手は、わき腹に回していた手で手繰り寄せて持った。先ほどの足のように、いらぬ抵抗をさせぬためだ。右手は自分の背の後ろに回っているので、股間に届く気遣いはなかった。

彼女はそうしておいて、神雄のいたいけな乳首に思い切り吸いついた。


<つづく>



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「師匠のお筆」5-2-2
『師匠のお筆』


5-2-2


左、続いて右と、一円玉よりも小さい神雄の乳輪を須美恵は強烈に吸い上げる。時には唇を尖らせて乳首をつまむように吸い、時には大口を開けて広く胸全体を吸った。そうしてペロペロと小刻みに舌を動かす。まるでアダルトビデオの男優さながらに、これ見よがしに大胆な愛撫だ。

それにつられまったく受身で胸を舐めしゃぶられている少年も、これまたAV女優のようであった。

「あぁっ……ふぅっ……」

切ない吐息を漏らして、神雄は身悶える。須美恵が口を離すと、元々は淡い桃色をしていた彼の乳輪が、いつの間にかその周囲も含めてほのかに赤くなっているのが見えた。

「おっぱいなんか吸われて気持ちいいの?」

須美恵は目元に笑みを浮かべて訊いた。

「じゃあおっぱいもスケベだね」

言いながら、神雄の亀頭を激しくこすり上げる。乳首を愛撫している間も、片時とてその手は休まることがなかった。

亀頭は今、粘っこい汁でドロドロにまみれていた。そこには、それ以前に射出した精液の分も混じっているし、今現在も尿道から溢れ続けている新たな粘液も混じっていた。そのせいで、須美恵の手もベチャベチャに濡れていたから、動かすとその度にヌチャヌチャというような卑猥な音が鳴った。

「ふっ……ふあっ……!」

ペニスをドロドロに濡らされて、神雄はもう気持ちいいというよりもわけが分からなかった。ペニスを愛撫されることは確かに気持ちはいいはずなのだが、今は快感を通り越して、無に近い感情だった。エクスタシーが続き過ぎて、その極限の先に行ってしまったような感覚である。

亀頭に刺激を続けられるうち、尿道口の辺りは妙にスースーするし、それに尿意のようなものも強烈にこみあげてくる。しかし神雄には、それが小便を出したい状態なのか、精液を出したい状態なのかが判別できなかった。

「あっ、やっ……!」

されるがままになって、少女のように神雄は高い声を上げた。自分の意志とは無関係にペニスを刺激され、無理矢理その快感を掘り起こされるのは、まるでレイプされているような感覚だった。神雄の体は必死に拒否反応を示したが、まだ腕力では須美恵に勝てなかった。それに、なぜだか力もこもらないような感じだった。

「いいの? 気持ちいいんでしょう? スケベちんちん」

須美恵は煽りたてる。

気持ちいい、確かに気持ちいいのだが、どうにも耐えがたい、それが神雄の今の気持ちだった。ただただ射精の前の快感だけではないのだった。神雄は一生懸命に須美恵にしがみついた。もうそれしかこの拷問に耐え抜く術はなかった。

「うぅぅ……ああんん……!」

何かが出そうだった。それはやはり小便に近いように思えた。神雄は必死にこらえた。ここでお漏らしをしてしまうわけにはいかないと。

だが、須美恵の手は待ってくれない。彼女の指は亀頭上部を休みなく摩擦し、神雄の意志とは関係なく何かを出させようとして止まらない。

「いいのよ。出していいのよぉ。ほら、ほらほら。出しなさい!」

その言葉が引き金となった。

「んっ! んくぅっ!」

神雄の尿道から大量の液体があふれ出てきた。それはやはり尿のようだったが、不思議と匂いはそれっぽくなく、また色もなく、それでいてややとろみのある汁だった。さりとて精液とは明らかに違うし、またいつもの粘液よりはシャバシャバと粘性が薄かった。

須美恵は、出せとは言ったが、こういうものが出ようとは思ってもみなかった。

「あらあらあら……」

彼女には初めての経験だった。そもそもそれほど男性経験の豊富でない彼女だから仕方がない。彼女は、それが尿であることを疑った。だが、それでいいとも思った。もうこうなったら、シーツが汚れようと関係ない、とことん出させてやろうと、むしろさらなる加虐心に火をつけるのだった。

「出ちゃったわねえ……。ねえ? ほらあ、まだ出るぅ?」

須美恵は、そのトロトロの液体を伸ばしながら陰嚢までクリクリといじくり、そこから竿の先まで一気にこすり上げる。そしてその往復を、時折指を屈折したりなどしながら、大きな動きで始めた。

「いっ……ひぅ……ん……!」

一時は我慢の限界から解放された神雄だったが、それも一瞬のことで、再び始まった陰茎への刺激に、またしても悶絶させられるのだった。汁も最初の噴出の後すぐ止まっていたが、新たに亀頭をこすられるとすぐにまた出た。

「うわ……やだ、ほんとにどんどん出る……」

須美恵のその言葉を聞いたのが最後だった。頭が真っ白になって、神雄の意識が飛んだ。


<つづく>



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「師匠のお筆」6-5

『師匠のお筆』


6-5


――その瞬間、瑞夫の心臓は凍りついた。

先ほどまでの高揚感が、嘘のように引いていく。

彼は油断しすぎた。

ほんの三、四歩の距離に、相手はもう立っていたのである。

(はっ!)

振り向きざまに、瑞夫は眼を見開いた。

薄闇の中に、ぼやっと浮かび上がる白い顔。その顔が、首をかしげるようにして、そおっと瑞夫の手元を覗きこんでいた。

彼は恐怖した。それは、見つかったからの焦りではなく、純粋なる恐れだった。その瞬間、相手がこの世のものではない存在に思われたのである。

(わっ!)

気が動転した瑞夫は、思わず飛び上がって驚いた。いやもう本当に、文字通り飛び上がったのだ。

足を踏み変えるようにして地面を蹴り、手をばたつかせて虚空をつかむ。が、着地が上手くなかった。バランスを崩し、そのまま後ろへとひっくり返る。――いや、ひっくり返ってしまうところであった。

「あっ!」

瑞夫は、小さく叫んだ。その瞬間、彼は、壁に背中を打ち付けることも、地面に尻をつくこともなかった。

ただ、きつい香水の匂いに、鼻腔を占拠されただけである。

「しぃっ!」

白い顔が言う、唇の前に人差し指を立てて。

(女……?)

よく見れば女だ。その女の柔らかな腕が、頼もしくも迅速に、瑞夫の体を抱きとめていた。

すぐに女は窓の中を覗く。そして、瑞夫の方に向き直り、“OK”と指で合図してみせた。中には気付かれていない、という意味だろう。

彼女の立ち居振る舞いは、実に落ち着いたもので、とても変質者を前にした態度とは思われなかった。

(な、なんなんだ……?)

かろうじて女の機転は理解したものの、目まぐるしい状況の変化に、まったくついていけない瑞夫。パニックに陥った彼の頭脳は、もはや思考停止状態だった。

(どうしたらいいんだ……どうしたらいいんだ……)

彼は微動だにせず、ただまじまじと彼女の顔ばかり見つめていた。密着していたために、相手の顔は息が吹きかかりそうなほどの至近距離にある。

女は、ふっくらとした頬の丸顔に、ぼってりと厚ぼったい唇が特徴的だった。唇には真っ赤なルージュが引いてあり、油を塗ったようにその表面をテラテラ光らせている。

と、ふいにその角が吊り上がり、頬にえくぼが浮かんだ。

「ふふっ……」

女はほほ笑んでいた。それに合わせて、目尻のしわが濃くなる。

普段からよく笑うのか、そこには放射状の線がいくつも刻まれていた。彼女の年齢を感じさせる線だった。そんなこと通常なら気にならないのだろうが、こうして近くで見ると、相手の肌の質感などまでよく分かるものである。

(わ、笑ってる……?)

相手は別に笑っていたわけではないのかもしれない。顔立ちが明るいために、普段からほほ笑んでいるように見えやすいのだとも考えられた。

ただいずれにせよ、心落ち着かぬ瑞夫の目には、奇妙で不敵な笑みに映ったのは事実だ。

(一体何者なのか……?)

彼女の表情は自信に満ちて見えた。またその福々しい顔つきから推して、何不自由ない裕福な家庭の夫人か、あるいは彼女自身会社を経営するオーナーか、などと瑞夫は考えた。ある種の貫録まで感じられるのだった。

その推測が当たったかどうかは別として、しかし貫録だけはたっぷりに、ふいに彼女は瑞夫の腕を引っ張って言った。

「あっちでも」

言いながら、彼女は奥の方を指す。

唐突なことで、瑞夫には何のことか見当が付かない。というより、いまだ現実に戸惑っていて、頭が整理しきれていないのである。

しかし、そんな彼にはお構いなしに、彼女は強引に彼の腕を引いて歩きだした。今いた場所を離れ、壁伝いに移動していくこと数歩。そうして、行き着いたのは、これまた窓の前であった。

ただ、今度の窓はさっきよりもやや高い位置にあった。同じ階なのに、さきほどの部屋のよりもこちらの窓の方が高い所にあるのだ。

「ほら、聞いて」

女は、背伸びしながら窓の中を示した。彼女の背では、窓の底辺にも目が届かない。

一方、瑞夫の身長でも、顎を窓枠につけるのがやっとだった。その窓は閉め切ってあり、おまけに中を見通せない濁った材質のガラスをはめてあった。それでも彼は中をうかがいつつ、言われた通りに耳をすましてみる。

(あっ……!)

ほんのわずか、ほんのわずかながら、声が聞こえた。それも、先ほどまで聞いていたのと同じ傾向の声である。

(ひょっとして?)

そんな目で瑞夫は女を振り返った。意外な展開に直面し、一時的に絶望感から解放された気分だった。

女は瑞夫の目に、仔細ありげにうなずき返す。

「こっちでもシてるのよ」

ひそひそと彼女は言った。その顔は、他人の秘密は蜜の味と言わんばかりに、ニヤニヤと悪どそうに笑っていた。

「先生よ、ここの」

尋ねてもいない解説を、彼女は勝手にし始める。

「奥さんと……、あっ、奥さんって言っても、他人のよ」

女の語り口は、まるで近所の主婦が井戸端会議でしゃべっている様を想像させる、気さくな調子だった。

「それも……、生徒さんの……、お母さん!」

ここで女は一旦言葉を切った。相手のリアクションに期待しているらしい。

「お母さん?」

おうむ返しに瑞夫は聞いた。相手の巧みなペースに釣られて、反射的に発した言葉だった。

その時の彼は、相変わらず先行きの見えない不安から心ここにあらず、複雑な表情を浮かべていたのだが、その眉をひそめた様子が、結果的に女の期待に沿うものだったようで、

「そう! 保護者と、……ヤッてるのよ! 先生がよ?」

大いに気分を盛り上げて、彼女は言った。「ヤッてるのよ」と言う前には、壁を叩くようにして部屋の中を指し示し、口の横に手のひらを立ててみせるなど、身振り手振りまで交えた。

(先生? “枕必先生”……?)

少しずつ落ち着きを取り戻してきた瑞夫は、頭の隅の方で、漠然と以前妻の鈴美が口にした名前を思い出していた。

(そうか、枕必か)

もし今の女の話が本当だとすると、中には鈴美だっているかもしれない。

だがその時の彼は、そんなこと思いつきさえしなかった。彼の頭はまだ完全に冴え切っていなかったし、それに何より、妻が浮気するなどとは夢にも思わなかったのだ。

(鈴美にも教えてやらねば)

寝ぼけた頭で、瑞夫はそう考えていた。女の言う“先生”というのが、果たして枕必かどうかの確認もせず、半ば早とちり気味の判断である。そして、その的外れな思いつきに続き、彼は早くも別の疑問にとらわれていた。

(だが、どうやって伝えたものか……)

当然の問題だった。覗きをして得た情報だとは言えないし、そもそも、今の状況を打開しないことには、鈴美とそんな会話を交わすことすらままならないのである。

(いや……、どうにかなるかもしれない……)

彼は、目の前の女を見ていてふと思った。“近所のおばちゃん”といった風の女のしゃべりを聞いているうち、彼にはいつしか、ある期待感が生まれていたのだ。それにともなって、気持ちも段々と落ち着いてきていた。

(このフレンドリーな女に調子を合わせていれば、なんとかやり過ごせるのではないか)
(ひょっとしたらアレは見られていないのではないか)

そんな甘い考えも生まれてきた。と、そこまで考えて彼は気が付いた。

(はっ! しまった、そうだ!)

彼は、さりげなく股間に触れた。いつの間にかしぼんではいたが、まだソレは出しっぱなしになっていたのである。瑞夫は、女の顔を見詰めたまま、何気ない風でジッパーを上げようとした。

が、その時、思いもかけないことが起こった。女が、瑞夫の企みを知ってか知らずか、彼が行動に移るのとほとんど同時に、彼の手に自分の手を重ねてきたのである。おまけに、女は唐突に質問まで投げかけてきた。

「ねえ、見える?」

彼の手の甲をさすりながら、彼女は言った。

「え?」

瑞夫はぎょっとしていた。固まったままで動けない。質問の意味も分からない。

「中の様子」

「ああ、い、いえ……」

瑞夫はやっとこさ答えた。中の様子が見えようと見えまいと、今さらどっちでもよかった。彼にとっての今の関心事は、彼女の真意、その一点のみなのである。

(ただのおばちゃんではない……)

そう思い直した瞬間、恐怖が新たになる。一度淡い期待を抱いた分、余計にショックだった。

「すごいわよね、ここ」

そんな彼の恐怖も知らず、女は、瑞夫の耳に唇を近付けてささやく。

「この中で、二組もセックスしてる」

「ええ……」

消え入りそうな声で、瑞夫は答えた。今はもう、生殺与奪の権利を彼女に握られたがごとく、相手の出方をじっと待つばかり。

(いっそ、ひと思いに責めてくれれば)

どうせ捕まるなら、と、そうも考えた。だが、わざとらしくここまで引っ張ってきたのには、何か特別な意図がありそうにも思えた。

果たして、女は意味深長なことを言いだした。

「興奮しちゃうわよね、こんな所にいると……」

ため息混じりの声が、瑞夫の耳に吹きかかる。妙に官能的なその声は、耳から直接彼の脳髄を揺さぶった。それにつれ吐息の熱までが、耳から全身に広がっていくようである。やがてそれは、彼の股間にまで到達した。

すると、まるでそのタイミングを見すましたように、女の指が、ふわっとそこに触れる。

「ふふっ……」

今度は確実に、女は笑っていた。

「え……?」

瑞夫はわが目を疑った。だが、女は確かに股間に触れていた。しかも、肉竿をその手にくるみすらしだしたのだ。

「興奮……、しちゃうわよ、ねえ?」

これらの言動に接して、その時ようやく瑞夫は確信した。

(見られていたんだ、やっぱり……)

当然と言えば当然かもしれないが、自慰の場面はやはり押さえられていたのである。しかし、それならそれで、なおさら今の女の行動は理解できない。

と、女の胸が腕に当たる。まるで、自分から押し当ててくるようだ。

転びそうなのを助けられて以来、瑞夫の体はずっと彼女に支えられたままでいた。要するに、二人の体は常にくっついていたのだ。それなのに彼は、今ごろになって初めて、彼女が“女”だというのを意識しだしていた。

(何を考えているんだ!)

相手にも自分にも、同時に瑞夫は問いかけていた。

ふと、彼女の胸の谷間が視界に入る。彼女は、薄闇でも目立つ、何やらガチャガチャとした複雑な色と柄のブラウスらしき服を着ていたが、その襟がわずかに開いていて、その隙間から見えたのだった。

腕に当たる感触から言っても、その洋服のせり出し具合から言っても、かなり大きな乳房であるのは確かである。

(どういうことなんだ……!)

瑞夫は逡巡した。状況から察するに、誘われているようである。だが、そんなことがあろうとは、常識から言ってとても考えられない。

(試されているのか?)

そう考える方が自然な気がした。だが、もしそうだとしたら、今の彼にはとても説得力のある振り切り方はできなかったろう。なぜなら、女の手の中で、既に彼の陰茎はむくむくと棒状に成長していたのだから。

瑞夫は、改めて女のことをよく見た。彼の当初の見立てでは、自分の母親と肩を並べるほど、一般的に興味の対象とはなりえないはずの女であった。実際、街で彼女とすれ違っても、簡単に見過ごしていただろう。

少なくとも、彼の中では“熟女”に分類すべき女であって、そして、彼は通常熟女には興味がなかった。

(だって、おばちゃんじゃないか)

そう考えていた。“おばちゃん”とはセックスする気になれないと。

だから、もし彼女がそれを望んでいるのだとしたら、彼の弱味と引き換えにしてやろうとの魂胆なのだと、いつもの瑞夫なら穿って考えるところだった。

しかし、今の彼の感じ方は違っていた。彼女を、あさましい性欲の持ち主、とさげすむ気持ちになど微塵もなれなかった。

確かに、熟女ではあると思う。その認識は変わらない。

(思ったほど老けてはいなさそうだ)

とわずかに判断を修正はしたものの、やはり熟女熟女。少なくとも、瑞夫より年上であるのは確かであったから。

それなのに、彼女はかわいらしく見えた。思えば、瑞夫は、妻以外の人妻の顔を、こんなに近くで観察したことなどなかった。まるで新しい美に気づいた思いだ。彼女は、今や確実に、彼の目に“女”として映っていた。

何より、彼女は魅力的な肉体をしていたのだ!

(もういい! もうどうなってもいい!)

瑞夫はとうとう吹っ切れた。最初にあの窓を覗いた時の、あの積極果敢さを彼は取り戻していた。彼は、男の本能を遺憾なく発揮すべく、まっすぐに女の体に組み付いたのだった。


<つづく>




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「師匠のお筆」6-6
『師匠のお筆』


6-6


瑞夫は、まず真っ先に乳房へ飛びついた。

彼女のその出っ張りは、服の上からでも十分確認できるほど巨大で、しかも思いがけない柔らさだった。ブラジャー越しにさえ、グニュグニュと形を変えることができたし、カップごとポチャポチャと揺らすこともできた。

また、いざ揉んでみると、

(重たい)

と感じるほど、ずっしりと手や腕に負担をかけてくる。そこでそれをこね回すにあたっては、瑞夫はひじを張り、たっぷりと力を込めてせねばならなかった。

(これが、熟女の乳か)

歳を重ねるごとに惰性的に乳房が出っ張ってくる、そんな種類の中年女がいるイメージが瑞夫の中にはあったが、彼女もそんな類の一人だろうと思った。

(すごくいやらしいな、これ)

実際に揉みしだいてみて、彼の心は躍っていた。今まで熟女を敬遠していたのが嘘のようだった。

(おばさんの乳もいいもんだ)

瑞夫は悦に入った。ことに、それの柔らかいのが嬉しかった。見た目が大きいやつは固いのではないか、と何の根拠もなく考えていたが、柔らかかったのでほっとした形だ。彼としては、柔らかい方が母性的で安心するというのである。

男は、女性の乳房に対して、多かれ少なかれ何らかのこだわりを抱いているものであるが、一説にそれは、母親的な優しさを女性に対して求めていることの表れだという。瑞夫もまた、女にそういうものを期待していたのかもしれない。

また、彼は、乳房の中でも特に大きいもの、いわゆる巨乳に魅力を感じる性質であった。日頃から、道行く巨乳女性を目でよく追っていたし、風俗遊びをしていても、決まって胸の大きな娘を指名していた。

それでも、今日ほどの巨乳を実際に手にしたことはなく、

(なんてでかいんだ)

と、彼は惚れ惚れするのだった。

しかもそれを着衣のまま揉むというのが、いかにも生々しくいやらしいことに感じられ、興奮した。そういうことをすのも初めてだった。妻の鈴美の場合は、およそ巨乳とは似ても似つかないので、数の内に入れられないのである。

ところで、こうして瑞夫は何の断りもなく彼女の胸を揉み始めたわけだが、その間、相手の女性は一切抵抗めいた態度に出ていなかった。これは一体どうしたことだろうか。

既に居直った瑞夫としては、たとえ抵抗しようとしまいと、どっちみちこの行為をやめるつもりはない。が、しかし、やはり気にはなる。

(やっぱり、誘っていたのだろうか)

彼はまだ疑心暗鬼だった。九割方そちらの説に傾いてはいたものの、はっきりとした確信は持てていなかった。女の次の言動を前にするまでは。

女が、瑞夫にも分かるほどのはっきりとした態度を示したのは、瑞夫がブラジャーに手をかけた時だった。

彼は、彼女に挑みかかってからこっち、ずっと鼻息荒く、そして焦っていた。ブラウスの前をはだけさせるのも、震える手先で、引き千切らんばかりにしてやっとできたものだ。

そんなだから、ブラジャーを前にしても、それを順序よくはずして脱がそうなどとは、初めから考えもしなかった。とにかく早く乳房を拝みたいというその一心だけで、それを乳房の上まで一気に引っ張り上げようとしたのだ。

その時だった。

「待って」

女が言った。そして、後ろ手に自らブラジャーのホックをはずしてみせたのである。

タガが外れて、どっとこぼれ出る乳房。これが、同意の合図だった。

それを見て、瑞夫としては、やはり安堵せずにいられなかった。いずれ強制的にするつもりであったとはいうものの、やはり女の方でもその気であると確認できたことに、彼は勇気づけられた。

この意義は、実際問題としても大きい。和姦となった時点で、それ以前の彼の罪は、帳消しとなる可能性が濃厚となったからだ。彼女さえ味方になってくれれば。

彼は、許された男が概してそうであるように、行為への甘えを強くして、一層図々しく女に組み付くのだった。

「アハン……」

瑞夫が乳輪に吸い付くと、女はわざとらしいほどに淫らなため息をついた。

彼女の乳輪は、かなり幅広で、色は深く沈んだ紅をしていた。乳肉は全体に重力に引っ張り下げられている感じで、そのトップにある乳輪も、服の上から想像していたより下の方にあった。

一方、乳房自体の大きさは予想通りで、それが最初に放り出された時は、大量の液体が、まさにドバッとあふれ落ちた感じだった。

(すごい……! すごい……!)

待望の巨乳を目の当たりにした瑞夫は、まるで少年のように純粋に、きらきらと目を輝かせていた。そして、口や顔や両手を使って、無我夢中でそれを揉みくちゃにして遊んだ。

肌の反発力はあまりなく、ペチャペチャした感触は水みたいである。ペチンと表面を軽く叩いてみると、もちもちとした質感が手のひらに張り付いてきた。

それをプルプルと左右に揺さぶれば、てっぺんに載る乳首はいつも遅れた時間差で移動するために、土台と頂上が互い違いに動いて見え、それはまるでプリンを揺すったように見えた。

また、一つの乳房を両手でぎゅっと締めあげた時は、どうして母乳が出ないのか不思議に思われた。どう考えてもミルクが中に詰まっているように見えたし、彼女自身すらまるで乳牛のように見えたのである。

乳首を口で吸い上げてみても、もちろんミルクは出ない。代わりに、しょっぱい味がした。それの谷間や、垂れた部分の裏側は、汗によってしっとりと濡れていたのである。

「ああ……いいわぁ……」

女は、夢中で自分の乳房に吸い付く瑞夫に、まるで子供をあやすように優しく言った。余裕たっぷりの彼女は、淫らな風を強調して見せることに何ら恥じらう様子もない。それは、彼の気分を盛り立てるべく気遣うようだった。

その意向通りに調子づく瑞夫は、大きく口を広げて、まるで餅を吸い込むように、彼女の乳肉を口いっぱいに詰め込んでみせた。

「アア、オオォ……もっと、してぇ……」

彼女の大袈裟な反応は、どの位の本気が含まれているのか分かりづらい。ただし、相手との行為に前向きであるのだけはよく分かった。

ヂュウゥーッ! 瑞夫がその脂肪を吸引する時、口の端からは唾液混じりの大きな音が鳴った。それに合わせて口の際の乳肉の表面がブルブルと小刻みに波打ち、ブブッと屁のような音も鳴る。

音はほかにも、口を離すときに、パカッ! という、弾けるようなのも大きく鳴った。

「アオォァ……気持ちいい……」

女は、瑞夫の後頭部を強めに撫でながら言った。

瑞夫は、顔面を巨乳に押しつけて、その感触を楽しんでいる。

「うふふ……」

卑猥なため息の合間に、ふと女は笑った。彼の乳房への愛撫の様子があまりに無邪気なので、ちょっと滑稽に思えたのである。この笑いは、現在の二人の力関係をそのまま表しているようだった。

「まあまあ、ふふっ……」

口の周りを唾液でベトベトに光らせる瑞夫を見下ろして、彼女は嬉しそうに笑った。実際嬉しかった。自分の持ち物が、これほど男を夢中にさせると知って、誇らしかったのである。

元々己の巨乳には自信がある。が、現実に使ってもらってその効用を確認できたことは、大きな収穫であった。

決して、男になぶられるのが久しぶりというわけではない。それに、いつものそれに不満があったわけでもない。だが、長年つれそったパートナーではなく、新しい男に試すというのは、やはり新鮮な刺激があって良いのである。

しかも、相手はいつもの男よりも若い。彼女としては、日頃年齢を基準に考えたりしないつもりでいたが、そうは言っても、世代が下の男にも、自分が性の対象として見られうると知ったことは、有意義であった。

(先生、ごめんあそばせ)

女は、窓の向こうにいるであろう枕必に向かって念じた。

(でも、先生が放っておいて行っちゃうからいけないのよ)

冗談めかしながら、しかしまったく嘘でもない気持ちで、彼女は枕必を責めた。

(文子、この殿方のおチンポ、いただきますわね)

瑞夫は知ろうまいが、彼女こそ枕必の最も長いつきあいの愛人・文子であった。

さっきは、枕必と保護者の関係を、さも他人事のようにスキャンダラスに語ったくせに、本当は自分が一番彼と親密なのである。

「ねえ……当たるわね、これ。時々」

文子は妖しく頬笑みながら言った。彼女のひざ丈の白っぽいスカートの表に、瑞夫のペニスがぶつかることを言ったのだ。

文子は言いながら、その肉竿と陰嚢を、別々の手でつかんでいじり回した。

「あっ……!」

瑞夫はビクリと背中で反応した。思わず“すいません”という言葉が口をついて出そうだった。だが、彼が一瞬口ごもった隙に、文子が次のことを言い出したので、それを言う機会はなかった。

「一人でシてらしたんでしょう? さっき」

文子は、瑞夫の肉棒をゆっくり前後しだした。

「見てたのよ、あたし。ずぅっと」

彼女は、彼の顎の下から、彼の目をじっと見上げて言った。

他方、瑞夫はそちらを見られなかった。そして、何も言えなかった。ただ心臓を一突きされたように、チクリとまた恐ろしさが体を貫いたのを感じた。

文子には、彼の恐怖が手に取るように分かる。しかし、彼女には別に、彼を脅かしてどうしようという計算はなかった。ただし、ちょっといじめてみたい気持ちはあった。

「勝手に入って、覗きして。おまけに、人のおマンコ見て、おチンポ出して……」

肉棒をしごきあげるたびに、ハアハアと荒い息を漏らす彼を、文子はいじわるそうに見つめている。

「我慢できなかったんですか? 外でおチンポ出すなんて。人の家よ? ここ。外よ?」

文子は完全に楽しんでいた。

他方、瑞夫も、さっきまでの恐怖とは違って、新しい得体の知れない感情を覚えていた。

(おチンポ、とか……)

彼にも、彼女が本気で責めているのでないことはすぐに分かった。むしろ、わざと卑猥なことを言って、ムードを盛り上げているのだと。

だが、そうと理解できても、それ以上図に乗ることが、どうしても彼にはできなかった。まだ信用できないというのもあったが、それ以上に、彼女にこうしていびられるのが、ちょっと快感だったのである。

彼女の言い様は、彼にとってまさに絶妙で、瑞夫は、まるで愛を持って諭されているように感じるのだった。

「一人でスるの、つらいわよね」

今度は同情的な調子に変えて、文子は言った。さらに、ぐっと顔を彼に近付けて畳みかける。

「わたしもね、……スるのよ」

彼女は彼の手を取って、それを自身のスカートの中に導きいれた。

そうされて初めて思いつき、瑞夫は彼女の陰裂をまさぐり始める。その割れ目からは、早くも汁が染み出していた。

(この人……、淫乱なのか?)

まるっきり自分のことを棚に上げて、彼は思った。こんなに大胆で積極的な女が世の中にいることに、彼は驚かされていた。彼は考えた。現実は、妄想していたよりもずっと単純で、女はずっと淫乱じゃないかと。

その間中もずっと、彼女の手は、巧みに速度を変えながら、目まぐるしく瑞夫の肉竿をしごき続けていた。

(ああ……手コキ……、気持ちいい!)

彼女に囁かれる責め言葉は、脳から柔らかい波を生じさせるような気持ちよさだったが、こうして手で直接陰茎を摩擦されるのも、やはり気持ちよかった。しかも、彼女の手技はツボをよく心得ていて、自分でするよりもよかった。

「でも、やっぱり二人でシたいわよねぇ」

文子は言った。一方、心には同時に別のことを思っていた。

(ああ、キスしたい)

彼女は、彼の唇をじっと見つめていた。

(キスしてほしい)

だが、生憎彼は、こちらの要望には気づきもしなかった。そもそも、こちらの目を見ようともしないのだ。照れや遠慮は分かるが、もうちょっと柔軟になってほしい、と彼女は思った。

文子としては、唇を重ねることでより快感が増すし、何よりその行為そのものが好きだったので、ぜひともやっておきたいのである。彼女は、相手の好悪に関係なく、とにかくキスがしたかった。

ここで無理やり奪ってもよかったのだが、一応は相手を慮るという大人の対応を示すことにして、代わりに彼女は、彼の股間の方にアピールすることにした。もっとも、こちらも追々気にするつもりではあった。

文子はしゃがんで、彼の肉棒を一気に吸い込む。

瑞夫はまた驚かされた。頼まなくても、勝手に口淫を始めた彼女に。

(うわ! すごい!)

妻の鈴美なら、頼み込んだ末にやっとやってくれるかどうかなのだ。それも、やってくれるとしても不機嫌そうに。

(しかも、この人……フェラ……すごい……!)

金を払ってやってもらっても、こんなに上手い技には出会えないだろうと、瑞夫は思った。鈴美などもってのほかだ。思わず彼は彼女を見た。どうやっているのか、どうしても気になったのである。

すると、ちょうど文子も彼を見上げていた。目が合って、彼女はそれを細めてみせる。

「もっといいこと、しましょうか?」

肉棒を口から吐いて、文子は聞いた。

瑞夫としては、フェラチオが見たかったのであるが、彼が彼女と目が合って躊躇した瞬間に、残念ながらそれは終わってしまった。ただ、ドロドロに濡らされて、大粒の汁が滴る肉棒だけが、そのすごさを物語っているようだった。

文子は口淫をやめた代わりに、言葉通りの新たな行為に移った。

(パ、パイズリ!)

瑞夫は見た。さっきまで彼が一生懸命にこね回していた巨乳、その谷間に、彼のペニスが挟まっていくのを。それを見た彼の中では、フェラチオの感動さえも一気に吹き飛んでしまった。

文子は、自分で自分の乳を持ちあげて、器用に瑞夫の肉棒を挟んで見せる。彼女の乳房はボリュームが豊かな上に柔らかかったので、いきり立ったそれを難なく包みこめるのだった。

(すごい! パイズリとは!)

彼女の巨乳を目にしたときから、ぜひともそれは試してみたいことだった。しかしまさか、それを自分からやってくれるとは考えもしなかった。

文子の作った谷間に、肉棒は斜め加減に挟まっている。文子はそれに沿って、両の肉を同時に、あるいは交互に上げ下げする。緩い水風船が、それを割りそうなほど固くなっている棒の周りを跳ねまわっている格好だ。

(うわぁ……この乳マンコ、たまらん!)

それは、手でやるほどの刺激ではなかったが、視覚的に興奮していた瑞夫は、このまま一気に昇天してしまいそうであった。知らず知らず彼は、文子の胸の谷間を膣に見立てたごとく、自らそこに向かって腰を振りだしていた。

それを見た文子は、冷静に思った。

(あら、ダメだわこの人。もうイきそうだわ)

もう射精しそうだというのが、ちょっと意外な気がしたが、そう感じるのは、絶倫の枕必に慣れていたせいかもしれない。とにかく、彼女としてはまだイッてもらっては困るというので、やや強引に彼の腰を引き離すことにした。

「あっ、ああ……」

支えを急に失って、瑞夫はちょっとつんのめった。思わず、なぜ? という目で文子を見る。

その視線を受け止めながら、文子は立ちあがった。そして、彼女はさっきの問いへの答えを、唇で返した。

「ん、んん……」

瑞夫も拒まない。むしろ、待ってましたとばかりに舌を絡めてきた。

(いいわ……)

キスとは最もエロティックな性技なのだという意見があるが、彼女はそれに賛成である。目と近い所から男の官能を味える、というのがその理由であるという。視覚と性感が結合するという意味らしい。

(男のツバ、おいしい……)

さっきまでペニスをしゃぶっていた口で、相手の舌から直接唾液を吸い取りながら、文子は思った。彼女の中では、キスとフェラチオには、相通じる味があるのだった。

「フアッ! ヒァアン!」

尻の方から回ってきた瑞夫の指が、秘裂の襞をまさぐったので、彼女は喘いだ。

(欲しいぃ! もう、欲しいぃ!)

文子はやんわりと先方の肉竿に触った。そうしてみて、そいつがもう一旦山場は越したものと認識した。だが、これまでの流れからいって、相手の方から挿入してくるまで待つのは、時間がかかりそうだった。

(ダメ! 待てない!)

彼女はついに、自ら提案することにした。

「ねえ……」

肉竿を逆手でさすりながら、文子は彼にしなだれかかった。



<つづく>




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<6章 目次>
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ブラック&ワイフ(12)無間[終]

「じゃあ、その日はロクンと二人だけになるな」

数日前、夫が言った。彼が出張に出る日、息子はお泊り保育に行く。たまたま重なったのだ。

二人きりになれば、ヤることは決まっている。その日、朝から晩、さらには翌日の夕方まで、性悦の声が途切れることはなかった。

「オオォー……オホオォォー……ッ!」

野獣の如く吠えるメス。息子を送り出した後帰宅し恐らく一分も経っていまい、いきり立つペニスの突き立てられたのは。両者一糸まとわぬ姿となり、互いの肉を貪り合う。

あの日再開してからというもの、二人の関係は一層ただれたものとなっていた。家族の目を盗んで繰り返される交尾。その間婦人科に世話になったこともある。それでも止められない。今や積極的に仕掛けるようになった陽子は、ロクンを欲して半ば強引に彼を傍置くようにすらなった。

ある時はトイレに連れ込んだ。実のところ、前みたいに回数を減らされたり放置されたりするのが怖かった。ロクンは相変わらず精勤に講義を受けに行っている。また、交流の幅も広がっている。それら留学生活の邪魔をする気はない。しかし、体は欲するばかり。となれば、僅かの間でも独占するほかなかった。

夫や息子が居間でくつろぐ中、そっと抜け出して便所へ。ロクンも拒みはしない。まるで静志になつかれる時のように従順だ。発情妻が股を開けば、鷹揚にペニスを挿してやる。まぐわいの最中に夫が扉を叩き、

「長いトイレだなあ」

と外から声を掛ければ、妻は重ねていた唇を離し、

「ごめんなさい、ついでにお掃除してるから」

などと言い放ち、夫をそっちのけにして膣を締め、そこへ子種の入れられた体で悠々と皆の元に戻った。背徳とかなんとかいうより、とにかく時間が惜しかったのだ。

ロクンが朝から一日帰ってこない予定だと分かっているときは、夜這いならぬ朝這いを仕掛けもする。すなわち起床前の彼の部屋へ押しかけていって、朝立ちの精子を搾り取るのだ。彼はやはり拒まないし、それにやはり勃起した。その前の晩にも搾られているのに。

というのは、夕食前のほんのわずかな時間、料理中に何気ない風で抜け出した陽子が彼の部屋で尻を突き出してせがんだものだ。外には腹を空かせた家族が待っている。にもかかわらず彼女は己の欲求を優先した。下の口で肉棒を食し、オスのミルクで腹をパンパンに満たす。終わると、実に上機嫌で家事に戻るのだ。

そしてそのあくる日の朝にはもう飢えている。まるで薬物依存症かアルコール中毒者のようだ。今度は上の口から搾りとる。寝起きの肉茎にうっとりと頬ずりし、その重みを額に感じながら玉袋の皺を舐め、唇を陰唇よろしくすぼめては喉奥でザーメンを受ける。

ロクンが尿意まで催すと、なんとそれすらも甘んじて受け入れる。すなわち、飲む、そして浴びる。未経験のことだったのに、当たり前のようにできた。強き男にマーキングされて、誇らしさすら感じた。

「なんだ、おい、顔洗ったんなら拭けよ」

呆れて注意した夫や寝ぼけ眼をこする息子が見た彼女の顔は、男の小便で濡れていたものである。メスとしては誰のものとなったのか、周囲に知らしめたものだ。もはや鬼畜と言われようと外道と呼ばれようと、己の道を邁進するのみ。

夫が友人を家に呼んだ時も、料理を並べ、酒をついだら間もなく中座した。しばらくして、

「あれ、奥さんもう寝ちゃったの?」

「息子を寝かしてるんじゃないかなあ」

こんな会話が交わされた時には、すっかり子作りの真っ最中であった。忙しい彼女に代わって、仕方なしに夫が新しい酒を用意する。夫らが酒盛りの最中、妻は肉棒を喰らい、精液を飲んで酔い、彼女は彼女で"盛り"の最中なのであった。

再び顔を見せたのは、結局客人を送り出す時になってやっとだ。

「すみません、お構いもしませんで」

オーガズムする肉体でそう頭を下げた時、変形した子宮の中で白濁液が躍った。羞恥心などない。

果ては、子供らの前でも堂々と。今度は、息子が友人を招いた時だ。幼子達はロクンも交えて遊んでいた。ロクンは他の子達にも人気だ。その膝に乗ったり、背中に乗ったりする。この輪に、母・陽子も加わった。

夫の酒盛りのように、別の部屋へ抜け出すことは難しい。となれば、と……

「(分かってる。バカだって)」

陽子は心で泣いた。それはそれで本心だった。だが、実際には、スカートに隠しながらペニスを挿入していた。ちょうど椅子に座るように、皆の方を向いて。

「(これ! これ、我慢できない!)」

深々と座ると、唇を噛み締めて、早くもエクスタシーに酔う母。それへ子供達が圧し掛かってくる。すなわち、彼女も遊びに加わったと見たのだ。それは、ロクンの上へどれだけ乗れるかという遊びだった。

椅子と化したロクン。それへ串刺しで掛ける彼女の右腿、左腿へそれぞれ男の子が乗る。さらに、静志は左肩の上にまたがってきた。彼の股間が左の頬に迫る。それを見たもう一人の子も逆の肩に乗ってきた。心なしか彼らの股間も熱を帯びているようなのは、成熟した女のフェロモンに中てられた所為だろうか。膝の上も肩の上もじんわりと温かい。

もっとも、周囲の状況など彼女にはどうでもいいことだった。別にスリルを求めているわけではない。心を占めるのは、体内の芯棒のみだ。それ故、純朴なる子供達すらも、単なる重石のようにしか感じない。

「ワー!」

膝上の"重石"につかまろうとした瞬間、体勢が崩れてタワーは崩壊した。すると覚えず前のめりになって、つながったままに彼女は床に手を突く。と、今度はその四つん這いの背中へ、子供達はまたがりだした。ひどい奴は頭にまで乗る。普通なら怒り出すであろう保護者が一向に怒らないものだから、大いに調子に乗る。

一方、保護者も調子に乗りっぱなしだ。実の子を始め幼子達を背に乗せて"お馬さんごっこ"の態で下劣な姦通に勤しむ。ばれないと踏むや尻まで丸出しにして、本格的にパンパンやる。

「イィ、ヒヒイィー……!」

我慢もそこそこにいななく肌馬。ロクンの鞭は益々激しさを増す。騎手達は暴れ馬の上で大はしゃぎ。その暴れたる所以は、胎内にて猛り狂う男根と軌を一にしてのことだ。勃起の入った母がしきりに悶絶する上で、息子達は至って無邪気に愉快だった。

それは結局種付けが終了し、勢いで肌馬が突っ伏すまで続いた。雪崩を打って倒れ込む一同。その最下層で、子種汁が静かにこぼれ出た。やがて皆起き直った時、

「わっ、濡れてる!」

足を滑らせて、静志が言った。そこにあったのは、母の穴から漏れた精液だった。

鬼畜外道に成り果てた。妻としても母としても。いや、もはやそういう境涯と次元を異にする今、彼女はただ自由なのだ。彼女はただ純粋にひたむきに肉欲に従った。ロクンとの性、というよりも、もはやロクンを使って。

日がな一日ペニスを入れていても飽き足らない。ここに至りなば、ロクンの意思など介在しなかった。彼はただの肉人形。ある一定の体積を有し、抱くに足る手ごたえさえあれば事足りる存在だった。

「オ、オ、オ、オグヒヤアァー……ッ!」

なんの歯止めもなく本気でイきまくる主婦。醜い年増女のサガと自嘲することもない。肉人形は、相変わらず優秀だった。必ず肉チューブを硬化させ、また逆らうことなく鷹揚に応えてやる。

二人の立場は完全に逆転していた。ロクンは、陽子の性欲処理の為に居た。それはまるで、元来野獣だった男が知性を身に着けていったのと、知識偏重の女が野蛮化していくのと、二つの異なる世界が中和していくような格好だった。

「ガヘェ……ロ、ツゥリヤ、ダッ、ハッ……!」

全く意味を成さない音を口から発して、泡を飛ばしながら、陽子はもう在りし日の面影もない。

そこへ、電話が鳴った。当然のように、彼女らは出ない。すると、留守番電話に切り替わって、伝言が流れた。その声はお泊り保育に行っている静志だった。

「もしもし、ママ? ロッくんと仲良くしてますか――」

劣情に満ちた暗がりへ、清廉な声が通る。しかし今は、それに耳を貸す者はいない。当のママの耳にすら届かなかった。だが落胆することはない。彼の望みは叶っているのだから。

「アヴヘー……ダッ、ツァッ……グカ……!」

まるで彼に聞かせようとでもいうかのように、肉の悦びを吠えて仲の良さをアピールするママ。もし意識があったなら、こんな風に語っているだろう。

「ママ、ロッくんと仲良しよ。セーくんが大好きなロッくんのおチンチン、ママも大好き。セーくんより大好き」

だが生憎、今の彼女には言語の認識がなかった。脳内に何もない状態。トランス状態。まさに野生に帰ったのだった――。



――半年後、彼女はカデラマにあった。身一つでの渡航。離婚し、親権も放棄した。

ロクンと共に居るのか。そうでもない。強き男共なら、ここには幾らでもいるからだ。寡黙で、逞しく、大きな大きな男達。あのロクンですら霞む程の。

肩書は日本語教師ということになっているが、それも名ばかりだ。ここに来た目的は言うまでもない。今しも、路地裏で交尾に励んでいる。

「オッ、オッ、オゥウォホ……ッ!」

ひび割れた壁に手を突き、後ろから極太で突き刺される。相手は、教え子の祖父の使用人の家の隣に住んでいるチンピラが昨日喧嘩した変わり者のじじいである。住所不定で定職にも就いていない、近所の鼻つまみ者だ。陽子とは昨夜初めて会った。そして昨夜からこの状況である。

陽子は誰とでも寝た。教え子、その祖父、その使用人、その隣家のチンピラ、いずれも一度ならず男根を受け入れたオスである。

これら全て、彼女が望んだ結末だ。名誉も愛も捨て去ってまで欲しかった悦びだ。そうだ、そのはずだ。なのに、彼女はまだ真に満たされてはいない。

初めてロクンに蹂躙されて知らしめられた獣の強さ、あれこそ真実だと悟ったはずだった。だからこそここまで来た。それなのに、あの強さへの確信がどんどん遠ざかっていく気がしてならないのである。

そして、それに代わって浮き彫りになるのが、失った生活の尊かったこと。今更認めてはいけないことだった、が、この構図に彼女は次第に囚われ始めていた。

それを打ち消すように、あるいは試すようにカデラマでもロクンとプレイした。それどころか、彼の父親、祖父、兄弟、親類縁者にも犯してもらい、果ては、級友らに三日三晩輪姦されさえした。だがそこから得られる衝撃も一瞬のことで、すぐにまた虚しさがやってくる。

先が見えた気がした。かつての平穏だった日常と同様に。全く、欲望とは無間の闇である。

変わり者じじいの奇行に、近所の学生らが足を止め、路地を指さして嗤っている。彼に犬のように犯されている陽子も同様に嗤われている。あまつさえ、子宮に亀頭をめり込まされ、白目を向いてニヤけているのだからなおさらだ。

陽子は思う。次はあの学生らに輪姦されよう。今後の人生、もう後戻りの道はない。


〈おわり〉



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ママの枕 ~ステージ8~


 ジンとの関係はミナミを変えた。

「なんか、最近生き生きしてるな」

夫ですら、皮肉抜きで褒めた。息子を芸能活動に駆り立てる妻に、久しく苦々しい表情を見せていた彼がだ。

 その意味では、妻がやや大人しくなった近頃を敏感に感じ取った為もあろう。ミナミの外出は、以前に比べて明らかに減っていたから。

 とはいえ、彼女が決してコウのマネージメントに興味を無くしたわけではない。現に、事務所へ顔を出してはいる。そしてまた、ワダとの関係も続けている。

 そのワダもミナミの変化を鋭敏に察知していた。

「なんだか前より色っぽくなったんじゃないか」

腹上で裸踊りにアエぐ彼女を見上げながら、彼はニヤリとして言った。二人の体をローションの光沢が隈なく覆いつくす。昼日なかから相も変わらずホテルで密会、浴室で例によりソーププレイの真っ最中である。

「ああん……恥ずかしい……」

相手の言葉を軽く受け流しながらミナミはその胸に倒れ込むと、豊満な乳房を密着させて、トロトロの液体を周囲に伸ばし広げる。男の腋腹から胸部へ、凝り固まった乳首を中心にクリクリと楕円をゆっくり描いて移動する。そのテクニックはすこぶる上達していた。

「男か? んん? 好きな男でも出来たか?」

鋭い彼は、なおも詰め寄らんと首をもたげる。ミナミはそれから逃れるように彼の下腹部へと一気に滑り去った、全身を石鹸のようにしてツルリと。その乳の間を割って、勃起の亀頭が顔を出し、彼女の顎をしたたか打つ。ミナミは含み笑いを漏らしながら、そのまま顎と舌で裏筋を舐め下げ、睾丸を両の爪で優しく掻いた。

「オオウ……ッ、上手くなったね、ミナミちゃん」

オスの脈動もピクンピクンと嬉しげに、思わずワダは話題を逸らす。他人の人妻にここまで仕込んでおいて、まるで他人事のような口ぶりながら。その人妻、淫乱に調子づいて、今度は睾丸の下に鼻をうずめた。

「ここ? ここですか?」

くぐもった声とともに熱っぽい息を吹きかけては、舌先で固い皺をなぞり、ギュッと締まった暗い穴を丹念に舐めほぐす。その間も、左手で玉を、右手で竿をさすり、男を飽きさせない。

 が、これは仕返しを喰った。ハアハアと犬のように野生的な息を吐きながら、ワダは腿を閉じ、女を両耳から押さえつけたのだ。さらにはヌルヌルの手でもって、髪まで引っつかんだ。尻穴で呼吸を絶たれるミナミ。

「ンブッ!」

瞬時は気が遠くなった。ようやっと解放されるや、すかさず体位を変えさせられる。今度は自身の股間を男の顔に向けた。そうして互いの性器を貪り合う。ミナミは涙目ながら、黙々と口淫に励んだ。

「いい男つかんだな、これは。新しいコネか、ん?」

陰唇をまじまじと見つめ味わいながら、ワダがまた探りを入れる。ただその矛先がやや真相からずれた為に、ミナミは少し安堵して切り返した。

「ン~ン、社長だけですってばぁ」

甘えながら、太い棒を頬張る。ジュボジュボとわざとらしい音を立てて激しく舐めしゃぶる。その上いつの間に出したものか、コンドームを唇に挟み、そのままペニスにかぶせて舐め降ろしていった。まるっきり風俗嬢の手口である。

「ねえ、もういいでしょう? 欲しいのぉ」

ねだるやいなや、くるりと向き直って起き上がり、ワダの股間に跨る。彼も鷹揚に、したいようにさせる。おかげで極めてすんなりと合体は完了した。

「ハアァ~ン、入ったぁ」

芝居気たっぷりに目を細めるミナミ。両手をつかねてそろそろと腰を前後しだす。

「すごぉい、社長のおチンポ、今日も素敵ぃ」

 だが、彼女のペースもそれまでだった。唐突にワダが起き直り、天地をひっくり返したからだ。あっという間にマットに組み敷かれるミナミ。体位を組み直して、うつ伏せの背後から襲うワダ。

「今日何時までいける?」

「四時ぃ」

「六時だ。今日時間あるからな」

「ダメよぉ~」

じゃれ合いも慣れたもの。大人の割り切りである。

「約束でもあるのか? ――なあ、いいコネだったら紹介しろよ」

まだ軽いこだわりを見せながら、ワダは陰門を腰でこね回した。

 約二週間ぶりとなる性交。ひと頃を思えば、ぐっと回数が減った。それでも前ほど感じやすくはない。一つには、体の慣れがある。だがそれ以上に――

(ジン君……)

――ジンとの関係。今や生活の中心にさえある。多忙な彼であるが、それでも月に一回程度は時間を作ってくれた。あれから何度も逢っている。

 恋を得た今、セックスの価値も変わった。好きな相手と愛のある交わり、結局これに勝る快楽はない。枕営業のそれなど、所詮ゴリ押しのまやかしに過ぎなかった。そう知ると、肉体の感じ方も変わった。

 であるならばなおのこと、なぜまだワダとも肉体関係を続けるのか。ジンに操を立てないのか。

「アッ! アンッアンッ」

スポットを掘られ、媚びて鳴くメス。その横顔は誰の目にも悦んでいるように見えた。

 ワダとの間に感情はない。が、快感がないでもない。恋は素晴らしい。が、性欲は否定しきれない。そこに、人間なるが故の矛盾が存在した。且つはまた、矛盾を正当化するのが人間である。

 もっと多角的な見地。確かに性欲は強い彼女だが、それが人生の全てではない。当然に息子への愛情と将来への野望がある。それは同時に自身の名誉欲であり未練でもある。他方、家に押し籠るはつまらないし、夫に尽くすなんてさらさらだ。そもそも、夫婦間の倫理にこそまずは寄るべきなのに。

 つまりは一言で片付けられる。この女は欲張りなのだ。

 ワダは女の視線の先に、あるものを落とした。それはさっき彼女が装着したはずのコンドームだった。

「アアッ!?」

切なげにアエぐミナミ。その奥を生身の肉棒が突っつき回す。むき出しの生殖器同士は交尾本来の悦びに沸いた。ミナミの胸中を、簡単に惰性が支配する。

「アッアッアッ……!」

 やはりワダは上手い。技術のみで快楽を掘り返される。膣内に満ちるオスの気に、すぐさまメスは反応して啼いた。おまけに中指を肛門に深く引っ掛けられて、釣り針のように持ち上げられんとする。この訳の分からない辱めも、愉しみの一環となる。ジンならこんなことはしない。

 そういえば、アブノーマルに拍車をかけていたタイガらとも、今はすっかり切れた。例のドラマが終わって、コウと疎遠になったからというのもあるが、実際にはジンが睨みを利かせたからだった。

 今や彼女は相手を選定できる立場にあった。一代のスターまで手に入れて、もはや栄華を極めたかのような心境だ。

「ア、イくっ! アッ! アッ!」

なんの悪びれもなく、能天気な満足宣言を発する。本日は肉欲優先の日というわけである。コウが帰宅するまでに戻るつもりだったが、結局夜まで可愛がられた。胎内にたっぷりと注がれた性悦の種汁。悦楽母はその体を持って、軽快に家族のもとへと帰った。

 彼女を送った後で、ワダが事務所に戻ると、そこにはヒサキがまだ残ってデスクに向かっていた。

「なんだ、まだ居たのか」

彼は何気なく声を掛け、そしてまた何気なく問うた。

「そういや、コウ君、なんかいい話あったのか? あいつの母親、近頃機嫌良いな」

 ピクリ、と誰にも分からぬ程度にヒサキの眉が動く。が、彼女の返答は、なんの情報ももたらさなかった。

「さあ。特に変わったことはありませんけれど」

それを聞くと、ワダはそれ以上興味を示すことなく、上着を持ってさっさと出て行った。

 しばらくして、オフィスの灯りが消え、靴音高くヒサキは路上の人となった。スラリと長い手足がパンツスーツに映える。小顔の上、目鼻立ちも整っている。彼女自身がモデルやタレントと言っても通用しうる程に。ただ惜しむらくは、愛嬌が微塵もない。およそ愛想笑いさえ見せない女である。

 一人暮らしのマンションに帰る。冷たく暗い空間にしばらく立ち尽くす。外から射す淡い光が、棚に整然と並んだアイドル雑誌を照らし出した。仕事の為に研究熱心? いいや、これらは全て、彼女が趣味で収集したものだ。

 子供の頃から非社交的だった彼女。華やかな世界などには、最初から興味がなかった。それに変化をもたらしたのが、ジンとの出会いである。テレビで見たのではない。実際に会ったのである。

 ちょうどヒサキが中学生の頃、対するジンは高校生だった。ライブイベントに出るはずだった彼、なんと道に迷って会場にたどり着けずにいた。そこへたまたま通りかかったのがヒサキだったのである。

 まさに奇跡だった。頼まれて、ヒサキは近くまで誘導してやった。ほかに人も居ず、途中騒ぎになることもなかった。まるで世界は二人だけのもののようだった。当時芸能人に興味のなかった女の子にも、この出会いには運命を感じずにいられなかった。

 ジンは別れ際に言った。

「ありがとう。君のおかげで助かったよ」

 その何の変哲もない挨拶が、いまだ忘れられない。結果として、これが彼女の人生を方向付けた。憧れの人、あるいは人に憧れられる人を支える仕事。それが自分の天職だと、次第に確信するようになった。

 以来、芸能界に強い憧憬を抱いた。自分がスターだったらと妄想したこともある。沢山の芸能人を追っかけもした。が、やはり原点は変わらない。

「ごめん、ちょっと車で来てくれない?」

先日ジンから事務所に連絡があった時は、いつにもなく胸が震えた。当然に自分が行くつもりで事務所を出で、率先して指定された場所へ向かった。ただ、彼の指示に些か胸騒ぎはあった。

 悪い予感は当たるものだ。ジンと共に居たのは、あのコウの母親だった。そして、二人の間に何かあったらしいことは疑いもなかった。女の蕩けた目。そして、ジンの優しいエスコート。

 一方、ヒサキに対して彼は事務的な応対に終始した。あの日の事は、きっと覚えていない……

 彼女は暗澹たる想いを押し殺して、淡々と仕事をこなした。"今までと何も変わらない"、そう自分に言い聞かせて。実際、傍目にはそれと分からぬ程、彼女の態度は平生通り冷静で素っ気なかった。

 いつも通りの仕事ぶり。芽のある子には少しでもチャンスを与えようと、懸命に走り回って仕事を獲得してくる。彼らは皆自分を必要とする、サポートを必要とするタレント。余計な者が介在しない子達だ。余計な者、それは端的に言って出しゃばり過ぎな親のことである。

 全ての子役に一人一人のマネージャーが付く訳でなく、ヒサキは統括的に複数の子の面倒を見ていた。そして、担当の仕方には自然と濃淡があった。例えば、ミナミやカズエには、彼女がいかにも事務的で必要最低限度の言動しか行わない、まるで機械のように見えていたが、シズカにはそうでなく、とても親切で頼りがいのある人だった。要するに、スタンドプレーをしたい奴らに自分の力など必要ないではないかと、彼女は判断したわけである。

 暗闇でヒサキの視線の先に、色気づいた主婦の充実した笑顔がちらつく。ミイラ取りがミイラになったか、営業熱心だったステージママが、今度は色恋に夢中とか……

「これからは誰が仕事を取ってくるのかしら? ねえ、コウ君」

低い声で、彼女はボソリと呟いた。  


〈つづく〉


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