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ジーズリー

Author:ジーズリー
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オナニー、それは生涯を賭けた孤独なあがき。



作者が思いついたエロ話を羅列して自分を慰めるブログです。下品な妄想と低俗な文章に股間で共感して頂けたら幸いです。

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おことわり
R18
このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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なお、掲載している小説はすべて作りごとであり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

お知らせ
「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。

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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」
「大輪動会」(連載中)

短編作品
「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

「青き山、揺れる」(7)

彼女が逃げ込んだのは、自分の宿泊している部屋ではなく、トイレだった。一応当初の目的通りではある。だが今の彼女には、尿意よりも優先したい欲求があった。

便座に腰かけ、再び下着の中に手を入れてみる。いつもならジャリジャリと触れる縮れ毛がしっとりと濡れており、さらにその奥へ分け入るにしたがって、トロトロした汁が指の腹に触れた。

一旦手を抜いて、それを確認してみる。指先には透明な汁が付いており、指と指をくっつけて離すと、汁はその間に細い橋を架けた。

それを確かめた後、彼女は思い切って一気にパジャマのズボンを下着ごと床まで下ろした。明るい所で見ると、四角い柄のピンクの色が、股間の所だけ濃い色に変わっているのが分かる。下着は言うに及ばず、その内側の布地は、光を反射してすらいた。

(うぅ……ヤダ……)

祐子は肉体の反応の過剰さに幻滅しながら、しかしそうでありながら股間に手を伸ばし、中指と薬指の先端を使って、慣れた手つきで、秘唇の上部を中心に小刻みに繰り返し小さな円を描き始めた。

ほとんど泣きそうな切なさを噛みしめつつ、一人黙々とその行為に没頭していく。その時彼女の心の内では、自己嫌悪の気持ちが頂点に達していた。彼女はそれに耐えつつ、あるいは開き直りながら、股間を摩擦し続けた――。

祐子には、自慰の癖があった。幼少の頃からである。無自覚に椅子の角などに股間をこすりつけていたのを入れれば、ほとんど物心ついた頃から行っていたことになる。小学校の中学年になれば、もう自覚してやる習慣が身に付いていた。

この習慣は彼女にとって人生最大のタブーであり、最も暗い心の闇だった。彼女はその行いを深く恥じ、そんな後ろ暗さを背負う自分に絶望した。けれど、それを断つことは、四十を目前にした今日までついに一度もできなかった。

学生時代のみならず、アナウンサーとしてテレビに出るようになって以降も、それをやめることはできなかったのである。女子アナといえば世間では華の職業であり、さぞかし華麗な交際を行っているのだろうと一般には羨ましがられたものだが、祐子はただ一人悶々と自分を慰める日々を送っていたのである。

元来彼女は快活な性質であり、またスポーツを愛する少女として育ってきた。周囲にもそういう子として知られており、人と接するにも爽やかな印象を振りまいてきた。決してそれは無理をしてのことではなく、彼女の一つの真実ではあった。

しかし一方で、男女関係については不器用な部分があった。もちろんこれまでにまともな恋愛をしたことは、一度や二度ならずある。しかしそういう時は、むしろ自分の個性を意識して演じてきた気がするのだ。つまり、明朗で活発な体育会系の女子を、自覚的に強調してきたのである。

その結果、ついにこれまで一度も肉体的あるいは性的に男に満足したことはなかった。もう一つの真実の顔をさらけ出せない彼女の、それが限界だった。

だから、彼氏がいる間ですら彼女は自慰を行ってきた。彼女の性欲は、そうやって補わねば満足できないほど旺盛で激しかったのである。

「ン……ン……」

クリトリスを剥き、それを指ではじきながら、祐子は犬のように鼻で鳴いた。便座の上でだらしなく股を開き、腰をやや前に突き出して背中を斜めにする。陰部を撫でるのにちょうど良い姿勢なのである。

そして目を閉じ、自分の世界に没入する。脳裏には、さっき見た光景が浮かんでいる。太い肉棒が肉ビラの中にうずもれている場面、巨大な尻が上下し、結合部から大量の汁が漏れ出ている場面が。

それを思い出しながら、その肉棒になぞらえて、中指を陰核の下へスライドさせ襞の中へと潜り込ませていく。その指には、彼女が密かに付けたある恥ずかしい呼び名があった。

(……指チンポ……)

それは、彼女が考え付く限りの卑猥な名前であった。誰にも、おそらく一生明かすことのない秘密である。いつもその名を意識しながら、彼氏に見立てたそれで自分を抱いている。

「ン……ン、ン……」

祐子はその指に愛しさを感じながら、それで自らの肉穴をほじった。大量の愛液が尻の方へと流れていく。彼女にとってはありふれた感覚だ。むしろ、愛液の泉へ指を沈める時、安心を覚えすらする。

祐子はそれを確認したいがために、時・所を選ばず股間をいじくってきた。今も自宅ではない場所でこんなことを始めたわけだが、これは日常茶飯事で、ひどいことには会社でもしたことがあるのである。

確かに、職場は神聖な場所であり、仕事には節度を持って臨むのが彼女のポリシーだ。しかし、そういうプライドを持ってしてもなお、肉体の要求には抗えないのである。意志が弱いというより、性欲が強すぎるのだ。だから、仕事中でもどうしようもなくなってしまう。

極端な時は、テレビに映っている間でも発情を抑えられない。乳首が固くなり服の中でこすれるのを、スーツを胸元へ引き寄せてなんとか隠したこともある。またそういう時に限って、体に密着したシャツを着たりするものだ。

祐子は興奮すると、母乳が出るわけでもないのに乳が張るようなイメージが自分の中にあったが、そんな折にぴったりと体のラインが出るインナーシャツを着ていたりすると、ただでさえ目立つ己の乳房がより強調されているのではないかと恐れ、しかし恐れながらまた興奮してしまうのである。

それでも日頃の研鑽のおかげで、何とか仕事は無難にこなすが、終わるとすぐさまトイレへと駆け込む。そうして情けない自分を慰める。

いつだったか、祐子が個室で手淫に耽っている最中に、後輩のアナウンサー達が洗面台の前に来たことがあった。さすがに焦ったが、それでも彼女の指チンポは離れなかった。

両手で穴の入り口を開きながら、両の中指をズリズリと穴の奥へと潜り込ませて微動させ、ついにオーガズムを得たのである。恥の極みともいうべき先輩である、彼女はそう自分で自分を嘆いた。

だがそうまでしても、彼女の淫乱症は治まらなかった。その日、祐子は家に帰るや否やベッドにその身を投げ出し、激しくオナニーに耽った。今度はもう誰彼はばかることなく、思い切り淫らになれる。

自室には大きなクマのぬいぐるみがあったが、これこそ彼女にとっての“旦那様”だった。そう呼ぶのには訳がある。それは一メートル以上もある大きなもので、女の子の趣味に合いそうな可愛らしいものだったが、彼女はこれをオナニーの道具にしているのだ。

すなわち、自分の上にのしかからせ、まるでセックスしているような態を装うのである。ダッチワイフみたようなつもりだ。折角の愛くるしい姿も、祐子のよこしまな使用法のせいで台無しである。彼女はこれを購入する時から、そのかわいさに惹かれたような振りをして、その実こういう使い方を考えていたのだ。

「ンフンッ、ンフンッ!」

祐子はぬいぐるみを抱きながら寝乱れる。その重みから、まるで男に犯されているような気がして気持ちが良い。こういうことを日々自室では行っているのである。

これが、四十路前の女のあられもない姿だ。これでも彼女は女子アナというれっきとした人気商売に就いている人間なのである。しかしその実態は、性欲を剥き出しにした淫乱な野獣そのものなのだ。自分で自分の性欲処理をし、子作りと偽って女の体を鎮めることしか能がないのだ。

「ウッ……ウッ……」

祐子は嗚咽しながら、今もトイレの中で一人、長年連れ添った指チンポを、まるで餌付けをするように自身の女の口に食べさせていた。そうして、やがて静かに果てた。


<つづく>




<目次>
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(51)~(60)







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「青き山、揺れる」(40)

祐子は耳を疑った。彼はその理由をこう説明する。

「なんかもうきったねえし、やる気なくすんだよね」

それは、彼女の顔が唾液まみれであることだけを指して言うのではなかった。つまり、既に二人の男に抱かれた後の祐子の体自体が、汚く見えるというのであった。

「だって嫌じゃん。ほかの奴の後とかさ」

いけしゃあしゃあと彼は語った。

(そ、そんな……)

祐子には、ぐさりと突き刺さる言葉だった。確かに、相手の男性からすれば、他の男と交わった後の女とやるのは気が引けるかもしれない、そのことは、元々容易に想像がついていたからである。ただ、あえて意識しないようにしてきた。自分の欲求を優先してきたわけだ。

しかし、とうとう緑川はそれを指摘してきた。痛い所を突いてきた。考えてみれば、これまで何の不満もなかった方が、奇跡だったのかもしれない。今日のような段取りは、既に何回も経ていたからである。

彼はさらに、別な視点からこんなことも言った。

「あんたも、もういいでしょ。散々やったんだしさ」

(それは違う!)

祐子は心に叫んだ。黄本や白木とは確かにまぐわった、が、美味しいものは別腹、目の前にペニスがあれば、やはりそれもくわえたいのだ。誠に欲張りな彼女である。

(だって勃起してるのに!)

眼前の陰茎は、種付の用意に勇んでいた。なのに、これを使わないとは、全く不可解な話である。だが、自分のことを汚いと言われた今、やはり諦めるしかないのであろうか。

祐子は悶々とした。その様子は、表情にもありありと現れていた。緑川はそれを察知すると、彼女を試すように言った。

「欲しい? やっぱり」

「欲しい!」

祐子は即答していた。

「おチンポ……ちょうだい?」

恥も外聞もなく媚びた。どんなにプライドを売ろうと、これで目当てのものが手に入るなら安いものだと思っていた。彼女はもうすっかり、緑川の術中に落ちていた。

「ハハ――やだね。だって汚ねえし」

彼は意地悪く笑った。ちょっと見た感じ、二人はじゃれ合っているように見えないこともなかった。だが、祐子は必死である。

「そんなにしたいんだったらさあ」

緑川は言った。すわ助け舟か、そう思って祐子は身を乗り出す。どんな条件でも飲むつもりだ。もうこうなったら、撮影でも顔面交尾でもなんでもありだ、と。だが、相手が持ち出したのは、またもや新しいアイデアだった。

「そんなにしたいんだったら、自分でしなよ」

「え?」

祐子は聞き返す。騎乗位のように、自分から入れればいいのだろうか、そう思った。しかし、

オナニーすればいいじゃんか」

ニヤニヤ笑いながら言い放つ緑川。

「ええっ?」

祐子は呆気にとられた。人前で自分を慰めるなんて、そんなオナニーがあるだろうか。もし一人きりだったら、やむを得ずそうして慰めたには違いないが。

「したいんだろ? でも俺はやる気ないからさあ、仕方ないじゃん。これオカズにしながらやんなよ」

彼は、そう言って腰を前に突き出す。依然勃起している肉茎が、目の前で微かに揺れた。

(ああっ、欲しい!)

鼻先に突き出されたそれを見て、祐子はもぞもぞと腿をすり合わせる。欲しい、だが入れてはもらえない。そんな気分を穴埋めするのは、いつもならもちろん“指チンポ”、彼女の旦那様だ。

(それはそうだけど……)

公開オナニーなんて前代未聞である。考えたこともない。だが、この切なさはどうしても埋め合わせたい。彼女はむずむずとした。

目の前では、緑川があえて揺らす肉棒が、ブオンブオンと空を切っている。それが欲しい。どうしようもなく欲しい。しかし、自分の体が汚いのだから、それを叶えてもらえないのは仕方がない。

(叶わない……叶わないなら……)

どうせ入れてもらえないことが分かっているなら、もはや致し方ない。祐子は股間に手を伸ばした。もう我慢の限界だった。早くいじりたくて仕方がなかった。何しろ、職場でも我慢ができなくなるほどの女なのだ。

それに、生の肉棒を、彼の言うごとく“オカズ”にするというのも、それはそれで興味深かった。ある意味、オナニーとしては豪華なものだ。どこまでも前向きな彼女である。

そうして彼女は、合体は諦めた代わりに、出来る限りそれに顔を近づけることにした。くんかくんかと鼻を鳴らして男根のにおいをかぐ。その時秘唇からは、例によって大量のよだれがあふれ出ていた。まるで祐子は、“待て”を命じられた飼い犬のようだった。


<つづく>




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ひとみの内緒話
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「青き山、揺れる」(41)

「アッ……ン……」

愛液の溢れる泉に、ズブリズブリと中指を沈めていく。いわゆる“外派”より“中派”の彼女にとって、深々と指を挿し込んで動かすことは極めて自然な流れだった。

しかし、そう無意識に行ったことが、緑川からの意外な指摘を招く。

「慣れたもんだね。ズブズブ指入れてさ」

祐子ははっとして手を止めた。何も考えず自然のままにやったつもりだったが、思いがけず変態的なやり方だったのだろうか、彼女はたちまち不安になった。

「そりゃそうか。こんだけヤリマンなんだもんな。そりゃ普段から我慢できないわな」

続けざまに放たれた彼の台詞を受け、祐子の顔がカーッと火照り出す。手淫の癖があることも、そしてそのやり方も、何もかも他人に知られてしまったことに、改めて恥じ入る。

そもそも、彼女にとって最も隠しておきたい習慣を、人に明かすどころか眼前で披露するなんて、そんな日は一生来ないと考えていた。物心ついてから今日までひた隠しにしてきた因習、もはや彼女のパーソナリティーの中枢であるそれを、打ち明けるなどということは。

祐子はその動揺を悟られないために、眼前の肉茎に唇をかぶせていった。すると、すかさず緑川が、

「口は使うな。においだけでオナれ」

と、彼女の行為を拒絶する。これで目論見を阻まれた祐子は、卑屈な気持ちになって、言われた通り陰茎のにおいをかぎながら、指の摩擦を続けた。

「いつも一人でやってんの」

話を戻す緑川。結局、自慰の話からは逃れられない定めらしい。

「昨日もやったのかよ」

祐子は返答しない。すると、彼はそれを肯定の意味と勝手に決めてしまった。

「そうか、やったのか。どうせ今日のこと想像しながらやったんだろう」

彼は言った。実は図星だった。元来、毎日でもここに来たい彼女なので、日々我慢の連続ではあったわけだが、いよいよそれが限界という所で、ここへの訪問を決めたのだった。それで、決定してからは、来たるべき日のために制限しようとも思いながら、それへの期待感から、結局前日も夜中までオナニーに耽ってしまったのである。

「どんだけ変態なんだよ。――あんたさあ、アナウンサーなんかじゃなくて、AV女優にでもなればよかったのに。乳もでかいしさあ」

情けなさを噛み締めながら、祐子は彼の言葉を聞いていた。不思議なもので、彼に言われると、自分でもそれが正しい選択ではなかったかと思えてくる。体を売って、快感とお金がもらえるなら一石二鳥ではないかと。彼女はいつしか、体面という大事なものを失念していた。

一方、指先は日常の動作を決して失念したりしない。性感ポイントを的確に押さえつつ、堂に入った動きで淫唇を慰めていく。その口は、粘液でチュパチュパと音を出しながら、主人の指に夢中でむしゃぶりついていた。

「そうだ」

急に緑川が言った。何か思いついた様子だ。

「エロいオナニーでさあ、俺のチンポ勃起させっぱなしにできたら、入れてやってもいいよ」

瞬間、祐子の目は爛々と輝きだした。やっぱり欲しい。入れてもらえるなら、それ以上のことはない。何といっても、本物だ。彼女の痴態は勢いを増していった。

挿入する本数を、一本から二本へ、二本から三本へと増やす。もっとも、これはいつもやっていることだ。基本的に、直接肉体が感じる気持ちよさは、一本で十分ではある。が、二本も、三本も入れてしまっている、という意識が、精神的な快感を呼び起こすのである。

「うっわあ、すげえな。どんだけ指入れんだよ」

早速緑川が反応する。果たして、これは彼にとって加点対象となるのであろうか。自分で自分の膣に三本も指を入れる女は、果たして報われるのであろうか。

当然、祐子としては報われたい。彼女は、目標である一点だけを凝視しながら、狂ったように淫口をかき回した。それにつれ、ヂャブヂャブと愛液の音が鳴る。

“エロいオナニー”それがどんなものなのか、その答えは分からない。そこで、とにかくがむしゃらに淫乱な様を見せつけることした。

それは、もちろん目的の物を獲得するためにほかならなかったが、同時に全てをさらけ出してしまいたいとの欲求にも適うものだった。オナニーという、自分にとって最大の秘密を暴露した今、いっそとことんまで淫らな自分を告白してしまおうと考えたのである。

「おうおう、自分で乳まで揉みだしたぜ」

笑いながら、緑川は携帯のカメラを彼女に向けた。右手で股間を、左手で乳房をいじくる祐子が、レンズに収まる。

彼女の手淫は、今や通常のそれと変わらないものになっていた。乳房を揉んだり、乳首をいじめたりするのも、日常で彼女がやっていることである。もちろん、普段はトイレの個室などでこっそりとしているわけだが。

「アァ……ハアァ……」

ついに、淫らな声まで出し始める。これも、自室で行う折などにはよくしていることだ。声を出すと、俄然気持ちが盛り上がるのである。

だが、今日はこれだけでは弱いと思ったのだろう、何しろ“エロいオナニー”をしなければならないのだ。そして、真の淫乱な己を見せてしまいたいのだ。彼女は、段々と声のボリュームを上げていくと、そのうち卑猥な文句まで交え始めた。

「ハァ……アァハ……き、気持ち、いい……マン、コ……ゆ、指っ、指チンポッ!」

あられもない言葉で、とうとう彼女は、長年秘めてきた恥辱を吐露した。


<つづく>




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「青き山、揺れる」(47)

と、その時、さっき部屋を出て行ったいづ美が、ふいに入り口から顔をのぞかせた。

「祐子さん、さっきはごめんね」

そのまま入ってくる。そして、赤井を見、また祐子に視線を向けて、

「あら、これから始めるの?」

と尋ねた。赤井がそれを否定すると、

「今お風呂用意してるから、入っていって」

と、先程緑川を叱責していた時とは一転、すこぶるにこやかに言った。その上で、二言三言、祐子に今日の感想などを聞くと、再び部屋を出て行った。

「じゃあ、一緒に入りましょうか」

赤井はそう言うと、祐子に肩を貸して共に立ち上がる。

「まだ満足してないんでしょ?」

今のいづ美との会話も踏まえて、彼は聞いた。そうして、祐子の膝裏に腕を通し、いとも軽々と彼女を抱え上げる。祐子は彼の両腕の上に肩と足を乗せて、全裸のまま仰向けに抱かれる恰好となる。

「熟女の体もたまには楽しみたいことだし」

彼は言って、そのまま廊下に出た。

“熟女の体”とは、もちろん祐子のことである。赤井は、常々自分が“若い子ずき”であることを公言していた。まるで、四十前後の祐子やいづ美を否定するかのように堂々と。

今日も今日とて“若い子”を求め、明るいうちから性風俗店へと行ってきたのだという。風俗通いは彼の習性だ。身近に女将という性欲処理の相手があるのにもかかわらず、わざわざ金を使ってまでも、彼はそういう所に出向くのである。

彼に言わせれば、いづ美や祐子では本領を発揮できないということだろう。それでも彼女らを抱くことは抱くが、“たまには”などと称し、完全に箸休め的な扱いに思っているのである。

こういった価値観について、祐子には苦い思い出があった。それは、以前に祐子が例によって努素毛部屋を訪問した時のことだ――。


――その日は、生憎ほとんどの者が不在で、部屋に残っていたのは赤井だけだった。いや、厳密に言うと、彼と彼の客人の二人が部屋にはいた。

そこで彼女は目の当たりにしたのだ。そう、いつかの日のような、男女の秘め事を。彼女はまたしても、覗いてしまったのである。

赤井達のいる部屋の隣室に入って、仕切りとなっている襖を細目に開ける。すると、そこにあったのは、仰向けに寝る赤井と、彼の腰の上にまたがる女の姿だった。二人とも全裸である。

女は小麦色に日焼けした肌に水着の跡がまぶしい、ぱっと見た感じ少女といって差し支えない、小柄で健康的な見た目をしていた。そんな子が、ツンと突き出た形の良い胸をプルプル弾ませながら、山のように盛り上がった赤井の腹に手を突いて、小振りな尻を器用に振っている。

「アアッ! ヤバい、チョーヤバい!」

彼女は大人顔負けに媚態をつくって、色っぽく喘いでいた。見かけは少女でも、セックスに関しては、成熟した女のそれであった。

祐子からだと、ちょうど彼らの左側面から見ている形になり、彼女の安定した腰使いがよく分かる。祐子よりも明らかに年下だというのに、彼女のセックスは祐子よりもはるかに洗練されて見えた。もちろん、彼女に対する嫉視の情も影響していたろうが。

「ああっ、亜矢子ちゃん、いいよ! 気持ちいい!」

赤井もいつになく嬉しげである。祐子との性交ではついぞ見せたことのないような、デレデレとにやけた表情を浮かべている。頬の緩み具合がまるでいつもと違う。これぞ、彼の真に求めていた、若い肌とのセックスということなのであろう。

「アフン――すっご! ヤッバ!」

亜矢子と呼ばれた少女は、腰を使いながら顔にかかった茶色い髪をかきあげる。その仕草は、彼女の余裕を表しているように見えた。

そのほっそりとした腰のくびれ辺りを見やりながら、祐子は羨望の情を禁じえなかった。それは、少女の今いるポジションと、そして若さとを羨ましく思う気持ちだった。

同時に、股間ら辺が急速に重く感じられだす。熱を帯びたそこは、内から大量のつゆをこぼし始めたのである。部屋へ向かう道中から既に濡れてはいたが、ここへきてその堰が一気に決壊したようだ。

彼女は我慢できなくなって、スカートの脇から手を入れ、下着の中へと指を滑り込ませる。

(バカ……)

ひとりごちつつも、彼女はいつもの定位置へと指先を移動させるのだった。性毛は既に、愛液の海へと沈んでいる。指はその海を泳ぎながら、難なく陰核の位置を探り当てるのだが、その一点だけを擦り続けるのではなく、時には土手に上がったりして周囲も共にほぐしてゆく。自分で自分を焦らすのである。自慰愛撫にも彼女なりの段取りがあるのだ。

そうして、いよいよ海溝に潜ろうという頃には、祐子は内またでその場に座り込んでしまう。本格的に手淫に没頭しだした証拠である。

薄目を開け、襖の間を見つめる。

「いいっ! チョー気持ちいい!」

ペタペタと尻をぶつけながら、向こうでは亜矢子が華麗な騎乗を見せている。祐子は、それが自分だったらと妄想しながら、恍惚と目を閉じて、中の指の振動を速めていった。快感は急速に登りつめて行く。祐子は眉根を寄せた。完全に自分だけの世界へ彼女は入った。

しかし、それはまずかった。ふいに、ぱっとまぶたの向こうが明るくなって、祐子は目を見開いた。そこには、襖を全開にした赤井が立っていた。


<つづく>




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いたずらの入り口

『いたずらの入り口』


“いたずら”――。各種報道においては、“暴行”と並んで便利使いされる言葉だ。法的には、それぞれ“強制猥褻”“ごうかん”という用語があるのにもかかわらず、慣習的にそうは呼ばれない。一つには、被害者に対する配慮といった面もあるのだろうが、実際には、臭いものには蓋をしたがる社会の風潮に、合わせたと言った方が適当なようである。

確かに、“強制”とか“ごうかん”とか言った単語はいかにも仰々しく、上品なる家庭の日常において不釣り合いな刺激性を伴ってはいる。そこで、それら直接的表現を緩和し、さらには“分かりやすい”という追加理由まで挙げて、濁した言葉が好まれるようになった。

しかし、その副作用として、返ってことの迫真性までが薄らいでしまうことになったというのは、当然の帰結だろうか、はたまた皮肉な結末だろうか。ともかくも、その結果として下卑た好奇心の介在する余地が生まれたのは確かだと思うのである。殊に、加害者予備軍の者にとっては、小さからざる要素ではないだろか。

“暴行”については、いまだ理性の障壁が機能しやすいといえども、“いたずら”については、ほんのちょっとのきっかけで踏み込んでしまうほどに、その入り口は足元近くに広がっていると思う。いわゆる“魔が差す”というやつだ。

エスカレーターに乗った時、何の気なしに見上げればミニスカートの女性が上を行っている。そこで、ふいに首の角度を傾けて……。

前かがみになって作業をしている女性。その緩いシャツの襟元からは、丸い双丘、さらにはそれを覆う布地、いや、もっと角度を変えれば、その浮いた布地の奥の干し葡萄まで……。

満員電車の中。たまたま前には女性がいて、彼女の髪がちょうど鼻先に触れ合う位置に。甘い香りが鼻腔をくすぐる。密着する服を通して、彼女の体温までが伝わってくる。ちかんする気はない、ちかんする気はないが、前に捧げた鞄を少し脇に逸らす位は……。

危険因子は、身の回りにゴロゴロ転がっている。どれ一つ取っても命取りだ。法律には違反せずとも、条例違反ということがある。よくよく自戒せねばなるまい。

かく言う私も、気をつけねばならないと思っている。いな、私こそ最も反省せねばならない男の一人である。というのも、既に幼少のみぎりより、“いたずら”嗜好があったからだ。

“いたずら”というと、多くの報道を見る限りおさない女相手に行うのが一般なようであるが、私の場合は違っていて、相手は成熟した女性であった。私がまだランドセルを背負っていた頃であるから、彼女はその当時三十代半ば位だったろうか。それは、同級生の母親であった。

我が母と同じ位か、ひょっとしたらそれ以上の歳だったかもしれず、平生他の子がそうするように“おばさん、おばさん”と呼んでいたが、私は彼女のことを“女”として見ていた。いつ頃からそうだったかは分からない。ただ、彼女がキャミソールやホットパンツ姿で、大きな胸や尻をタプタプ揺らしながらジュースやお菓子を持ってきてくれるのを鮮明に覚えているので、そういうのを見ている内に意識するようになったものであろう。

元来、私は早熟な方であった。幼稚園に通う頃には、既に意図的に手淫することを覚えていた。だから、クラスメイトや先生はもちろん、友人の姉妹や母に至るまで、その頃もう性の対象となり得たのである。

とはいえ、まだまだ子どものことだ。知識は無いし、何をするといって出来ることもない。もしも、現在の知識を有したままで体だけ子どもに戻れたなら、その地位を利用して散々に悪行もできそうなものであるが、その当時の私は、例えば女湯に入ることすら恥ずかしくてできなかった。まったく、人生とはよく設計されたものである。

そんな私が、やっとの思いで冒険した行いが、前述の友人の母に対する悪さであった。あれは、男子が子供らしく女性と戯れられる、ちょうどギリギリの年齢の頃であったろう。彼女がまた、そういう無邪気な戯れを喜ぶ性質で、よく取っ組みあいなどに応じてくれたものだから、ああいう願望も果たしやすかったのである。

私は他の子らがそうするように、彼女に組み付いて暴れた。その過程で胸や尻にも触った。他の子も触っていた。そういう時、彼らにも性的好奇心がないとは言い切れなかったであろうが、私ほど明確に淫らな気持ちを抱いていた者は無かったであろうと、はっきり断言できる。

私は、子どもながらに淫乱であった。乳房を揉んだ時、これを“おかず”に家に帰ってから自慰に耽ろうと考えていたのである。“家に帰って”――そう、確かに最初はそういうつもりだった。だが、そう思った時、さらに淫らな思いつきが心に閃いたのだった。げに恐ろしき“魔が差した”のである。私は、幼くしてあまりに淫らであった。

思うが早いか、私は彼女の広く大きな背中に組み付いていた、きっちりと股間を密着させて。そして、さすがに乳房をつかむことまでは出来ずに、肩の辺りに手をひっかけて、極めてさりげなく、じわりじわりと腰を動かしだした。

彼女は前方の子に向かって何か言っていた。どういう遊びだったのかは忘れたが、前の子への攻撃を、自分は後ろから止めるという位置取りに収まれたのだと思う。とにかく私は、そんな遊びとは無関係に、初めは慎重に、しかし徐々に大胆に半ズボンの前をこすりつけ続けた。

信じられない程の快感が全身を貫いていた。生身の女の体で自慰をしているということが、前代未聞の興奮を身内に呼び込んでいた。女の体は想像以上に柔らかく、また良いにおいがし、そして何より、熱かった。その熱さこそが、本物の女を教えてくれるようだった。

ちらりと友人の顔を窺う。この女の息子の顔だ。もしもう少し大人であったならば、何かしらの心の動きがその後あったのであろうが、その辺り、まだいびつな成長しか遂げていなかった私には、背徳心も何もなかった。悪びれもせず、ただ“田村君のおばさんでおチンチンこすって気持ちいい”とだけ思っていた。そもそも日頃から、“田村君のおばさん”には“オナペット”として、“おチンチン”の“お世話”をして頂いていたのだ。

私はこすった。パンツの中では、パンパンに膨れ上がった陰茎が、卑猥な粘液をまぶして踊っている。同級生の誰も、まだこんな仕業があることを知るまい、そう確信していた。彼らは本当に無邪気だった。本当に純粋で子供らしく輝いていた。私は、時に、そういう彼らが羨ましくも思えたものである。

しかし、ひと度劣情に流された男には、そんな憧憬何の歯止めにもならない。ただただ獲物を狙うような目で周囲の様子を窺い、時折は動きを止めたりと気を使いながら、何とか最後まで持っていこうと必死なのである。

心にもない台詞も吐いた。黙っていて怪しまれてはいけないからだ。そうして、そういう台詞を五回ばかり吐いた時だろうか。終焉の時はあっという間に訪れた。最後の三回ばかりは、本当のセックスのように大袈裟に腰をグラインドさせ、そして最後には思い切り腰を前に押し出して、果てた。

その瞬間、じっと股間を見つめたが、半ズボンを通しては、何らの変化も認められなかった。私は、それを幸いとしてオナペットから身を離した、ついにばれることなく目的を達成したのだと満足して……。

それから後も、田村の家には度々通った。“チャンスがあれば、また”そういう思惑は当然にあってのことだ。だが、もう二度とそんな機会は巡ってこなかった。“もっと以前なら、ボディータッチの機会なんていくらもあったのに、どうしてもっと早くあのオナニーを思いつかなかったのか”と、後悔さえしたものだ。

だが、改めて考えてみると、当然の結果なのかもしれない。そもそも、あれが本当にばれなかったのかどうか、怪しいものである。相手は大人だったのだ。こちらがいかに細心の注意を払っていたつもりでも、所詮は子どもの思いつき、何をやっているか位、お見通しだったのではないだろうか。いかに小さなものでも背中に勃起を押し付けられて、気づかないと計算する方が、浅はかだったのではないだろうか。

そう考えてみると、紙一重の結末に、思わず背筋が寒くなる。あれが子どもの頃の過ちで本当に良かった。ああいういたずらの入り口は、今もすぐそこに転がっているのかもしれず、ついフラフラとそこに迷い込んでしまえば、行先は地獄、大人の今なら人生を棒に振る話なのだ。

彼女には、よく見逃してくれたものだと、その寛容さに感謝するばかりである。やはり、気づかれていたのだろうと思うから。


<おわり>




愛と官能の美学
ひとみの内緒話
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乳搾りの手コキ

人差し指と親指で輪っかを作る。それをゆっくりとすぼめていく。やや遅らせて、中指、薬指、小指も丸めていく。最終的には、中央に空洞のある握りこぶしが出来上がる。また開く。再び人差し指から順に締めていく。これを繰り返す。

「やってみて」

メグミは説明を終えると、アキハルに場を譲った。アキハル、おずおずと手を伸ばす。言われた通りにやってみる。が、上手くいかない。

「こう」

すぐにメグミがとってかわって、もう一度手本を見せる。指先の群れは、滑らかなウェーブを描いて開閉する。アキハルとは違って、連続した動きだ。

再び彼の番となる。が、やはり容易にはできない。メグミのような指使いができない。

しかし彼女は焦れることもなく、今度は彼の小さな手に優しくその手をかぶせて、

「こうやって、上から下へ……」

と、手ずから指導を行った。アキハルは少し照れた。その手の神経は、内よりも外の方に余計に注意が向いていた。そんな彼の気持ちを余所に、メグミは説明を続ける。彼女のソバージュからほのかに甘い香りが漂って、アキハルの鼻腔をくすぐった。

「やらせてあげる」

それは昨日の夜のことだった。

「したことないでしょ?」

そうして、今日の体験が決まった。

「おばちゃんが教えてあげるから」

半ば強制的だった。もっとも、アキハルにしても否やはなかった。興味がないわけはないのだ。

「おっきいでしょう?」

初めて目の当たりにして、思わずのけ反って驚いたアキハルを見て、彼女は笑いながら言った。確かに大きかった。

「ほら、今ここ、お乳張ってるでしょ?」

ポンポンとそこを叩きながらメグミは言う。そんな大胆な扱いをして大丈夫だろうかと心配しながらも、アキハルは怖々近づいていった。ただし、同じように触ることは遠慮した。

「乳首をこうやって……」

それから、さっきの説明が始まったわけだ。

「もっと強くしてもいいよ」

忠告を受けて、アキハルはやや力を込めてみる。すると、プシャーッと勢いよくミルクがほとばしり出た。

「そうそう、上手上手!」

嬉しそうにほほ笑むメグミ。アキハルも上機嫌で笑い返した。初めて感じた手ごたえだった。

彼にとって、ここでは何もかも初めてづくしだ。伯父夫婦の家を訪れ、彼らの家業を知り、実際に現場に足を運んで、そして間近で見た牛たち――。

牧場の規模は決して大きくないと伯父達は言ったが、並みいる乳牛を目の当たりにすると、初めて実際に見る光景に少年は圧倒された。牛の大きさも然りだ。そんな中企画された、今日の乳搾り体験である。

「あらぁ、上手いじゃない。うちで働いてもらおうかしら」

伯母はそんなことを言って彼をおだてる。実際には機械を使って搾乳することを教えられていたので、それがお世辞であることにアキハルは気づいていたが、それでも褒められて悪い気はしなかった。

ここに来て、彼の初めて知ったことがもう一つある。それは、女性としてのメグミの魅力だった。

コツをつかんだ彼は、用意された容器をわずかの間にいっぱいにした。

「じゃあ今搾ったのを飲ませてあげるからね」

そう言って器を抱えて立ち上がるメグミ。アキハルはその後について歩きながら、目の前で左右に揺れる尻を、見るともなく見ていた。








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栗の花匂う人

「ねえお母さん、これ何のにおい?」

「え……?」

問われて、母はそっと頬を赤らめた。

「栗の花のにおいよ」

「栗? へエ~、変なにおい」

「そうね……」

いやというほど充満する匂い。それは、近くの家に植わる大樹からのものだった。

「あそこの木の白いお花。あれよ」

窓から指をさす。娘はそちらを見て、無邪気に頷いた。

「すごいにおいがするねぇ」

“すごいにおい”――、確かにそうだった。風に乗って運ばれてくるそれは、こちらの家の中にまで充満した。昼と言わず、夜と言わず。

そしてそれは、寂しき女の独り寝を脅かした――。

「……ン……ン……!」

夜ごと我が身を慰める。かれこれ三日。あの花の香りをかいでからというもの。

「ンッ……ンハ……ッ!」

シーツの上で足をくねらせ、とめどない身悶えがやるせない。秘花はあぶくを吹いて開花し、濃密な匂いと絡み合う。雄々しい匂いだ。“彼”のために、わざわざ窓が開けてある。

「ンウゥ……ンンアァ……」

鼻孔いっぱいに吸い込み、かつ全身を彼に預ける。外気の冷たさも刺激的だ。裸になった彼女はそれ自体に興奮もしつつ、である。その横顔に、昼間の母の面影はなかった。

「秋彦さん……」

切なげに声に出してみる。夫と離ればなれの暮らし。これが切なさへのせめてもの抵抗とばかりに。

「秋彦さん……」

自分で腿を持ち上げ、大きく開いてみる。顔から火が出る思いだ。だがやはり、そこへのしかかってくる重みはないわけで、報われない妻は思い出だけを相手にするより仕方がなかった。

「アアァ……」

ヒクヒクと肉の花弁がうずく。長い夜の狭間で、やがて彼女は疲れきって眠った。


  *


「ほら、あの白いお花よ」

娘の手を引いて、母は語った。家の裏側の道を行けば、すぐにその木のそばまで寄ることができた。

「かわいいお花ねえ」

彼女は言った。白い房が鈴なりに垂れ下がっている。まるで、白いしぶきが勢いよくほとばしっているようだった。彼女は話しながら、頭では別なことを思い描いていた。近くに来ると、生々しい匂いはいよいよきつくなる……。

「あれはねえ、みんな雄花なんですよ」

すぐ後ろで声がして、親子はびっくりして振り返った。見れば、一人の男がにこやかに立っている。顔見知りではなかった。

「雌花はねえ、あの花の中にまぎれてちょっとだけあるんです」

おせっかいな彼は、こちらに近寄りながら得意げに話しだす。

「ほら、見えるかなあ?」

そう言って、娘に合わせてしゃがみ込む気遣いもみせる。

「あのフサフサした白い花のね――」

それにつりこまれて、娘も自然と彼の説明に聞き入りだした。その指先の指し示す方へ、懸命に目を凝らす。“雌花”とやらを探しているのである。母もそのそばへ寄って行った。

「どれどれ?」

自分も娘に高さを合わせてしゃがみ込む。しかし、彼女は探し当てるまでに至らなかった。彼女が近づくやいなや、その横に立ちあがった男のせいだった。顔のすぐそばで、“匂い”がまた一段ときつくなった、気がした。

男のレクチャーは、早くも次のステップに移っていった。母を残し、二人は前方の幹へと寄っていく。やがて、「大きい!」だの「硬い!」だの「黒い!」だのと叫ぶ娘の声が聞こえだす。一体どんな解説をしているのか。母はぼうっとして見つめるだけだった。依然うずくまったまま、先ほどの視線の高さで。

「そっちの方の木も見に行っていいよ」

男は言った。彼はこの庭の持ち主だったのだ。娘は元気に走っていく。

「――すみませんでした」

母は勝手な訪問を詫びた。

「いえいえ、こちらこそ強烈な臭いで申し訳ないです」

男は気さくに笑った。

「好き嫌いの分かれる匂いですからねえ」

そう言って目を細める。

「奥さんは……お好きですか?」

「え……」

女はすぐに答えられなかった。もっとも、彼の目には何らの不埒さも映っていなかった。

やがて駆け戻ってきた娘に連れられ、彼女もまた奥の方の木々を見に行った。そして二人が元へ帰って来た時、男はいつ用意したものか、ある土産を持って待っていた。

「栗の花は独特な匂いがしますからね、こういう、香水なんてものも作ってみたんですよ」

そう言って彼が差し出したのは、幾重にも丸められたティッシュペーパーだった。

「ここに染み込ませてありますから、良かったら本物と比べてみて下さい」

その言葉にいち早く飛びついたのは娘だった。少女は、そのやや重みのある湿った紙束と、手折られた花々を交互に鼻につけて熱心にかぎ比べだした。

それを見て、妙な予感にとらわれだしたのが母である。彼女の心臓は、ある邪推を伴ってにわかに鼓動を早めていった。しかし、それでも娘から手渡されれば受け取らないわけにはいかない。

「ほんとね……栗の花の臭い……」

彼女は恐る恐ると鼻に近づけながら感想を言った。ティッシュペーパーの湿り気は、じっとりと、そしてずっしりと手の平に染みた。

間もなくそれは、再び娘の手に奪い返された。少女はそれをポケットに入れて、意気揚々と帰っていく。その後を追う女はぽおっと頬を赤く染めて、男の腹の下の方に視線を落としつつ、曖昧な挨拶をして帰った。


  *


それから数カ月が経った。

「わあ、栗だ!」

母が持ち帰って来たかごの上を見て、娘は歓声を上げた。

「おお、大量だなあ!」

夫も、待ってましたとばかり嬉しそうに言う。

「ちょっと待っててネー」

妻はツヤツヤした頬に満ち満ち足りた笑顔を浮かべて台所に立った。その足へ、待ちかねた様子の娘がしがみつく。すると、その直後だった、彼女が素朴な調子でつぶやいたのは。そのセリフは、母の手から栗のまとまりを転げ落ちさせた。

「あっ、お母さんから、栗の花のニオイがするよ」



〈おわり〉




妄想の座敷牢






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ブラック&ワイフ(10)渇望

獣の交尾は、陽子の人生観をも変えた。オスのみならず、セックスそのものへも関心が向き始めたのである。これまでの人生で、性が関心事の優先順位上位を占めることなどなかった彼女。異性を意識する女を軽蔑してすらいた。それが変わったのである。

現在の彼女は、まるでセックス覚えたての少女のようであった。年の割に、著しく性の知識に乏しい彼女。他方、年はともかく、同様に無知なロクン。一回りも年齢差がありながら二人は同じスタートラインに立って、快楽の種類を探求し始めたのである。

陽子はまず、フェラチオを試みた。相手がそれを期待せず、例によって単独行動に走る中実行するには骨が折れたが、事後の隙を突いてようやく口へ含むことに成功した。

初め、ロクンは驚いていた。この時初めて彼女は優位に立てた気がした。当初は不慣れな技で射精にまで至らなかったが、それでも後になって、ロクン自ら亀頭を口に押し込んで来た時、陽子は達成の歓びに酔った。

「ンゴホォ……」

ぶち込まれると一気だ。喉の奥まで到達する。柔らかい内はまだ良い。臨戦態勢になった時は、死活問題である。今度は冗談抜きで死の危険を感じた。

カリ首が上舌をめくり、まるでそれはウテルスの中に侵入した時のよう。そう、彼がひと度口淫を強いるや、それは膣交と同様なのである。

口腔に満ちる初体験ともいうべきオスの臭気、顎が外れそうな程の太さ。彼女は朦朧となった。同時に脳髄に柔らかな心地よさが分泌する。

「(死ぬ……ああ、死ぬ……)」

ロクンが腰を振ると、睾丸が顎をぶった。窒息寸前の喉へ、精液を流し込まれた。こみ上げる胃液も逆流を許されない。絶対的な硬さは歯も立てさせない。しかし、彼女に後悔はない。

普通のフェラチオもしてやりたかった。現に度々挑戦した。しかし、その都度イラマチオになった。ただ、それでも良かった。この強制感! 支配感! 絶大な存在感! ペニスから授乳されるオスのミルク、エナジーが、メスを昂らせる。

陽子は服を脱いだ。一糸まとわぬ姿で、動物本来の交尾に誘う。彼女には、それなりに自分の肉体美に自信があった。胸も豊かな方だと自覚している。これまではそれを、男の為に見せびらかそうなどと露程も思わなかったが。

ロクンは依然として意に介さなかった。そこで陽子は、手ずから彼の掌を乳房に添えてやった。まるで押し売りのような態度である。

だがこれは、あくまで好奇心の発露なのだ。性の深奥を究めるため、強き男によって乳房を掴まれてみたかったのである。決して、あの段取りじみた前戯をさせたかったわけではない。

すると、ロクンもようやく能動的に乳を握るようになってきた。揉むというにはあまりにも乱暴な手つきで、柔らかい肉塊を変形させる。

「ングゥッ!」

盛り上がった乳輪が赤みを増すと、陽子はいなないた。確かに乱暴だ。粗野で、しかし逞しい。

ロクンは素直だった。教えられるとすぐにやってみる。野生に育った獣が文明社会に触れ、少しずつ知恵を付けていくような感じだった。この感覚は、陽子の母性をも満足させていった。

だが彼女は重要な点を見落としていた。これら一連の研究が"しつけ"の役割を担い、結果として彼からむき出しの強さを奪いつつあったことに。そして、理性という飾りを施し、獣から人間へと進化させつつあったことに。

やがて、陽子は待つ日が多くなった。ロクンの交友関係が広がり、それは従来の陽子なら共に喜んでやったことのはずだが、興味のベクトルが変化した今日、むしろ悩ましい問題となった。まだ精神まで蝕まれてはいないと信じている彼女、さすがにうろたえたりはしないが、ロクンに求められる時、確実に前よりも反応の良い肉体はあった。

「アアッ!」

時間を置いて挿されるとき、覚えず感動の声が漏れる。それ程回数が激減したわけではないし、夫との関係に比すれば依然圧倒的な頻度はあったが、ほんの僅かに時間が開くようになっただけでこんなに大事になる位、彼への依存度は増していたのである。

それだものだから、彼が夏季休暇を利用して帰郷してしまった時は、ぽっかりと穴が開いたようだった、心にも体にも。

「はあ……」

溜め息をつく日々。それは、ロクンを知る前と全く異質な空虚感である。失って初めて分かる大切さ、彼女はようやく自覚した。

「ロッくんが居ないと、寂しいもんだな。な?」

夫がそんなことを言う間にも、魂の抜けたような力ない笑顔でぼんやり遠い目をしていた。一週間、二週間と経つ内、虚無感は絶望的になっていく。

一事は夫にその穴埋めを期待したこともあったが、それは彼女曰く、"とち狂った"考えだった。何もかもが違う。もはや嫌悪感すら湧かない、"無"だ。夫はすなわち"無"だった。

一方、久しぶりで腰を振って、彼は満足そうである。あまつさえ、

「ちょっと前より、なんか柔らかくなって、気持ちよかった」

などとあけっぴろげに彼女の秘所の具合を評し、得々と笑っていた。

それを聞いてすら、陽子は何も感じない。膣の変化に気付かれているというのに、焦りもしない。ただただぼんやりするだけだ。

――三週間。気の遠くなる時間。肉体の変化は決定的だった。人生の時間を思えば僅かのはずなのに、男根の入っていない女体はまるで欠陥品のようだった。陽子は虚無感を超え、自虐的になりだした。己の価値を軽んじだす。

――ひと月が経つと、意味不明な震えを覚えるようになった。本当に震えているのかどうかははっきりしない。が、体がもう通常ではないとの危惧は拭い去れないのだ。

そんな時だ、思いもかけぬ衝撃を、秘穴に受けたのは。

「カンチョーッ!」

それは静志の仕業だった。彼は両手を組んで人差し指を揃えてピンと立て、それを突然尻の方から突き刺してきたのである。

「ンゴッ! オ……!」

陽子は絶句した。指は布地越しながら、したたかに膣を貫いていた。素晴らしい衝撃。それをスーパーマーケットで買い物中にやられたものだからたまったものではない。思わずカゴごと前の棚に倒れ込む。

後で聞けば、なんでも親戚の叔父に教えてもらったいたずらだということだった。本来は尻穴を狙うべき所が、女陰に当たったものである。もちろん、幼子は真相を知らない。

「ダメ、でしょお……そんなこと、しちゃあ……」

ようやっとそう注意して、しかし母はまだ動けなかった。急激にこみ上げる熱と汗が全身を包む。近くにいる店員が怪訝な目でこちらを見ている気がして、彼女はいたたまれなくなった。

買い物カゴを息子に押し付け、内股歩きでトイレに駆けこむ。別に出血はしていなかった。その代わり、期待満々とばかりに陰唇が、モアッとする温もりと共に舌を出していた。まるでニヤリと笑っているかのようだった。

「アァ……」

陽子は絶頂していた。小さな拳とはいえ、予想外の方向からから突如来た突進力が、ロクンの時と似ていたのだ。

股間をさらけ出したまま、しばらくは動けない。ロクンの時ならこのまま延々と性悦の境を漂うことになる。その癖で性器が本格化してしまい、動けないのだ。

「(行かなきゃ)」

そう思って立ち上がろうとすると、股がちょっと擦れただけでガクガクと尻もちをついてしまう。少し待って、下着をずり上げようとしても同様だ。中々治まりそうにない。むしろ、"もっと、もっと"とせっつかれるようだ。

"仕方なしに"陽子は指の腹でクリトリスを撫でた。

「ンヒッ!」

ビリビリ痺れる実感に心躍る。こうなると好奇心旺盛な彼女。このままどこまで行くのか試したい気持ちになる。

「(ダメ。行かなきゃ)」

秘花は益々濡れる。待ちかねたとばかり、いよいよ濡れそぼつ。指で軽くさするだけでもビクビク痙攣した。

「(イ、イかなきゃ……)」

結局静志は、長い間待ちぼうけを喰わされることになった。

以来陽子は、いつまた襲われるかと、戦々恐々の日々を送ることになった。ところが、一度で飽きたのか、息子は二度とやらない。とうとう母は、

「カンチョ!」

と冗談めかして、彼の尻に同じことを仕掛けてみたりした。すると、息子もまた負けじとやり返すのである。

「も、もお、コラァ……」

口辺を緩めて叱る母。この後のトイレは、例によって長い用足しとなった。

陽子の餓えと渇きは、かくも見境のないものとなっていった。心ここにあらずの日々。もはや真実の彼女を家族の生活に見出すことは不可能であった。


〈つづく〉


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