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ジーズリー

Author:ジーズリー
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オナニー、それは生涯を賭けた孤独なあがき。



作者が思いついたエロ話を羅列して自分を慰めるブログです。下品な妄想と低俗な文章に股間で共感して頂けたら幸いです。

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このブログには、エッチなことがたくさん書いてあります。まだ18歳になっていない人が見ていい所ではありません。今からこんな所を見ていると、将来ダメ人間になってしまいます。早くほかのページへ移動してください。

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なお、掲載している小説はすべて作りごとであり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

お知らせ
「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。

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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」
「大輪動会」(連載中)

短編作品
「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

「師匠のお筆」 4-5-11
『師匠のお筆』


4-5-11



「ん……はああ……!」

絶頂の中で意識が果てていた鈴美だったが、なお陰茎の侵入は分かるようで、その瞬間には小さく体を震わせた。枕必は彼女の腿を持って股を開き、股間に向かって高速のピストンを打ちつけた。

「んんん……あぁっ……あ、あ、あ、あ……!」

激しいピストンの再開で鈴美の意識が徐々に覚醒する。と、ふいに彼女が叫んだ。

「ち、違います……違います、ああ……」

寝言のように曖昧な滑舌ながら、ひどく狼狽した様子の鈴美だった。違う、とは一体何のことなのか、唐突に過ぎる発言である。ただ枕必には何事か心当たりがあるらしく、一切動じる様子を見せることはなかった。

「どうしたんだい?」

言いながら、枕必は鈴美の足を持ち上げて自分の両肩に乗せひっかけた。鈴美の足が高く持ち上がり、尻の下に隙間が空く。その態勢は彼女の焦りに一層の拍車をかけるらしかった。

(ああ、ダメ、ダメ……何か、何か来る。来ちゃいけないものが来る!)

それが何なのか、果たして鈴美の予期しているものなのか、今までにこういう状況は経験したことがない彼女には確信が持てなかった。ただ、予期している方である可能性は濃厚であり、鈴美の不安は急速に大きくなって心を圧迫した。元々オーガズムには不安や恐怖といった感覚の伴う場合があるが、今もちょうどそんな感じでありながら、それに恥ずかしさの加わった感じだと思われた。

「ああ、いや……ちょっと、ちょっと待って……」

うなされているように話す鈴美をよそに、枕必は相変わらず激しい腰振りをやめることはなかった。両肩に彼女の足を乗せたまま、上から下へバチンバチンと大きく腰を振り降ろす。

「ああっ! もうっ!」

(もう、出るっ……!)

ちょうどそれは、枕必の肉棒が根元まで膣穴に潜って停止した瞬間だった。接着する二人の性毛の隙間から、初めはじわじわと、やがてなみなみと生温かい液体があふれ出てきたのである。

鈴美は枕必の顔色をうかがった。するとちょうど枕必もこちらを見ていた。目が合った。鈴美は恥ずかしさのあまり、白目をむいたように目を閉じてのけぞった。このまま気を失いたかったが、そう都合よくいくものではなく、確かにエクスタシーは感じながらも意識はしっかりとあるのだった。

枕必は何も言わず、肩から足を降ろすとそのまま鈴美に覆いかぶさって唇を奪った。

(ああ、いやぁ……)

自分がどうしようもなく無様に思えた。一度出てしまった尿は止まることなく、枕必との体の間で後から後から湧いてくる。枕必の陰茎も睾丸も性毛も、すべからく鈴美の尿まみれになっていた。男性を受け入れている最中に放尿してしまう自分に、鈴美は幻滅した。せっかく大人の情事を教えてもらっても、これではなんという間抜けであろう。

だが、枕必はそのことで彼女を責めたり、また行為を中止したりすることはなかった。彼は尿がかかるのもいとわず、放尿する鈴美と唇を重ね舌を絡め、尿が出尽くす頃には彼女を思い切り抱きしめていた。言葉は一言もなかった。鈴美の気分はそれで落ち着いていた。

尻の下の濡れたシーツは早くも冷たかった。鈴美はその冷たく薄い水たまりに浸かって、いつ果てるとも知れない枕必のピストンをまた受け入れ始めた。

窓の外の明かりだけに照らし出された部屋は薄暗かった。その中に一か所だけぼやっと明るい光があった。デジタル時計の文字盤だった。時刻は十九時をまわっていた。その時刻を見ても、鈴美が家のことや神雄との夕食のことなどを連想することはなかった。ほどなくして、鈴美はまた気をやった。


<つづく>



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<4章 目次>
1 2 { 1 2 3 } 3 4 { 1 2 }
5 { 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 }

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大輪動会-プログラム#14-


 *

「なんだか面白そうなことになってるねえ」

ある男がぼそりと呟いた。そして隣の男と目を見合わせる。そこへ、少し離れた所から小男が寄ってきた。集まった三人は、自分達だけに聞こえる声でボソボソとしばし話し合っていたが、やがて小男が、

「おおい、藪塚!」

と、騎馬戦出場準備者の方へ手を振った。呼ばれて来たのは、短髪の筋骨逞しい壮年男である。その彼に、小男は上司めいた態度で偉そうに何やら耳打ちした。藪塚と呼ばれた男は、その命を受け大きく肯き返す。そうして、意気揚々と持ち場に戻った。三人の男達は怪しげに輝かせた目でそれを見送った。

 *

「いくよ、おばさん」

慶介の号令で、左にいる浩樹と二人立ち上がる。しかし、先頭にいる竜二のタイミングが合わずによろめいた為、すぐさま元通りしゃがみ込んだ。

「おいしっかりしろよ」

浩樹が唇を尖らせれば、

「いや、いきなり過ぎだって」

と、竜二が言い返す。男子達はケラケラと笑った。ここだけ取って見れば、高校生三人組の爽やかなスポーツのようである。しかし、彼らの肩に戴くのは露出狂と化した慰み者なわけで。

「(何これ……この状況……)」

当の本人は今なお現状に付いてゆけず呆然としていた。気を失いそうで失わない、狂いそうで狂わない。一体彼女の心身に何者が同調出来るであろうか。わずか半日足らずの間に、休みなく一斉に強制交尾される女の心身だ。同じ境遇にならずば分かるまい。

 肉体的衝動ならとっくに麻痺するべき処だ。同じ快感が与えられ続けることなどあり得ない。ところが、本件の特殊なのは衆人の下へと断続的にさらされる点である。犯されては連れ出され、連れ込まれては犯され、また表に出され、挙句我が子を前に愚弄され辱められさえして……

「ちょっと、ほんとに出るのあの女」

「サイテー、マジサイテー」

「正気じゃないよねえ」

観衆のざわめきが大波となって押し寄せる。

「グッ……ウッ……」

今しも侮蔑の情を一身に浴びせられて、彼女はその身を縮こまらせた。かつてなかったことだ、こんなに身をすくませるなんて。いつも堂々として、厚顔無恥に世にはばかってきた。誰よりも強く、誰よりも偉く、我が身の美貌と若さと権力と財産と……

「(どうしてこんな……!)」

屈辱に次ぐ屈辱、否、全身をすべからく支配するもの、それはもはや恐怖だった。彼女はもう知っているのだ、布地のほとんどない服を着て、へそも尻の割れ目までも見られていることを? いや、そんな表面的なことだけではない。この世に、自分の味方なんて居ないことをだ!

「ヒイィッ!」

突然持ち上げられて、有紀は悲鳴を上げた。

「変な声出すなよ」

後ろから慶介が文句を言った。騎乗する騎手が持ち上げられるのは当然のことで、馬達は“よいしょ”と掛け声さえしていたのだから、責められるべきは身構えていなかった有紀である。

 だが物思いに沈んでいた者には唐突な出来事だった。その上、地に足のつかない態勢程不安なものはない。しかも、我が身を預ける相手が信用ならないとなればなおさらだ。有紀は、反射的に暴れ出した。手足をジタバタと振り回す。

「お、おい暴れんなって」

前を担当する竜二が迷惑がりつつ、なんとか後頭部で騎手の下腹部を押さえつける。その反動で、膣穴に残っていた白濁汁がジワリと漏れ出し、紺の半ズボンをさらに色濃く変えた。そんな股間を肩に乗せ、慶介がまた号令を掛ける。

「おい、いくぞ」

競技開始の合図はもう掛かっていた。馬は走り出す。

「いやっ、いやっ!」

有紀は冠りを振って抵抗するも、もう逃げられない。そのまま運動場の真っただ中へと運ばれた。

「(怖い! 怖い! 怖い!)」

只でさえ人に担がれるのは怖い。それが、朝からひと時も休まることのない不安心理を一気に爆発させたものだ。

「助けて!」

ついに彼女は叫んだ。もはやなんの自衛装甲も持たない、ありのまま生身の人間として。心を占めるのは恐怖、ひたすらそれのみ。

 だが、ここは戦場だ。

「やめて! もうやめて!」

何度も叫んだ。

「許して! 許してぇ!」

何度も何度も。幼い子供のように。ついには、温かいものが頬を伝いだした。それは決して悔し涙ではなかった。

「おい泣くなよ」

隣に来た騎馬武者が声をかけてくる。花村だ。彼が肩に手を置くのは小林。二人してニヤニヤ笑っている。有紀にとっては、自軍にも敵がいるのだ。

 小林の左後ろには服部という、同じ町内の者がいた。花村の言葉を耳にして有紀を見上げている。事情を知らない第三者。だが男なれば、卑猥な視線は禁じ得なかった。なんとなれば今朝から有紀の胸の躍動を凝視し、妻の顰蹙を買っていたものである。

 と、その時、

「ちょっと、あっち!」

服部の右隣りにいる馬役が言った。彼からは左が見えないこともあり、右前方の敵に照準を絞っていた。運動会を心から楽しんでいる善意の人である。

「あいよっ!」

花村は景気よく返事しながら、慶介へ目配せして去った。

「ウッ、ウッ……」

有紀は相変わらず泣いている。嗚咽、過呼吸、本来ならリタイヤを促されてもよいはずだった、が、周囲の同情は皆無。いとも珍しいことだが、へそを見せながら高い所で恐れおののく熟女の姿は、遠目になぜか滑稽だった。観客は残酷なつもりもなく、ただただ肩を揺らしている。

「泣くなよ、おばさん。後でまたチンポやるからさあ」

子供に飴をやるような言い方で、慶介は肩を上げ下げしてあやした。もちろん、優しさなどない。その証拠に、小器用にも彼は、巧みに片手を移動させて、騎手の秘穴へと中指を突き立てた。

「ウグゥェ……!」

有紀は悶絶した。

「オレも、オレも」

浩樹も見習って中指を入れる。すると、さすがに体勢が崩れそうになって竜二が怒鳴った。

「お、おい、何やってんだよ」

「うるせえ、お前しっかり持てよ」

浩樹はゲラゲラ笑って、なお指遊びを止めようとしない。公の場で二人の指を産道へねじ込まれた女は、今やほとんど竜二のみにおぶさるような格好だ。

「ちょ、重いんだよ、ババア」

堪りかねて竜二が叫ぶ。後ろの二人は爆笑だ。面白がって、半ズボンの脇からねじ込んだそれぞれの指を、グチョグチョ、グチョグチョと前後左右にかき回す。

「ヤ、メ、テェー……!」

そう有紀が絶叫するのと、ほとんど同時だった、馬達の肩に水しぶきが舞ったのは。

「オ、オ、オ……」

号泣する有紀。涙と鼻水、そして失禁。

「潮だよな、なあ、これ潮だよな」

思わず動揺した浩樹が慶介に問う。

「いや、これ……違うんじゃね?」

慶介は何とも言えない形に口を歪めて苦笑した。

「何? なんかあったの?」

状況の分からない竜二。

 砂ぼこりの濛々と立ち込める乱戦の中とはいえ、馬の肩が瞬く間にびしょ濡れになるとなれば、あまつさえ彼らの足を伝って滝のように水が流れるとなれば気づく者も出る。

「おいおい、マジかぁ」

高橋、これは端から目で追っていたものだから気づくも何もない。先程の花村、小林も同様だ。問題は、その余の者。

「だ、大丈夫ですか」

審判の一人が寄ってきた。心細そうな表情の女性だ。本音を言うと、面倒なことに巻き込まれるのは嫌だった。しかし、近くにいたのがたまたま自分だったので、行かないのは不自然だと思ったのだ。

「リタイヤします?」

さすがに指入れまでは見ていなかったものの、ただならぬ状況から、これは続行不能だ、そう彼女は判断した。すると、竜二が意外そうに言った。

「え、いやいや全然大丈夫っすよ、な?」

彼は、後ろの仲間に声を掛けたつもりだったが、返事する者はなかった。

 と、その時だった。

「どけどけぃっ!」

敵軍の騎馬武者がもの凄い勢いで突っ込んできたのだ。

 *

「ねえ! ねえねえねえ!」

「な、何?」

夫を応援していた主婦は、隣人に勢いよく肩を叩かれてびっくりした。

「ちょっと、あれ、あれ見て!」

隣人は興奮して指をさす。主婦もその先を見る。

「何?」

目線の先には騎乗の有紀が居た。

「何よ」

主婦は少しぶっきらぼうに言った。有紀の露出度の話ならさっきしたところだ。彼女は、有紀の態度が不愉快だった。あんなふしだらな女、視界に収めるのも真っ平だった。だからあえて視線を外していたのだ。

 隣人は、しかしお構いなしに続ける。

「あれ、ほら」

と、ここで、彼女は声を殺し、口だけで言った。

「お・しっ・こ」

「え?」

怪訝な表情で聞き返す主婦。本当に意味が分からなかった。そこで隣人は、唇を相手の耳に近寄せて囁いた。

「お、お漏らししてるの」

「ええっ!?」

素っ頓狂な声を上げた主婦に、周囲の者達が驚く。彼女は恥らって、声量を落とした。

「な、何言ってるの?」

「だから、あれよ、あれ。見て、ほら」

言われて目を凝らす。次第に目が慣れてくると、確かに、馬役の男子高生の服が二人とも濡れて……

「うっそぉ!」

主婦は口元を手で覆い隣人を見た。

 噂はたちまち広まった。何もその二人だけが気付いたのではない。独自に見つけた人間はほかにいくらでもいたのだ。方々から様々な感想が漏れ聞こえ、ざわざわとし始める。

「あのババア、ションベン漏らしてやんの」

「アハハ、バッカじゃない」

ストレートに笑い合う者。

「信じらんない、嘘でしょ」

そう批難しながら、口元を緩ませる者。

「最低……」

心底軽蔑した目を向け、真剣に怒る者。

「ちょっと、早く退場させなさいよ」

批判の矛先を運営に向ける者。

「あいつらも最悪だな。ていうか、なんであいつらあのおばさん担いでんの」

馬役に注目する者。反応は様々だが、同情する者はない。

 かくしてにわかに大騒動となったその失禁騒ぎだが、それはその直後に起きる事件の前触れに過ぎないのだった。


〈つづく〉


world200*40







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大輪動会-プログラム#21-

 *

「ただいまあ」

ガヤガヤと騒ぎながら、教室に数人の男達が入ってきた。すなわち、小林、羽根沢、森岳、沼尻の四名である。一旦離脱した者達が、また輪に戻ってきたわけだ。

「ヤッとるか?」

小林が居並ぶ面々を見回して、同行者と笑い合う。彼は羽根沢ら三人と元々顔見知りではなかったが、今日の経験を通して急速に間を詰めたものだ。彼自身、人当たりの柔らかい性格の為もあるが、加えて、この特殊な目的の共有が彼らに一体感をもたらしていたのは確かである。

「や、それがね、ちょっと」

矢板が帰還者らを制止して言う。そこで、小林も気づいた、ヒロインが合体を解き、あまつさえシャツと短パンを着用していることに。矢板はかいつまんで説明した、鎌先の計画を。

「なになに、スカですか?」

「やめてよ、こんなとこでブリブリは」

森岳と羽根沢がぶつくさ言う。沼尻は別な興味を持っているらしかったが、その場の趨勢は前者らに傾いていた。

「だからね、これから移動してもらおうってわけ」

鎌先が皆の意を汲み、なだめに回る。本事案の提案者として責任を持って遂行するつもりである。

 彼が向かおうとしている場所、それはトイレであった。そこへ有紀を連れていこうというのだ。その為にわざわざ服も着させた。道中で誰に出くわすとも限らないからである。その辺り、配慮である。その上、

「学校となれば、シャワーもあるからね」

とも付け加え、計画は万全であると説いた。

「しかし、これほんとに必要かね」

羽根沢はまだ鎌先のやり方に疑問を持っている。そこで鎌先は、

「そりゃそうさ、具合が全然違うよ。それに一回綺麗にしておくと、後々絶対いいよ。かえって楽だよ」

と、力説した。且つはまた、「もう浣腸しちゃったから」という切り札を出し、やむを得ないことだと最後は力ずくでねじ伏せた。

「フーン……」

聞いていた沼尻が、有紀の尻ひだをむんずと掴み、プルプルと揺する。

「これこれ、危ないってば」

見かねた袋田が、思わず後ろから注意した。漏らされるのを恐れたのだ。すると沼尻は笑って、

「もってくれよ、奥さん」

と、有紀の耳の裏に息を吹きかけた。

 有紀は既に気が気でない。もう始まったいたのだ、究極の焦りが。脂汗がにじみ、周囲の声も耳に遠い。

 いよいよ移動という段になって、付き添い兼監視者が選ばれた。すなわち、鎌先と沼尻である。大人数はもとより、年少者も不向きと鎌先が判断しての人選だ。この程度の役は二人で十分だとも。

「大丈夫か」

と、森岳は友人の酔狂を危ぶんだが、自分が行くとは決して言わない。そういう嗜好は全くないのである。この点は、ほかの者も一緒だ。文字通り、臭いものには蓋、という心境で、いかな劣情異常者共も、こればかりは見たくないというのが本音だった。

 こうして鎌先と森岳は、鬼気迫る有紀を介護して部屋を後にした。

 *

 あらかた撤収作業も終わった運動場にて、懸案はいよいよ有紀の荷物であった。手にした役員女性らは、まさか放置も出来ず、持ち主のことも探しあぐねていた。

「どうすんの、これ」

疲れた体には、バッグも重い。まして、重さ以上の重み、いや恨み。

 そんな時、仲間の一人が軽やかな声を上げた。

「あら、先生」

そこには、当校の女性教諭がいた。三人が渡りに船と事情を説明すると、

「まあ……」

と、この生真面目を絵に描いた様な教師は心からの同情を寄せ、すぐに学校で預かることを承諾した。ただ、生憎彼女は段ボール箱の荷物を抱えている。

「職員室まで持っていきますよ」

「ホント? すみません」

結局保護者三名連れだって、有紀のバッグを運ぶことになった。先を行くのは女教師。そのまま校舎の中へと一行は消えた。

 *

「ウ……ちょ……」

ぎこちない動きで、有紀が立ち止まる。さっきからもう何回もだ。

「おいおい、こんなとこで漏らさないでよ」

ニヤニヤしながら沼尻がからかう。しかし、それに感情を波立たせる余裕もなく、有紀はただひたすら神経を集中させて耐えていた。

「ン……」

二、三歩進んでは、また立ち止まる。震える息を吐く。本当なら一刻も早く極楽にたどり着きたいのに、だが駄目なのだ。

「(もう許して)」

そんな風に懇願する段階は、むしろ余裕のある時だと思う。実際、用便には立たせてくれているわけだ、管理下とはいえ。それだけ切羽詰まっているわけだ。ただ、ただ、そこに至る道のりが遠い。遠い!

「ア……」

もう終わりだと何回も諦めかけた。それを寸での所で踏みとどまって、また一歩踏み出す。もはやガスを漏らすのさえ恐ろしい状態。内股となり、足を小刻みに揺らして誤魔化す。肛門が熱い。

「頼むよお、奥さん」

沼尻は益々嬉しそうに、またしても彼女の尻たぶを揉んだ。さすがの鎌先もこれには苦笑して、

「コラコラ」

とたしなめる。相棒の嗜好が分からぬでもないが、今は時間も大切だ。

「ン、グ……」

もの凄い形相で、有紀は歯を食いしばった。腹部の不安は極限にまで達し、もう一刻の猶予もない。腹の中がグルグル鳴って異常を警報している。

 段々と大腿部から臀部にかけて感覚がなくなってくる気がする。考えてみれば、排出口自体がいつもの形と違うわけだ。さては、しっかりと締まっていないのではないか。あんなに太いものでくり貫かれたではないか。まだ開いているのでは? そして、そこからこぼれているのでは? ネガティブな思考は絶えない。

 そんな時だった、角の向こうから女の話し声がしたのは。

 咄嗟の機転で、鎌先が沼尻の腕を掴んで去る。掴まれた方は驚いたが、相手の視線に威圧されて否も応もない。鎌先の動きは素晴らしく速かった。あっという間に物陰に移動した。夕暮れ独特の慣れない目が、彼らをかばったのは幸運だったろう。

 だが、不運の極みは有紀である。ここで、彼女の頑張りは絶えた。

「あっ!」

ほとんど声を揃えて驚いたのは、かの女教師と保護者連中である。尋ね人とばったり出くわしたわけだ。

「ちょっと金光さん――」

早速教師が詰め寄る。その刹那だった。

「え?」

「ああっ!?」

「キャーッ!」

一斉に轟いたのは悲鳴。空っぽの廊下にこだまする。それと相前後して炸裂するは、有紀の足元の……

「イヤッ!」

すばしこく跳ね下がる女性陣の足に黄色く濁った飛沫が襲いかかる。ドドドッという怒涛が高みから放たれ、その場は一種の修羅、あるいは混沌と化した。

「な、な……!?」

瞬間、女性教諭は理解が及ばなかった。しかし、それが追いつくのと、怒りが沸騰するのとはほとんど同時だったろう。

「な、なんなんですか!」

怒鳴るや否や、彼女は理性を失っていた。眼前に出現したもの、それは校舎の廊下にあってはならないはずの沼であった。そしてその中心に、何やら茫洋とした人物が立っている。いや、知るも知らぬもないその女!

「あなた、何を……! いい歳して……ああ、もう……信じられない!」

小刻みに震える全身が、彼女の気の動転を如実に表している。そのヒステリーは、むしろ周囲の付き人を僅かに冷静にした。

「あ、か、片付けましょう……」

一人が言って、周囲を素早く見渡す。すると、掃除用具の入っているらしいロッカーが見つかった。連れの者達も同じ所へ緩々と向かう。しかし、生憎ながらこの不始末を片付けるには、その中の用具では不足であった。

 すると、まるで八つ当たりめいた風で吐き捨てるように女教師が言った。

「わたしがやりますから!」

彼女はすぐに駆けていって、どこからともなくモップとバケツを持ってきた。

 それをただ見ている主婦らではない。ある者は新聞紙を広げて落とし、またある者はそれをかき集め、最終的にゴミ袋にそれを回収していった。おかげで仕事は捗ったというものだが、さりとて好ましい出来事であるはずもない。

「うう……」

各々鼻をひん曲げて悪臭に耐える。実際以上に強烈に思えるものだ。そもそも、何が悲しくて、大の大人のお漏らしを処理しなければならないのだろう。考えるだに情けなくなる。認知症老人の介護ではあるまいし。

 そう思った時、ふと一人が当事者を見上げた。そいつはなんと当初の姿勢を崩すことなく、呆けたようにそのまま立ち尽くしているではないか。

 有紀は、ただ立っていた。自分でも自分が信じられなかった。粗相などという表現は可愛らしすぎる。もはや世界の終わりだと思った。

 今朝食べたのはなんだったろう。そうだ、ヨーグルトとフルーツだ。美容に気を使ったヘルシーメニューだ。昼は抜いた。だから、それ程でもないはずなんだ。そう、だからこの量で済んだ……

 彼女は立ち尽くしたまま硬直していた。どんな気休めも通用しない。その股の間から、何かの滴が落ちて波紋をつくる。そう言えば、胃腸からではなく尻から直接注がれたものもあったはずだ。食べ物以外に、出てくる汁もあるはずだ。それを、目の前の女どもが掃除している。ガラス珠のような目で有紀は前を向いていた。

「いつまでそうしているんです!」

怒号が飛ぶ。木偶の坊に、ヒステリー教師が気づいたのだ。

「ああ、もう!」

苛々としながら、彼女は博愛に動いた。自分が果たさねばならない職責に、そして相矛盾する侮蔑の情に苛々としながら。今為すべきこと、それは、有紀をトイレに行かせ、シャワーをさせ、着替えさせ……

「トイレに行くとか、しさいよ!」

通常であったなら、保護者にこんな口の利き方はせぬであろうが、今は自制できなかった。無論、誰もそれを責める者はない。

 暗がりの中動く人影は、同じ日に運動会があったとは想像もできない程、陰鬱な表情に沈んでいた。


〈つづく〉


H-novel_200-40







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