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作者が思いついたエロ話を羅列して自分を慰めるブログです。下品な妄想と低俗な文章に股間で共感して頂けたら幸いです。

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なお、掲載している小説はすべて作りごとであり、実在の人物・団体等とは一切の関係がございません。

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「オナこもりの小説」は、エロ小説を気ままにアップしていくブログです。たまに、AV女優や、TVで見た巨乳のことなども書いています。左サイドにある「カテゴリ」から、それっぽい項目を選んでご覧ください。

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小説には、連続作品と一話完結作品があります。連続作品は、左「カテゴリ」の各作品名より一話から順番に読むことができます。また「目次」には、各作品の概要などをまとめた記事が集められています。

■連続作品
◆長編作品
「子宝混浴『湯けむ輪』~美肌効姦~」

◆中編作品
「青き山、揺れる」 ▼「師匠のお筆」
「大輪動会~友母姦戦記~」(連載中)

短編作品
「ママの枕」  ▼「ブラック&ワイフ」
「夏のおばさん」  ▼「二回り三回り年下男」  ▼「兄と妻」

一話完結
「お昼寝おばさん」 ▼「上手くやりたい」  ▼「珍休さんと水あめ女」
「栗の花匂う人」  ▼「乳搾りの手コキ」 ▼「妻つき餅」
「いたずらの入り口」 ▼「学食のおばさん便器」  ▼「山姥今様」
「おしっこ、ついてきて。」

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大輪動会-プログラム#27-


 *

 たった一度の逡巡が取り返しのつかない結果を招くことがある。今の佳彦がそうだ。もっと敏感に気配を感じられていたはずなのに、ついに逃げるきっかけを失ってしまった。結果論ではあるが、上の階から来た一団が角を曲がって現れた時、出来ればその寸前に、兎にも角にも逃げ出しておけばよかったのである。それを邪魔したのは、あるいは好奇心だったのかもしれない。

「金光……」

廊下を歩いてきた一団のうち、先頭集団にいた者達が程なくして彼の存在に気付いた。教室から漏れる明かりに右半身を照らされていたのは紛れもなく佳彦であり、対する彼の目に映ったのは、友人の祥吾、雅也、克弘、俊之であった。思いがけぬ出会いに互いにギョッとし、気まずい空気が流れる。それを破ったのは、後から来た大人達だった。

「おい、何固まってんだ。さっさと入れよ」

小林はそう言って群衆を分け進むと、一切の躊躇なく教室の扉を開けた。中では、ちょうど前原が精も根も尽きた処だった。

「(クソ……)」

虚脱感に包まれて、すっかり戦意を喪失している。挿し込んだ“クソ”の穴が、いまだ海綿体をチューチューと吸引して離さない。そこから全ての精が吸い取られるようだ。低俗な欲望を果たせられて、彼の名誉はズタボロ。屈辱にまみれきっては、嘆く声も出ない。そのまましばらくは塞ぎ込んでしまう所だったが、しかし、それは許されなかった。

 彼が、まるでビンからコルク栓を抜くように、きつく締まった有紀の尻穴から男根を抜き出したちょうどその時だったのだ、教室の入り口が開き、小林らが入ってきたのは。ハッとして、とっさに目を走らせる。

「(居る!)」

ガヤガヤと入ってくる男達に紛れて、要注意人物はそこに居た。あれ程懸念していたのに、よりにもよって室内に入ってきた。前原は、また考えねばならなかった。まずはとっさに自身の身じまいをする。だが、次に庇うべき方はもはや手遅れだった。

 丸出しの尻と、その狭間でブクブク白い泡を吹く穴。それが母のものであり、どうやら我が家の弁護士がその肛門に今までペニスを挿していたらしいことに、佳彦は既に気づいていた。ただ、その行為の意味までは知らない。自慰も射精もしたことがない彼だ。ただ猥褻な行いであろうとはさすがに予想し、犯された母の尻を呆然と見ていた。

 そんな佳彦や前原をよそに、先に居た方と後から来た方、大人達はこれまでの経緯を説明し合っている。その話し合いの中で、先に帰らねばならない年若い子達に、取り急ぎ有紀を使わせてやることが決まった。

「あんまり時間ないからな。さくっと済ませろよ」

そう促されて、少年らが顔を見合わせる。前の部屋に居た時、確かに彼らは性欲に逸っていた。しかし今は、状況が状況だ。何しろ、“使う”べき女体が血を分けた息子が居合わせているのである。日頃から面識のある四名はさすがに躊躇した。そこで彼らは、とりあえず後輩に先を譲ることにした。恵太と優斗が素直に進み出る。二人は佳彦を知らない。

 まずは恵太。素早く体操服のズボンを降ろすと、ピーンと元気な陰茎を露出した。今日は二発もやったし、散々ほかの者らのやり方も見てきたから手慣れたものだ。彼の背丈に合わせて、種付け相手が窓から引き剥がされ、そのまま壁沿いに下降して四つん這いとなる。これなら十分に届く。恵太は丸々と肥えた肉尻に手を突くと、その谷間へ向かって腰を突き出した。

「どっち入れた? ああ、マンコか」

沼尻が傍から話しかける。

「ケツも使えるんだぜ」

それを聞いて思いついた鎌先が、順番待ちの者達に呼びかけた。

「そうだ、ちんたらヤッてもしょうがないから、一遍にヤんなよ」

すると、優斗以外の四名が、またもや顔を見合わせる。そして、チラリと佳彦の顔色を窺う。佳彦は、普段の横柄な態度にも似ず、やはりまだ呆然と前を見つめていた。現実を認識しているのかどうかも、傍目には分からない。そこには、怒りも悲しみも見えなかった。

 佳彦は見た。ただただ見ていた。素っ裸の母親が、その半分程の身長の、その上華奢な体型の男 児に後ろからペニスを挿されている。彼は知ろうまいが、そいつは自分よりも年下なのだ。そんな奴が、自分の母親に子 供を産ませようとしているのだ。それも初めてではなく、今日だけで既に二回も子種を注いでいるのである。

 優斗が進み出る。彼は前に回り込んで口淫を強いた。本日二度目の口淫である。まだ毛も生えていない股間に、大人の大きな頭がかぶさる。その頭に軽く手を添えて、優斗はうっとりとした表情を浮かべた。

 その顔を、やはり佳彦は見ていた。後輩が母にペニスをしゃぶらせて、気持ちよさそうにしている。意味は分からない。このもはや子作りですらない行為が、ひたすら一方的な性欲発散であるとは想像だにしない。なぜ母は、小便の道具を舐めているのか。後ろからはそれを割れ目に入れられ、前後挟み撃ち。二人から同時に排泄具を挿入される母。排尿器官を相手にするのは、さしずめ便器である。“使われる”とはこういうことなのか。母は便器なのか。

「おいおい、口かあ。口もいいけどよ、折角だから、二穴挿しヤッてくれよ」

優斗を見て、鎌先が言う。言ってから、彼はまた思いついて、今度は指図を始めた。すなわち、複数姦の段取りを知らないのだろうと思って、それを教え始めたのである。

「いいか、イイ女ってのはな、共有するもんだ。――おい、こっち来い」

煽られて、戸惑っていた者らも遂に動く。この期に及んで、ヤらないと言う方が勇気が要った。それに、ヤりたくないと言えば、嘘になるのだ。

「お前ら小柄だからな……よしっ! 一気にヤッてみるか」

鎌先のテキパキとした指導の下、適材適所の配置が行われる。すなわち、優斗は一旦引き剥がされ、恵太の所へ、空いた口へ俊之と克弘、最後の穴に祥吾と雅也である。

「オーオー、すげえな」

「いや、さすがに無理だろ」

見物人が物珍しそうに囃す。慶介、浩樹、竜二にとっては見たこともない試みだ。

「マジか、マジで二本入るか」

床に寝かされた最年少組、両の陰茎を擦り合わせ、まるで一本のようにする。それへ、有紀が和式便器よろしく跨って膣入れ。その背を前屈みにし、露わになった後ろの空洞へ、これまた二本を一本にした二年生組が、そして前方口の二名も同様だ。三穴に二名ずつ挿すというのが鎌先の案である。

「もうちょっと……よし、頑張れ」

小兵だからとはいえ窮屈には違いなく、とりわけアナルへの二本挿しは困難である。かなり体を捻らねばならなかった。すっかり共同作業になって、観衆も熱を帯びる。まさに運動会、就中組体操である。それだものだから、完成に至った時は、一種の達成感を共有することになった。

「よしっ! 六人乗り完成!」

「スゲー!」

軽い拍手すら起きて、当事者を讃える。

「このババア、今六本もチンポ入ってんのかよ」

「幸せだな、オバサン。一度に六人から犯してもらえて」

勃起型に頬を膨らませる当の本人、間抜け面に虚ろな目である。

「六本同時にヌけるなんて、偉いねえ、奥さん。肉便器の鑑だね」

「これで、回転も速くなるな。すっかり輪姦専用になった。良かったね、奥さん」

 “回転が速く”それを象徴するかのように、早くも果てていたのは恵太だ。誰にも言えなかったが、組体操で試行錯誤している途中でもう漏らしていた。唯一気づいていたのは、一つ女穴をシェアしている同居人。密着する裏筋に友の脈動を感じ、チラッと隙間から表情を見たものだ。そんな彼も、友人に遅れること数秒の後に、射精。前後して、二人の子種汁が一人の年増女の産道に注入された。

 続いては、アナルペア。打ち上げ花火よろしく連発は続く。最初、佳彦のことが気になっていた二人。だが、共同作業の難しさは彼らの気を紛らわせてくれた。遂には行為に没頭するようになり、雅也などは、

「ケツの穴って、こんなに広がるもんだな」

と、つぶやいた程だ。件の穴、称賛の通り、二本の勃起男根を見事に同時丸しゃぶりし、ちゃんと本来あるべき性欲処理の務めを果たした。もう排泄ではなく、男性を悦楽に導く為の遊具であると自覚している彼女の肛門だ。腸内を二発の精液浣腸が逆流する。

 彼らに対し、少し時間の掛かったのが口を担当する上級生組だ。刺激がやや弱いこと、そして体勢が楽なことから、二人は佳彦への意識が比較的薄まらなかった。しかし、それがかえって功を奏した部分もある。

 俊之は、チラッ、チラッと佳彦の顔を盗み見、そして、股間にあるその母親の顔と見比べ、

「(金光、見てるか。お前の母ちゃんにオレ今チンポしゃぶらせてんだぜ。息子の前なのに、母ちゃんチンポ放さねえよ。お前の母ちゃん、フェラうめえ)」

などと、ひねくれた思考をすれば、相方の克弘も、

「(オレ、金光の前で、金光のおばさんにチンチン舐めさせてんだな。スゲーな、この人、子 供の目の前で六本も同時にチンチン入れられてるよ)」

と、一人劣情を高揚させていた。結果、彼らもまた難なく用を済ますことが出来た。俊之は口内に、克弘は勢い余って顔面に。

 ピュッピュ、ピュッピュと、女体のそこかしこで起こる射精。膣、膣、肛門、肛門、口、顔。まさに精液便所な有紀だ。それを見守るは彼女の息子佳彦。頭の中は飽和状態で、どう考えていいか分からない。だから、見ることしか出来ない。一体どうするのが正解なのだろう。怒るべきか、泣くべきか、止めなくてはいけないのではないか。一体、友達に母を使われた場合の正しい反応とはなんなのだろう。

 思えば、祥吾と雅也は何度も我が家に来ているし、当然母親とも面識がある。その際自分は気づかなかったが、二人は何か特別な感情を抱いていたのだろうか。

「(お母さんのお尻の穴に友達がオチンチンを入れている……)」

 俊之と克弘だって母とは顔なじみのはずで、それにいずれの者とも自分は今日の昼間しゃべっている。その時はやはり何も感じなかったが。

「(お母さんが友達のオチンチンを口にくわえている…)」

 佳彦はぼんやりとムカデ競争の時、母が何か囁いていたことを思い出した。あれがなんだったのか結局分からずじまいだが、ひょっとすると、今見ている光景と関係があるのかもしれない。そして、その後運動場で裸にされたことも。

 裸。母は裸。おそらく、あれからずっと裸のまま。そうして、よってたかって体のあちこちにチンチンを入れられ、みんなに“使われて”いる。そうだ、と、周りを見渡せば、母以外は皆男。ということは、今見ているようなことを、ほかの男達もしたのか。母はこういうことをする人なのか。チンチンと過ごす母。自分の知らない姿……

 彼の中で様々な思いが渦を巻く。そこには怒りも悲しみもまだない。が、一つ感情があるとすれば、それは嫉妬に似たものだった。

 これとは別方面に頭を抱えていたのは前原だ。彼の思考はほとんど停止していた。

「(終わりだ。どうしようもない。かわいそうに、あの子はもう立ち直れないだろう)」

 ただせめてもの救いは、有紀の方がまだ息子を認識していないらしい点だ。これだけは守りたい。

「(いや、それも無理か)」

自嘲気味に彼は口角を歪めた。彼に出来ることと言えば、精々両者の間に立って、視界を遮ること位だ。そんな誤魔化しがいつまでも通用するものではないだろう。どうやら親子関係に気付いているのは自分だけらしいから、それを悟られぬようにする位は出来るかもしれないが……

「(それも彼女次第……か……)」

諦めが先に立つと、自暴自棄になり、やはり優先すべきは自身の逃走であると、彼はそれのみ考えるようになった。

「もう学校に残ってるのは我々だけ?」

窓の外に目を凝らしながら、ふと矢板が袋田に聞く。すると、沼尻が代わりに答えた。

「いや、そういえば、もう一人居たんじゃないかな。女の先生みたいなの」

「じゃあ、早めに切り上げて、移動した方がいいね」

 そんな会話が交わされた時、ガラリと扉が開いた。服部、そして比嘉だった。服部は陽気に、今しがた外で見た婦人連中との経緯を語りだす。有紀と前原の性交を窓越しに目撃したあの件だ。だが、その話は、比嘉のただならぬ驚きようによって中断させられることとなる。

「か、金光君……!」

 その叫びに釣られて、ゆらりと有紀が首を巡らせた。


〈つづく〉


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テーマ:官能小説 - ジャンル:アダルト

タグ : 輪姦 三穴同時



大輪動会-プログラム#26-


 *

「家からか?」

電話を終えた優斗に羽根沢が尋ねた。少し萎縮した様子で、少年が頷く。日が暮れても帰宅しない我が子を心配して、その母親が連絡をよこしたのだ。

 優斗は恵太のもとに寄った。この同級生もまた、手元のアプリケーションで親に返事をしているところだった。

「“金光君ちにいます”って言ってやりゃいいじゃんか」

小林が手近な者にそうアドバイスすると、克弘が同意も反対もしないで愛想笑いを返した。金光と距離を置く方針の家庭は多く、彼の家もその一つだ。金光の家にいるなんて言えば、むしろすぐ帰ってくるように言われるだろう。その点は、友人の俊之も同じだった。

 それに反して、金光家の名が有効な者もいる。雅也と祥吾だ。雅也の家は仕事上の繋がりから金光を無下には出来ないし、母子家庭の祥吾の家は、遅くまで留守である。何より、この二人は日頃から佳彦と交流があることを知られているから、不自然さがない。

「お子ちゃまは、そろそろ帰れってこった」

森岳がそう投げやりに呟くと、それをもう少しやんわりと袋田が言いかえた。

「あんまり遅いと怪しまれるからね。無理しないで、帰る人は帰った方がいいよ」

帰ると自ら言い出しにくかろうと気を回したものである。実際、この場で最年少の恵太や優斗はきっかけを自分でつかめない性質だった。もっとも、だからと言って、早く帰りたかったわけではない。

「んん? まだヌき足りないか? ヌき足りないんだろう」

ニヤニヤとして森岳が少年らの顔を覗き込む。すると、見られた方ははにかんで俯いた。図星なのである。

「それにしても、あいつらどこまで行ったんだろう」

腕組みして、小林が訝しがる。

「帰る前に、もう一発位な、ヤッてけたらいいのに」

それは彼なりの思いやりだった。聞いた少年らの顔がパアッと期待に輝く。

 *

 前原は教室の窓側の方、すなわち廊下と逆の方へと移り、低 学年用の小さな椅子に座っていた。その股間には有紀が顔をうずめている。

「分かった。逃げないから離せ」

先程そう言って、覚悟を決めたことを伝えると、続いて、座らせろ、と言い、椅子を求めて移動したのだった。そうして、わざわざ窓近くの席を選って腰掛けたのである。それもこれも、全て廊下から遠ざかる為だった。

「ヘッ、露出狂かよ」

竜二が口の中でつぶやくのを耳ざとく聞いて、浩樹が小突く。慶介も含め、不良三人衆の誰も前原の申し出に逆らわなかった。彼らの目論見にとっても、色々と好都合だったのである。

 電気を灯したせいで外は闇に沈み、窓には部屋が映っている。向こう側は見えず、ただ室内の光景だけ。そこには、諦めと蔑みの色を浮かべた、幽鬼のような白い頬があった。

「(お前の為だろうが)」

前原は、視線を眼下からも窓からも逸らして思った。ついさっき、女が自分をかつての愛人と認めたことを知った。思考は緩慢ではあるが、失われたわけではなく、彼我の岸を行ったり来たりするらしい。気づいた刹那、彼女の目にたちまち侮蔑の情が浮かんだのを、前原は見逃さなかった。

「(お前の為だろうが、クソッ)」

入り口の方を見やる。誰も気づかないが、隙間の漆黒に、微かに、ほんの微かにきらめく光がある。光は一定せず、ごく僅かではあるがまたたいていた。

 あそこからなら見えない、と前原は踏んでいる。己の顔を見られたことは仕方がない。が、肝心の母の顔は、そして彼女がしていることは見せるわけにいかないのだ。妙なもので、卑怯を自認する彼でありながら、越えてはいけない一線にはこだわりがあった。

 ところが、庇おうとしている相手には彼の気苦労が一切通じていない。彼女ときたら、実際にはこちらを見上げる位置にありながら、気持ちは完全にこちらを見下しに掛かっていた。真実を教えてやれたなら、どんなに楽だろうかと思う、お前と、お前の子供の破滅を回避する為なのだと。

「(それにしてもこいつ……)」

前原は、考えまいと努めながらも感じずにはいられなかった。翳りゆく肉棒が、口唇の摩擦で膨らみを増していく。唾液の中に、別の粘り気が加わってゆく。つい今朝も同じことをされたものだ、まだ愛人だったあの頃、愛をもって。

 無論、今、それが復活したとは思わない。が、行為自体は実にまめまめしく、まさしく奉仕活動にほかならなかった。先程誰かが言った通り、急速に慣れ、あるいは技術を仕込まれた結果だろうか。一体今日どれだけの本数をしゃぶらされたのか。ふとそんな考えが頭をよぎって、前原はそれを振り払った。

 だが、考えまいとすればする程、悪循環に陥るものだ。前原は最初、有紀に口淫させると聞いた時、ひょっとしたら噛み千切られるのではないかと危惧した。それが、思いのほか素直に始まったのは、一つに周囲からの脅迫もあるだろう。が、どうもそれだけではないのではないかと、彼は別な仮説を思いつきだした。

「(こいつ……)」

意思に反して猛り出す彼自身。有紀の奉仕は勢いを増し、睾丸を揉みしだき、竿を手で摩擦するまでになった。

「おいおい、やっぱりカレシさんにするサービスは違うね」

「妬けるねえ」

さすがに彼女の積極性を見逃せず、口々に面白がる男達。

「ヘッヘッ、元気になってきたじゃん、おっさん」

浩樹が揶揄する。

「(そうか)」

焦りながら、前原は半ば確信した。衆人環視の中、口先に反して勃起してしまうということ。その辱め、すなわち我が自尊心を傷つけることこそ、彼女の出来るささやかな復讐にほかならないのではないかと。

「(くだらない)」

自分の思い付きと、仮に本当にそうだったとしての彼女のやり口、そして何より、どうにもならない己が体の反応に対して、彼は落胆と焦燥を禁じ得なかった。そうこうする内にも、男根は今朝の如く種付け準備に着々だ。

「ク……ソ……」

もういい、とばかり身をかがめて逃げ、相手の肩を押し戻す。だが、彼の抵抗はすぐさま周りの監視者に止められた。

「なんだよ、イきそうなのか」

「(そうじゃない)」

なんの強がりか、前原は悔しそうに奥歯を噛む。なんのことはない、有紀のみか、自分もおもちゃにされているのだ。所詮は彼らの慰み者に過ぎないわけで。

「なんだかんだで勃起しちゃって。おっさんってさ、М? 見られて興奮するタイプ?」

自分を笑う声がグルグルと頭上を回る。その重みに耐えかねて、ふいに彼は窓の方へ首を傾けた。

「ヒッ!」

途端に悲鳴を漏らす。視線の先に映る目が、ちょうどこちらを見ていたのだ。青白い顔を傾け、唇をモゴモゴさせて。

 慌てて視界を前方に移す。すると、まるで追いかけてきたかのように、そこにもまた同じ目があった。

「あっ!」

背筋の凍る思いがした。その目はもはや何も語らず、蔑みも怒りも宿さずに、ただただこちらを見返していた。

「(なんなんだよ)」

前原の中で急速に苛立ちが募ってきた。自分の罪を棚に上げて、相手にそれを転嫁する。それは自尊心防衛の反動であり、且つはまた目下の恐れや恥じらいを払拭したい衝動からだった。

 その内心を見透かしているのかいないのか、とにかく有紀の口淫は一層の猛威を揮う。今や隈なく濡れそぼった肉茎と玉袋。そこからダラダラと滴り落ちる粘汁。鼻孔を広げ、呆けたように狂いしゃぶるは、果たして演技か本心か。その手で隆々と育て上げられたる筋棒は、ピクピクとはしたなく小躍りして衆人の関心を誘った。

 内一人が、助け舟を出すようにしたり顔で言う。

「そろそろ入れさせてやんなよ」

その指令で、痴女風の裸体がゆらりと立ち上がらされた。それを見て、前原が今更ながらにハッとする。そうだ、裸だったと。チラリと扉を窺うも、この煌々と照らされた中では、そこからバッチリ見えていることは明白だ。

「チッ……」

誰にも悟られぬ位小さく舌打ちして、彼自身は自分の露出部が見えぬように上手く体を返しながら、そうして相手のこともさりげなく裏向けた。すなわち、窓に向かって有紀を立たせ、自分がその後ろから重なるという体位だ。これなら、部屋の入口側からは、ほぼ自分の後ろ姿しか見えないだろう。経験少なな“彼”には、ちょっと意味の分からない行為だろうと読んだのである。

 しかし、周囲は当然、そんな配慮を知らない。

「ヘー」

クスクス笑いながら慶介がつぶやく。要は、自分から窓外へ見せつける位置に立ったと見えたのだ。ほかの者もそういう目で見ている。

 黒い画面には、彼らのその細めた目が数々映っているはずだ。だが、前原にはその一々を確認する覚悟が無かった。そればかりか、己やこれから性交する女の顔すら見ることが出来なかった。ひょっとしたら、犯されながら、その犯す男の顔をまんじりともせずに彼女は見ているかもしれない。それは彼の精神にとって耐えられないことだった。

「クソ……」

だが、苛立たしさは続いている。これこそがもはやよすがだった。誰かに責任を押し付けて他動化しないと、正当化出来ないのである。

 前原は怒りに身を任せるつもりで、突先を肉びらにあてがった。と、その時、浩樹が思いもよらない口出しをした。

「ああ、そうだ。その前にさ、カノジョさんがあんなに頑張ってくれたんだから、お返ししてやりなよ」

「え……?」

急な話に、思わず毒気の抜かれた返事をする前原。だが、その一瞬後には、みるみる顔色が青ざめていった。それはすなわち、クンニリングスをしろとの命令だった。

「ガッハ、天才かよ、お前」

竜二が手を打って喜ぶ。すぐさま彼は友の援護に回って、前原の両肩を思い切り押さえつけ、彼を跪かせた。

「やめ、やめろ……、おい!」

恥も外聞もなく取り乱す前原。その眼前には、開ききった黒い穴ぼこが二つ迫る。

「ヒィッ! やめ……っ!」

皆まで言わせてもらえなかった。絶叫の後、彼の口と鼻は、丸々肥えた尻の狭間にめり込んでいた。後頭部を掴まれ、そのままグリグリと揺すぶられる。そして、一定時間それを続けられた後、解放された。

「オゴッ! ゴッ、ゴホッ!」

苦しげにむせ返り、前原は浅く速く息を吐く。すぐさま第二の突撃。拒絶も何も聞き入れられない。それからは何度も何度も、突っ込んでは離れ、息継ぎしては潜り、尻に向かってキツツキ運動だ。

「何嫌がってんだよ、恋人だろ?」

濡れた前髪を張り付かせ、鼻柱からトロロを垂らす間抜け面を、竜二がせせら笑った。

「グアァ……オ、オゲエェー……!」

キツツキは答えず、ただ吐き気を催すのみ。実際に吐くものが出なかったことは不幸中の幸いだった。

「舐めたことないの? いつもクンニしないわけ?」

浩樹にそう問われても返す言葉はない。普段ならば、やるのだ。エチケットだと思って、義務的にやっている。但し、陰唇に対してのみ。だが、今は……

 彼の気持ちを代弁するかのように、沼尻が言った。

「まあ、俺だったら嫌だわな。ケツの穴舐めるなんて、よくやるぜ」

シモで繋がるのは平気な癖に、口でするのは不潔だというのが彼の不浄基準である。大方の意見も共通していた。

 ただ鎌先だけは、

「いやあ、アナル舐めも中々乙なもんですよ。特にベッピンさんのおケツはね」

と、独自の見解で一線を画した。

 しかし、そんな彼でも今それをあえてやりはしない。汚らわしいというよりも、ほかの者の前でやることに、喫緊の必要性を見出せないからだ。何しろ、さんざっぱら色んな男達の子種汁を連射注入された雌穴に顔を近づけるというのは、この場の流れとして些か弱者に対する仕打ちを想起させたのである。

 実際、前原の顔面はグショグショに濡れていた。もう誰のものかも分からない、ただ自分のものでないことだけは確かな汁にまみれている。その上を、いつしか溢れ出した涙が、スーッと伝った。

 パックリ開いた肛門に鼻先が深々と挿し込まれる。鼻で息をしないようにしているから、臭いは分からない。鎌先によれば、臭くないはずだとのことだが、真実はどうか。いずれにせよ、この屈辱的拷問に、前原の心は完膚なきまでに打ちのめされた。

「ゴッ、オッ、オーッ、オーッ!」

肩を怒らせて息を吐くその口周りには、有紀の恥毛がそよいでいる。ぶつかった瞬間、柔らかい肉とその表面のザラザラした感触が肌に触れるが、その際に張り付いたものだ。嗅覚はシャットアウトしても、触感はそうもいかない。

 何より彼が恐れたのは、穴の奥から生温かい風が吹き出すように感じられたことである。縦に並ぶ内、上の穴から吹き出す温風といえば限定的だ。それを顔面に浴びるなど、正気の沙汰ではないと思った。一方で、下の出口からも風が来るようである。だとすれば、それは体温の熱気であろう。彼としては、上の方からのものも、それと同じだと、とにかくどうしても不潔なものでないと、願うしかなかった。

 そういう境涯にあるものだから、

「そろそろ入れるか」

と言われた時は、つい最前の怒りを忘れて、ほっとしさえしたものだ。だが、ここでも最後の一悶着があった。当然に下方の入り口を目指す彼に、

「折角だから、ケツマンコ使いなよ」

と、浩樹が促したのである。前原は戸惑った。まだ不浄の念が強かった。しかし、拒めばまたしゃがまされるだろうことを示されれば、もはや選択肢はほかになかった。

「う……ぐ……」

彼のプライドが汚れてゆく、洞穴に潜り、その壁に擦れて。ただオスである機能だけを活かされ、交尾の時期も相手も選ばせてもらえず、いや子作りさえ許されないで、産道の裏の道を掘らされる。そは如何なる役目の坑夫や。有為な精子はただ排泄に消えるのみ。

 もっとも、本当に人格を否定されているのは、その坑夫に腸掘削される、女鉱山にほかならずは言うまでもない。

 *

「ちょ、ちょっと、あれ見て! あれ、何?」

目の利く一人が素っ頓狂にわめく。三人の主婦、用事を終えてようやく帰らんと校門近くまで来ていた折のこと、何気なく振り返ったものである。

「え? 何よ」

仲間の突然な騒ぎようにギョッとして、同じ方向を見る。すぐには分からなかった。すると、もう一人が先に異変に気付いた。

「あっ!」

その後はもう走り出していた。ただ、ある程度まで来ると速度を落として忍び足になる。その頃にはもう全員が理解していた。

「嘘でしょ……」

絶句して、口元を手で覆い隠す。校舎一階のある部屋で、裸の女が窓に両手をついて、その豊満な胸を揺らしている。見紛うはずもない。

「か、金光さん……」

震える声で一人が口にした。露骨に言うも憚られる事実ながら、それはもう歴然とし過ぎており。

 こういう場合、とっさにどうして良いか分からない。あまりに突飛な事件に遭遇し、平和な彼女らは対処しかねた。

 するとそこへ、どうしてか服部がひょっこり現れた。

「や、なんですか、あれは」

 実はカメラを構えて窓下に潜んでいたなんて露程も疑わない善女達。内一名は、服部の職業も知っていたので、半ば安心してすがり付いた。

「ど、どうしましょう」

「いや、信じられないですね」

驚愕し、やがて眉を顰め、次第に怒り出す風の服部。か弱い女らとは別の感じで震え出してみせた。

 そこへ、まるで図ったように合流したのが比嘉だ。但しこれは全くの偶然。ちょうど自分の任務を終えた所、騒ぎを感じて駆け付けたものである。

 増えたギャラリーの前でもなお、淫らなシーンは止まらない。彼らの位置からは、有紀と、その背後にいる前原だけが、灯りの中で辛うじて見えていた。

「あれは……金光さんとこの弁護士の……」

本日二度目の観測者となった比嘉。動揺した会話の中で、自然と口を滑らせる。

「え、じゃあ、不倫……?」

これまた口を滑らせて、主婦が申し訳なさそうに口元を隠した。しかし、この頃にはもう、不謹慎な好奇心が頭をもたげだしている。ほかの同志もだ。

「エー、だって、さっき……ねえ?」

これはもう完全にゴシップ好きが恰好のネタにありついた様子である。彼女はそのまま思わせぶりに視線を配って、先に出くわした廊下の一件を話題に出しそうにした。

 が、生憎その機会は遮られた。

「学校で何をやっとるんだ!」

怒り心頭に発した態の服部が、注意すると言って校舎へ向かいだしたのである。

 慌ててそちらを追いかけつつ、比嘉が振り返って言った。

「あ、お母さん達は、もう帰って下さいね」

それを聞くと、服部も踵を返して同調した。

「そうそう、お気をつけてね。危険なことに巻き込まれちゃあいけませんから。後は任せて下さい」

「はあ……」

やや後ろ髪引かれる思いはありながらも、“危険”というワードに何やら重みを感じ、主婦連の猟奇の芽はここで摘み取られた。

「ああ、それから――」

比嘉が付け加える。

「このことは出来るだけ」

唇の前で指を立ててみせる。

「ハーイ」

言われた方はわざとらしく首をすくめ、少しいたずらっぽく小声になって返事した。そうして比嘉に守られ、校門の手前まで戻る。そこで男組と女組は分かれた。

 帰路、興奮冷めやらぬ女達は、当然とばかり口さがなく噂し合った。

「でもさ、あんなことの後で、よく出来るよね。汚くない?」

「ねえ、思うんだけど、あれもプレイとかだったんじゃない?」

「うわ……キモ……ヤバい、わたし吐きそう……」

「え、大丈夫?」

火の付いた彼女らを一体誰が止められようか。果たして、これ程の事件に遭って、しかも仲間があって、慎ましく自制する方が稀有である。

「見て、これ」

「あ、え、嘘、いつの間に撮ってたの?」


〈つづく〉


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大輪動会-プログラム#25-


 *

「誰が呼んだのよ、まったく」

口をへの字に結んで、ある主婦がこぼした。そちらを指して言わなくとも、皆誰のことか分かっている。知らぬは当人ばかりなり。この店で盛り上がっているのは、金光のいるテーブルだけで、ほかはあからさまに白けていた。

「今まで来なかったじゃんねえ」

友人の女も同調する。これまで金光が役員の打ち上げ会になど来たことはないのだ。

 向かいに座る島田は“まあまあ”と苦笑いでなだめながら、目の前の刺身を勧めた。本来なら、自分だって金光と同じ宴席になど出たくない。だが、今日ばかりは彼を間近に見ていなければならなかった。

「(それにしても……)」

溜め息つきながら、彼は考える。先程の電話で、小林が言っていた内容だ。

 本来なら、今頃有紀を自宅に送り届け、一連の事件からは既に手を引いているはずだった。この宴会は、それまでのいわば時間稼ぎ。家に帰った金光が、あられもない妻の姿を見て屈辱にまみれるか、あるいは妻がこの件を隠し通したとして、寝取りの真実を知るこちら側が密かに嘲笑うか、いずれにせよ、顧問弁護士と彼女との不適切な関係は動画の流出により世間に暴露され、金光は醜聞を避けられないという筋書きだった。

 たとえ自分を姦淫した犯人の名を有紀が訴えたとしても問題ないと踏んでいる。証拠がない上に、ここまで大がかりで突飛な話は真実味がなく、誰も真に受けないだろう。それに、恐らく金光は事実を公表しないだろうし、仮に追及を始めたとして、それを信じ、協力する人間はこの町に皆無だろう。なぜなら、彼は一番大切なもの、人望をないがしろにしてきたからだ。どんなに土地の名士で小金を持っていようとも、利潤の出ない個人的な用事にまで付き合う道楽者はいない。そして、その頃にはもう、スキャンダルによって彼の名声は少なからず傷ついているはずなのである。

 とはいえ、島田らの我が身に災難が降りかかるかどうか、それは一種の賭けだった。金光がその気になれば、直接的復讐に転じないとも限らない。それでも、島田はリスクを取った。慶介ら、コミュニティの若手が罪に走った以上、この船に乗るしかないのだ、と。むしろ、これを奇貨として、皆の敵を葬り去る機会だと考えた。

 島田はお猪口を煽った。酒が喉に染み通る。彼は熱い男だ。醜悪な罪人に成り下がってなお、この町の繋がりを信じている。その辺り、この閉鎖的地の因習文化を色濃く受け継いでいると言えた。

「(しかし……)」

一方で彼は頭を抱えた。現実は筋書き通りにいかない。彼らはまだ犯し足りないと言う。被害女性への同情心などいまだ湧かないが、さすがにこれ以上事を大きくしたくないという焦りはある。

「(金光が帰宅した時、妻が居ないとなると、奴はどう出るか……)」

彼は場を眺めた。白けきった空気。この宴は長くもつまい。しばらく考慮した後、彼は携帯電話を手に取り席を立った。

 *

「ンンニイギイヒイー……!」

歯を食いしばって、拷問に耐える有紀。死んだようであったのが、その時ばかりは息を吹き返す。

「ああ、ホントだ、ヤッベえ! すぐイッちまう」

「だろう?」

新しい快楽穴を味わい歓喜する竜二に、先達の沼尻が得意気である。功労者鎌先も嬉しそうだ。

 前原は膝を抱き、震えながらそれを見つめていた。玄関ホールからすぐ横の部屋に連れ込まれたその一瞬後には、もう地獄が再開していた。外道共に尻と膣同時の交尾を強いられるかつての愛人。目を覆いたくなる惨状ながら、しかし何故か目を離せない。

「女を置いて逃げんのかよ」

先程慶介に詰られた。逃げ出そうとしてもどうせ捕まえるだろうが、と恨み節を思う。だが真実未練はない。ないのだ。保身が第一。体裁など構っていられない。それに、女の方でも愛想を尽かしているに違いないのだ。

「(そうだよ。オレはクズだよ)」

そう居直って、前原は逃げ腰ながら有紀を見つめた。怖いもの見たさであった。この凶悪事件の結末、そして愛人の自分に向ける感情を。

 暗がりの中、白い肌がヌルヌルと動く。怖い、まるで亡者の様な女の乱れ髪が。そのやつれた頬の上の目が。その目に光はあるのか。それと目を合わせることが、

「(怖い!)」

とてつもない恐怖。それでも視線を外せないでいる。そんな彼を浩樹が揶揄した。

「おっさん、勃起してんじゃないの?」

浩樹は今、相方と共に有紀をシェアしている。竜二が後ろ、彼が前だ。

「次、おっさんヤッていいぜ? 好きなんだろ? このオバサンが」

クスクス笑いながら、彼は続けた。片や、竜二は、

「おお、ヤベえよ、こっちの締まりキツ過ぎ」

と、相棒程も余裕がないようで、というのも、両穴からこすり合う時、肉棒への締め付けが今まで以上になるからと、今にもエレクトしそうな勢いだ。

「どうだよ、おっさん、ああ言ってるぜ。次ヤんなよ」

傍で見守っている慶介が、前原を見下ろして囁く。前原は、背中を壁に押し付け、尻餅をついたまま、無視を決め込んで前を向き続ける。そんな相手に視線を同じ高さまで下げながら、慶介が今度はやや威圧的に言った。

「おっさんさあ、さっきまで捕まってたんだろ?」

僅かに感情を波立たせる前原。しかし、驚きを表すまでには至らない。慶介は続けて煽る。

「おっさんが犯人だったんだって? 明日警察に連れて行かれるんだってな。ご苦労さん」

「(そんなはずはない。もう解放されたんだ)」

前原は視線を動かしもせずに心で笑った。

「さっき言ってたぜ、ポリが」

少し雲行きが怪しくなってきた。だが、まだ動揺するには根拠が足りない。

「あんた、帰れるって思ってたろ。けど、今晩泊まって、明日署に連れてかれたらもう終わりだな。ほら、チカンって一回取り調べまで行ったらもう助からないだろ? あれとおんなじ。冤罪ってやつ?」

悪魔のような囁きを続ける慶介。

「あ、冤罪じゃねっか。おっさんは実際ヤッてたし。――ま、オレらの分も、頑張って償ってくれや」

「(何を言っている?)」

前原は思いを巡らせた。この程度の情報攪乱に取り乱すはずはない。が、ひょっとすると、先程の警察官とこいつらがグルだという可能性はある。そう言えば、さっき顔見知り風だったではないか。にわかに彼は不安になってきた。

 と、ちょうどその時、竜二が腸内種付けを終えた。すると、一緒に立って彼と板挟みで繋がっていた浩樹も、自分はまだ途中ながら一時接続を解いてみせた。そうして何をするかというと、使用済みの場所を見物人に見せつけるというのだ。

 ちょうど目と鼻の先に、今の今まで男根が嵌まっていた肛門が近づく。それはポッカリ黒い口を開けており、その淵から粘液をスーッと垂らした。顔をしかめる前原。すると、その感想を代弁するかのように慶介が言った。

「うわ、きったねえ!」

 前原は三角に折っていた足を手前に引き、一層縮こまって、足先に汁がかかるのを避けた。もっとも、実際には避けずともかかることはなかったのであるが。

「ほら、おっさん、空いたぜ。早くヤれよ」

「ケツの穴は初めてか。オバサンはもう初めてじゃないんだよなあ。ワリい、カレシさんよりお先に食っちゃって」

「いやいや、とっくにご経験済みなんじゃないの? でなきゃ、こんなにズブズブ入んないでしょ。マジこのオバちゃんのケツマンコ極上だから」

「どっちでスんの? マンコ? アナル? 好きな方選ばせてやんよ」

口々に囃し立てる竜二と浩樹。前原が相変わらず沈黙を貫いていると、慶介がまた先の続きを言い出した。

「ヤッた方がいいと思うよ。明日警察行ったらさ、もう当分女抱けないっしょ。それに――」

ここでグッと顔を近寄せる。

「ここでマワしたらさ、逃がしてやってもいいぜ」

「(な……?)」

前原は耳を疑った。次いで、一人納得した。

「(フン、そうか)」

こいつらは自分らの罪が露見することを恐れているのだ、と。そうして、仲間に引き入れようとしているのだと。

「ほら、早く、ヤッてるとこ見せろよ」

竜二がじれったそうに、携帯電話をいじり出す。それでまた録画しようとでもいうのか。

「(冗談じゃない。ヤるわけないだろう)」

前原は意思を固めた。仮に彼らの言い分通りだとしても、正当な手続きで以て対処すればいいだけの話だ。逃がしてくれるという提案は一見魅力的だが、それと引き換えにどんな搾取を受けるかもしれない。何より、この輪姦劇に連なるなど真っ平だ。

 だが、気持ちで抗っても、この窮地には変わりがない。男共に取り囲まれているのだ。

「オラ、さっさとヤれって」

掴みかからんばかりに脅す竜二。それを後ろから見て鎌先が、

「おいおい、無理強いはよくないなあ」

と穏やかに諌める。いや、止める気などは毛頭ない。それが証拠に、一歩も動かずに笑っている。

「お姉さんの方にも協力してもらったら?」

彼はさらにそんなお節介な提案までした。すなわち、有紀から奉仕させようというのだ。

「いいじゃん。カノジョにしゃぶってもらえよ」

「なんだよ、勃ってねえんだったら言えよな」

不良らは口々にからかいながら、前原のズボンに手を掛け始めた。

「や、やめ……!」

そう言いかけた時、ふっと後ろに気配を感じて、前原は咄嗟に口をつぐんだ。壁の外は廊下、そこに何か近づく者がいる。心が妙にざわつき出す。

「(そう言えば、さっき……)」

逃げている最中にあったはずだ、何か重要な、何か。

 その時、どうしてか分からないが、ある場面がふと脳裏に思い浮かんだ。

「なんのゲームやってるの?」

そう尋ねても少年は返事をしない。ちょうど母親を待っている間のことだ。無愛想な子で、いつ会ってもふてぶてしい態度であった。

 だが、前原はその程度のことで動じない。クライアントの家族に媚びることも、大事な営業だ。ちゃんと対策を用意して、次に会った時、彼は言った。

「裏ワザ教えてやろうか――」

 それは、ゲームに詳しい知人を使って手に入れた、不正な改ざんデータだった。

「――佳彦君?」

 彼はこちらを見た。その時初めて目が合った。そう、つい先程階段下で出くわした、あの目。

「暗いな。電気点けようぜ」

沼尻がスイッチの所に向かう。

「お、おい!」

止めようとして焦った前原がつんのめってこけた。ちょうどベルトを緩められている途中だったのだ。

「何やってんだよ」

口々に笑う男達。獲物がうつ伏せに伸びる格好になって、返ってズボンを脱がしやすくなった。灯りが点くのと、その光の下に前原の尻が露わになるのとはほとんど同時だったろう。教室の床に陰茎がこすれる。

「ま、待て!」

股間を押さえる前原、自身への攻撃と電灯を点けるのとどちらも制止したい。周囲にこの部屋が見つかってもいいのか、それを隠す為に暗くしていると思っていたのに、と面食らう。

「ほらほら、オバサン、好きなチンポしゃぶってやれよ」

仰向かせられた前原のもとへ、頭を掴まれた有紀が、ゆらゆら、ゆらゆらと、微かに揺れながら近寄ってくる。

 前原は改めて視線を向けた。頬を引きつらせ、まんじりともせずに彼女の顔を見た。するとどうだろう、その焦点の定まらぬ目には、なんの感情も見えないではないか。怒りも恨みも見えず、ひょっとしたら、自分の事すら認識していないかもしれないのだ。

「お、おい……」

恐る恐る呼びかけてみても、それらしい反応がない。

「(やっぱり分からないのか?)」

そう考えると、思わずほっとしてしまう。彼女に憎悪をぶつけられる心配がないからだ。やはりまず思いつくのは我が身の心配である。

「散々しゃぶらされたからな。前より上手くなって、びっくりするぜ」

浩樹が後ろで笑うのを聞いてか聞かずか、虚ろな瞳の有紀は、しかし着実に作業に入ろうとしている。相手が誰のものかにかかわらず、それを口に含み、発情させるのが仕事だ。

「や、やめろって……」

口の中でつぶやく前原。互いに望まぬオーラルセックスだ。一体何の為にするのだろうか。彼は近寄ってくる者が、意思を持たぬ動物のように見えて、急速に怖くなってきた。その逃げようとする所を、周りの手が押さえつける。

「あ、あ……」

顔が、近づく。股間に、近づく。

 と、その時だ、前原の視界を廊下の外の影がよぎったのは。ハッとして思い出す。

「(まずい!)」

彼の憂慮をよそに、教室のドアが、ほかの誰に気付かれることもなく、そおっと僅かに開きだした。


〈つづく〉


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